219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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[───其処で、だ。]
─── ”鎧龍王” !
珍しいもんがあると話にだけ聞いちゃ居たが、 実物があるんですか。御店主。 [但し。 レアものはレアものでも、 ひと昔どころかふた昔前に生きた男は>>#36 "老兵”の話を聞いておらずとも、 「──あれ、そんな古ぼけたもんだっけなァ」と 首を傾げたものだったが、───…。]
この輝き、この燦きってのは、 正に”王者”の風格─── …。
(265) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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[鍵の掛かったショーケースを前、 男も目の前にすれば「いいなァ、」と羨むよな、 普段であれば確実に見せはしなかった童心を 黒玻璃に見え隠れさせて───。
実際には、男も見た事の無かった アンティーク・ゴールドを冷えた硝子越しに ひた、と触れる。]
(非売品である事に惜しんだのも、 ─── 一瞬。)
[ふッ と、自らが口にした単語に 何かを思い出したかの如く、うつつに帰るよう 文字通りの瞬きをひとつ、ぼやいた。]
(266) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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そう言えば。 この「王」も対になるバッジが あったんでなかったか? ───…確か、あれは妃だった気がするが。
(「……横文字なら、妃も女王も。 同じQueenではあるがけど、なァ。」)
[小さくぼやきながら、 きみに身を振り翻したの為ら。
「王、ってんのは。 これの可能性もあるんじゃねえのか?」
然う言う時こそテレパシーでも使えばいいのに、 気づけば囁くような声調子でそう、と耳打ちを。]
(268) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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……これは、矢張り。 売り物にはならんのですかね。
[>>#9 流石に、非売品と言うものに。 無理に言う事の恥くらいはこの時代の男も 知っているものだから、身を引きながら、乞う。
(単純な興であれば、如何せ使う腕は無い。 蒐集欲も引っ込めよう、と言うものだが、 ───ミッションに関わっている可能性が あると思えば、それは別の問題で。)
暫く悩む素振りを見せた主人が 指を差した先には「え?」と思わず、首を捻った。]
(269) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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(なんせ、僕らの命を左右する青ってのが。 シリーズ化して取引の張り紙に連ねられていたなら そりゃ、───……驚きもするもんだろう。)
……ブルースカル、ってのは。 ブルースカルバッジなのかねェ。
──レアグレードで取引されてるってのは、 さしもの僕でも知らなかったが。 ………此処最近のもんなのかね?
[王も妃も持つどころか、 目にした事は無かったとは言え。
その蒐集率と知識は、 マブスラ界でも「先生」と呼ばれる程──っ、 ……なんて、のちの二十数年では黒歴史のように 封印されてゆく閑話はみるみるうちに割愛されるのだが。]
(270) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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……しかし、4つ、ってのは。 ───ちょいと、重いな。
[不確かな推測だけでおいそれ、と 差出せるもんでは無いのは百も承知。
但し、仮に──。 ミッションに関わるたぐいであったとしても、 こればかりは他の参加者に頼れるものでも 無いように思えた、もので。
最初の狐を従えていた彼に貰ったもの、 アイドルとプロデューサーの関係の重要性(?)を 教えてくれた彼に貰ったもの、 それから昨日──三ヶ峯くんに貰ったもの。
かれがもうひとつ獲得しているとは知らないから、 懐から取り出したそれらをじゃら、と見下ろして。]
(271) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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……どーっすかねえ…。
[なァ、と、きみを振り返る。 名残惜しさにショーケースを振り返るすがたは、 一喝だとか、宥められれば引っ込むもんだが。
(普段ならそれこそ、 一も二も無く、諦めるような──。 節制の美徳で在ろうと思う振る舞いは、 諦念を盗られた我が身のうちで ”諦められない”執着に、邪魔をされる。)
