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体「ハジメまして?」って……
何「悪趣味一族サン」言って……
[ぐらり。頭の中にもう一人。何かがいる]
俺、が?
[ぱきり。ぱきり。乾燥した皮膚がひび割れるように脳裏の殻がはがれてく]
先輩、何、いって……
[じゅるり。じゅるる……]
悪趣味って、失礼だなぁ。
少なくとも俺は、高貴な目的の為に研究しているのさ。
不老不死、人間なら誰もが憧れる夢…ってね。
[にやっと笑ってみせて、ベネットに笑いながら]
いやいや、気にする事はないさ。
でもあんたも失敗作みたいだね。他人の体が必要と見たね。
[それでも、意識や記憶があるのなら、一番自身の求めるものには近い。]
[「研究」「フォロー」「ご先祖様」
「ぱきり」
脳みそが脱皮するような音を立てた。
口の中にまた血の味が広がる。
転がる死体が、まるでごちそうのように見えた瞬間]
……「あァ……。」
[思い出した。同時に、今までの日常が、
全て消え去ったかのような感覚ともなって]
「そウだネ……」「懐かシイ名前……」
[首をコキコキならしながら感慨深そうに呟いた。
記憶を戻したばかりだからか、まだ言葉はたどたどしいが。
「ベネット」ではない、けれど中にいるもう一人のアンデッド]
「失敗作、ネ。」
「でもイイジャナイカ」
「若イだろ?」
[研究に付き合っていた頃はオッサンだったのかもしれない。
けれど今は頭が悪くても許される高校生だ。
若いカラダはイイ]
まあね。俺は今の若さを俺自身で保てる不老不死になりたいからね。
他人の身体なんかご遠慮したいからね。
[わかくかっこいい体だろ?と付け加えて。]
「それはショウガナイ。好ミの問題だヨ」
[口についた血をべろりとなめとった]
「このクソガキの体もワルクナイ」
「体を変えるノもフぁッしョンってやつサ」
「なんかに首を挿げ替えてオシャレする女っていたよな?」
[オズの魔法使いの続編だったか。
そんな女王がいた気がする]
「で、オマエ、俺をドースルつもり?」
どうするって、どうもこうもないけど、仮に実験させてくれるなら、あんたの協力してやってもいいぜ?
餌を探してくるなり、治して欲しいなら治してやってもいいし。
[特にどうするつもりはない。そう言葉にしつつも、
必要があれば、彼の体を解剖してしまいたいとは思っているが。]
あ、でもあんたの血を少し欲しいな。
研究材料としては、希少じゃない?
「オマエのことだし」
「最後は解剖しタイとか、考えてるンじゃネ?
」
「それは俺が他のお体モラッテからにしてくれる?」
「血はまだ困る。傷がアッタラ疑われチマウ
「見えないトコなら、イイケドサ」
「実験ネ。マァイイケド」
「ジャーその代ワリ、エサ、トッテ来いよ」
「たまにはイキタヤツとか」
「モウ少しクッタら、色々モトにモドルしネ」
「ソレト……」
「ナマエがホシイかもシンナイ」
[いつのまにか面の「ベネット」と名もないアンデッドは意識が交じり合っている。
いや、すでに乗っ取り始めてすらいる。
もう少し血肉を口にすれば、きっと何もかもが元通り。
けれどいつも思い出せないのは自分が人間だった頃の名前だったのだけども]
お前の意識がなくなってからじゃあんまり意味ないけど。
まあ、解剖は暫くがまんしてやるさ。
血を抜くのは、注射器かなんかで軽く抜くだけだから、ちょっとで終わるよ。
[そう告げながら、餌に対して考えるのは…]
男と女、どっちがいい?
えっと……
[名前を聞いていない事をおもいだしながら、名前を覚えていないと言われれば]
確か研究資料には、実験番号『イ-陸捨捌號』としか書いてなかったな。
………イロハ、彩葉でいいんじゃないか?
[女みたいだけど、と、安直な理由で名前をつけた。]
[表で話すベネットと入れ違いになるようにアンデッドの意識が脳裏を占める。
ナマエの流れに少しセシルを見つめて]
いいヨ。そノナマエでも。
[実際、生きていた時は男か女かすら忘れているのだ。
今、偶々青年の体に憑依しているからこそ、
この口調なのだけども]
「暫ク俺は引っ込ムヨ」
「「彩葉」に出てきて欲しカっタラ」
「言うトイイ」
[ベネットの頭が壊れない内はまだ暫く同居予定。そして、セシルと分かれ、「ベネット」が職員室で物色した後のことを少しだけ]
[強い拒否反応と戻った記憶が頭にマーブルを描き出す。
人である意識が当然混ざるわけがない。
冷や汗をだらだらと流し、いよいよ熱に浮かされたような様子はまるでゾンビのそれと同じ。
校舎をうろうろとさまよっているうちに、
一つ、腕や足を半分噛み千切られた、けれどまだ息のある生徒が転がっていた]
………
[生徒は、「ベネット」を見て、口の動きだけで助けを求めてきた。
当然、もう助かる見込みのないその生徒
けれど…その傷口の赤さを。その生肉を見て]
「ぐる、る……」
「きゃああああああっっ!!!」
[凄まじい悲鳴が聞こえた。
勿論、それは記すまでもなかろう。
切れた理性は他のゾンビと同様に、
その生徒の体を生きたまま食いちぎり、
生ぬるい血をすすった。
水を飲むように細胞が血肉を吸収していく。
体からメリメリ、と音がする。
泣き喚く生徒にお構いなくその内臓に顔を突っ込んでぐちゃぐちゃと食い散らかしていた]
はっ……、は……
[旨い。どうしてこんな鉄臭い血が旨いのだろう。
留められない。下品に音をたてて、むごたらしく生きたまま食い散らかす
不幸だったのは…それを見てしまったアリカワだっただろう]
……ミタ、ネ……?
