88 めざせリア充村3
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[だから名前を呼ばない。
呼べば本当にカリュクスが過去になってしまう。
それを何より恐れて
その後に彼女が目覚めることを何より恐れて
愛しく――憎い擬体を抱えて
階段を上って地上へと。]
――な、ぁ
[掠れた声での囁きは。
絶対にポプラの耳でも拾えないだろう。]
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[きょろきょろと周りを見回していれば、近付いてくる人>>14 伸ばされた手にびくりと身を引いたが、その手が髪を優しく撫でれば
安心したようにふにゃりと笑って]
ええっと……
(15) kaisanbutu 2013/07/06(Sat) 09時頃
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チアキ……。
[>>25状況の分かってないまま、質問に答える。 それからふと、表情をあかるくして]
……ちょっと前まで、だれか、すごく優しい人達がいたの。 それだけは、知ってる。
[にこり、ごく幼く言ってから ふと、目の前の子が寂しそうにしているのが分かって、眉を寄せた]
……どうしたの?大丈夫?
[こてり。首を傾いで。 そばにいた人達に、おろりと少しだけ怯えた視線をさ迷わせる]
(31) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 00時頃
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[>>33名前を呼ばれ、きょとんとしてしまった。 怯えて隠れようとするけど、先程目の前の子が大丈夫と言ってたから おずおずと、顔をあげる]
(“チアキ”なら、しなかった仕草)
……だぁれ?
[近付いてくる人に、そぉっと訊いてみる。 なんだかこの人ガラ悪そうだよ?本当に大丈夫?と女の子に視線を向けてみたりして。 あどけなく、残酷に、未知のものを見上げる]
(34) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 01時頃
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[>>36彼が激昂しかけたのを敏感に察して、びくと首を竦め、目を閉じる。 それでも、予想していた怒声も衝撃もなくて、そろそろと目を開け]
ヤニ、ク……さん?
[こて、と首を傾いでから、しまったかなと思う。
彼が傷付いたことは察せられて、慌てて目を伏せた。 なんと呼べばいいのだろう。なにを話せばいいのだろう。 紙の資料さえない自分には、わからなくて。
ばかでごめんなさいと、小さな声で呟いた]
(37) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 01時半頃
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[伸ばされた手と大きな声に、またぎゅっと目をつぶる。 殴られなれた子供のような仕草。瞼の裏にちらつくのは、白衣と青の服]
……ともだち?
[予想していた痛みはなく、代わりに落とされたのは、静かな声。 どこか迷うような響きは、すとんと胸に落ちた。 欠けていたパーツが、欲しいところにはめられたような、充足感]
ヤニクは、友達。
[そしてこっちの子は、家族。
ふにゃ、と 幸せそうな笑みを二人に向けた]
(43) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 02時頃
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[胸のどこかに、妙なしこりがあったけど。 いまは、それが何かはわからなかった。 だから、ただ無邪気に]
(44) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 02時頃
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[俺が“チアキ”でいいのかな?とちらりと思った。 きっと、彼らの言う“チアキ”と俺は違うから。 彼らのことを忘れた俺が、“チアキ”でいいのだろうかと。
でも、この温もりを手放すのは惜しすぎて。 ごめんね、と過去の自分に謝っておく。
きっと、記憶が戻ってもこの選択は間違ってたとは思わないはずだ。 だって、こんなに幸せなんだから]
(50) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 02時半頃
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友達、友達。えへへ。
……ね、俺、記憶ない、んだよね。 きっといっぱい迷惑かけるね。……けど!いっぱい頑張るからさ。
(51) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 02時半頃
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……よろしく、してもいい?