──そうでも無ければ、 ゲームだとか玩具のたぐいを前にした子どもが 親の強請れずに渋るような気分で、ちら、と ……時折きみのほうを見て居たかもしれない。]*
(272) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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(>>275 きみの目には冷静に見えたと言うんなら、 そりゃァ光栄と言うか…良かったと思うもんだが。 至極振る舞いを然う務めただけで、 内心はおっかな吃驚だった、と言うのはなァ…。 ──ひとり、心の奥に潜めて置く事だ。)
……嗚呼、そんな話も聞いた気がすんな。 でもまァ、あの熊より大きく成れるような 都合の良いサイキックもねえなら…。
(308) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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何より、 ”逃げるが勝ち” ──ってね。
[狭い壇上でも無ければ、 後ろ向きに奔るなんて素人には難しい事。 「……その通り。」なんて、きみの無駄話に付き添う 相槌もまた無駄口なんだろうが、ついつい口が乗る。]
(……嗚呼、そんな状況でも無えのになぁ。 きみとのこう言う遣り取り、ってのも なかなか如何して、好きなもんだから仕方がない。)*
(309) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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─ 3rd day / トランジハウス ─
(>>276 きみの気遣いのような誘いに 悪いと思い乍ら、つい、と好奇の華を咲かせた。 思われているる事の一端くらい、 常なら分かろうものなのに、留まるのを忘れていた。)
[なんせ、旧い付き合いのきみ為ら。 僕の収集癖を知っていると思っていたから、 それを知ってて言ってくれているのだと思っていた。 だからこそ、問われないのなら、由も理由も、 省いて仕舞う、と言うもので───。]
…… 流石にレプリカだろうけど、なァ。
[>>#5>>#6老兵の語る知識程では無いとは言え それなりには知る目がケースの中を撫ぜるうち、 きみを置いていきぼりにしてるのを知るは少し後。]
(310) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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(……それでも、 きみにくらいしか見せられない幼さを、 如何思われているかなんて、分からない儘。) あ……っと、きみは詳しく無かったよな。
[>>277 宝石の輝きにも似たそのバッジに 謂れにも通じる事を感じとったのなら何某か、 それこそ歴史を語りでもしたかもしれないが──。
気恥ずかしげにはにかめば 硝子箱から離れた手は、癖のように髪束を梳き 呟き混じりに対の、”妃”の話を掻い摘んで話してから、]
(311) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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(……店主への問いに少なからず滲んでいた、 >>278"我”に黙られていたと知りゃ羞恥の色に 紫花から青も抜け落ちて、 赤く染まろうよ、と言う処だったろうが───。 黙されれば、秘するもの為れば。)
……だよな。 然し、このバッジ、何だと思えば。 まっさか、マブスラの為のもんだとは…。 ……思わねえよなァ。
(※そうとは限りません。)
[>>281 惑いも呆気も、ある程度理解があるからこそ。 困惑すらも仄かに薫る程度のきみの吐息と云うのは、 想像に難くに無いわけで、にがわらいひとつ。 掌に並べたうち、小さな青のひとつを摘んだら、 「これがなあ、」と外円を指の腹でなぞって居た。]
(312) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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[きみの中の”先生”の像など、 こんな内面を識るたびに崩れてゆくばかりだろうに。 然れでも、心内で敬の称を留めていてくれている事を 知らないからこそ、疑念の程を積み乍ら──。]
(『……まあ、確かに軽いものではないよな、』)
[きみのその言葉に、分かっちゃいたから。 ミッションに確証があるかも分からないような、 こんな軽い、掌の上のバッジのような重さの其れと、 天秤に掛けたうえで、きみの判断に任せようとした。]
(僕だけでは、諦められないような。 持ち前の”狡さ”ってやつで振り返ってさ、 …さすれば、叱りつけてくれると思ったのさ。)
(315) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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[ ─── ……なのに、]
………… 、
( きみが、この身の中の幼子の部分を、 甘やかしなんぞするから。 ) ─── いい、のか?
