14 学校であった怖い話 1夜目
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きいたよ。
“むこうがわかるこ”、なのかな。
[パティに関しての肯定はうたうよう]
“いじわるするこ”、いないといいね。
[仲間の表情は見なかったけれど、そう呟いた]
へへ、大将もそうなのか。
やっぱり、聞き出すとかそういう事しちまうとテンポが悪いよなぁ。
[結果を急いでしまう悪い癖。
まぁ、悪い癖とは本人は思ってないのだが。]
そうそう、パティって子が言ってたぜェ?
思ったより楽にはいかねぇかもなぁ。燃えてくるねぇ。
[へへッ、と無邪気に笑うと、突如鳴った放送に目を丸くする。]
……この演出、なかなかイカしてんじゃん。
そうさなぁ、意地悪してくる輩は居ないといいが。
除霊師、だったかぁ?奴らは露骨に妨害してくっからなぁ。
[アイツらはマジむかつくんだよなぁ。と、小さく唸る。
燃えてくると言ったり、むかつくと言ったり。忙しない狐である。]
だな。やっぱり、スッキリサッパリもてなしたいしよぉ。
大将は大丈夫だとは思うが、お嬢は気をつけてくだせぇよ?
あひゃひゃっ…!
確かに、こりゃあイイ演出だ。
[先ほど単独で暗闇の中に突入した「妹」の奇行は、皆が目撃している。
あの調子でまたふらふらしてくれれば――]
おかしくなっちまった妹を泣く泣く殺すおにーちゃん、なんてな。
あひゃひゃひゃひゃっ!最高じゃん!!
いやぁ、しかしまぁ。
これは誰がセッティングしたんで?大将?それとも、お嬢かぁ?
[いきなり殺し合いだなんて、穏便じゃねぇなぁ!
場の状況に嬉しそうに声をあげた。]
いいねぇいいねぇ、疑心暗鬼を生み出すシチュってぇのはッ
……って、あれ。でも、この声。どっかで……
[聞いたような?はて、と影は小首を傾げてみせた。]
いや、少なくとも俺じゃねーな。
お嬢じゃね?イイ趣味してるぜ、あひゃ。
[こちらは放送の主についてそこまで深く考えていない様子で、ただただ笑うばかり。
まるでセシルのことなど覚えていないかのよう]
うん、きをつける。
[仲間の忠告には素直な反応を返した]
……ともだち、いなくなっちゃった。
[消えてしまった外の気配に、残念そうにつぶやいて]
……ころしあい?
なかま、ふえるの?
[一転、嬉しそうなこえに変わり、けれど]
わたしは、しらないよ?
[セッティングの言葉には否定を返した]
んぉ。あれぇ、てっきりオレは大将かお嬢がしたもんだと。
[オレはしてませんぜ?と、首を傾げる。]
んー、お仲間さんかぁ?お嬢のお友達かぁ……?
[どこか納得できなさそうに唸った。
知らない誰かの意志に導かれているようで、心底気持ちが悪い。]
おともだち?
あんなこ、いたかな。
[不思議そうな気配]
……でも、しってるきはする。
なんでかな。
あんや?おー、怖い怖い。お兄様ァ、許してぇー。
[ケラケラ笑う声。]
……今は怖がってるようだし、掴めない妹さんだなぁ?
この体の記憶も、こういう関係とは全然知らなかったみたいだぜ、っと。
[ふぅむ、と。少し考える素振りを見せる。]
あ、でも、大将の獲物だし。
"こっち"の意味では、オレはぁ、手ぇ出さないぜぇ?
でもまぁ……本当に誰なんだァ?ありゃぁ。
そのために放送室に向かう、っても過言じゃないぜェ。
[んぎぎ。イラつくように唸り声を上げた。]
お嬢のお友達でもないんなら……
アレか?ここに迷い込んだ人間の魂が悪霊になったってことか?
[例えば15年前……と、言いかけたところで。
あっ、と声を漏らしただろうか**]
……まぁ、いっかぁ。
[長考の末、思い出すのは諦めたよう]
あのこ、こわがったの?
よかったね、たいしょー。
[そんな風に、すっかり思考を放棄していたから]
どうしたの?
[何かに気付いたような“狐”に、不思議そうに問いかけた**]
うるせー、体が勝手に動くんだよ。
ったくさっきまで妹に怯えてたくせに、どんなトリ頭だよコイツ…
[楽しそうに笑う狐の声に面白くなさそうにそう吐き捨てると、続くことばに何か考えるような声を上げて]
ある意味似てんな、この兄妹。頭の切り替わりがわけわかんねートコとか。
[手はださない――その言葉を聞いてふむ、と考えこむ。]
この小娘も悲惨だねぇ。お兄ちゃんもニセモノ、憧れの先輩もニセモノ。
あひゃひゃ!!あれだな、場合によっては二人でやる方が愉快になるかもだぜぇ?
人間の魂…ねぇ。
俺達に気づかれずにか?
そのくせ向こうは俺達のコト知ってると。あひゃ、気持ち悪ぃなそりゃー。
[そんなことを言いつつも実際対して気にしてもいないのか、その口調はどこか棒読みだった**]
そうだ、思い出した。
セシル。ここで命を絶った……15年前の、あの娘だな。
[ふん、とつまらなさそうに鼻を鳴らす。]
何が目的だァ?ただ純粋に悪霊として楽しんでるのかァ?
