246 とある結社の手記:9
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……おとうさん。
このこね……とっても、オイシソウ。
─ 夜 ─
[本当はちょっと、軽率だったかなって思った。
何がって、みんなの”食事”に同行するなんてことが。
どう考えてもきっと血の匂いは臭いだろうし、正直こうしていても具合悪くならない自信はあまりない。ない、けど。
でもついて来てしまったのは、嬉しかったから。
ルパートに”同胞”と呼ばれて嬉しかった。
モンドをヒトのやり方で殺して、人”狼”になれたのが誇らしかった。その祝いの食事だ。だから。頑張ってみようと思った。
だってみんなが──、”仲間”が祝ってくれるというのだから。]
[……最初は、仲間なんてどうだって良かった。
だって幾ら仲間と言っても、彼らは人狼。
占われれば、それでお終い。こんな狭い檻に閉じ込められれば、所詮逃げられやしない。逃げられないなら早晩死んでしまうだろう。
それならば。それまでの間、上手く協力した風を装い彼らを欺き人を欺き、まんまと生き延びて逃れればいい。そんなつもりだった。
占われても平気だから、なんて。
彼らのうちで唯一の人間であることは、優越感の元にしかなってなかった。]
[けれど。マリオが死に、イヴォンが死に。
少しずつ、少しずつ”人”の楔は抜け落ちてゆき。
代わりに少しずつ、少しずつ彼らとの時が降り積もる。
ずっと、ピスティオは根無し草だった。
他に同じような人間など、どこにもいない。
少なくとも見たことはない。
両親には、この”声”は届かなかった。
占いと称して使った青い石、あれは正真正銘母の形見だ。
彼らは人狼の存在を知っていた。
知ってなお、自らの身すら守れない非力な”人間”だった。
今にして思えば。
母は本当の”占い師”だったのかも知れない。
無論、ただの思い込みだったのかも知れないし、違うかも知れない。どちらにせよ、とうの昔にルパートの肉になってしまった彼らに問うことなど出来はしないのだけれども。]
[「置いていかれちまったのかい」、と。
聞いたのが、初めて「目の前で」聞いた人狼の声だった。
それまでも何度も耳にはしていたはずだけど。
人狼は人狼で、ただの人間の子どもに声が聞こえるだなんて思いもよらなかったはずだし、こっちもこっちでどうしていいか分からないから、彼らに話しかけるなんてこともなかった。
だからルパートの声は少しびっくりしたし、この村にそのまま居ついたのは結局のところ、彼ら人狼がここに居たから。という理由もかなり大きい。無論、ローザス夫妻の好意あってのことだったけど。]
[どこにも半端な人間の”居場所”などなかった。
いいや。この村に居ついてからは、少しだけあった。
それはローザス家の下働きだったり、人狼らの手伝いだったり。
或いはラルフやノア、ユージンやマリオと釣りをしてみたり。ルパートの宿に出入りしてベッキーと他愛もない話をしてみたり、村のあちこちでちょっとした手伝いをしてみたり。
いつもいつも、愛想良く振る舞っていた。
いつもいつも、誰かの何かであるように。
浅くても一時でも、そこに”居場所”の出来るように。
…───いっとう身近に、
親のように想ってくれてる人の情には気が付かないまま。]
へええ…… 便利なもんだなあ。
[足元を少し小柄な漆黒の獣がくるくると回る。
音を立てないその仕草に、素直に感嘆の声が零れた。
人の目には捉えにくい黒い毛並みは、つやつやとして触り心地が良さそうだ。]
うん、分かった。
なるべく足音を立てないように行くよ。
今更だけど…邪魔が入っても困るしね。
[人間なんて、もう随分と少なくなった。
モンドが居れば、耳聡く異変に気付いたのかも知れないけど。きっともう、そんな心配はないだろう。
ないとは思いながらも、慎重に歩く。
人間の足は、彼らのように静かには歩けないのだから。]
[今宵はお祝い。
ただの中途半端な人間から、人”狼”になれたお祝い。
もう居場所を探す必要はない。
同胞はここに居るのだ。
そう思うと誇らしさと共に嬉しさがこみあげてきた。
だから。少し頑張って”食事”にも行く。
慎重に廊下を歩んで、パトリシアの部屋の扉をそうっと覗いた。
鍵はかけられてない。
あっさりと扉を開けば、中からは血の匂いがした。]
……”それ”
もう、平気なのかい?
