82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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《大丈夫。 少し ひとりでやってみる。
死にそうになったら 助けて。》
[いっそトルドヴィンに流し込まれるのが 確実な方法のようにも思えるが…。
ひとまずはキリシマ宅で食事を摂っている、 という口実さえあれば。 ドリベルに心配をかけずに 試行錯誤してみる時間は得られるだろうと。
キリシマの背をゆるやかな手付きで撫で、 彼が落ち着くまでは静かに黙ったまま傍に。]
(336) 2013/05/14(Tue) 00時半頃
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《先生も。死ぬなら寿命で。 あるいは ボクに負けて。
口をあけて 細く流す 体を傾けて
やってみる。 ありがとう。》
[どちらにせよ。 想定しているキリシマの死は百年後くらい。 長生きしてね…などと素直に言うほど、 彼は老いているわけでは無く。
こうして助けてくれる頼れる師匠だ。
しばらくそうしていたが、 これ以上、会話を続けて負担をかけるのは あまり良く無いだろうと判断して。
先に書いた「ありがとう」を円で囲んで。強調。]
(351) 2013/05/14(Tue) 01時頃
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[なんとなくの気紛れで、 こんな機会は滅多に無さそうだからと 弱った師の体へ両腕を回して一度抱きしめ。
声で感情を伝える代わりにと トレイルがよくする抱擁を真似てみたが。
柄じゃないな…と思い。肩を竦め、笑った。
そんな唐突な行動に、 師は驚くだろうか。怒るだろうか。
何にせよ、キリシマの反応を見て、 「ありがとう」という唇の動きを残して 今日のところは帰る事にしよう。
修行だと、昨日の二の舞になっても困るしね。**]
(355) 2013/05/14(Tue) 01時頃
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― キリシマの家を出る間際 ―
[抱いた師の体は 思っていたよりもずっと小さくて驚いた… …なんて事があるはずも無く。
いつもと変わらない声に、言葉に、 髪を掻き回す手の容赦無さ(>>364)に、 彼の健在ぶりを示されたようで嬉しかった。 安心もした。
「生きろ」という真っ直ぐな言葉が響く。 頭の奥に。じんわりと。
細くした目でキリシマを見つめて。深く頷き。
またしても攻撃を受けてしまった後頭部をさすり 師と別れて、その家を後にした。*]
(404) 2013/05/14(Tue) 10時半頃
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― チアキと出会ったのはその直後 ―
[キリシマの家を出て少し歩いた箇所で、 連れ立って歩く隣家の二人組に会った。
昨日と変わらない様子に安堵を。]
《怖くて泣いてるかと 思ったのに。 元気だね。チィ。なによりだよ。》
[文字のみでも、雛鳥を揶揄するのは変わらず。
ドリベルについてを聞くと ほんの一瞬だけ表情が曇るが。
あとは普段と変わらず飄々と淡々と。 チアキとの短いを会話を楽しんで、別れた。*]
(405) 2013/05/14(Tue) 10時半頃
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― 自宅 ―
[手にした板に残る キリシマ宅での会話の形跡を掌で擦り、 きれいに消してしまってから。帰宅。
声をかける習慣が失われてしまえば。 限りなく無音で密やかに動く男の帰宅は そっと開いた扉の隙間から流れ込む風によって 室内の気流が変化するだけという静かなもの。
ドリベルが掃除をしているのを見つけ。
そのまま、気付かれないよう傍へ。 後ろから腕を回して寄りかかるのは、 ただいまを言う代わりのいたずら。]
(407) 2013/05/14(Tue) 11時頃
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[不意打ちの攻撃に成功してしまったようで。
痛みに耐えるドリベルを抱きながら こちらは込み上げる笑いを堪える事に。
それでも、背後から彼を抱く腕は ほんの微かに震えてしまう。 声は無くとも、笑っているのは明らかだ。
叱られないうちにと腕を解き。]
《ただいま。ドリー。 帰り道 チィに会ったよ。 泣いてなかった。 残念。》
[適当な椅子に腰掛けながら、 板面に書き連ねた言葉を見せた。]
(451) 2013/05/14(Tue) 19時頃
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[ドリベルの語る村の様子を聞きながら、 椅子の背に深く凭れ、板を指先で撫でた。]
《右腕が使えないなら やっと人間らしく なるね。 熊より巨大で怖い、あのひとが。》
[ケヴィンについては心配にはなったが。 身を案じるのは胸の内でのみとし、軽口を筆記した。]
(486) 2013/05/14(Tue) 21時頃
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《うん。チィが言ってた。 ドリーが何か作ってくれるって。
