267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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─── ええ、 そうね。
[ それだけ言った、 ほんとうに たったそれだけなのに、 また、口に異物感があったから、 舌から"種"を取ってしまって、 ハンカチで拭き取ってしまいましょう。
まったく何処からうまれてるんだか。 ]
(17) 2019/06/15(Sat) 01時頃
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面白いこともあるものね、せんせい。 植物って言われ続けると、何時かこうなるみたい。 ─── ばからしい。
(18) 2019/06/15(Sat) 01時頃
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そんな閉めっぱなしにしないで、報告したら? "たいへんな患者さんがいます"って。 せんせい、何時もやる気無いんだもの。 いっそ 担当医交代してもらったら如何かしら。
─── 嗚呼、それより片付けないと駄目かしら、 片方しか見えないからまったく嫌になるのよ、……
[ 閉ってしまった 扉を示し、
……多分、終わりが分かったから、わたしは、 何時もよりずぅっと饒舌だった。 楽しさすら、あった。 何年こんな場所に居たか確かじゃあないから、 永遠に眠れるその時が恋しくもあった。 ]
(19) 2019/06/15(Sat) 01時頃
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[ そうなれば、きっと、永遠に静かでいられる。
……つちのしたで、ずぅっと、 ]
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[ ベッドの脇へ のんびりと降り、 適当なタオルを引っ張り出して、
─── バランスが狂うわ、とか、ぼやきつつ、 ぼやいている最中も転びかける有様。
それでも、 ほんとうに、気まぐれに、適当に、 片目の端で紙を 花の絵を捉えてしまったから、 ]
(20) 2019/06/15(Sat) 01時頃
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……それとも なあに、 その絵と、"これ"、比べてみたいの?
[ 二本の指で、鋏をつくって、 目元、名札の根元を ばつん !と 切ってしまう 仕草。
─── 切ったらどうなるのでしょうね。 わたしですら ちっとも分からないけれど、 まぁ 切った途端にわたしが"散った"としても 文句一つも言わないでしょう。 ]**
(21) 2019/06/15(Sat) 01時頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 01時頃
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全然しないわ。 [ 白菊の浮く水たまりの前で。 ]
(27) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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[ "こんなの"、 腫瘍みたいなものじゃあないのか。 色々なことを知らないにんげんだったから、
─── 嗚呼、否、もうはんぶんは違うけれど、
間引かれようが手折られようが愛でられようが、 苗床にはまったく関係の無いお話だったので、 むしろ切ってもらったほうが、 ……有り難かったかも、しれず。 ]
(28) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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……種、だったら 何。
[ 舌先を出した。 ちぃさく乗った、種を示して。 興味の色が 正直に言って嫌だったので、 見せた後、そのまま適当に飲み込んでしまおう。
もしかしたら明日のわたしから この種の花が咲いているかもしれないけれど、 やっぱり どうでも良いお話で、 ]
(29) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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[ のみこんで、 ]
[ ああ すこし、おなかがすきました。 ああ なんだか、のどがかわきました。
きっとこう思うのだって前触れは無く、 確かに昨日までのわたしと違っていたのですから、 なんだかひどく おそろしかったのです。 どうでもよかったのは事実ですが、 変わりゆくことに慣れてはいませんでしたから。 ]
[ ─── 嗚呼 でも、おもうのです ]
(30) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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[ ─── だから、 彼方へどうぞお帰りください。
そしてその時に だぁれも居ない病室で 第二の庭園でも作れば良い。
空になった器へ白菊を入れ、 閉じられた扉を指さし、 渡すと同時に突き返そうと。 ]
(31) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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要らないから、此も持って帰って。
[ 新しい方の器を 片目で見遣って。 居心地が悪いことを 隠しもしない 顔。 ]
(32) 2019/06/15(Sat) 21時半頃
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[ 喉を通った種が、刺さったような、 ]
(40) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ 日光はきらい、 ─── きっと、きらい。 うそ、昨日のわたしは知らない。
水だって知らない。 喉が渇いても今は飲む気にならなかった。 示された器を、只、睨むだけで、
どうせ静かになるんだから、 それまで放ってくれと言っているじゃない! ]
(41) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ 此処で片目を切り離してやろうかと思った。 あくまで 病室だからか、 刃物の類いは置いてなかったけれど、
それでも、たとえ 病人の指先だろうと、 此は刈り取れるものだろうから、 花弁を潰さないように 辿り、摘まんで、 ]
どうせ、咲いたところで わたしは死んで 、
(42) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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──────────── 、
