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───ッ、ぐ……ぅ…!!
.
[そして小さくつぶやき、ニコリと場違いに笑みを見せる。
そして膝を曲げしゃがみ込みながら、小刀を振り下ろした。
狙うのは首の後ろ、頚椎を目掛けて。
どんなに血を浴びようと、どんなに相手が弱っていようと、トドメを刺さなければ────薬にはしにくいのだから。
育ちの良さそうなこの男ならば、先の不気味な首無し男よりは余程口にしやすそうである。
そのまま叶うならば、首のあたりを執拗に幾度も狙う。
血を浴びようと、手も顔も着物も汚れようと。
────自分にとって害となる前に消す。そして、薬になってもらう為には仕方がない]
………やりなよ、死にたくないなら
あんたに家族が居ようが俺には関係ない
[それだけ告げては首の周りに隙間を作ろうとしているのもお構いなしにまたギリギリと絞め始める
出した結論は脅しに乗らないという選択
撃たれてしまうのだとしても、脅しに従うのは嫌だし
”黙らせよう”と行動を始めた頭と肉体をすんなりと収められる程俺は出来た人間じゃないんだ]
────ッ、が…!……は、ッ!
[見せられた笑みなど視界には入らぬ。
ただ、深くめり込む脇腹のナイフに悶えながら────振り下ろされた小刀に、ビクリと体が大きく震えた。
嗚呼、
嗚呼。
今何が起きている?
────────────私は?
体が熱を持ち、それから振り下ろすたびにビクリ、ビクリと痙攣を起こす。最早この男には、抵抗する術は残っていなかった。
ただ動かぬ体を震わせては、引きつけを起こし。宛ら壊れた玩具のように赤い体液を撒き散らしたことだろう。
────恐らく、その痙攣は その体から魂が抜けたのちもしばらく続いたに違いない。]*
![]() | 【人】 双生児 オスカー[空には輝く星々が僕らを照らしていた。 (145) 2016/02/27(Sat) 02時半頃 |
![]() | 【人】 双生児 オスカー(いなくならないで。 (146) 2016/02/27(Sat) 02時半頃 |
[ オや、あそこに見えるのは
何処かで見たケダモノらしイ
シ肉を喰らって三日月
どうやら僕がケダモノらしイ]**
[着物も、肌も、頬も全て赤く染まっていく。
髪を振り乱しながら表情もさほど変えずに刃を幾度も振り下ろす血塗れの姿は、それこそ修羅の如くであっただろう。
相手の首から、刃で穿った箇所から血汐が大量に飛び散っていく。
それを静かな漆黒の瞳はまっすぐに捉えていた。
こんな殺し方は今までした事がない。
だが、自分の身を護る為なら。
火浦の家の為に薬を得る為なら。
それは、致し方ないことなのだ。
幾度も貫いた先、赤ばかりではなく白も覗いた。最も硬いそれらが見えた頃、娘は漸くその手を止めていた。
少しばかりその呼吸を荒くしながら、心の臓をドッドッドッと早く打たせながらもその顔色は変わらず────
否、血汐で染め上げられたその下側で、ほんのりと桃色に染まっていた]
[ズブリ、と指先をその眼球を傷つけぬようにえぐり出そうと、下瞼から掬うように沈み込ませた。
目玉ならば、魚のそれを口にしたことがある。何とも言えぬ食感であったが、生で喰わねばならぬならまだマシかもしれない。
指先の感覚に流石に眉を顰めたが、ある程度指先を沈み込ませては、その眼球をえぐり出そうと試みる。
しかし、筋が僅かにブチリと千切れた感覚はあれど、指の力で無理にすれば眼球を潰してしまいそうだ。
では、と指先を一度抜いて小刀を構え直す。
その切っ先を眼孔の淵に当て、グリグリ、ガリガリと眼球を傷つけぬように────少なくとも潰してしまわぬようちと注意を払いながら、その周りを覆う筋をブチブチと切り取っては今度こそ丁寧に抉り出し]
────ゔ。
[然し、其処まで丁寧に取り出しておきながらいざ目の前にすると躊躇する。
