131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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…確かに俺は診療所の主だ、間違いない。
何故お前なんかと共鳴してるのかは分からんが。
[本当に一瞬遭遇しただけの相手だというのに。
もしかしたら何か特別な力でも持っていたのだろうか、そうは見えなかったが。]
…また特異体質か。それも三回もあるなら、君が原因なの?
声的には、まだ僕と年も近そうだけど。
君も、名前はなんていうの。
アマネは昔カーライルにいた頃の……友人だ。
イアンという。
[こちらはそう思っていたが相手がどう思っていたかは。
面白そうに錫杖を握らせたり、その様子を窺っていたのは気づいていた。
親しくはしていたがどうにも実験体扱いされていたらしい。
でも、それでも。
人を喰う事を許容し。
どうしても嫌ならば腕を突っ込んででも吐き出させてやると。
そう言ってくれた人物でもある。]
お前は…アマトだったか。
何故カーライルから出てきた。
アマネは止めなかったのか…?
[あの過保護な男の事だ。
アマトが国を出るなどと言えば止めるだろうと思う。
まさかアマネが行方不明な事は未だ知らないまま。]
えっ……えっ???
[幻聴にしては、やけにはっきりとした声が、聴こえた気がして。]
兄さまの……昔の友人?
[いつも忙しそうに外出も多い兄だが、友達がいたとは驚きだ。いやまあ、別に兄は根暗ではないけれど]
聖霊術師として、やらなければならない事があるから。
兄さまは……止められませんでした。
最近、忙しいのか。 家にも、寄り付かないから。
[痛い。兄の今を問われて、アマトは出来るだけ言葉を包んで塗した。それでも伝わるかも知れないが]
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…………っ……!?
……今のは、一体……?
[聞こえるはずの無い、>>135クラウディア卿の“聲”。 真実と信じるには、不可解すぎて。幻聴と割り切るには……鮮やかすぎて。 戸惑い揺れる彼女の元へ、司祭に連れられた同胞が現れる。
……あの司祭、確か、ノックス卿のシンパだ。]
司祭様、あの……。
[今しがた聞いたものを伝え、判断を仰ごうとして。 有無を言わさぬ柔らかさで、同胞に引き継ぎを指示するよう、詰め寄られて。]
(203) 2014/08/16(Sat) 23時頃
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…………え、ええ……わかりまし、た。
……ごめんなさい、メアリー。 新しい子達は当面、カリキュラムから戦闘訓練を抜いて、見てくれればいいから……。
でも、メアリー、あの。 もしかすると、また改めてクラウディア卿からご指示が……っ、司祭様、あのっ……!
[笑顔で頷く彼女に頭を下げた途端、司祭により半ば追い立てられるよう、聖堂の出口へと向けさせられた。
……やむを得ず彼女が市街へと赴いた、その少し後。 >>135別の兵により、クラウディア卿からの正確な指示が伝えられることとなったのだが。その報が彼女の元へと届くのは、いつになる事か。]
(204) 2014/08/16(Sat) 23時頃
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……始めまして。アマト・カザミヤ。しがない『神秘研究家』です。
ええと、イアンさんと。もうひとりも知り合い?
俺はティソという。
原因についてはそうじゃねーかな?としかいえないな。
明確なところはまったくわからねーしな。
本当なんでさっきちょっとあったばかりの人間と共鳴しちゃってるかね?
[アマトの言い方に何か含みを感じて眉を寄せる。
だが表情まではお互いに伝わる事もなく。]
…家に寄りつかない……?
元気にしていればいいのだが。
聖霊術師としてやらねばならぬ事、か。
[その言葉にふと思い出すのは。
黒衣の預言書《ドレスコード》の担い手の言葉。]
間もなく闇で染められるこの地に。
何故、今この時に来たのだ。
まあいい、あまり兄上に心配はかけるな。
あれは過保護だったからな。
[別にかまをかけようというつもりはないが結果的にそうなっているかもしれない。]
俺はただの医者だ。
[表向きは。
実態は病魔は喰らう半人半魔の中途半端な存在。]
「間もなく闇で染められるこの地に」
なんていってる奴が唯の医者であるはずがないだろ?
それに共鳴してる時点で普通じゃないよな。
[過去の経験から考えると闇に類推されるもの。
あえて口には出さなかったがそう確信していた]
僕はそもそも君たちの顔まだ知らないのにね。
ティソ、だね。よろしく。
[そう考えると益々妙だ。普通この手の精神共鳴は、両者の同意、どれだけ最低限でも顔見知りですらない状態でこれ、というのは。然し]
[間も無く闇で染められる。その言葉を耳にしてアマトは]
……そうですね。
兄さまは心配するだろうけど。
それが必要な事だから。僕も。
[もし表情が見えていたら曇るその瞳を見られていただろう]
…まあ、普通ではないかもしれないが。
ならばそういうお前はどうなんだ?
