219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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― 7day・ジョードデンキ付近 ―
[家電量販店の入口付近。 気怠げに座る方法は幼女にはふさわしくなく。 数名の死神が頭を下げながら、その脇を通っていく。]
……禁断ノイズかぁ。
[誰が発生させたかは想像がつく。 そしてそれを咎めるつもりもない。 ただただ、『面白くない』だけだ。
なんの価値にも満たない雑音が。 それほど価値のない命を散らすのが。 興味のある光景ではなかった、というだけで。]
(@29) 2017/06/23(Fri) 22時半頃
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[迫ってくる黒い雑音は、死神を襲う。 だから自分の保護を求める死神もいようとは、考えつく。
その腰抜けにも腹は立つが、器を知っている賢さがあるだけ、彼らは愚者ではない。 と言うよりは、より価値の無いものがいるから、しょうがないかと今は黙認しているだけなのだが。]
お前はどう思う? そうしてるの、楽しい?
[その問いかけに振り向いたのは、頭が異常に巨大化した猪。 その猪は向かってくる黒いノイズを潰し続けている。
……問いかけに反応する様は、まるで命を持っているようで。*]
(@30) 2017/06/23(Fri) 22時半頃
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…どうしてっかねぇ、あいつら。
[ 昨日の彼女たちのことを少し思い出して。
相容れない、とは思わなかった。 むしろ同類にしか思えなかったからこそ、 ついつい言葉を並べてしまったのは、否定できない。
まあ、そのことに殺してみてから気づくというのも なんとも皮肉な話である。 たぶん、あのとき殺そうとしなければ、 俺は彼女たちの存在に気づくこともなかっただろう。]
(@31) 2017/06/23(Fri) 22時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2017/06/23(Fri) 22時半頃
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……ま、いいや。
[ あとは彼女“たち”自身の問題である。
殺しておいて無責任と言われるかもしれないが。 だが、仮に此方が何を言ったとしても それを受け入れるかを選ぶのは 結局のところ、彼女たち自身なのだから。
――まあ、勝手なことを口にするならば。 自分と同じような件がもう一つ、 増えなければいいと、ただそれだけの話だ。 ]
(@32) 2017/06/23(Fri) 22時半頃
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[ ひょい、と翼を広げて屋上から飛び降りれば、 地上に見知った人影がふたつ見えた。>>22>>31 ]
よーぉ、お二人さん。 無事生き残れて、なによりだ。
[ ここ数日ですっかり馴染んだ鉄パイプを片手に。 空いたもう片方の手をゆるく振ってみせる。 ]
(@33) 2017/06/23(Fri) 23時頃
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[ トン、と妙に軽い音を立てて地上に降り立つ。 ]
おう、一日ぶり。 しかしよくもまぁ、ここまで生き残ったなァ?
[ 感心感心、と。 いつか出会ったときのように頷いて。 正直、「お人好し」な初対面の印象のままの二人に、 ほっとしたような拍子抜けしたような、なんとも不思議な気分になる。]
アンタらが生き残れるとか、 実のところ最初の頃は期待してなかったんだがなァ。 まあ、今回のゲームは色々イレギュラーが多かった。 こないだの「禁断ノイズ」なんかが、そのいい例だな。
(@34) 2017/06/23(Fri) 23時頃
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あのときアンタが黒ウルフを倒したときはさ。 正直大したもんだと思ったよ。
[ ――妙に饒舌なのが、自分でもよくわかる。 なんというか、話していないと落ち着かない。 いつもなら、何かをひとつ口にするより先に 十は手が出ている。そのはずのだが。 ]
――…なァ、シュウト。ヒナちゃん。 ひとつ、聞きたいことがあるんだが、いいか?
[ 徒然なるままに語る、言葉がひとつ。 ]
(@35) 2017/06/23(Fri) 23時頃
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――アンタたちはさ、この“せかい”を、どう思う?**
(@36) 2017/06/23(Fri) 23時頃
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そ。聞きたいこと。 まァ、流石に具体性に欠けるよな。
もう少し突っ込んだ言い方すると 「生き返ったあとの世界で、どんなふうに生きてみたいか」ってこと。
[ それは例えば、どんな夢があったか、とか。 会いたい誰かがいるとか。 取り戻したいものがあるとか、そういうところの話。 ]
でも、そっか。 「遠くて近くてごちゃまぜ」ってのはどんな感じなんだ?
