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[本当に撫でたいのは誰なのだろう。
飴をやって甘やかして、慈しみたいのは。]
【人】 琴弾き 志乃― 風呂場・女湯 ― (237) 2013/06/23(Sun) 20時頃 |
【人】 琴弾き 志乃[範囲の限定化。 (240) 2013/06/23(Sun) 20時頃 |
[視線がわたしから“わたし”へと移された。
固まりを押し込まれればそのまま口に入れる。
ほろりと中で崩れた砂糖菓子の淡い甘みは、
付加してもらった味覚のおかげで感じることはできた。]
……みぃちゃん?
[宙で止まった手
迷うような素振りに気づけば、翠を翳らせた。]
【人】 琴弾き 志乃 ……あ、 (244) 2013/06/23(Sun) 20時頃 |
[首を傾けたポプラに声をかけることはなく。
その手は彷徨いながらも、そっと彼女の頭の上に置く。
結局何もかも中途半端でしかなくて。
それが余計に困らせているのだろうけれど。]
――……
[やはりその名は呼べなかった。]
[呼べば認識してしまうだろう。
彼女が「ポプラ」であって「カリュクス」ではないことに。
もしもそう思うようになってしまったら、
いつかカリュクスが目覚めた日に、ポプラを失うことになる。
そんなことは耐えられなかった。
だから、ポプラの名など呼べるわけがないのだ。
あくまでもこれは擬体だから。
ポプラという生き物は存在しないから。
そしてこれをカリュクスと呼んでしまえば――
なんだか、これ以上彼女を待てない気がしてしまっている。]
【人】 琴弾き 志乃 っ、…… (255) 2013/06/23(Sun) 21時頃 |
[彷徨っていた手は頭に置かれた。
ぐしゃぐしゃとやや乱暴に掻き回されてる。
押し付けられる力に抵抗するように顔を上げて、
――開きかけた口が閉じるのを見て、くるりと瞬きを。
ミナカタが困っているのはずっと分かっている。
隠しておきたいことも分かっている。
確信もなければ、訊いたこともないけれど。
……たぶん、それは。
ミナカタが“わたし”の名前を呼ばないことに関係している。
だから訊かない。
訊いてしまったら「今」が壊れてしまう気がして。
だから何も気づかない様で、抗議するように
手をばたばたと動かした。]
ああ、悪い悪い。
[ばたばたと手を動かしたポプラに謝って。
乱暴に頭を撫でていた手を引っ込めた。]
もう一つ食べるか?
[機嫌を取るようにポケットから飴を出す。
先ほどと同じ桃色の包紙を開いて、砂糖菓子を口へと持っていく。
彼女が何も言わないのに食べ物を与えるのは、
話題をそらしたい時だとばれているだろうけど。]
――掃除は進んでいるかねぇ。
[診察室が荒らされているとは知らず、
ぽそりとそんなことをいって、意識を区切った。]
【人】 琴弾き 志乃[大丈夫。と返されれば、少しだけ安堵する。 (266) 2013/06/23(Sun) 21時半頃 |
[抗議が伝わったのか手が離れる。
離れてほしかったのに、寂しく感じるのは我侭だ。]
……いる。
[機嫌を損ねたふりをして、ふたつめをもらう。
さくりさくりと砂糖菓子を砕きながら、
聞こえる声がいつも通りのものになったのを確認した。
…今日は三つ目はないかな、と思いながら。]
……進んでる…けど……
……みぃちゃん…色々見つかってるよ……
[ぽつり、意味深に呟いた。
制御室のモニターをつければ、各所のカメラ映像は見られる。]
[パッとモニターがついて、診察室が映し出される。
ちょうどモニカが黒いあいつを見つけたところだっただろうか。
傍らにいたオスカーはちゃっかりエロ本を読んでいる。
あー……懐かしいなあれ。
何年前だかに、どうしてもって頼まれて密輸した。
[ある程度の年がいった男子の被験者だった。
本来ならその類は厳しい規制があるのだけれど。
内緒にするという条件付きで。
……で、問題はどうして診療室にあるかなのだが。
もしかしてあそこ隠し場所にしてたのか。やるな。]
……元気にしてるかね。
[幸い彼の名前はまだ報告されてこないから、
きっとどこかで生きている。]