起き上がったりは、しない?
[暗闇を見透かせない人の目には、倒れた”何か”に黒い獣の影が圧し掛かっている影ばかりがうっすら見える。
がつがつと、時折下になった影が揺れるのは恐らく自分の意思ではないだろう。ないだろうけど。一応、聞いた。
恐る恐る、といった響きはどうしても声に乗っただろう。]
……………、
[美味しそうだねとか、なにか。
言おうかと思ったけれども声が出ない。
いや実際に口を開く必要はないんだから、言おうと思えば言えたはずなんだけど。でも無理だった。
代わりに喉の多くからせり上がって来るものがある。
だめだ。だめだだめだだめだ。今はだめだ。
それを必死に飲み下そうとした。
余計に上がって来た。胃が痙攣する。
どうしようもない圧が、耳にじんと響いた。]
大丈夫、っスか?
えええと、えっと。
何かなかったかなあ……、えっと……
あ、そうだ。
えーっと…、『いいこ、いいこ』 ……??
[先日からご褒美にと言われていた言葉だ。
なんでこれがご褒美なのか良く分からなかってけど、ひょっとしたら、人狼にとっては元気の出るおまじないなのかも知れない。]
え。あ、あれ?
………… 元気が出て良かったっス!
やっぱりスージーは、元気なのが一番だもんな。
[やっぱり女の子の心は良く分からないな。
そんな感想は、こっちにも呟かないで仕舞っておいた。*]
ねえ。ベッキーにさ、
[声は明るく響く。
みんなでここを出られるのだ。明るくならないはずがない。]
みんなのこと、教えてもいいかな?
いいよね??
― 夜 ―
[お嬢様と共に生きる。
そう誓って最初に行ったのは、"食事"だった。
主として、脚の一本を与えるぐらいは、当然のこと。
人狼の主となった乙女は、
陰のある笑顔でそう言ってのけた。
今までの献身への褒美として。
そして、今まで積み上げてきた罪、その罰として。
リンダは、寝間着の隙間から左の腿を投げ出し、
鉄格子から差し込む月明りにかざした。
ほそくしなやかな脚が青白く光り、
恐ろしいほど蠱惑的に映った。
――ごくり。 獣の喉がなった。]
[人肉を絶ってから十数年。人狼としての力は衰えている。
村を離れ、フーバー家からリンダを護り抜くには、
食事が必要だ。
そしてなによりも、
ロイエの正体を知りながら全てを受け入れた彼女は、
間違いなくロイエの主人であり、最愛の妹だ。
その可愛らしいおねだりを無碍にできる者など、
はたしているだろうか?