今は おなかいっぱいだから あとで食べよう。》
[努めて平常に。文字から嘘も見抜けないだろう。
書き終えた文字を見せてから、 ドリベルを手招き、彼の右手を取って。 その指先へ口付けを。たわむれに。]
(487) 2013/05/14(Tue) 21時頃
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《先生。》
[質問に返した文字は大きく力強かった。 チョークが板を走る音もまた荒く。
書き終えて、ドリベルへと向けた顔には、 片眉を持ち上げた少し楽しげな表情が。
そのまま見つめていた先で、 彼の顔に安堵が滲むのを見ると胸が痛んだ。 しかし、それ以上に、安心した。
ドリベルに心配をかけたくない という気持ちも更に大きく膨らんで。]
(506) 2013/05/14(Tue) 21時半頃
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《先生に手伝ってもらって もっとすんなり食べられるよう 練習を。
だから。 しばらくは、先生の家で食事をとろうかと。 ( 少し待ってて。すぐにまた一緒に食べら )》
[そこまで書いて、 最後の一文は擦って消した。
代わりに書き添えたのは、]
《練習 なまけると、叱られるしね。また。》
(507) 2013/05/14(Tue) 21時半頃
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……、 。
[引き寄せられ顔を上げる。
額に落ちた口付けに目を二度瞬かせて、 彼の首筋へと触れた指先で そのままもう少し近くへ…と強請って。
仰ぎ見て、唇を重ねる。
キスの間際の唇の動きは小さく微かで。 声にはならなかった言葉は きっとドリベルにも、伝わらなかった。]
(510) 2013/05/14(Tue) 21時半頃
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[笑ってくれる事が嬉しい。 一緒に声にして笑えないのが悲しい。
細めた目はドリベルを見つめ、 そっと伏せた。 瞼の裏の闇を見つめる数秒。
強請るままに重ねた唇を弱く吸う。 まともな飲食と発声という役割を失い とても無価値になった口だが。
こうしてキスを交わすためだけのものに 成ったのだと思ってしまえば、いっそ、幸せか。
動かない喉を覆う皮膚感覚は生きている。 触れられれば、温かくてくすぐったい。 ふ、と笑って。]
(530) 2013/05/14(Tue) 22時半頃
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[キスを解いて。再び板とチョークを取る。]
《もちろん。 ドリーが作ってくれるものが 一番 美味い。》
[口にした朝食はもれなく無味だった。 水でさえ、昨日まで飲んでいたものとは まったく違うもののように思えた。
そんな詳細も、伝えないまま。
「ドリー。ありがとう。」と。 唇を開閉させる動きで伝える。]
(531) 2013/05/14(Tue) 22時半頃
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《うん。楽しみにしてる。》
[料理を始めるドリベルの背を眺める。
笑ってくれた顔を思い返しながら 触れて貰った喉の感触を自分でも確かめて。 冷たく、硬い。
開いたままの窓から吹き込む風を頬に感じて。
申し付けられた通りに、静かに窓を閉じた。 いっそう静けさの増す室内で、 しばらく、ただただ、ドリベルを見つめていた。*]
(554) 2013/05/14(Tue) 23時頃
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[しばらくはそうして 静かに考え事をしていたが、 妙に凪いだ心地に眠気を誘われて。
うつらうつら、そのままほんの少し眠った。
膝に乗せた板に新しい文字列を残し。]
《出来たら 起こして。
ドリーは、何か したい事はない? 食事のかわりに。 一緒に出来る事を何か。
修行以外でね。》
(567) 2013/05/14(Tue) 23時頃
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……… 、
[浅い眠りに沈み漂っていた意識は、 現から呼ぶ声に引き戻されて浮上する。
重い瞼を持ち上げて、瞬きを何度か。
いかにも寝起きの気怠さのまま 「おはよう」と唇を動かして応えて。
一緒に…との言葉には瞬きを繰り返しながら ほんの一瞬だけ息を呑み悩んだ。けれど。]
《うん。いっしょに いこ せんせいのとこ》
[寝起きはどうやら文字にも眠さが現れるらしく。 気の抜けた、頼りない文字が並んだ。]
(587) 2013/05/15(Wed) 00時頃
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[返事を書き込む際に見つけた、 自分のものではない筆跡。
その一文の下を指先でなぞるように撫で、 黙ったままで、確かに頷いた。
《約束。》と傍に書き込んで見せた。
その一文は、消さないつもり。 約束を果たすまで。]
(590) 2013/05/15(Wed) 00時頃
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