[ 詰まった。 ]
(43) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ 空いている片手と、 "わたしの"しらぎくへ添えられていた手は、 瞬間、口元を覆い、隠し、 にんげんの 咳き込む音を塞ぐ。
……別に血を吐いたとか、 そんな大袈裟なことはなくて、
只、蒼白い隙間から、種が幾つもこぼれ落ちて、 床に落ちた其れらを、息を切らして見詰め、
─── 嗚呼、なんだか"片側"が重たい。 ]
(44) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ 鏡でもあれば、きっと、 眼窩からもう一輪、隣り合わせの仲良しのように 白菊がいつの間にか咲いていた って、 ……わかったのかもしれない。
俯くだけのわたしじゃあ 得体の知れない種しかわからなくて。 ─── 其れだけじゃあ なかった。 なんにも分からなかった、きっと。
わたしのことなんて、なんにもしらないのよ。 ]
(45) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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…………枯れるならそれで良いわよ。 ゴミ箱に捨てられるだけでしょう。
あなたの名付けた 全然似つかわしくもない 只の患者の、 "しらぎくさん"の生態系がそうだっただけよ。
[ 落ちる種が"わたし"からうまれてしまったことも、 気持ち悪い、以外に言いようが無かった。
片方だけ生きているにんげんの機能で、 ]
(46) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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何か鳴ってる。 ─── 誰か 呼んでるんじゃ無くて。
[ 白衣の方を 指さし、
それはもう バランスも取れず、 危なっかしい勢いで立ち上がって、 指先で手繰りながら 病室の扉を開いた。
外の喧噪が、入り込む。 ]
(47) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/16(Sun) 01時頃
[ だれか の なにか を
ぎせい に して────
…じぶんも曖昧だと言うのに。**]
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[ 自分からうまれた何か を、 見られることも 触れられることも、 挙げ句 "そんな風"に言われることも、
なにもかも 不快だった。
理由なんて特に無くて、只、 生理的に受け入れる方が難しくて、 ]
(55) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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[ ……出て行く様子が無かったので、 もう此方から出てしまおうと思った。 素足だろうと知らない。 ]
(56) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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[ ふと見下ろした白い足首に、
ほそく、わたしがベッドにそうするみたいに
"何か"が這っていても。
知らない 全部 何もかも、 ]
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[ 開きっぱなしの扉を前に、
眩しかろうがなんだろうが、 ( ……嗚呼 此処で、行き先に中庭があるのも、 何時かのわたしじゃあないみたいだ。 )
何処かで捨ててしまおう、と、 気持ち悪い種子を包んだタオルを寄越すよう、 手を向けて 見るのだけれど、
其れより先に 外の"にんげん"と片目が合って、 そのひとったらわたしを見て声を上げたものだから、 反射で舌打ちを返して派手に閉めた。
わたしはばけものとでも言うのか、 ─── そうだったか、 ]
(57) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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[ 室内が陰り、 しらぎくはんぶんだけが、もうひとりを向く。 ]
(58) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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─── Dr.Palatino, あなた ほんとうに ばかね。
初めて会ったときから、 あなたたちが "そう"、言った癖に。 しらぎくなんて勝手な名前つけて、 ひとつもにんげん扱いしなかった癖に、
今更 聞くような真似、しないで頂戴。
(59) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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[ 静かに咲いた方が良いのは何だったのか、 閉じようとしたくちびるも 忘れてしまった。 もう 八つ当たりでもなんでも良くて、 結局自分の所為にしたくなかったのかもしれない。 ……知らないし、どうでもいいけれど、 珍しく、─── きっと珍しく、 怒ることはあれど、なんにもないわたしは うまれてはじめて 叫んだような、気がして、 ]
(60) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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[ ─── だから出て行って って、 言おうとしたし、"だから"までは実際発した。
その後詰まったのは、……詰まったのは、 別に、また種が引っかかったから ─── とか じゃあ なくて、
ちぃさく わたしの薄い腹が、 此だってきっと人生ではじめて、 空腹を訴えたから、で、
わかりやすく怯んだ顔! ]
(61) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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──── ………… 、……
……せんせい なら、ご飯でも持ってきなさい、 だから おばかさんなのよ
[ ……流石に このお話ばかりは、 無視したのはわたしだけれど。 此処で漸く、少し冷静になったかもしれないけれど、 そんなこと知らないって、 ベッドに転がる枕を引っつかんで、 せんせいの顔面目がけて投げた。 ]
(62) 2019/06/16(Sun) 16時頃
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