14 学校であった怖い話 1夜目
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―廊下―
今? 今はね、……教官室に戻る所だよ。
[自分の場所を尋ねられて、素直に答える。廊下を進んで角を曲がれば、教官室はすぐそこだ。 花切り鋏を握る指先が、僅かに震えた]
うぅ……。
[小言を言われれば、しょんぼりとした声を零した。不自然なほどに、いつもの、兄妹の光景]
(72) 2010/07/25(Sun) 23時頃
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『俺は、もう一度「メアリー」に会いたいよ』
[その言葉>>66を聞いて、「私」は、嬉しかったのだろうか。…哀しかったのだろうか]
おにいちゃん。私は…。
―――――…わたしは、ここに、いるよ。
[冷めた声に返すのは、相手に見える筈もない微笑]
(73) 2010/07/25(Sun) 23時頃
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[遠い廊下の向こう側に、ぼんやりと零れる淡い光があった。テッドとパティの懐中電灯の明かりだろう]
……………?
[兄の電話の声が途切れる。だから、私も口をつぐんで息をのむ。 携帯電話を通して、漏れ聞こえてくる教官室の様子。剣を孕んだパティのホリーへと向けた言葉]
――――――…っ!
[その内容に、目を見開いた。 そしてほどけた髪を揺らしながら、気づけば教官室へと駆けだしていた]
(75) 2010/07/25(Sun) 23時頃
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あー、めんどくせぇなこりゃ…。
かといってあんまり俺が庇うと足がついちまうし。
[床に落ちる影は、生徒達の間を縫うように動き、
その顔を順番に覗き込んでいく]
んぅ。
[ちら、と影を見て]
いいよ、たいしょー。
わたしだけで、がんばってみる。
ん。わかった。
じゃぁ俺はあくまで副会長やってらぁ。
…あんまいい気はしねーけど、それで負けたら余計悔しいもんなー。
[ぼやくようにそう言うと、伸びた影はしゅるしゅると足元へ戻っていった]
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[淡かった光が眩く変わるのは、単に光源に近づいているからではない。 テッドから懐中電灯の灯を向けられれば、怯んだように一度身を竦めるも、足を止めることは無い。小さな少女の影は、やがてはっきりと暗闇の中から映し出されるだろう]
あ、う……、せ、先輩。
一体何が、起こって、―――――…
[テッドの名前がすぐに浮かばず、微妙な呼びかけになってしまったのはともかく。 少しだけ彼と距離をあけて立ち止まると、息を切らしながらも青ざめた顔で問いかける。テッドの向こう側、教官室の方からは、パティ達の声が聞こえてくるのだろうか]
(78) 2010/07/26(Mon) 00時頃
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うん、
もしだめだったら、……あとはまかせるね。
[影が戻る直前、小さく囁いた]
[任せる、と言われても影は答えない。
そこで任せろと答えるのが、何か寂しかった]
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………………。
[兄が心配していたという言葉を聞けば、困ったような表情で教官室内を一瞥し、けれど視線はすぐに眼前の青年へ戻る]
あ、あった。たくさん。
[問いかけに、花切り鋏を両手で掲げて相手に見せつつ、片言の返事。 何も特別なことは無い、との声に、少しだけ複雑そうな顔をした。電話口でパティの物騒な言葉を聞いていたからだろう]
―――――――……あなた。
[誰が鬼かと言われれば、鋏の刃先を突き出すような恰好のまま]
あなたは、ちがうと、おもう。
[少女は鬼と思う相手ではなく、人と思う相手を答える]
先輩は、誰が鬼だと、思いますか。
(80) 2010/07/26(Mon) 00時頃
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[二人から離れた場所に逃げた「ラルフ」の体からパティの背後に向かい、影は真っ直ぐに伸びる]
…まだか。まだかよ…
[ぼそぼそと呟く声には明らかな苛立ちが混ざっていて、「その時」を今か今かと待ち構えている]
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