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『紙一重でも構わないさ…。
実験はこれっきりにはしない…完成はさせるべきだからな。』
[意味合いが異なっているのは重々理解している。
それでも素知らぬ顔でそう返答した。]
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ『……流石にある程度は隠れているから大丈夫だろうと思うが…。 (69) 2015/03/08(Sun) 03時頃 |
[仕方なしに座り込んで端末を確認する。
返信していないメールは2件。
アイリスと…差出人不明の、いや、クリスからのメール。]
(返信くらいはしておくか…。)
『To:アイリス
Message:
ありがとう。俺もアイリスが大好きだ。』
[心配をかけてしまったな。そんな風に思いながらメールを送信する。
それからもう一通、さて、どうすれば彼女を納得させられるか、考え込むようにして頭を抱えた。]
『To:クリス
Message:
元々君に強制されてしたプロポーズだ。
あの実験をしていて、そして、色々と事故があったおかげで気が付いた。
そんな恋愛に現を抜かしている暇は俺にはないのだと。
だから、なかったことにして欲しい。
全て責任を取るつもりではあったが、よく考えれば、君に子どもがいるわけでもないし、あのプロポーズはなかったことにしておいても問題はないはずだ。』
[メールを確認する、問題はないだろう。大丈夫、流石にこれで向こうも犬に噛まれたと思って忘れるはずだ。]
(…長っ!俺ってこんな長文打てるんだな。)
[本人は見直して、そんな感想を思い浮かべつつ、メッセージを送信した。]
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件名:了解!
早かったね。レポートは無事終わったのかな?
辞書は急がないから、少しそのまま持っていて。
卒業までちょっとバタバタしそうなんだ。
幸い辞書は急がないしね。
都合がついたら、また連絡するよ。
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[アイリスのメール>>3:@12へ向け、手早く返信を打つ]
[返ってきたメールを確認して唖然とする。
いや、言ったけど、確かに色々言った気がするけど…。]
(……ダメだ、これはここに居たら俺は殺される気がする。
今すぐにでもここを出て行くべきだ。
フィリップには悪いが、命の危機の方が大事だ。)
[もう一度ゆっくりと立ち上がる。
第二、第三の犠牲者?知ったことか。
生まれるか分からない次の犠牲者より、このままだと確実に犠牲者になる自分の命の方が大切だ。
少なくとも、まだ死ぬ気はない。]
(と、普段はなんともない距離なんだが…)
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ[出口の扉付近に辿り着くと少しだけしゃがみ込む。 (78) 2015/03/08(Sun) 04時頃 |
[寄りかかっていた扉が開け放たれれば、そのまま後ろに倒れ込んだ。
開けた人物を見て目を丸くすれば、恐怖のあまりに思わず部屋の中に逃げ込む。
もっとも、三半規管の乱れのせいで真っ直ぐに歩けているわけではないが…。]
………っ!?
[口をパクパクとさせながら、まさかこんなに早くここに来るとはこれっぽっちも思っていなかった。
とは言え、怒りはごもっともだ。
殴られるなり、蹴り飛ばされるなりの覚悟はしっかりしなければならない。
それを理解すれば、改めて座り直して、目を閉じた。
受け入れ態勢はこれで大丈夫だ。]
[どうやらフィリップが持ってくるはずの着替えを彼女が持ってきたらしい。]
(あいつ…裏切ったな…。)
[勝手ながら、真っ先に思い浮かんだのはそんなセリフだった。
とは言え、着替えを持ってきてくれたのならありがたく受け取ろう。
そう思って軽く会釈をしながらその袋に手を伸ばす…。
伸ばしたところで何かの薬が顔にばっちりとかかってしまう。]
…っ!?
