15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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ああ、私は、
誰かのためにありたい。
[淡い淡い願い]
誰かが私を欲してくれるなら。
それが一番の幸いな気がする。
夜になり、獣系の異形の唸り声、遠吠えが少し落ち着くと、
今度は、どこからか、光の束が乱舞しはじめる。
酸素を燃しながら、進む、焼蛍虫には近づいてはならない。
酸素を吸って生きるものにとって、その光の乱舞は死の舞でしかない……。
(#3) 2010/07/19(Mon) 13時半頃
『きれい……』
[死を誘う光。それでも惹かれるのは何故か]
『後で見にいきましょ、セシル』
["内臓"にいる"存在"が、女だから、なのかもしれない]
ああ、そうか。
…ヒトは、あれの側では生きられないのか。
[声には出さず、心中に。]
『わたしは悪さしないわっ!』
[ぷんぷん]
[くすくす]
『だってわたしは妹だもの』
『くまさん』
『くまさんね!』
『かわいい』
『おともだちになりたいわ』
[くすくす]
『あっ!』
[逃げていく熊に、妹は残念そうに叫ぶ]
『おともだちに、なりたかったのに……』
[しくしく、泣きながらまた内臓を叩く]
[シィラの背中に乗る。
その奥から、感じるもの……。
それは、かつて魔女と呼ばれた女性のような…。
でも、それは、そういう幻影なのかもしれない。]
[そう、シィラが反応するのは、そんな……]
[心に巣食う、異形……。]
『やめてよ』
『やめて』
『わたしのセシルに触らないで!』
[訴えるも、宿主たるヴァイオリニストには届かない]
[その声を聞き止められるのは――
異形の声がわかる者、だろう]
[空から城へ向かう。
そのとき、識っている声がした。
それは、その者の記憶と、
実際にヨナが離した彼女の声が一致したともいえた。]
――…それは、耳にではなく、
直に、心に触れる声…………。
ああ
あの子は死んだのに………。
それを言わないで、と言った約束。
『おおきなこえ』
[真っ暗で 見えないけれど 聞こえる]
[異形の声]
『どうしてかしら』
『わたしはセシルのなかで生まれたのに』
『あの子を知っている気がするの』
『あの、髪の長い子……』
『セシルが、知っているからなの?
それとも わたしが 知っているからなの?』
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