それでも瞳を固く閉ざし、えいやと口の中にその美しかった瞳を放り込んだ。
強い鉄の味、肉の味。
熱を通していなければ仕方もあるまい。
然しこれは薬なのだ、吐き出してはならない。
吐き出しては、ならない。
血を飲み込み、暫しそれを口の中で転がしていた。
そして、
意を決して歯を立てればブチュリと潰れ、トロリと舌の上に蕩けた感触。
コリ、と固く触れたのはレンズだろうか。
鼻で大きく息を吸い顔を天へと上げながら両手で口元を抑え、
ごくり
何とかそれを飲み込んだ]
[ 少女は、既に、わかっていた。
先ほどの金髪の男は少女を殺そうとしていた(本人に言わせれば人形に仕立てあげようとしていた)が、この眼の前の男はそれ以外にも目的があるのだと。
男の目に浮かぶ情欲の炎は見慣れた色。父親も、時折父親が連れてきた男達も、同じ目をしていた。
ああ、けれど、それはとても安心する。
何故ならやることは皆同じだからだ。未知のことをされるわけではなく、勝手知ったるいつも通りの手順であり、毎日毎日、同じことを繰り返してきたからだ。
慰み者の少女は、男たちにいつだって従順。
握りしめた手が乱雑に振り落とされたのなら「ああ、この人はそういう人なのか」と学んだようだ。相手の顔色を伺って趣向を察することも、慣れたもの。]
……ゼヒ…はい。私は…ゼヒ…あなたの玩具です…あなたの玩具です…あなたの玩具です…ゴプッ……私は、私は……ゼヒ……
[ 相手の言葉を復唱する。あなたの言うとおりだと、少女は男をすべて肯定して、受け入れる。少女は男からどんな仕打ちをされても、それを肯定するつもりのようだ。]
[ 首に刺さったペンは未だ少女の首に。
奥深くへとねじ込まれたそれは呼吸を妨げると共に少女の血が噴き出るのを止めていた。男がそれを睨みつける眼差しに、少女は身を震わせる。]
う……ごめん、なさ……
[ やがて服をたくし上げられれば、少女の裸体が顕になった。男には露出狂かとなじられてしまったが、地下室で玩具として奉仕する日々を送っていた少女には、下着など無用の長物であった。
だが、思いの外少女の体は綺麗であった。真っ白な肌に男を知らぬような恥じらう桃色の果実が見えたことだろう。胸や腰の発育も悪くはなく、揉めば手には若い娘の弾力が返ってきたことだろう。ただ、如何せん痩せ過ぎていたために抱き締めたとしても心地は良くなかったようだが。
腹部には多少殴られたりした時の鬱血痕が残るが、それは上手に口での奉仕ができなかった時に、父親を苛立たせてしまった時のもの。
物覚えの良い少女は、男を満足させることにいつでも必死。]
ゼヒ……ヒュ……ヒュー……
[ 男の独白のような自己肯定には、少女は何も答えなかった。"おこりんぼう"と自負する彼が取り出した一物も、やはり怒っていたように見えたから。膝の裏に手を当てて押し広げられる時にも、少女は従順に足を開き男の体を自身の中心へと招き入れる。
どくりどくり、と少女の指が滲む真紅に濡れる。それと同じように、少女の秘部も愛液に濡れ、慣らすまでもなく男の熱を欲しているかのようにヒクついていた。
玩具ならば、持ち主がすぐ遊べるようになっておくのが自らの使命だとでも言わんばかりに。]
はい…そのとおりです……ゼヒ…
悪いのは…ゼヒ…私…おもちゃの分際で、コフッ…ご主人様を怒らせた私……ゴフッ…ごめんなさい…ごめんなさ、い…
[ 相手の同意を求める声には、しかと頷いて肯定した。反対などするはずもない。『そうだよな』と男は納得し、少女を貫いた。]
あ……ぁ……犯して…いただき、ありがとう、ございます……
[ 最初の一突きには少女は嬉しそうに笑みを浮かべて男に礼を言った。
そうすれば男が悦ぶと思っているからだ。
しかし、いつもであれば相手がより深く自分の中を遊べるようにと腰に足を絡ませるのだが、今日は足が鉛のように重くてそれができずにいた。]
