272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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ありがとう。 指輪、嵌めてもいい?
[ 頷いて貰えたら、 私はそれを左手の薬指に飾るんだ。 ……付き合いたての、昨日の今日で?
うん。 私は結構、重たい女だから。 ]
(218) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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ピアスは校則違反だから。 大学生になったら開けるね。
[ 最も君が今すぐつけてと言ったら この場でピアッサーを買いに走るんだけど……。 校則?愛の前には無力だと思う。 美味しいといいね。
"今の私が大学生になった姿。" 君が見ることは、絶対にない。 ]
(219) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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一緒の大学、行きたいな。
[ 何も知らない私は無邪気な子供の様に 君と歩む未来を疑わない。>>189
紺碧(12月)のピアスを一つ、指で摘まんで。 大切そうに仕舞い込んだ。 ]
(220) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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あ、あとね。 クリスマス・イヴは、一緒にお祝いしたいな。
[ クリスマスと、君の誕生日。 プレゼントは二つ用意しないといけない。 君がそうしてくれたように。
夢を見る少女は夢中で、 君と描きたい未来を重ねる。 いくつも、いくつも。 ]
(221) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ それはとても幸せな夢でした。
しかし、夢は必ず醒めるものです。 ]
(222) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ ――――飛び降り自殺らしいよ? ]
(223) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ ざわり、ざわり。 人と人の間を通って。 それが私の耳に届くまで 少し時間がかかりました。
ショッピングモールの傍。 施錠の甘いビル。 屋上から男性が一人……。 ]
(224) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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………。
[ 何となく胸騒ぎがして。 私は先程しまったスマホを取り出した。
嶺二くんからのメッセージ。 内容は、たった5文字。 ]
(225) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ さようなら ]
( ああ、また思い出してしまった。 そう言って微笑む誰かの顔。>>1:68 )*
(226) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ ……大丈夫だと思ったの。
嶺二くんは一人で羽ばたける 太陽みたいな人だから。>>1:201 彼とは全然違うって。 死んだりなんかしないって。
そんな保証、どこにも無いのにね? ]
(227) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ 富山柊季の中身が高校生ではなく。 数年先からやってきた 未来を生きる人間だったように。
綿見真名が優しいのではなく。 ただ壊れていただけのように。
富山嶺二にも。 私達の知らない一面があったって>>145 ちっともおかしくはない。 ]
(228) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ 何のことはない。 私達は全員、嘘吐きだった。 ]
(229) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ 何が彼を死に駆り立てた?
想っていた少女が、 別の男性を結ばれて。 仲良く寄り添う姿を見てしまったこと?>>179
その相手が、 恋路を手伝うと言ってくれたはずの>>0:286 誰よりも信頼する、 最愛の弟だったこと?>>>>0:61
それとも別に絶望なんかしていなくて。 ただの当てつけのように? ]
(230) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ ……ただ一つ確かなこと。 あの時私が頷いていたら、>>89
未来は全く違うものになっていたでしょう。 ]**
(231) 2019/11/09(Sat) 10時半頃
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[ それはきっと、蝶の羽ばたき。 どこかで聞いた 声 どこかで聞いた 音 もしも あの日 わたしとあなたが出会わなければ。>>1:190 これは「明日」が始まる前の、前奏曲。 ]
(288) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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未来?
……ごめん。 言っている意味が、よくわからない。
[ 不穏なざわめきと、スマホのメッセージ。 私は混乱しているんだろうか。 君の言っていることが、 きちんと理解できなくて。
その事実が、さらに私の心を搔き乱す。 ]
(289) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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……それじゃあね。 未来から来た、感想はどうだった?
[ 触れるだけの優しいキス。
こんなに傍にいるはずの君が、 何故か遠く感じられて。
君を繋ぎ止めるように。 私の知らない何処かへ行ってしまわないように。 必死で、言葉を紡いだ。
"この二日間は、 貴方にとってどのような二日間でしたか?" ]
(290) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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[ どれほど渇望したものでも。 いざ手に入ってしまえば。 こんなものかと、拍子抜けしてしまうかもしれない。 まるでどこかの、焼きそばのように。>>1:211
いや、それならまだいい。 もしかしたらそれは、 深い後悔と悲しみすら招くかもしれない。
胸騒ぎは増していく。 君の電話を鳴らす音。>>255 その正体が嶺二くんではないことを、 不思議と理解してしまえば。 予感は半ば、確信に。 ]
(291) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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[ 君の話す言葉の意味。 情けないことに、 やっぱりきちんと理解できないんだけど。
一つだけ、わかったのは。 私はきっと 強くならなければならないんだってこと。>>254
だから、私は首を振る。 君の願いを、拒絶する。>>257 ]
(292) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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私が選べるのは、私の未来だけだよ。
(293) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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[ ―――少し先の、未来の話をしましょうか。 それは、ここにいる富山柊季が知らない未来。
富山嶺二は死亡する。 彼は自らの旅路に、 スマートフォンは持って行かなかった。
警察は着信履歴から富山柊季を見つけたように。 送信履歴から、綿見真名を見つけ出す。 さようならのメッセージと共に。 ]
(294) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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[ 子を殺した相手を、親は決して許さない。>>2:10 兄を殺した女が弟と付き合う? ……許せるわけが、ないよね。
そして死んだのは人望の厚い生徒会長。 友人も、教師も、君のご両親も。
私達が進む未来は、 決して誰にも祝福されない。>>259 ]
(295) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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[ ……それにね。私、知っているよ。
言葉にできること、できないこと。 いろいろあったとは思うけど。 どんなに憎んでも、羨んでも。
君は、"お兄ちゃん"が好きだった。 ]
――― だからね。
(296) 2019/11/09(Sat) 22時半頃
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君の未来は、君が選んで。 [ それがどれほど、 痛みを伴うことだとしても。>>262 ]
(297) 2019/11/09(Sat) 23時頃
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私は、もうとっくに選んだから。
[ ――― どうか忘れないで。>>87
嶺二くんの元へ向かう君。>>261 見送る私はきっと。 泣きそうな顔で、笑っていた。 ]**
(298) 2019/11/09(Sat) 23時頃
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