[ 応えてくれた彼女の言葉>>40に、ひとつ頷いて続きを促せば>>41 ]
(@37) 2017/06/23(Fri) 23時半頃
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ああ、それはよくわかる。
[ 見える部分だけが、世界の全部じゃない>>41 その言葉に頷く。 ]
俺もさ、最初にゲームに参加したばかりの頃、思ったよ。
[ いつかは、と。 そう信じていたものが、夢見ていたものが、 絶対に手に入らないことに、気づいてしまった。 失われたものが隠していたそれに、気づいてしまった。 そんな日のことを思い出す。 ]
……。 ヒナちゃんは、この世界どうだった? 楽しかった?面白かった? それとも怖かった? どうだろう?
[ 先ほど、集人に投げてもらった飴を口にしながら そんな問いを重ねては首を傾げてみせる。 ]*
(@38) 2017/06/23(Fri) 23時半頃
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「あなた、何を支払ったの?」
(@39) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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[ 女が問いを投げてきたのは 丁度、最後の日のことでした。 それまで、隣にいた男のこと 何も知らない、と、女は苦く笑って。
さぁ、わかりませんわ。
そう、からり笑った僕へ 疑念を隠しきらぬ瞳は 違和感と諦念を抱いたように、閉ざされました。 ]
(@40) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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[ 思えばね その時、僕の支払ったものを告げたなら 貴女は、どのような顔をしてくれたことでしょう。
六日間、共に過ごした男が かつて、抱いていたそれを知ったならば。 さぞ、驚いてくれたことでしょう。 さぞ、絶望してくれたことでしょう。
そして、全てを取り戻した時に
さぞ、――――喜んでくれたことでしょうか。 ]
(@41) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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[ この男の、唯一を望んだ女へ>>2:@194 “男への愛”を支払ったその人へ
憎悪を支払った
と、笑ってやったならば。 かつて、女が ただ一つ、それだけでもと望んだ感情が>>2:@195
舞台人としての自分よりも、 ずっと大切だったらしい、などと。>>2:@137>>2:@138 ]
(@42) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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[ 死神のゲームへ参加するにあたり、 ―― ―――が支払ったものは、 ]*
(@43) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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魔術師のこと、かぁ…。 あいつとはよくゲームでスコアを競いあう仲だけど。 マブスラが異様に上手かったりするけど。 アンタが知りたいのは、 たぶんそういうことじゃ、ねぇんだろ?
[ ガリ、ガリと飴を齧りながら>>35次の質問を待つ。 尤も、素直に答えるとは限らないが。 ]
(@44) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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トレイルは、ブローリン>>46の言葉に首を傾げて、続きを促す。
2017/06/24(Sat) 00時頃
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[ぴこっ ぴこっ ぴこっぴこっぴこっぴこっぴこっぴこっ]
んー、何やの。
[通知を鳴らし続ける端末を取れば 画面にずらりと並ぶ、同じ名前。 其れに埋もれるようにして、他の名前があったとは>>@23>>@24 この時の僕は、気づかぬまま。
特に返事するでもなく、トークを開くこともなく。 そのまま、また端末をなおしまして、]
(@45) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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[視線はちらと、北の方へ。 それから、東へと。
見かけたいくつかの顔を思い出し さて、どれが例外なのやら。
ぐるり、一周見回して さて、と、 気紛れの足を向けた先は、]**
(@46) 2017/06/24(Sat) 00時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2017/06/24(Sat) 00時頃
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…期待してるとこ悪いけど、 あいつにそんなもんはねぇなァ。
[>>47 あまりにも直球すぎて数瞬間が空いた。 そこまでバカ正直に聞かれると 少しは答えてあげようかなーという気がしなくもないが。
残念ながら、思い浮かばないものは浮かばないのだ。 俺にとっても、あの娘は強く簡単に打ち破れるような そんな存在ではないから。>>34 ]
(@47) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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…。ま、アレだな。 メールにもあるとおり、 あいつは『魔術師』――マジシャンだ。
そしてタネも仕掛けも世界の裏と表もあるのが、 この世界の不文律(おやくそく)って奴よ。
[ ひょい、とブルースカルバッジを掌にのせて、 それをふわりと宙に浮かせてみせる。
別に俺は魔術師でもなんでもない。 それでも、サイキックのことを知らなければ、 これもまた“種も仕掛けもない”手品に見えるかもしれない。]
(@48) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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── 道中 ──
[ スクランブル交差点からの移動中。
最後の舞台となったシアターへと向かうなら、 きっとどこかで、いつか見た顔>>42>>50を見た。
自らを魔女の名で呼んだ少年が、 あまりに華麗なビフォアアフターを遂げていて、
(── ゴシック趣味のスノーホワイトなんて、 まったく、聞いたことはないけれど )
死神は、意地悪な魔女よろしく、 ひとつ、つくりあげた土くれを従えて、 矢で射抜いてやろうと思ったのです。
ラヴェンナ。その名を呼んだのは、あなたです。 あなたの目にうつるままに振る舞って差し上げる。]
(@49) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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[ 心のない土色の塊は、 死神の意のままに、矢を弓に番えて、
── けれど、スマホが震えたものですから。>>33
死神の意識はふいと逸れて、 土くれは矢を射るタイミングを見失って、
ああ、そういえば、 魔女の差し向けた追手も、毒リンゴも、 結局のところ、真の意味で、 白雪を消し去ることにはならなかったと、 確か絵本にはそうありました。
映画では──、どうだったのでしょうね。]
(@50) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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[ ── あら。
なにか、毒気を抜かれたように、 ぱたりと腕を下ろした死神に、 呼応するように、土くれ人形は消えて。
まあいいわって、見送ることにしたの。
どうぞ、いってらっしゃいな。
悪い魔女と違って、奇術師の制し方なんて、 絵本も映画も、教えてくれやしないでしょうけれど。
彼らが振り返ればきっと、 ラヴェンナは笑みを湛えてそこにいる。**]
(@51) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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…ばぁか。 そこは簡単に教えるわけないだろ? 魔術師にとって手品のタネは命みたいなもんだしな。
[ そうしてヒナの答えを聞けば>>51 ]
そっか……そういえばさァ、 シュウトは、好きな奴っているのかァ?