[目やら鼻やら口やらに入ったが、痛みがあったりしみたりする気配はない。
なんの薬かはわからないが、思いっきりかぶった液体を拭いながら、そっとクリスを見上げた。]
(いや、目が一切笑ってないです。)
[何を言うかと思えば…クリスの言葉に少しばかり笑みを零す。
まあ、確かに隠し事は多数ある。知られたくない話もある。
とんでもない薬を飲まされてしまったらしい。
だが、彼女は一つだけ抜けている事がある。
今の自分に自白剤などあってないようなものであるということ…。]
あれのせいで言語障害が起きているんだ。
麻痺もあるのにまともに喋れない人間に自白剤を飲ませてどうするんだ?
[……おかしな現象が起きた気がした。
いや、言葉はまともになっていないはずだ…。はずだよな?]
………本心…
[だ。そこで言い切ればいい、ただそれだけなのだが、薬の効果はばっちり効いているらしい。]
なわけがあるか…。
俺はクリスが好きだ。確かに最初はあれだけ好かれているなら、とか思ったのが要因ではあるが、プロポーズをした以降、本気で好きになっていく自分がいた。
今は心の底から愛している…だからこそ、別れたいと思った。
[ペラペラと余計な情報を語る口だ。
間違いなく麻痺していたはずなんだが、クリスの薬はそういったところも無視するのかと、半ば呆れると同時に畏怖した。]
[一から十まで耳を揃えて…、その言葉に若干瞳から光が失われた。]
ごめんなさい…ごめんなさい…父も母も出かけていないんです。
今家にいるのは小さな弟と妹ばかりなんです。
お金は今は本当にないんです。ごめんなさい。父と母が帰ってきたらすぐにお返ししますから…。
[幼い頃のトラウマが襲いかかってきて、一瞬幼児化するも、はっと気が付いたように首を横に振った。]
…ある発明をして、その人体実験として、自分が実験台として試してみた。
幾つかの副作用があったが、実験そのものは概ね成功した。
その実験の副作用によって、今回の事故は起きた。
一つ目、衣服類が消失するという副作用。
二つ目、三半規管のバランスが崩れ、歩行に障害が起こる副作用。
三つ目、言語脳へのダメージによる一時的な言語障害の副作用。
この3つの副作用が原因だ。
[そう言って息を吸い直す。概要は説明した。ここからが詳細だ。]
実験の副作用により衣服類が消滅、代わりの服装を教室内で探索していたところに、さっきの彼女がやって来た。
俺の姿を見て唖然としていたが、どうやら部屋を間違えたらしい。
部屋が違う事を伝え、その場所を示そうとしたところで、遅効性の副作用が発生する。
まずは三半規管へのダメージにより、歩行が困難となり、その場に倒れてしまった。その際、彼女に押しかかるように倒れた。
あとは彼女が俺の急所を蹴り上げた事による痛みと、先ほどの言語障害による副作用で、こちらが伝えたかった言葉の単語の一部一部を拾ってしまい、またもや、そこで情報の伝達に齟齬がしょうじたようだ。
[そして詳細を一気に告げてあんなことになった要因を全て纏めて話すことになってしまった。
うん、話すつもりなんかなかったはずなんだが…。]
分かった。後ほど改めて謝罪の文面を送ろう。
[こうやってまともに喋れるのはいつまでか分からない。
であれば、自動的に文面になるだろう。
落ちてきた衣服をノロノロとした動きで着用しようとするが、次に来た質問に対して喋ろうとした口に無理やり布を突っ込んだ。
直後に端末に文字を打ち込み出す。]
『最終的に実験は成功にはほど遠かった。
やはり、俺はもっと本格的に研究に時間を費やすべきだと結論付けた。』
[そう打ち込んだ端末を彼女に押しつけるように見せた。]
[なんとか幾つかの洋服を着こなす事が出来た。
これで外に出ることも問題なく、部屋に戻ることも出来るだろう。
そうして、自分の格好に余裕が生まれれば、ようやくクリスの顔を見ることが出来た。]
………………。
[自分が強引に起こした行動の結果だ。
どう考えても自分が悪く、自分が何か言えることなど何も無い。
だから無言を貫く。貫くために押し込んだ布の塊だ。
引っ張り出された布を視線で追う。]
クリ…っ!?