[おず、と二人を見上げて なんの屈託もなく、笑った]
(53) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 02時半頃
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[志乃とヤニクに髪を撫でられ、抱き締められて手の温もりに目を細める。 志乃、ヤニク、と小さく繰り返して]
しーちゃん。
[抱き締めてくれる子を、そぉっと呼んでみた]
(60) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 11時半頃
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[頑張らなくていいよ、と二人から言われて、少し不思議そうな顔をする]
……でも、
[でも、それが二人とも単なる優しさではなくて、何かもっと複雑な感情が混じってる気がしたから いいかけた言葉を飲み込んで、こくり。
>>59女の子の声がしたのは、そのときか]
え、っと……
[捲し立てるように投げられる冷たい温度の言葉に、困って眉を寄せる。 おろり、さ迷っていた視線は、震える声に止まって]
大丈夫……?ごめん、ね……?
[おそるおそる、手を伸ばした。 きっと、自分のせいだと分かっていたから。
以前のチアキなら、リッキィにそんなこと決してやらないのに]
(61) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 11時半頃
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[手が払われ、じわりと熱が広がる。 冷たい、悲しい声に罪悪感と困惑が顔に出た。
また謝ろうとしかけて、ぎゅっと口を結ぶ。 俺はこのときどんな顔をすればいいのだろう]
……ん、そっか。
[なんにも思い付かなくて、目を伏せる。 拒否された質問を、繰り返すことはなく。
ぎゅっとそばにいたヤニクの服を握る。 志乃にそっと視線を向ける。 人見知りの子供のような仕草は、以前のチアキとは違い、なんの計算も裏もなく]
(65) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 12時半頃
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[ああ、そうか。彼女はリッキィというのか。ヤニクの言葉で、初めて名前を知る。 見上げれば、視線を外された]
……ヤニク?
[しゃがみこんだ彼に、不安そうに首を傾ぐが、リッキィが近付くのを見るとそれ以上はなにも言わず。 リッキィを抱き締め、言う内容を聞いて なんとなく、俺はいままでも迷惑かけてきたのかなあと、思った]
(僕はどうすればよかったんだろう)
[俺はどうすればいいんだろう。 誰かの期待を叶えようとするのは、前と変わらず。 でも、俺は何もわからない何も知らない。 だから、ただ邪魔をしないように少しだけ哀しそうな顔でおとなしくしていた。
床に足をつけてみる。 ひや、と冷たくて、それからその足に巻かれた包帯に不思議そうに触れてみた。
痛みはない]
(70) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 13時半頃
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[足を気にしていれば、ふと影が落ちる。 自分の方が痛そうな顔をしたヤニクの手が、包帯に触れた]
うん……?
[痛みがないのに巻かれてる包帯と、ヤニクの言葉にクエスチョンマークが浮かんだけど。 心配してることは分かったから、こっくり頷いた。
ためらい傷だらけの足は、包帯に隠れて見えない。 爪のない手も、同様に]
……痛くないよ。
[口にしてから、ふと。 奇妙なデジャブが過って、それを強制的に押し込んだ]
(73) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 15時半頃
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[傷を治せるとは、どういうことなのだろう? きょとんと首を傾いでみるも、立ち上がった彼に尋ねるタイミングを逃した。 なぜなら、彼が真っ赤な顔をして抱き寄せていたリッキィを離したから。
俺が志乃に抱き締められていたのとは、また違う感情が混じってる気がしたから、不思議そうに眺めてから視線を室内に。
変わった部屋には、他にも数名の人がいて 志乃を見るけど、危ないことはなさそうだったから 手近なカプセルに座って、周りをおそるおそる見回していた]
(75) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 16時頃
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[>>84どうしたい?と問われて、しばらくきょとんとする。 まるで外国語で話しかけられたような反応で、首を傾げて]
したいこと……?
[それから、ううんと困ったように唸る。
くぅ、とお腹がなった]
……ケーキ食べたい。コーヒーも。
[ぽろりと、そんな言葉が漏れていた]
(85) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 19時半頃
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うん、お腹すいた。俺どのくらい寝てたの?
[微笑みに頷き返して、他意なく尋ねる声は明るく。 ふと、言葉に詰まった彼女に首を傾ぐ。 また、俺なにかやっちゃったのかな……?