[ 以前同じようなことを、ヒナに聞かれたなァと。 そのときのことを思い出しながら。 ]
なんなら、俺に耳打ちで教えてくれても構わねぇんだぜ? 教えてくれたら、ヒントを教えることを考えなくもない。
[ 遠回しに教えるとは限らない、と示しているがさて。 ]*
(@52) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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[ 此方の問いかけに、彼はどう、答えたのやら。 ヒナと一緒に>>66彼の様子を伺っていれば>>68 ]
えーつまんねぇ。
[ 不満げに漏らしつつも、 その表情はくつくつと興味深げに笑っていて。 ]
(@53) 2017/06/24(Sat) 08時半頃
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おっと。
[ 不意に鳴った通知に、 悪いなと断りを入れてから端末を開く。
そこにあったのは、いつもどおりの変わらない 彼女の文面>>33 絶対に負けることなどないという、 『魔術師』としての彼女の自信に満ちた言葉。 ]
…。
(@54) 2017/06/24(Sat) 08時半頃
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[ 瞳を閉じて端末を握り締める。 それから再び瞳を開けると、端末を閉じて 彼らのほうを、向き直る。 ]
ま、いいさ。 ひとつだけ、教えておく。
結局のところ、最後に物を言うのは 能力の強さでもなんでもない、 前に進もうとする、『意思の力』って奴さ。 心の有り様、と言い換えてもいい。 ようはマブスラと一緒だな。>>3:@75 [ 少なくとも、俺はそうして生きてきた。 灰色の交差点で目覚めてから、ずっと。
“あいつ”の手を離してからはずっと いつか、俺を殺せるような そんな圧倒的な意思と力を持った“誰か”が 現れればいいと、そんなことを思って生きてきた。 ]
(@55) 2017/06/24(Sat) 08時半頃
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弱点とか、どんな能力をもってるか、よりもさ。 アンタたちがこれから先を生きていく世界で、 どんなふうに生きていきたいかのほうが、 『魔術師』を打ち破るためには必要だ。
[ だから、覚悟は決めておけ。 ろくでもない、だけど、沢山の顔を内包する、 遠くて近くてごちゃまぜな>>40 このせかいで、生きていくために。]
(@56) 2017/06/24(Sat) 08時半頃
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……なぁ、負けんなよ? 少なくとも、アンタらは独りじゃない。 一連托生のパートナーがいるんだからよ。
[ 迷いが、ないわけじゃない。 ここから先に彼らが進もうとすることは つまり鳴李かこいつらのどちらかが命を落とすということ。
こいつらはともかく、 鳴李は二人を生かしておこうとは絶対しないだろう。
なんだろうな、俺だってずっとそうして生きてきたはずなのに。 老若男女なんて関係なく、楽しく人を殺して生きてきたはずなのに。 …どうにも、こいつらといると調子が狂って仕方ない。 ]
(@57) 2017/06/24(Sat) 08時半頃
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[ ――ただ、“生きてほしい”と思ってしまった。
“あいつ”以外の参加者に対して、 生まれて初めて、そんなことを思った。
この二人が、生きてゆく未来を見てみたいと>>49 この灰色の世界で、初めて夢らしい夢をみた。 ]*
(@58) 2017/06/24(Sat) 09時頃
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