255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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―いつかの雑貨屋―
[イルマが来訪した頃、ちょうどロイエは手にしていたボールペンをエプロンの胸元に差し込んでいた。]
いらっしゃいませ。今日は……、はい?
[小声で伝えられた用件。
使用目的や動機を、ロイエ側から伺うことはない。
話してくれる分にはリサーチも兼ねてありがたいものの。]
ノッカさん、今日の運勢はとても良いかも。
ちょうど良いのがあるんですよ。ほら、見ます?
[見せたのは携帯端末の画面。
映っているのはノッカの横顔。]
―いつかの雑貨屋―
[イルマが来訪した頃、ちょうどロイエは手にしていたボールペンをエプロンの胸元に差し込んでいた。]
いらっしゃいませ。今日は……、はい?
[小声で伝えられた用件。
使用目的や動機を、ロイエ側から伺うことはない。
話してくれる分にはリサーチも兼ねてありがたいものの。]
イルマさん、今日の運勢はとても良いかも。
ちょうど良いのがあるんですよ。ほら、見ます?
[見せたのは携帯端末の画面。
映っているのはイルマの横顔。]
―― 商店街 ――
[商店街に寄ったのは他でもない、買い物をする為である。
当たり前であろうと思われることだが、
自分にとっては商店街とは警邏する場所でもある。
然しながら自警団の制服を脱いだ自分は私人であるが、
商店街の店主たちにとっては自警団の副団長の顔をした男であることに変わりはない。
帰り道の買い物など皆大方同じであろう。
夕食の材料に、朝食の調達を済ますと自分は次いで女物の服と下着を買い求めるために雑貨屋へと寄った。
サイズが判明したのだから丁度良いものを。
それも普通の物だけではなく夜の仕事をする者が買いそうな物を。
ロイエならば良いものを見繕ってくれるだろう。
何せいつの間にか自分のノッカを盗み見れるようにしていたくらいなのだ。
任せておけばなんとでもなりそうだ。
自分は多めに金払いをして、頂戴した品をザックに入れて帰途につくふりをした*]
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―― ダミー商社 ――
[>>140商店街で買い物を終えて向かった先はダミー商社だった。 自宅は何かをするにはやや遠い。 >>146店長が帰った後にキーを使って入りスタッフルームに入り浸る。
端末を充電しながら起動し続け、 シャワーを浴びて腰にタオルを巻いてソファに座り、 足を組みながらグラスにワインを注ぎ入れた。 夕食はブリオッシュの残りと鳥の照り焼きパニーニだ。 少し焼き直せばまだ美味しく食べられる]
ん……そう言えば先輩から返信がきませんね。 何かあったのでしょうかね。
[パンは肉、ワインは血であったか。 その二つを食しながら端末を手に取り――*]
(229) 2018/12/03(Mon) 21時半頃
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[少々時間を置いて、メールを打ち込み、送信する。
『ノッカさん、夜分遅くに失礼します。 明日は朝早くからお伺いさせて頂きますがお時間は宜しいでしょうか?』
約束していたのは明日ということだけであったから、 時間を改めて尋ねるためのメールを送った。
届いたのはどのタイミングであったろうか。 暫くの間は手作業をするので起きている。 故に――返信があろうとなかろうと。 自分はのんびりと待っているだけ*]
(249) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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[自分は普段より何かにのめりこむことが多い人間だ。 手作業をしていると暫く上手くいかず、 あれやこれやとしている間に>>272ノッカから返信がきていた。
端末を手に取り、その内容を確認すると返信文を作成し始めた。
『分かりました。 重たいものは自分が運びますから残しておいてください。 絵本は最期の日で構いませんからね?』
そう、文を作ると送信する。 絵本は手元にあったほうが良いだろう――。 宝物は最期まで手元にあるほうが心の支えとなることは間違いないのだから*]
(280) 2018/12/03(Mon) 23時頃
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さて――そろそろかな。
[手作業を終えると自分は服を着た。 流石にいつまでも半裸では風邪をひいてしまいかねない。 自警団に通報されてくる案件もないようで今宵は良く眠れそうだった。
自分は部屋の電気を消す。 そうすれば明は暗となり、光は影となり、 夜が更ければ街中も次第に夜陰に包まれていくことだろう*]
(290) 2018/12/03(Mon) 23時半頃
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[――さて。パン工房の前の道を進む男とは
すれ違ったか、それとも。*]
[一時工房前で足を止めていた男は、何事もなかったかのように歩き出す。少女とすれ違うのは平静通りの顔をした男。山羊頭のように丸め込まれたものでなく、常と何一つ変わらない平穏な光景]
[扉が鳴る──男は、振り返りたいのを堪えている]
[まだ己の“目”はあそこにないし、繋ぐのは人通りが無くなってからでないと難しい。でも知りたいのだと気が逸る。
悪意を向けられた彼女は、どんな姿を見せているのだろう──]*
[
少しでも振り返れば見れただろう。
――けど。まだ無理だったかもしれない。
不安げな彼女の姿を。
ただ、私にはそれは見えないもので*]
[雑貨屋で買った盗聴器とカメラ。
特にカメラは高性能で端末で見る事が出来る。
ボールペンの形をしたカメラ。
それをどこかに差し込めばいい。
カメラだけじゃ足りない。
何を喋っているのか知りたいから。
だから盗聴器も用意した。
これもまた端末と連動して聞く事が出来る。
これを仕掛けるチャンスは寝て起きてから。
ピスティオが仕事に行っている間。]
[侵入者を容易く見つけてくれる軋む床。
寝てる横でそっと忍び込んでなんて無理だろう。
大体こういうものは隠れてやるからいけない。
堂々と正面から入って出てこれば案外バレない。
きっとそうに違いない。
男の部屋に女が出入りすれば変な噂が立ちそうだけど。
所詮イルマとピスティオだ。
そんな色気のある関係などと思う人はいない。
どうせ飯でも持ってきたんだろう。
なんて思われるだけだ。
今はそれで嬉しいけど、少しだけ複雑だ。
遊ぶと約束した。
その遊びが何かわからないけど。
何時もよりお洒落していこうと心に決めた**]
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―― 自警団の務め ――
[>>330タツミからの連絡を受けた自警団本部はすぐさま近くを夜警中の自警団に現場へ向かうようにと指示を出した。 十分も立たぬ間に自警団員は現れ、タツミは事情を聴かれることだろう。
犯人に覚えはあるか、だとか、 盗まれたものはどれくらいだとか、 修理はどうするだとか、 親身になって相談も受け付けてくれるし、 役所への被害補填の申請もしてくれる。
ただ鑑識は翌朝にならないと到着しないため、 現場検証は持ち越しとなる。 一先ずは見回りの強化と周囲の店への呼びかけは自警団が責任を持って行う手筈となり、 『災難でしたね』と言葉をかけて駆け付けた自警団員も見回りに戻っていったのだった**]
(353) 2018/12/04(Tue) 02時頃
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