俯いた顔は、どんな顔をしているんだろうか]
うん、お茶会しよう。みんなで。 俺もお手伝いするよ。
[それでも、訊いてもきっと大丈夫と言われてしまうかなと思ったから 努めて気にしてない顔をして、笑った]
……よく思い出せないけどさ、 誰かと約束したんだ。確か。 今度お茶会しようって。
みんな、でお茶会やったら、約束守れるね。きっと。
(87) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 20時頃
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[なぜ謝るんだろうか。 困ったように眉を寄せる彼は、記憶を封じてもやはり、チアキ以外の何者でもないのだろう。 チアキがベースにしていた感情はそのまま、ただ屈折した家族愛や鬱々とした不安が失われただけで]
うん……?
[どこか幼く響いた声に、不思議そうな顔で頷く]
(91) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 21時頃
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……しぃちゃん?
[涙に震える、しかし意思のある声に、不思議そうに首を傾ぐ。 啜り泣く彼女の背中におずおずと触れて]
……ごめんね、俺のせいだね。 泣かないで、泣かないでしぃちゃん。ごめんね。
[初めて名前を呼んでくれたその人の涙を止めようと、周りを見回す。 ふと、思い付いて とても自然なことのように、そばにあった机からペンを取った]
ね、俺手品できるんだよ?
[たどたどしく、必死に親を慰める子供のように言う。 ペンの上で指を動かせば、それは愛らしいクマのぬいぐるみになっていた]
ね、ほらあげる。しぃちゃん。
[それから、暫く。泣き止むまで、不安そうな顔で側にいた]
(96) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 21時半頃
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[志乃が少し落ち着いてきたので、飲み物でも探そうかと立ち上がる。 きっと、誰かに訊けばわかるはずだ。なんて思っていると]
ふぁ?
[>>101どこからともなく、子供が足元にきた。 見下ろすきょとんとした目と、見上げる白い目が会う]
……だぁれ?
[また、この子も哀しそうにするのかなと思いつつも、自分にはそれしか把握する手段がなくて。 せめて、なでりと頭を撫でてみたりして]
(105) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 22時頃
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……キィちゃん。
[>>-107発せられた甲高い音にしばしきょとんとしてたけど なんとなく、そう呼んでみた。 温かくも冷たくもない温度のその子に抱きつかれ、くすりと笑う]
……呼んでるよ?
[しばらくされるがままにしていたけど、彼に向かって手招きする青年をみれば、そっと教えて ぽん、ともう一度、頭を撫でた]
(111) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 22時半頃
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[酷く嬉しげな顔で去っていった子供を見送る。きっと、あの子も知っていた子。 思い出せないのは哀しいけど、志乃が泣き止んでくれて、子供に喜んで貰えて 俺も、なんだかふんわりした気分になった、
ぺたり。探索する気分で、室内を歩いてみる。 ふと、部屋にあったモニターとカプセルに目を止めた。 そういえば、起きたときあれに入ってた]
……ねえ、これなんですか?
[くい、とそばにいた白衣の裾を引っ張る。 さっきの女の子が、大丈夫といったし。ヤニクという人も、大丈夫だったし。 無愛想な白衣は、答えてくれるのだろうか]
これ、なにしてたんですか?
[名前を呼ぼうとして、まだ訊いてないことに気が付いた。 目を伏せて、おず、と尋ねる]
えっと……すみません、あなたのことなんと呼べばいいか、俺思い出せなくて……。御名前を訊いても……?
(125) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 23時頃
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ミナカタ先生……?
[復唱して、それから告げられる言葉にこてりと首を傾ぐ。
実験とは、なんなのだろうか。悪夢を見せて、何を実験? 悪夢といまの自分の状態は、きっと関わりがあるのだろうけど、いったい何が起きたのか。
……悪夢、“悪夢”?]