そうだとしても……オレらを駒として扱うたぁ、いい度胸してんじゃねぇか。
……学校に配置した武器とやら。オレらにとってヤバいモンじゃなければいいけれどなぁ。別にただの刃物だとかなら問題はねぇけど、よ。
[もし、清められた銀製だとか、そういうものだったら話は別だ、と。どこか焦りを感じているかもしれない。]
はっはァ!信じたい二人が偽物だったとかよぉ。
とんだ道化の物語だなぁ、切ねぇぜェ、すごく切ねぇ!
[くっくと笑い。]
あー、すごく楽しみだァ。
その絶望に歪む表情!今はまだ預けとくぜェ。
[お楽しみはとっとかねぇとなぁ。どこか嬉しそうに影は揺れる。]
武器…武器なぁ。
本当にヤバいもんがあるとしたら、もしかしてそいつ…えーと、セシル?
俺達をコイツらに潰させるために色々しくんでやがるのかもしんねーな。
[ぽつ、とそんなことを呟く。
その口調は大して真剣みもなく、むしろどうでもよさそうですらあった]
まぁ、俺はそれならそれで楽しーけどよ。
べ、べべ、別にビビってるってわけじゃねぇ!
[言われたわけじゃないのだが、ついつい口にしてしまう。]
……オレらは切り刻まれようが、身体がぐちゃぐちゃになろうが。
少し痛手は負うけど、魂の檻に入ってりゃァ、いずれ回復する。
だけどよぉ、魂自体を浄化っていうの?そういうシロモノがあったりすると嫌だなぁ、ってことよぉ、大将。
[だから、別にオレはビビってるわけじゃねぇ。
と、大事なことなので二回言いました。]
あひゃひゃ。まるで悲劇のヒロインだな、この小娘。
残念ながらお前のヒーローはどこにも居ないんだぜ、なーんてな?
[ゆらり揺れる二つの影が、メアリーの影に交差する。]
あぁ、楽しみだなぁ…。早く殺っちまいてぇ…!!
おいで、
おいで。
[背後の足音に気づいていない筈もない。
懐中電灯を消したなら、一瞬だけにまりと笑んだ]
せしる?
……ああ、いたね、そんなこ。
[興味は薄そうで、淡白なこえを零す]
だいじょうぶだよ。
ころされたって、むこうにかえるだけ。
なかまは、つれてこれなくなるけど。
[仲間の焦りに幼子は言う。
“浄化”の知識はないのか、それ自体ないと思っているのか]
こっちは下手に呼べねぇなぁ。
妹さんがまた狂ってどっか行っちゃうと嫌だしよぉ。
[大将と二人きりでいても、それは親しい同士だし。
二人きりで居る意味ねぇしなぁ、と。つまらなさそうに息をつく。]
ま、放送室に行くまでは、だぁれも。
こっちの住人は連れてかねぇー。あーあ、お嬢は楽しそうでいいなぁ。こっちはお守りだ、畜生め。
[そう言いつつも、ホリーが楽しそうであるせいか、声はどことなく嬉しそうだ。]
……そうさなぁ。
ま、こっち圧倒的有利だし? 楽しまねぇと損だよなぁ、うん。
あひゃひゃひゃひゃ!狐のにーちゃん、キョドりすぎぃっ♪
[びびってない、と何度も主張する仲間が面白かったのか、遠慮なく笑い飛ばす。
笑い声はしばらく止まなかった]
ひゃっ、ひゃひゃ。浄化、浄化ねぇ。
俺は別にかまわねーぜ。むしろちょっとぐらいスリルがあったほうがイイ。
魂が擦り切れるみてーなギリギリのバトルってのも、たまには味わいたくなるもんさ…
めんどうなこ?
[“狐”の息に、そんな問い。
嬉しそうな気配は伝わるから、あまり心配はしていないけれど]
てまをかけてそだてたら、そのぶんおいしくなるんだよ。
にんげんだって、きっといっしょ。
[励ますように、そうも紡いだ]
この状況で逃げられたら相当シュールな絵になるな。
[狐が言う状況を想像して、微妙にテンションが下がった。
鬼役が二人雁首そろえて妹を守りに行くなんて、微妙すぎる]
こっちから呼ぶなら、簡単には逃げられなくしてからだな。
だ、だぁかぁらぁ、ビビッてねぇッスってば!
[仲間に笑い飛ばされ、むむぅと困り果て、口を尖らした。]
……あー、確かに。ここは退屈だァ。
ソレっくらいのスリルはあっても良いかもなァ……
でも、スリルはスリルで抑えてくだせぇよ。
オレは大将と会えなくなるのも、お嬢と会えなくなるのも嫌なんすからね!
[柄にもないことを言ってしまったようで、ボン!となにか小さく破裂する音が聞こえた。言ってしまってから恥ずかしくなったらしい。]
んー。そうだ、確かにそうだ。
お嬢の言うとおりだァ。だから、絶対に。
[逃がしゃしねぇ。と、くっくと笑う。]
あぁ、その状況はさすがに避けたい。
笑い話にはなるだろうが、話すのはオレらじゃァ無くて良い。
[んー、メンドくせぇなァ。と。ため息をついた。]
手間をかければ――あひゃ、そいつぁ一理あるな。
[「お嬢」の励ましにうんうんと頷いて、自分も言葉を重ねる。]
もっともっと信頼させて、もっともっと追い詰めて、
ギリギリのところで蹴落とせば…
きっと、その時の悲鳴が一番美味い。
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