【人】 琴弾き 志乃[返ってくる元気な声。 (275) 2013/06/23(Sun) 22時頃 |
【人】 琴弾き 志乃[聞えた声に顔をあげて、立ち上がる。] (278) 2013/06/23(Sun) 22時頃 |
[診察室はなかなか楽しいことになっているようだった。
オスカーの実年齢を考えると、情操教育によくない気もする。
ちらりと横を見れば、ミナカタは平然と眺めていたので
あれは痛くない腹だったようだ。
考えてみれば、使っているのを見たこともなかった気がする。]
……聞いてない…。
[「密輸」の一言に、思わず音にノイズが混じったが、
過ぎたことを咎めてもしかたない。
証拠は隠滅されるようだったし。
さて、そんなことをミナカタにお願いしちゃう子は誰だっただろう。
久しぶりに思い出した、まだ外にいる子の顔。]
[男は皆通る道だ、頑張れ。
とかなんとなくオスカーにエールを送ってみたりする。
ポプラが視線を送ってきたいたが
まったくもって痛い腹ではないので平然としていた。
ちなみに黒いあれにそっくりなモノは、
何かの折に誰かが入手していたものをいたずらに使って
没収とかしたような気がする、そんな遠い昔の話。]
ああ、男同士の秘密ってヤツだからな。
[ポプラの言葉には笑ってそう返し。
ナユタが雨を呼んでいるのを見て、おおと手をたたく。
チアキも似たような事を。
お前ら。隠し通せる限界をしっとけ。]
……能力、は禁止なんだけどなぁ。
[報告するなよ、とポプラに笑いながら言った。]
…んー……がんばってみる…ね……。
[訓練場以外での能力の使用は禁止されているけれど、
多少の使用はいつもこっそりもみ消している。
今回もその延長線上。
お風呂場と食堂と、それから……
そういえば中庭もあったのだっけ。
[ちょっと大変そうだけど、これくらいなら許容範囲。
返答と共にぱちりと翠が瞬いて。
少し楽しげで、慈しむように。]
使っちまう気持ちもわかるんだがな……
[昔はもっと厳しかった。
こんな楽しい幸せな使い方ではなくて、
もっと直接人を傷つける方法をとることも多かった。
思い出してミナカタの目が暗い色を帯びる。
仲裁に入り双方をなだめるのも、
責任を取れと言われ折檻を受けるのも
ほとんど自身の役割であったから。]
ま、なんとかしてくれ。
頼んだぞ。
[ぽむりとポプラの頭を撫でた。]
[罰を受けるのは痛い。怖い。
楽しいばかりじゃないかもしれないけれど、
少しでも能力を使うことが楽しいと思えるならそうあってほしい。
あの頃は能力を使いたいなんて思わなかった。
付随するのは恐怖と痛みばかりの記憶。]
……まかせて。
[撫でられればゆらゆら揺れるままに頷いて。
こういうことでなら役に立てる。それが嬉しい。]
【人】 琴弾き 志乃[泡と汚れを洗い流していく雨。 (300) 2013/06/23(Sun) 23時頃 |
[ゆらゆら揺れるポプラを撫でる手に能力は込めない。
生身ではないから効果がない。
能力なんてない方がよかったと、あの頃は呪ったけれど
今はあっても悪くなかったとそう思える。
――願わくば、彼らもそう思える日が来ると、いい。]
じゃあそろそろ戻るか。
お前はもう少しここにいる?
[ポプラに尋ねる。
一緒に行く、と言われれば抱き上げて歩いて行くし
残ると言われれば一人で地上へと戻るつもり。]
……戻る…の。
[そろそろ掃除も終わるところが始まるようだ。
薄暗いここよりも、上にいる時間の方が好きだから。
抱き上げられるがされるがままに、
足をぷらぷらさせながら連れていかれる。]
【人】 琴弾き 志乃[ナユタの方も、綺麗になったようだ。 (310) 2013/06/23(Sun) 23時半頃 |
【人】 琴弾き 志乃 あ、……うん、 (320) 2013/06/24(Mon) 00時頃 |
【人】 琴弾き 志乃 はい、またあとで (331) 2013/06/24(Mon) 00時半頃 |
【人】 琴弾き 志乃― 廊下 ― (339) 2013/06/24(Mon) 01時頃 |
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