ぎゅるる、と、ロイエの胃袋が、はしたない音をたてた。]
……畏まりました。
お嬢様からの褒美、心して……堪能いたします。
[人狼の爪がきらめき、音もなく乙女の左腿を切断した。]
[大皿に盛り付けたリンダの左腿には、一切の手を加えていない。軽く火であぶれば脂が溶け出し、旨みも深まるのだが、せっかくの御馳走だ。素材がもつありのままの味を堪能したかった。
肉斬り包丁をいれ、3枚に薄く削いだスライスを小皿に取り分ける。]
……それでは、いただきます。お嬢様。
[止血の治療を受けたリンダお嬢様が、食事の様を見守っている。
手本になるべきロイエは、上品に食事を行うべきだ。ナイフでスライスを更に切り取り、フォークにまきつけて、ちいさく開けた口に運んだ。ワインに見立ててグラスに注いだ血液を一口。舌の上で、薄い肉片を転がし、香りを堪能しから、ごくりと飲み下す]
……はぁぁぁぁ…
なんという…………美味。
[長らく口にしていなかった人の肉に、全身の細胞が歓喜に打ち震えた]
[一筋の涙が頬をつたった。
気付くと小皿の上にあったスライスはもうなかった。
肉斬り包丁を手に、次の肉片を削ぐ。
今度はもっと厚く。もっと大きく。
ナイフで切り分けるのももどかしい。
フォークを突き立てて、大きな塊のまま、口に押し込む]
………あ"……う"……
[頬をつたう涙の量が増える。
包丁で切り分けるのでは、もう物足りない。
切断面から顔をだした大腿骨を掴み、
身を乗り出して腿に直接かぶりついた。
歯を突き立てて、噛みちぎった腿から鮮血がほとばしった。
口のまわりがべったりと赤く汚れる。
素手で口をぬぐい、掬い取った血液をべろりと舐めた。]
……あ”……あ”あ”あ”っ……うぅぅ……
お"……お”い”じ……い”……。
[目頭に熱がおび、肉を貪る口から、嗚咽がもれた。
頬張る肉片の量に、飲みこむことが間に合わず、
喉がぶるぶると痙攣し、堪えきれずに、むせた。]
……えぼっ……おっ……おぶっ……
ぇ"ぇ"……ぇぁ”ぁ”ぁ”…………っ
[大量の唾液と肉汁と共に、口からぼとぼとと肉片が流れ落ちる。その間も涙はとめどなく零れ、鼻からは啜りきれないほどの体液。口の周りは涎と血液でべったりと赤く汚れきっている。]
……あ”あ”あ”……お”…お”ぜう”ざま”……。
……お”ぜう”……ざま……!!
[汚れた口から零れ落ちてしまったお嬢様の小さな破片に、
ロイエは手を伸ばした。]
……あ”……あ”あ”あ”……っ
……ご、ごめ……
…な”ざ……い……っ
[涙と鼻水、ヨダレと血液でぐちゃぐちゃと赤く染まった顔で、
テーブルに広がる、残り少ない腿肉の欠片を手の平で掬いとり、
口に運んでずるずると喉に流し込んだ。]
お"ぜうざま……ごめ…な"ざい…っ
バ……バケ"…………モ"ノ"で
あ”あ”…………バゲモ"…………ノ"で、ん”ん”
……ごめ……な"ざい……っ
……あ”……あ”あ”あ”……っ
……お”い”じ……い”……。
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”……っ
[ぼろぼろと子供のようになきじゃくりながら、
身を大きく乗り出して、赤く汚れた皿に舌を這わした。
肉の一片、皮の一枚、血の一滴たりとも残さないよう、
丁寧に、丁寧、べろべろとテーブルを嘗め回した。]
……お嬢様。
ああ、お嬢様……お嬢様。
……お嬢様……お嬢様……お嬢様……
─ 夜、 ─
平気よ。
たぶんたべられるの解ってたみたい。
笑ってたわ。
[ピスティオの言葉に尻尾をふった。
そのあと静かになる。]
そっちのほうがくさくない!??!
やめてよ!!今めちゃくちゃ敏感なんだから!!!
[がうがうがうとこの部屋から追い立てた。
前足で鼻をぐしぐしとやる。ぐしぐし、くーん。はふ。息をついて、仕方ないなあ、とまた食べはじめた。口直しだ。]
[まだ部屋にいるかいないかはしらないが、声は届くから。]
あ、そーだ。
ピスティオ、あれ。あれしってる?
[パティは良いなあ、って思ってた。
家族が沢山いる。外に行ったけど、合意でだ。
単純に羨ましかった。
置いていかれるんじゃなくって、
そのあとを兄弟たちや、小さい子が、
着いていっていることが。
だから。]
ほらあ、えーと、
パティがいつもうたってるやつ、
…… 子守唄。
どんなだっけ、
こんなだっけ?
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