[逃れられない、逃れるつもりのない唇に、その身体を抱き寄せたくなる。
離れた直後に呟かれる二言、別れの言葉…。]
…や…だっ…。
[そう漏れるのは自分の本音、薬のせい…言ってしまえ。
それで選んでもらえ、まだきっと…自分の中の悪魔が誘惑する。]
『わかった。すまない。』
[そうだ、自分のせいなのだ。自分の責任だ。
この責任は自分一人が負うべきものなのだ。
だから、その端末を押し当てて、喋り出さないように片手で必死に口を抑えた。]
[部屋を出て行くクリスの後ろ姿すらろくに見送る事が出来ずに身体は膝を思って折ってしゃがみ込む。]
……?あ…い、や…だ……。
[別れたくない。当たり前だ。いつの間にここまて彼女にほれこんでしまったのか?
それでも想いが変わることはない。]
だったら最後まで、もっと深く…全部聞いて知っていけよ…。
聞いて欲しかった…よ…。
[届けたい想いのあった言葉は、届けたくも届かない。
本音はそのまま空に消えて。]
—アイリスの部屋(昨日夜)—
あたしなら——うーん、悩むけどこっち!
イチジクの多い方がオススメかな。
[アイリスの悩んでいる様子を少女は楽しそうに眺める。
一人っ子であったため、大家族のジレンマを少女は知らない。
思い返してみればお茶を淹れる手際もとても良かったような気がするのは、
手伝いや気配りが必要とされる大家族ならではだろうか。
どちらが良いかと聞かれると真剣な様子で両方の皿に視線が行ったり来たり
しばらく考えてからオススメを答えて]
ああ、遠目から。
[心配そうな顔をしている理由が察せられて少女は得心がいく。
ぱんぱんに膨らんだ白衣のポケット、左目と右手首に巻き付く包帯型の端末。
その印象と学内の噂しか入らなかったら心配にもなるだろう。
一風変わった彼女のスタイルに子供のようにはしゃいで目を輝かせられるのは、
少女のような潜在的に目覚める可能性があるか、
宇宙の意志を受信するなどして既に一線を越えてしまった者だと思う。
クリスのことを知って貰えたらきっとアイリスの不安を取り除けるだろうと、
彼女の背景が分かれば自然少女の向ける笑みも力強く。
友人に対して思っていることを話すと、ほっと彼女の緊張が和らぐのを感じた]
まあ、最初はビックリするね。
[クリスを初めて見る人々の反応を思い出して、目を逸らし頬を指で叩いて言う。
少女も覚悟を示すものとか名乗っていたことは当分言わないでおこうと心に誓う。
——ケイイチ、頼むから忘れてて!
信頼と安堵がこもった言葉からアイリスがどんなに兄を慕っているかが、
少女の心にも届いて、また一つケイイチの印象が良い方向に転がった。
少し話しただけでも実直さが端々から伺えるアイリスがこんなに慕う兄なら、
友人が間違って惚れ込んだ(実際始まりは勘違いだが)ということもあるまい]
ね、アイリスも会いに行ってみたら!
案内するよ! 結婚前に話してみるのって大事でしょ。
[その後は理科室での話をしたり、礼を言われると照れくさそうにしたりして。
つついていたケーキがなくなる頃にはすっかり寛いでいた。
部屋に入ったとは逆に、落ち着いた様子で手を振り彼女の部屋を後にした**]
—食堂を去ってから—
[食堂での話が終わると端末に新たなメールが届いている事に気づいた。
一件は化学の——な、なんて名前だっけ!クロフォン?クロフォース?
少しずつ名前が頭に入りかけている先生から届いたメールで、>>3:@13
もう一件は、クリスからの返信だった。>>+35]
そう!クロフォード先生!