あ……ゼヒ……ひ、ぐ……ゴポッ
[律動がすぐに始められるなら、少女は男のために甘い啼き声をあげようとしたが、血が気道に絡まってなかなか難しいようだ。また大きな血の塊を吐いて、少女の瞳は男を見つめたまま徐々に瞳孔が開いていった。]
たくさん犯して…くださ…ゴポッ…私はあなたの玩具です…私はあなたの玩具です…私は……あなたの……私は……――。
あなた、だけの――……。
[ やがて少女の傷口を抑えていた手に力が入らなくなれば、カラン、とペンが落ちたことだろう。
男に犯されながら、少女は最期まで玩具で在り続け、息を引き取った。
そう、これが"始まり"だったのだろう。]
[ パァン、……────]
[ 特別な存在だと思い込んでいる自身に"殺人鬼"だの"罪深い"だのという不名誉な言葉は不服である。まあ正直否定し難い所もあるのだが、身分の違う路傍の花に罵られたのでは、そして訂正なきうちに死なれるのは、何よりも許せぬ事。
彼女は自身を喜ばせるために生き、そして死ななくてはならないのだ。目の前の少女が生きる時代も境遇もまるで想像とは異なる事を男は知らない。]
……あぁ、何だ慣れてんのかぁ?
調教済みかよ、つまんねーの
ま、仕方ねーか
生きてくだけで必死だもんなァ
[ 如何な層に属す者だとて、玩具などと称され直ぐに受け入れる女はいまい。"あなたの玩具です"と繰り返す少女(
どうせなら男を知らない女がよかった、などと身勝手な贅沢を思う。それでも目の前の灯火は今にも消えそうだったから、行為を急いだ。]
[ 運んだ時いやに軽いのが気になったが、目の前の生き物の性別が女なら女として利用するまで。肉欲を発散する行為は、自分が優位であることを実感する方法の一つでしかない。そんな中、首に突き刺さるペン(
コレは自身の玩具なのに。私有地に紛れ込んできた犬に小便を撒き散らされた感覚だった。
苛立ちのまま引き抜いてしまいたいが、然しそれをしない。この脳筋でもそれが出血を食い止めていると理解して居たからだ。腐っても警察。そして前線に置かれる身。最低限の応急処置は心得ていた。]
ああ、そうだテメェが悪ィ
[ 謝罪をする彼女にそうだそうだと頷いては、ワンピースらしき布をたくし上げ首元のペンを上から抑える彼女の手ごと隠した。見えなくなれば幾分腹の虫もおさまるというもの。
誰かの琴線に無意識的に触れてしまったとはいえ、客観的に考えれば、突然首を刺されて不遇なのはどう見ても彼女に違いない。けれどもこの男は自分の物差しでしか計らない。
目の前の玩具を横奪しようとしてきた金髪の男も憎いが、金髪の良いように傷付けられ死に瀕している彼女にもまた、怒りを覚えるのだ。]
[ 衣服のみすぼらしさに似合わず彼女の身体は綺麗で女性的な発達は優れたものだった。痩せこけて腹周りに肉らしい肉はなかったか。それに比べれば膨らんだ胸や女性らしい骨盤の拡がりはより際立って見えただろう。
まるで男の欲求を叶える為だけに盛り立てられたような肉体は、些か不気味さもあったかも知れないが、そんな事を気にする余裕も喜んでいる暇も無い。一瞬眺めて肌の白さに舌舐めずりをすれば、すぐに膝裏を押し上げ素直に受け入れる彼女に覆いかぶさった。
だって、死んでしまう。反応がなくなったら詰まらないじゃないか。死体は嫌いだ。娘の弾力を無骨な手が確かめる事は今はなかった。]
( あー、濡れてる )
[ 先端を押し当てたとき、ぬるりと滑るものがあった(
同意を求めれば、それは肯定の形で返され、気分を良くして。にやにやと笑いながら彼女の中へ男根を全て埋め込んだ。]
…あー、はは、キッツぅ…、
[ 堪らない、とばかりに声を震わせ黒い瞳を細めた。誰かの形を覚え込んでいるらしいそこはぴったり自身のソレに合うということは当然無かったが、慣らしていない隙間に捩込むのは息が詰まるほどキツくてイイ。自分勝手な男は、女に挿入する時はいつもそうしているのだった。