わぷっ
[思考は、頭をやや乱雑に撫でられて止まった。 何か言いたげに見上げたけど、詳細を話すことはしない彼に尋ねるのは駄目なのかもしれないと追求はせず。
なぜ悪夢という単語に引っ掛かったのかも忘れてしまった]
ん……うん。わかりました。
[こっくり頷いて、そのまま暫く撫でられていた。 心地よいような、落ち着かないような気持ちで]
(137) kaisanbutu 2013/07/07(Sun) 23時半頃
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[>>139いい子と褒められて、ふにゃりと笑う。 志乃の言ったように、大丈夫だった。よかった]
……ありがとうございます。
[嬉しいけど、どうやったら感情を伝えられるのかよくわからない。 それは、記憶障害を発症する前からのこと。
少し考えてから、志乃がいっぱいハグしてくれてたからと自分も白衣に抱きついてみた。 ぬくい]
……ん、あれ。
[ふと、自分の頬が濡れてることに気が付く。 髪でも目に入ったのだろうか。 ぐしりと擦ると、余計酷くなったのかぽろぽろ流れる。 ミナカタから少し離れて、目を擦って
意味のわからない涙を、不思議そうに見ていた]
(146) kaisanbutu 2013/07/08(Mon) 00時頃
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チアキは、恥じらいつつ振り直し… 69(0..100)x1
kaisanbutu 2013/07/08(Mon) 22時頃
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―数日後、廊下にて―
[心的外傷の大きさから、訓練とやらを一時的に休止されて早数日。 チアキはきょろりと廊下を見回していた]
……さっきと同じ道、な気がする。
[ぼそり、呟きは明らかな迷った宣言。 話によると、自分は五歳からここで暮らしてたらしいが、今の自分にはまったく記憶のない広い広い建物内。 迷った回数、3回]
……はぁ。
[迷惑も心配もかけないで、ちゃんと一人で何でも出来るようになろうとしてるのだけど、やはり記憶障害というものは大きくてなかなか上手くいかない。
やれやれと首を振って、誰かに道を聞こうと手近な部屋に足を向ける。 ミナカタのカウンセリング ―という名の再教育― の時間が迫ってるのだ。 部屋で休んでるだろう誰かには少し申し訳ないけど仕方あるまい。
たまたま目についた、その部屋の主がライジという名だなんて知らないし、夢の中で敵対した相手の部屋だなんて、知るわけがない]
(177) kaisanbutu 2013/07/09(Tue) 00時頃
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[こんこん。扉を叩く。 反応がなければ、今度はもう少し強く]
(178) kaisanbutu 2013/07/09(Tue) 00時半頃
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[返ってきた、知らない人の声。 白衣の人だと嫌だな、と思った。 だけど、たまに声をかけてくる彼らは、冷たい声だ。 この声はなんとなくあったかい]
お、おじゃまします……。
[だから、おずおずと扉を開けてみた]
すみません、道に迷ってしまって よければ、道を教えてもらえたら…と、……?
[部屋で本を読むその人のことは、どこかで見た気がする。 じぃ、と彼の顔を見ながら、誰だろう、と記憶の糸を手繰って 自分の記憶が始まったその日に、あのカプセルの部屋にいた人だと思い当たった]
あ、えと。お久しぶりです……?
[反射的に頭を下げた]
(195) kaisanbutu 2013/07/09(Tue) 00時半頃
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[身構えた気配、強張る声。 なんでもないような仕草と言葉の端々から、そんな反応が伝わって、おろ、と視線をさ迷わせる]
えと、ミナカタ先生のとこに行きたいのですが……。
[なぜだか、この優しげな人は自分がこの場にいるのを嫌がってる気がする。 ならば、早急に立ち去らなければと思うのだけど ……なぜだろう、この人に何か言いたいことがある気がする]
あ、あのっ、前にお会いしましたよね?あの、実験室で…… すみません、俺のことだれかから聞いてるかもしれませんけど、その俺、いま記憶がちょっと混乱していて……
[言い淀んだのは、それを言った後のみんなの反応を思い出して 悲しげだったり、切なげだったり。そんな顔をまたさせるのかと思うと、言葉が出なかった]
……すみません。御名前を訊いても、いいですか…………?
[それでも、自分はこの言葉、この記憶しか持ってない。
傷を付けることに怯えながらも、それでも話がしたくて。びくつきながらもいつもの質問を口にした]
(207) kaisanbutu 2013/07/09(Tue) 08時頃
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