[十把一絡げに先生として認識していた一人を、ぴしっと人差し指を立てて
スクロールが名前に行き着く前に大きく声に出した。
周りの人が突然の独り言に驚いてざわざわと振り返る。少し恥ずかしい]
——あ。
[画面に走らせていた手が滑ってスクロールが下方まで飛んで行く。
追伸の一行目にあるおめでとうが飛び込んできて目を見開いた。
チップを提出した時の引きつった顔。
駆け込みってレベルじゃねーぞと激怒されても仕方ない日程で
大量のレポートを押し付けたのに、おめでとうが来るとは予想外だった。
少しずつ反省をしていたところでもあった少女は息を呑んで、
続きを読もうと指を動かし]
なんだそれ。
[むすっと頬を膨らませた。
ごめんだとは失礼な、言われずとも卒業も就職も勝ち取ってやると反骨心が疼く
だいたい、先生という人種は毎度一言余計なのだ。
分からず屋……でもないクロ昆布め。
ぽちぽちと端末に文章を打ち込んで行く。これは復讐なのだ]
件名:Re:Re:Re:レポート提出の件について
突然ですみません。
先生、甘いものは好きですか?
[少し浮いたポイントでプリンでも送ってやろう。もっと腹が出てしまえ]
[力を入れて送信を押して、次にクリスのメールを開くとどきりとした。
酷くはないと聞いていたが熱は出ていたのかと今更のように知って、
クリスも戻れないのでは心配だとそわと足を踏む。
知り合ったばかりで表情の変化も分かりにくい。
長々と語ることも少なかったアオイが特別だと伝えてくれたメールは
徐々に影響を及ぼしているとは少女本人も気づかない話]
冷蔵庫の食べ物とテーブルの上の解熱剤。
[頭の中に書き留めて、クリスに簡単な返信を送る]
件名:Re:
うん、任せられた!行ってくるよ。
[もうすぐお昼時かと時刻表示を見て、アオイの部屋に直接向かう**]
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ ―自室― (86) 2015/03/08(Sun) 22時頃 |
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ[時間をかけて着替えを済ませて身体の調子を確認する。 (87) 2015/03/08(Sun) 22時頃 |
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ ―保健室― (89) 2015/03/08(Sun) 22時半頃 |
—ホーム・アオイ、クリス部屋—
入るよ。
[倍速での移動はあっという間、ノックはしないで扉を開ける。
クリスとは理科室でばかり会っていたから部屋に足を踏み入れるのは初めてだ。
似た作りの二人部屋に同じように並ぶ対の机、一つには桃缶が積まれているか。
住む人によって同じホームの部屋でも味が変わるのだなと思った。
アオイは起きているだろうか、膨らんだ布団が見える方に歩み寄る]
おはよう? 来ちゃった。
[膝を折ってベッドサイドに笑みを向ける。
目を覚ましたならまだ無理に起きなくて良いよとアオイに言うだろう。
顔色はやはりあまり良くないように見えて心配そうに覗き込む。
おもむろにアオイの額へと手を伸ばし少女の体温と比べてみた——熱い]
あら、こりゃしんどいね。
お腹空いてる? 食べられるなら食べた方が元気でるよ。
[アオイのリクエストはあっただろうか。
少女は立ち上がり冷蔵庫の中身を物色する。ヨーグルトに杏仁豆腐。
銀色の袋は食堂の人気の一品、プリンをたくさん詰めると貰えるパウチか、
合間から見える白いキャップが主張する味はバナナミルク。
バナナは病人食に良いと聞く。バナナ味にその効能があるかは分からないが
薬学部のクリスらしい選び方だと少女は思った。
その中の一つとプラスチックのスプーンを携えて、再度隣に膝をつくだろう]
はい、どうぞ。
[蓋を開けてスプーンを差し出してみた]
![]() | 【人】 学園特警 ケイイチ ―食堂― (95) 2015/03/08(Sun) 23時半頃 |
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