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とっても楽しいお遊戯が始まったみたいね。
人間と馴れ合い、腑抜け、腐り。
そもそも成り立ちもしない『共存』にしがみつくお馬鹿さんたちが
きっと直ぐに動き出すわよ?
「『過ち』は一族の手で───……」って。
哀れな長の元に集まった『同族(ひと)』たちですものね?
[くすくすと、鈴を転がすような笑み。
普段からは想像できもしない声が紡ぐ。]
ああ、子供には少し難しいかしら。
判るようにお話してあげる。
Once Upon a Time ...
(むかしむかしあるところに)
狼さんと山羊さんが、仲良く暮らす村がありました。
山羊さんはいつもお野菜を食べ、狼さんはお肉を食べます。
食べるものが違っても、姿形が違っても
ずっと仲良く暮らしていました。
One day ...
(あるひのことです)
狼さんと山羊さんが遊んでいたときのこと。
狼さんはじゃれるつもりで、爪をだし牙をだし
山羊さんに襲いかかってみせると
山羊さんはなんと、あかぁい血を流して死んでしまったのです!
Two day ...
(そしてつぎのひ)
山羊さんが死んでしまったことを、山羊さんの仲間が知りました。
そして彼らは次々にこういうのです。
「あいつをころしたのはだれだ!」
「みつけたら、ただじゃおかない!」
「ころしてやる!!」
Three day ...
(そしてそれから)
…──さあ、どうしましょう?
ふふふっ、あはははっ。
何て素敵なお遊戯かしら。
[高い笑いと、鼓膜を揺らす声。
お伽噺のひとつを読み聞かせるようにした後
甘く、甘く、囁きました。]
とやかく謂う人がいるのなら。
『山羊さんの仲間』を、食べちゃいましょう。
ね、私食べたい人がいるの。
[思い浮かべるのは───……]
───『素晴らしき恩寵』なんて、大嫌い。
[歌を自由に歌う姿。
導く声、か弱い姿。
守られる対象。
食べてしまったら、みんなどんな表情をするかしら**]
![]() | 【人】 村娘 ラディスラヴァ[迷い、迷って。 (291) 2015/05/14(Thu) 04時半頃 |
誰…?
[未だわからぬ会話の相手
そして居もしないのにどこかから
しかし確実に届く声に
戸惑う。
そういえば…――と記憶を紐解く。
昨日、自分が父と会話していた時に
頭のどこかで男と女が会話していたような。
ぼんやりとどこかで聞いていた声
にいまだ思い当ることはなく。]
わたしを見張ってるの…誰?
[わたしの問いかけには知らんふりで
相手は尚も続ける
「子供には少し難しいかしら」と高圧的な
態度に何となくつまらなくて口をへの字に曲げて
頭の中の声に耳を傾けた。
高い女の声が紡ぐのは
まるで自分の持ってる絵本のようなお話。]
狼さんは悪気があったわけじゃないのに…――
ひどい話だわ……――。
わたしの持ってる絵本の話では
狼さんと山羊さんは仲良しよ。
[今――自分の読み進めた――のところまでは。]
[キンキンと響く声は頭の中だけでなく
鼓膜を内側からも震わせる。
それが妙に気味悪い。
それからお母さんが
ベッドで寝かしつけてくれる時のような
優しい、柔らかな声色で
悪魔のささやき]
わたし、仕返しが怖い。
そんなことしたら 怒られちゃうよ……。
[まだバレてない。本気でそう思ってる。
仲間? 突然ふたりの男女の声と
お父さんのもう一つの声。
わからない、わからない。
わかりたくない。]
お姉さんが食べたいんだったら
勝手にしたらいいわ。
わたし 知らないもの。
[彼女が食べたい相手が誰のことかなんてわからぬまま。
好きにすればいい、と無関係を装って。
ああ、少女が
「オンチョウ」の意味がわかる おとなならば。
ああ、少女が
ラディスラヴァの嫉妬の先を理解できる おとなならば。]
[変えられる未来があったかもしれない。]
[少女は私に誰かと問いましたが
私はそれに返すことなく笑ったまま
見張る、という言葉にはまた更に笑みを深くしたでしょうか
そう、酷い話でしょう?