[>>290引っ込められた驚嘆の代わりに、 驚いたのは、まんまるに縁取られた黒玻璃の方だった。 袂の下に潜められていた、残り一枚を駄賃のよう、 広げた掌の上の青いバッジの海に積まれれば、 涼やかに打ち合う音色がする。
口にせずとも、自分が強請った事なのに。 唖然としていたかんばせは、噴出されようものなら 我に帰って、耳元迄、朱に染まった。]
(317) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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(……笑われちまった。)
───、… えっと。済まねえな…。
[>>290其処で漸く、──。 随分と自分が子どもっぽい事をしてんな、だとか。 割り切れない自分の性質へ、不可思議を抱いたふうに 首を傾げ、それから、……罰の悪そうに頰を掻く。
が、それも、 きみの手で乗せられたひとつを大事そうに 握り締めて、店主の方にからん、と踏み出す迄のこと。]
……でも、 有難う。
(ふふ、と、掌から浮かせた瞳できみに笑いかけた。)
(318) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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[背中を押されるようにして、 から、と、もう後名残る事も無い一歩を踏み出せば。
(……また、集めりゃいい事だよな。)
きみの優しさに、 恥じる事の無い働きをしてえもんだ、とさ。 思い乍ら、4つの青をショウケースから取り出される アンティーク・ゴールドの燦きと換える。 白熱灯に照らして、嬉しそうに微笑んでから──。]
……臆。 ひとの集まっているところなら、 なんか分かるかもしんねえしな。
特に本当に、 この王様の対となるバッジ関連だってんなら、 マブスラーの方が詳しいに違いねえだろうし…。
(320) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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(但し、”届ける”…ってからにゃあ。 まことそうなら、渡さなきゃなんねえのかな?と 思えば、複雑な独占欲が出てくるのを引ッ込め。
>>291噛み締められた笑みのもう隠れた横顔に、 未だ気恥ずかしさの残るかんばせは、 仕切り直すように開いた扇子の音と影に隠す。)
[───臆、扇子、ってのはほんと、便利なもんで。]
(321) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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[”王様”は、 袂じゃ落とさねえか怖かったからこそ。 丁重に帯の隙間に挟めば「行こうか」と声を掛けて、 その儘、きみが声に出した公園に向けて──踏み出す。
(そうやって、 「公園だな」なんて会話してたもんだから。 次にトランジハウスで”鎧龍王”を求めるものが 居れば、店主から持ち主の所在は自然、 …耳に入るかも知れない。)
────尚、熊の次に潜む鮫が居る事なんてのは、 >>291無論のところ未だ、存ぜぬところである。]*
(323) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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─ 3rd day ・浄玻璃公園近く ─
[九想屋近くまで惹きつけられた、 >>285>>@13神聖なる場を守護するサメ達も 少年を見失い、時間が経てば──戻って来るもので。
怒れる熊の居場所を避け、自然と北上した先。 人鳥とも、狐とも、幸か不幸か出会うことのなく 公園ももう、黒玻璃の目の前にするところ──、
───……だったのだが。]
………だから、なんで、なァ…。 百歩譲って陸の生きもんなら分かるが、 サメなんかが居るんだ…?
(350) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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(「熊と鮫で潰しあっちゃくれねえのかね?」
夢の雑音大決戦なんてした日には どっちが勝つんだろうなァ、なんざ。 ぐるぐると廻る4匹の鮫を前にして考える事じゃあ ないにしても、浮かんで仕舞えば致し方無い。)
[戻って来ていたのは4匹のうち3匹。 とは言え1匹や2匹なら如何にかなるとしても、 こう、数の積み重なると面倒なもんで───。]
(……逆にこと、対数に置いては。 僕のサイキックってのは真価を発揮する”筈” なんだが、未だに掴みきれてねえってのは きみと同じところで。)
[手に扇子を抱いた儘、呆気に取られる事暫く。 公園に出る影やら、往く影が見えたのであれば、 おや、と瞼肉を開ける事くらいはしたもんだが──。]
(353) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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……因幡の兎みてえに渡れるんでもなきゃあ、 駆除しねえといけねえのかね。 害獣…ってか、人喰い鮫なら致し方無し、だが…。 さっさと渡れるようにした方が、早えかな。
[ぱん、と、扇子を開く。]
” 單蓑直ちに入る 虎狼の窟 一匕深く探る 鮫鰐の淵 ” ──。
[此度藤花に連れられて 踊るは、十二の短刀。
(亦、だ。何時のような虚脱感を 踏み耐えるようにすれば、踏み出した足鳴り、 逆さ手で抱えた袖毎、袂扇は上から下へと ひら、と───滑り、食らうように舞い降る。)
浮遊した劔に誘い出されるように此方を向いた鮫達の、 開いた口の中に釘打つように、地と顎を縫い止め──。]
(360) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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[三の鮫に、四の杭。 大地に見事、楔を作れたの為ら、 安息と共に「今のうちに渡っちまおう」と きみに話しかけ、と、と、往く。
かすかなふらつきを隠すように、 下駄の前のめりにへと変えて。
鮫が痞えを喰い千切る前に、 早早と公園の敷地内へと跨ぎ、転がりこもうとすりゃ ───果たして、先客は幾許か見えたものやら。]
(”見た事のある姿”でも無きゃ、 こうも、密度を濃くしてゆく熱狂の中だ。 参加者とは容易に気付けねえものだろうが。)*
(364) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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─ 浄瑠璃公園 ─
[バッジを手に入られた嬉しさは 店主の声と周囲の子どもたちの声に引き戻されて、 どっちかって言うと気恥ずかしさのが勝り乍ら。 >>#18『お殿様みたい』だなんて囃し立てには、 「大袈裟じゃねえか?」と苦笑いしてたのも先刻迄。]
(>>@56 足止め──と言うよりは、 足の無い鮫なんかには口止めってのが 正しいかったかも知れんが、──其れはさて置き。)
……──対になる、は兎角良いとして。 老兵、ってのは如何やって探しゃいいんだろうな…。
(407) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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(扇を持つのと逆さの掌で、 手に入れた『鎧龍王』を摘みあげた時──だった。 >>398ばさ、と聞こえる羽音と共に上げた瞳玻璃は、 自然と浮かんで──……何か、こっちを見てるような。)
[(気の所為なら良いんだけどなァ…。)
掻き立てられるような不安は、”いきもの”としては 違う刺青めいたシンボルの格好で殊更。 と、と、情報を集めるほうが先決だ、と踏み出した足で >>406空を仰いで、カラスを見たかと思えば、 >>410象られた指鉄砲、>>413ぼとぼとと落ちる、 グロテスクに二度程瞬きしてから、 その周囲の影を認めながら──。]
(414) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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───……きみ、…ってか、 きみらも参加者か?