傷付けられてさえいなければ。死に瀕してさえいなければ。この哀れで愛らしい生き物の秘部を自分に合う形になるまで犯してやるのに。]
ご主人様じゃねぇ、俺様はケイイチだ
[ "犯していただきありがとうございます"などと玩具然とした台詞(
彼女が誰を相手にしてきたか知らないが、過去のそれらと同一視されている様でイラつく。小さい男なのだ。決して下半身のことではない。
ケイイチだろうとケイイチ様だろうと、自身だけを指す呼び名に変えさせれば、満足げに口の端を吊り上げて抽挿を開始した。ガツガツと自分勝手に、相手の反応など構わずに。]
[ そう、構わずに腰を動かしていたが、反応を示そうとされているのには気付いた(
実際に聞こえたのは甘い声などではなくカエルを轢いた様な音だったとしても、それが彼女なりの処世術などとも知らないけれども。
── "嗚呼、なんて愛らしいのだろう" 、と。
可哀想で、哀れで、無様で。それでいて酷く可愛らしい。こんないつ誘拐犯に殺されるかわからない危機的状況でも──尤も、自分達を集めたのは誘拐犯などではなく、そして地上には誘拐犯より余程危険な者たちがいるようだが──自分の心を癒してくれる、目の前の生き物の愛おしさときたら。
そうして柔らかな唇に口付けようと顔を寄せ。
──しかし、大きな血の塊が吐き出された。]
ッは、クソが……、
[ 故意にかけられたのではないと当然わかっている。然し、憤りを覚えてしまうのだ。彼女の血に塗れた頬を再び叩いて、まともに浴びせられてしまった自身の口元を乱雑に拭い、また身勝手な律動をはじめるのだ。
苛立ちのまま連続で突き下ろし、ベッドがギシギシと悲鳴を上げた。
瞳孔の開いていく瞳には気付かない。]
あー、射精る射精る……!
[ そうして、首に刺さっていたペンが落ちたことなど気付かずに、いつの間にか反応も示さなくなった彼女から肉棒を引き摺り出すと、彼女の頭に射出口を向けて、ドピュドピュと白濁を放った。
避妊などという思考は別段無い。
赤く染まった白髪を再び白くしようなどという適当な理由。
右側の髪から頬にかけて自分の出したものが粘着きながら滴る様を眺めては、はぁ、と熱っぽく息を吐く。俺様の玩具。マーキングでもした様な気分だった。
けれども、そこから視線を少しズラし。
元々光の無かった瞳が完全に沈黙しているのに気付けば、大きく舌打ちをした。]
…あー…ツマンネ…
( 詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない詰まらない…… )
[ まだまだ遊び足りないが、死体は好きではないのだ。性癖は多少偏っているかも知れないが、死姦に興味は無い程度にはノーマルだった。
この晴れ切っていない怒りの矛先が次に向くのは──言うまでもなく金髪のニックだろう。
男は彼女の死体をそのままに、否、一度だけ名残惜しげに白濁で汚していないほうの頭をするりと撫でると、衣服を整えはじめた。]
あの野郎ぶっ殺してやる……!
[ 既に一度殺されたことなど、知る由もない。銃声(
着替えが終われば、余韻に浸ることもなくそのまま出て行くつもりだった。雑な動きでスラックスを引き上げれば、ポケットからは折りたたみナイフが零れ落ちた。丁度彼女の近くに。]
[ ああ、けれども。もしも既に背を向けた、死体が載っているベッドから声や音が聞こえたなら、きっと振り返るのだろう。
いまこの男は、冷静な判断力は有さない。
何故死体が動くか、よりも。
殺しても死なない玩具を手に入れたと、
ニタリ嗤うのだろう。
─────────それは"はじまり"の合図。]
![]() | 【人】 双生児 オスカー── 笑う ── (182) 2016/02/27(Sat) 18時頃 |
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