[アリカワに投げる視線はドブ川のような腐った目の色。
彼へ伸ばす手は血で真っ赤だった。
アリカワの悲鳴は、聞こえまい。
しかし、その場所に残された彼の遺体は燦燦たるものだった。
ただのゾンビではありえないようなその遺体からは、意思のあるゾンビがいると推測するものはいるだろうか
指や手足は食いちぎられているのは当然で、
生きたまま頭皮や皮膚を剥がされている様子。
舌や目玉を引き抜かれただろうその顔は、
苦悶の表情のまま事切れている。
階段からへし折った鋭い鉄パイプを彼の腹に突き刺し、壁に縫いとめるようにたたきつけた]
……ぐ、フ、へ、へ……
[満足したように、壁に縫いとめた彼の死体を眺めやるとまたふらりとその場を後に**]
―生物学教室の前で―
た、田原先生……
[彼の姿を見かけた瞬間、男は確かに安堵した。
それは、間違いない。彼の無事は大きな喜び。
けれど同時に抱いた感情は……]
……欲し、い?
[体が何かを求めている。
震えの症状が出てきてから、初めて遭遇した触れえる生きた人間に対し、確かに欲望を抱いている。
彼が、欲しい。異様な魅力に引き付けられる、不思議な感情。
同性である彼に対して、なぜこんな気持ちが湧いてくるのか。
いや、そんなレベルの話ではない。
その体に齧り付き、肉を貪り、己の内に摂り入れたい……]
俺には、近付かないようにしてくだ、さい……。
[男は、とっさに田原を遠ざけた
せめて、時間が欲しかったから。欲望を、おさめる時間が。
衝動に駆られたまま、己があらぬ行為に及んでしまうことを、自ら防ぎたかったため。
……まだ、体は意思どうりには動く。
けれど、肉体の実感は徐々に遠ざかっているように感じる。
もしかしたら今の体では……仮に傷ついたとしても、痛みを感じないかもしれない。
麻痺した下半身だけでなく、男の体、全て、が]
―生物学教室の前で・了―
![]() | 【人】 聖歌隊員 レティーシャ 理由? (74) 2011/12/03(Sat) 18時頃 |
![]() | 【人】 聖歌隊員 レティーシャ ああ。 (78) 2011/12/03(Sat) 18時頃 |
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[混ざり合わない「彩葉」の食った所までは青年の意識は浮かび上がらない。
けれど、意識が戻った瞬間、食った肉の生臭さが胃からあふれてきて。
吐き出したものを確認する余裕はなかった。
昼にあれだけ食べたのだから、それだと信じて疑わなかったのだ。
それが真っ赤であっても、「ベネット」が死肉を食ったなんて想像すらできないから]
![]() | 【人】 聖歌隊員 レティーシャ あ、そっか。 (86) 2011/12/03(Sat) 20時頃 |
ふふ、変な感じだね。
ちょっと前まで、顔も知らなかったのに。
[温かな彼の手を引いて、思い切って抱きついてしまおうか。眩暈がしたとかそんな理由を挙げれば問題ないだろうか。頭の中で何とかして考えるもあまり良い案は浮かばない。]
顔も名前も知らなくたって、私は知っているさ
ロゼットの事は、誰よりも信じられるって事を
[彼女の思案までには、想いは至らない
けれど、私も考えていた
どうすれば、彼女を抱きしめても怒られないだろう
いっそ、購買部に行くと言って、二人で外に出ようか]
あたしも知ってるよ。
グロウさんは絶対信じられる。
あなただけは、絶対に。
[手をそっと離し、その熱を逃がさぬようにと手のひらを握り締める。誰かの目があっては長く触れることも出来ない。その時間がとても辛い。]
そうだな
だからこそ、こんな状況でもこうして
恐怖に慄くより先に、愛を囁く事が出来るのだろう
[どうにかして、二人きりになれないものか
いや、こんな事を考える事が既に、不純なのか]
ほんとはね、怖いよ。
とっても怖いんだけど……
[愛という言葉は少し恥ずかしく、僅か視線を逸らしたが]
グロウさんと一緒だから。
[自分でも驚くほど、穏やかな笑みを浮かべた。触れようとする手を無理やり押さえ込む。]
私も、今は怖いよ
何が怖いって、ロゼットと離れる事が一番怖い
[穏やかな笑みに、私もつられて笑う
こんな状況で、可笑しいかもしれないけれど]
外に出るらしいが、大丈夫か?
怖く、ないか?
同じだね。
[笑みを浮かべる彼を見上げて]
大丈夫、怖いけど……一緒だもん。
ここで頑張らなきゃ、グロウさんに抱きしめてもらえないから。
[恥ずかしくて最後には顔を赤くしてしまった。]
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