(から、と下駄を転がして。 昨日”きみ”と会った少年だとは思わねえで 「ちょっと訪ねてくる」ときみから少し離れて、 その明るい髪の少年に声を掛けた。)*
(416) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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(……山に帰るどころか、 足をぼとぼと、と落とす様にゃあ、ちょいと。 可哀想になると言うか──。 烏が帰るのに必要なのは 翼だからいいのかもしれねえが、 …いや、よくねえ気もするが。) [>>419 至極真っ当な突っ込みを小耳に挟みながら、 ”それを”我が身に向けられる事なんか微塵も考えない 男は、ミッションの事でも聞けりゃあいい、と 軽い気持ちで近づいたのであったが───。]
(433) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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[……もうひとつ、──ぱち、と瞬いた。] [ふたつの単語が噛み合わない感覚は、 まるで、不揃いの歯車のようだ。]
(亀吉、なんて苗字がそこらへんにあるもんとは 思ってはねえから、瞳に戸惑う彩を載せた。)
……あ? 亀吉、ってえと…、輝久の事だよな…? 相方で友人ではあるが、…先生、ってなんだ?
(──然う、揺らぐ心辺りの一辺も無いのだ。 盗られたもんが時だと思っても、その時の中の記憶が 容易に想像つくようなものでも無いからこそ、──。)
(436) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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[ほんとうに心当たりが無いのだと、首を傾ぐ。 >>432それと言うのも少年の紡いだ次句で 気恥ずかしげに眉を垂らした。
如何返していいか悩んだ唇を扇子の影に掛けて、 照れを誤魔化そうと、扇をはためかせる方に 転ろり、と意識も傾ぶくもので。]
………ええと、なんだ。 その大仰なのは、褒めてんのか? 何処にも居るレベルだと思うんだが、 ───ええと、…。 (「輝久のが綺麗だろうよ、」と。 困り調子を仕切り直すように、扇子の内側じゃ 咳払いをひとつ、こなしたもんだ。)
(443) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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……嗚呼、そうだ──。
(『きみも、ミッション見てんだろ。 「老兵」とかについて知らねえか?』)
[そう二、三、と問いかけようとした時だった。 >>424張り上げられた声に思わず振り向けば、 結った黒髪が空を薙ぐ。
(直前、聞こえた>>445問いの応えだとか、 他人の空似だとか、苗字がおんなじにしても 似通い過ぎた”偶然”ってのに覚えた違和感は、 問い正してえ気分と気持ち悪さごと、飲み下した。)
序でに烏の残党がこっちを見てたのにも 気づいたもんだから、「──臆、あれか」と 老爺と少年の方を見初めてから、──。]
(448) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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……狐は好きだが化生ではねえよ。 それに、八尾比丘尼ってのは女だろうし、 ──僕に血を啜る趣味でもあるように見えるかい?
……悪いが、ちょいと待っててくれ。 先にミッションの方を何とかしてくるよ。
[如何せん、 長かったリミットも僅かになり始めた掌を ちら、と仰ぎながら急ぐように 人混みの向こうに見えた老爺の許へ下駄を翻す。
>>439少年とは別に 昨日見た顔があって亦、見開き。]
(450) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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