元から仲良くなるなんて無理だったの。
狼さんは狼さんと。
山羊さんは山羊さんと、仲良していくべきだったのよ。
だって山羊さんは、狼さんが食べるごはんなんだもの。
[そんな一節が彼女の絵本の中にあるかどうかは知れません
まるで当たり前のことを次げるように。
幼さ残す少女へは、『酷い話』を続けました。]
仲良く暮らすなんてふざけたお話は、
絵本のなかだけに、しておけばよかったのよ。
[ふざけたお話?
そんなことない。]
[そう言いたいのに、言えない自分がいる。
だってオーレリアお姉ちゃんを殺したのは自分。
ぐちゃぐちゃにしちゃったのも自分。
ちょっとだけ食べちゃったのも自分。
そんな自分が
みんな一緒に仲良く暮らせるよ
なんて言えないことは
さすがの少女にもわかる。
だから、噤んだ口を固く結んだまま。]
…………。
仕返し?
ふふ、大丈夫。
そんなことするような『人』も
一緒に食べてしまえばいいのよ。
[それは言葉で連ねるだけならばとても単純な話です。]
『過ち』は正さなくちゃならないのよね?
牙をなくした狼と、
ただ食事をしただけの狼と、
どっちが『過ち』なのかしら。
[続く言葉は一族の手で…だったでしょうか。
牙無き奴等に制裁を、なぁんて大義名分を掲げるのも面白いかもしれません。]
───あなたは、私を止めないのね?
[例えそれが彼女の大切な友人であろうとも。
私は戸惑うこともせず食べて見せるでしょう。
知らない、と逃れようとする言葉にだけは
そっとそっと、微笑んで。]
いいえ、あなたは知っているの。
『知っている』のよ。
[止めなかったこと、それはすなわち肯定。
そう受け取った私は、黙った彼女の可愛らしい顔を思い出しながら
くすくすと耳を擽るような音で、笑っていました。]
さあ、他のお二人はどうかしら?
私を止める? それとも止めない?
他に食べたい『山羊さんの仲間』でもいるかしら?
[艶やかな誘惑は、他の二人へと届くでしょう*]
![]() | 【人】 村娘 ラディスラヴァ[夢の中、まどろみで聞いたような会話。>>300 (344) 2015/05/14(Thu) 13時半頃 |
![]() |
![]() | 【人】 村娘 ラディスラヴァ[奥さまのお墓参り。>>302 (351) 2015/05/14(Thu) 14時頃 |
![]() |
![]() | 【人】 村娘 ラディスラヴァ (355) 2015/05/14(Thu) 14時頃 |
[聞こえる声
高い音色を彩る高慢さは、
彼女の気位の高さを思わせる。
高慢に傅くほど矜持は低くない。
嗜虐的な考えがうっすらと過ぎるもののそれは直ぐに消えた。
子供に向けての語り口
彼女が語りかける相手はすぐに知れるから男は暫し無言のまま。
子供と称される彼女
二人の女性の話が済み、新たに声掛けられる
![]() | 【人】 村娘 ラディスラヴァ ────……っ、…。 (358) 2015/05/14(Thu) 14時半頃 |
――…未だ決めかねている。
『邪魔』と思う者がいればそちらに傾くかもしれないが、
『恩寵』に対しては、キミに否を唱えるほどの思いいれはない。
![]() |
[細められた目も
矜持も、消えていく考えも。
黙っていては伝わらぬこと。]
ふふっ、そう。
可哀想に、あの子は見捨てられるのね。
[唄紡ぐ盲目の小鳥。
彼女がきっと仲間だと思っている一人から、命を見限られたのだと知れば。
それはそれは、絶望に染まる表情をするのでしょうね。]
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