272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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……ありがと。
[ひとまず、感謝の言葉を口にする。 それから、えぇーっと、次に、何て、言えば。 また顔が赤くなる、目を逸らす。 ああ、可愛い顔なのにもったいない。 そう、思うけどさ]
俺、こういうの初めてでさ。 返事とかは、もうちょっと待っててほしい。 卒業するまでにはちゃんと返事するから。 だからっ……、
[ぐぐっと赤い顔をまどかになんとか向けて。 真っ直ぐにまどかを見て。 開いた唇に紡ぐ言葉]
(172) 2019/11/09(Sat) 00時頃
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[さああと、窓の外の喧騒が音を攫う。 透き通る風がカーテンを揺らす。 そうして午後の日差しが降り注ぐ教室の中。
ああ、すごく綺麗だなって――。
まるでここだけ時間が止まったようで。 この一瞬を、一時を、 俺は決して忘れないでおこうって、
そう思って、不格好でもまどかに笑ってみせた。**]
(173) 2019/11/09(Sat) 00時頃
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[元気になってほしいってメイクをすれば嬉しそうにしてくれて。 好きだとも言ってくれて、 真っ赤になって慌てたら年上みたいに見守られて、 なんだか今日のまどかはいつもと違う。
メイクのせいかとも思ったけど、 それよりももっと、違う]
……まどか?
[優しいねって言われて、 返事を聞きたかったって言われて、 穏やかに笑う顔はまどかのもの。 ……だけど、いつもよりも大人びて見えた。
まるで、まどかがこのままどこか遠くに行ってしまうような。 そんな胸騒ぎをどこかで感じる]
(232) 2019/11/09(Sat) 13時頃
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[過去に戻りたいか、なんて。 今まで真剣に思った事はない。 だからまどかの言葉に不思議そうに首を傾げて]
おい、何言ってんだよまどか……。 今日のお前、なんか変だぞ。
[窓辺に歩いてくまどかを目で追いながら、 俺は何故かその場から一歩も動けなかった。
窓から差し込む日差しがまどかを照らす。 カーテンが揺れて、まどかの姿を遮って、 ああ、もしかしたらカーテンが戻った時にはまどかは消えてるかもしれない。 そう思うほど、今のまどかは綺麗で、遠くに感じた]
(233) 2019/11/09(Sat) 13時頃
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[未来、未来のあるところに、なんて。 まどかが言うものだから。 俺はまどかを真っ直ぐ見つめて]
……聞きたい。
[そう、聞かれるままに頷いていた。**]
(234) 2019/11/09(Sat) 13時頃
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[まどかが話すのは未来の話。 25歳になった俺達の話だった。
なんだかどこか遠くの物語みたいだ。 切なくて、悲しくて、苦しくて、 なのにまどかはいつだって俺を見てて、
ああ、そんな人生だったら思うかもしれないな。 (主演がようやく舞台に上がり、一言)
「過去に戻れるなら戻りたい」 ――ってな]
(243) 2019/11/09(Sat) 16時頃
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[未来のまどかと今日でお別れって言うなら。 返事をしても聞けないっていうなら。 なら、ならさ――。
俺が何か言う前に、「なんてね」なんて。 まどかが言うだろ? それで、ずっとそのままでいてって言うだろ?
だから、俺はようやく動いた体を前に。 つかつかまどかのもとまで歩いてって、 とんっとまどかの肩に手を乗せた]
(244) 2019/11/09(Sat) 16時頃
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……なら、俺は25歳のお前に返事をしに行くよ。 8年待ってやる。
走って行こう。俺は、俺のまま。 まどかのいる未来まで、走っていく。
そこで、今日の返事を必ずするから。 だからそこで、お前は俺を信じて待ってろ。
[どこかの映画でそんな台詞、言ってたよな。 まどかと一緒に見た映画だったな。
そんな事考えながら、 まさか実際に俺が言う事になるなんてな、って。 そう、思いながら笑って]
(245) 2019/11/09(Sat) 16時頃
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[未来のまどかの頭をガシガシ撫でる。 そして俺は俺のままの顔で笑顔を見せて]
変な話だけどさ、信じてやるよ。 まどかの言う事だからな。 ノリと勢いってやつだ!!
[まあ、ノリと勢いで8年返事を待つんだろうが。 その時俺はどんな大人になってるんだろうか? まどかは、どんな大人なんだろうか?
分からない、分からないけれど――]
(246) 2019/11/09(Sat) 16時頃
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[まさか、告白の返事を8年先まで待つ事になるとは。 俺は恋愛とかよく分からない、 ここで軽く返事をしていいのかと迷ってた。 人生ノリと勢いだけど、恋愛は慎重になるべき! って、俺的に思うわけだし。
でも、でも、未来のまどかとはこれでお別れだろ?
なら、今分かってる気持ちだけでも。 まどかに伝えておくべきだろうなと思った]
まどか、あのさ――……、
[ふわりとカーテンが揺れて。 窓辺の二人を世界から遮断する。**]
(247) 2019/11/09(Sat) 16時頃
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[まどかは8年待って報われなかったのだろう。 なら、今度は俺が8年待つ番だ。 おかしそうに笑うまどかと一緒に笑って、
我慢できるかって聞かれたら。>>267 少し悩んで]
……無理そうだったら早めに返事していいのか? その時は未来のお前に謝っとく!
[うん、無理そうだったら早めに言うか! 早々に我慢を諦めそうな俺に、まどかは呆れるかな?]
なんてな。
[悪戯には悪戯で返して、 まあせっかくだ、25年後のまどかの笑顔を励みにこの8年を駆け抜けようと思う]
(299) 2019/11/09(Sat) 23時頃
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[楽しみにしてるって言われるから。
ああ、信じてくれている。 それが嬉しくて。
未来の俺は酷いヤツだったかもしれないけどさ。 悪いヤツではなかったのかもしれない。 だってそうじゃないと、 まどかはここまで俺を追っては来てくれなかっただろ?
だから――]
俺を探しに来てくれてありがとな、まどか。
[未来と今と、 その二人分の俺の感謝を込めて。 まどかを見つめて嬉しそうに笑ってみせた。**]
(300) 2019/11/09(Sat) 23時頃
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