ティソといったか、善良そうな人物に見えたがお前も。
[闇の眷属だというのだろうか。
ここは聖都、闇の眷属はそもそも肩身が狭くひっそりと暮らしているのだ。
なのに今日になって闇の気配を感じる事が多いのは。
やはり私は憂鬱を謳う詩人《ブルーバード》の通りにこの街が、闇へと染められていくのだろうか。]
戦う為にこのレグレシアまで来ました。
[嗚呼、告げてよさそうだ。そう判断して、反応を窺う為にもその言葉を吐いた]
あはは、兄さまと友達なだけでも、「唯の医者」じゃちょっと無いね。
僕がいつでも、「しがない神秘研究家」なんて名乗ってるのと同じくらいには。
[ティソは。彼はどういう立場の人間なのだろう]
ああ、こちらこそよろしく。
俺は善良な市民だよ。
ちょっとだけ、特殊な事情は持ってるけどな。
賢者の塔にいた事があるっていって置けば察してもらえるか?
……随分と勇ましい事だな。
戦うとは具体的に何とだ、教団か?
ならば容易くはいかんぞ。
あちらは人数も多いしな。
[真顔で答える。
表情は伝わらずとも空気は伝わるだろうか。]
お前の兄ならば俺の正体も知ってはいるのだが。
まあ、ただの医者という事にしておいてくれ。
[本気でこの地が闇に染まり、戦いが始まれば。
自ずと正体も知れよう。]
善良な市民か、あはは。
つまりティソは魔術師か何かで。
何らかの研究成果かこの特異体質の所為で締め出されちゃったわけだ。
[確かにアマトは察した。なまじ知識はあるだけに余計な所までだが]
うん、そう。教団と戦います。
イアンさんも、結構危ない人だね。お互い、こんな言葉、教会に聞かれたら唯じゃすまないよ。
それに、相手の強さは、知ってる。
それはもう、身に染みて。
……それに戦わなきゃいけない理由も増えたみたいだしね……。
[その小さな声は己に向けた物だが]
ま、そんなところ。
[属性が原因とまではいわなかった。
闇属性に理解のある人間が零ではなかった()
しかし、大半()は忌避しており、
才能こそ認められていたが確固たる地位のなかった自分は排除されてしまったのだった。]
聞こえるかしら?
今、貴方の心に直接問いかけているわ。
[さて、魔法耐性のある彼に言葉は届くのか。
レティーシャと話すよりは小さな声になってしまうのか。
それとも、全く届かないようであれば通信用のマジックアイテムを渡すところなのだが。]
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― 市街地 ―
…………調査、と、言っても……。
[当てもない。伝手もない。 それをどうやって、探せと言うのだろうか。 整然とした町並みの中、少女は途方にくれていた。]
兵科の訓練時には、一応、諜報の心得めいた物も教わりはしたけれど……。
[ただ“捜査を”という命ではあった、が。 それはつまり……後ろ楯も無く、支援も無く。 情報を得られなければ切り捨てられ、得られどもその功はノックス卿の元。そもそも、十字軍の統括はクラウディア卿故に…………。]
(276) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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…………胸糞悪ぃ話だな。
アイツ、十字軍を、いや……クラウディア卿を、どんだけ嘗めきってんだ。
[吐き捨てる口調は、《夢の中の少女》と同じで。 しかし。彼の者への静かな怒りに囚われる彼女は、無意識で。]
(277) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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……何処から、当たるかなぁ……。
[纏う外套は、軍服を包み隠せる物。 隠密の命ならば、と、押し付けられるよう渡されたのだが。幸い、然程目立ちはしていないようで。]
とは言え、持ち合わせの金子も少ねぇんじゃ、マトモな情報も、…………あれ?
[明らかに諜報の教育を超えた知識――スラム時代の、裏社会に関わる物――が混ざるのに気づかず、算段を立てながら。 当てもなくぼんやりと歩いた道は、ふと。
――――“夢”の記憶に、重なる。]
(278) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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――――…………確か。
此方から、こう行って……こっちに……。
[その一角には、常に何かしらの見張りが居て。“子供が正面から出入りしようとすると、厄介事に巻き込まれる事が多かった”筈で。
故に、出入りは“いつも”、路地裏の奥の奥。 建物の陰に隠れた、塀の崩れた一角から…………。]
(279) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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― スラム街 ―
…………抜け、た。
[“夢”と同じ。 ――――……否、夢“が”同じなのか。 鼻孔を突く饐えた臭いも、屯する流民の様相も。あまりにも、夢に酷似していて。]
『いよぉ、レット! 随分と久し振りだなぁ! そんな上等なモン着て、どうした?』
え? あ…………。
……ご、ごめんなさい! 急いでいるので!!
[流民の一人に声を掛けられ、少女は困惑を隠さずに、早足でその場を走り去り。 後に残されたのは。顔馴染みのよそよそしさに、逆に困惑する流民の姿。]
(280) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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