82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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ありがとう……どういたしまして。
[腕をあげる力は抜けてしまったけれど、目を伏せたまま、攻芸に応えた。何だかその物言いは、父親が娘婿に言われるような台詞に聞こえるな、と思うものの、口には出さない。>>397]
[何があっても生きていこうと思った。 それなのに、この結果だ。 兄と二人で生きられないのは、悔しい、悔しい。
けれど、どうしても死ななければならないのなら、せめて二人ほぼ同時に逝けるのは…ありがたいと、思ってしまう。]
(414) 2013/05/16(Thu) 13時頃
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[ケヴィンの手が力を失い、するりと地に落ちるのが見えた。 チアキの慟哭が響く。]
……あぁ……
[そうだ、弟にはまだ、ラーマとして生まれ変わり、彼らを見守るという選択が残されていた。]
…………。
[告げるべき、と思いながらも、声にならない。 手放したくない。
こんな時、どうしても自分本位となってしまうあたり、弟とは違い、やはり自分は師には向いていないなと、苦笑する。]
(415) 2013/05/16(Thu) 13時頃
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―泣き叫ぶ、その前に― [落ちた手を涙をこらえ、 泣き叫ぶのを必死にこらえていた。
いつもなら、優しく呼んで撫でてくれる腕。 それも既に黒い色に侵されていて>>411
叫びだしそうなのを抑えるように、両手で口を塞いでいた。 攻芸が師匠に向ける言葉が、 より一層、別れなのだと実感させて*]
(416) 2013/05/16(Thu) 13時頃
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[ああ。 トレイルからのマーマレード、まだ食べていないのに。 トルドヴィンとの約束も果たせていないのに。 チアキの修行は、まだまだ残っているのに。 他にも、思い出せば色々ありそうだ。
全くもって、死んでいる場合ではないのに…]
[もう傷の痛みも感じられなくなって、 思い出やら心残りやらの回想に陥りかけた頭が、はたと覚醒される。
それは、弟子の大きな泣き声が聞こえたから。>>402]
――――…
[泣くなと言ってやりたいが、無理だろう。 自分だって、兄が死んだ時には号泣したのだ。 でも、何か……何か、元気づける方法はないかと考えて。
一つ、思い出した。]
(417) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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チアキ!!!
[凛とした、死にかけていると信じられないくらい 強い声で、弟子の名前を呼んだ。]
(418) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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家にパンあるから!食べて元気だせ!以上!
[言い終えると、ニッと笑ってみせた。 多分、うまく笑えたと、思う。 いつものように。
そして、その言葉を最後として。 男は、人としての生を終わらせた。**]
(419) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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[けれど、耐えきれずに叫んでしまった。>>402 みっともないと思ったけれど。 泣いて困らせてはいけないと思ったけれど。
二人を失っていくのに、耐えきれなかった。 咽び泣き、叫べは、凛とした声が響いて>>418
びくりっと肩をふるわせた。]
(420) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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!!
[不意に響いた、弟の大きな声に、びくりとする。 そして、チアキへ向けた遺言があまりにも彼らしくて、おかしくて。 泣きたいのに、笑ってしまった。]
まったく。 他にもっと、言うことはなかったのか……。
………。
[けれど自分でも、他に、何を言うべきなのか浮かばなかった。 笑いながらも、左眼からは涙が止め処なく流れ、今度こそ本当に体温をなくしてしまったケヴィンの頬へ、胸へ、ぽたぽたと零れ落ちる。]
(421) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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……っ、く、ふふっ
[>>419あまりに、いつもの師匠らしくて、泣き笑う。 細めた目から、ぽろり、ぽろり、と溢れたものが零れ落ち。
最期に見せれた顔が、笑顔であればいいなと―――…]
(422) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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[弟が、これだけ気丈に、笑いながら逝ったのだ。 ならば自分も、兄として、恥じぬように……]
チアキ。
ケヴィンは、黒玉病で死んだわけではないから。 だから、ラーマになれる。
大丈夫……。
きっと、また………
[また会える。 その声は、掠れてしまったかもしれないけれど。]
(423) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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…………ライマーは、
[>>415こんな事は彼も知っているだろうと思いつつ、 チアキの慟哭を聞きながら、 静かにホレーショーへ声を掛ける。]
望まぬ限りは、ラーマにならぬ。 俺の親父殿も、そうだった。
[もしかしたら、あと十年位したら ひょっこりラーマになるかもしれないけど、 『馬鹿息子を三人も持って満足』と言い残した。 多分、あの爺さんは帰って来ないだろう。]
………ケヴィン様は、どうだろうな。
[彼を待つ者は居るかもしれないが、 彼と共に眠る者を、置いて来れるのか*]
(424) 2013/05/16(Thu) 13時半頃
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それと、ひとつ。 頼み事をしても、いいかな?
[視線で示すのは、ケヴィンの手。]
私は、もう、動けないから。
掴んで……重ねて、くれないかな。 ……手を。
[できれば、手を握り合って逝きたかったが。 それができないのならば、せめて、重ね合わせて……]
(425) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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[せめてあの男特性鉄分摂取特化スープを この場に持って来れば良かったか…と。 組み合わせの悪さ的な意味で悪臭を放つスープは、 幸運な事に、ちゃんと家に封印して来た。]
………な。
[>>418>>419覇気のある声が響いて、眼を見開き驚く。]
(426) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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[また会えるから>>423 その言葉に、泣き笑いながらこくりと頷く。]
でも、傍に居なきゃって、……っ、心配…… されないように……頑張り、ます
[また、出会えたら嬉しい。 だけど、それは放っておけないと思われているようでも
それに―――…
>>425頼み事に頷いて、師匠の腕をホレーショーの手に重ねて]
俺は、……二人にも、一緒にいて欲しいです
[二人が助けてくれた。 二人が、自分にとって、恩人で師匠で、大切だから いつまでも一緒にいて欲しい。
そんな願いを、涙に震える声で呟いて、]
(427) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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…………フ。
[周囲に張り巡らせていた警戒を一度解き、 ぎこちなく口端を上げて、笑う。]
………最後まで ――ありがとうございました。
[それきり動かなくなってしまったケヴィンに、 姿勢正しく一礼して、ヒトとしての生を終えた彼を見送る。*]
(428) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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だから、またがなくても―――…
[大丈夫。と微笑んだ。
相変わらず、胸は痛い。涙も零れて、止まってくれない。 それでも、二人を安心させたいと、]
(429) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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………ありがとう。
[重ねられた弟の、血塗れの手は、きっと、冷たかっただろう。 けれど、黒色に変化した己の手は、そんなことも感じ取れない。]
攻芸、チアキ……。
[心中見透かされたか、攻芸に言われた>>424 チアキの声は、涙に振るえているのが分かる>>427]
……っふは。 まったく。
私が一番、大人げない。
[あまりに情けなくて、自嘲した。]
(430) 2013/05/16(Thu) 14時頃
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[硬化は既に、肩まで達した。 髪ももう、殆ど風に靡いていないだろう。
喉と、唇がまだ健在なのは、アメノマの、せめてもの慈悲か。]
眠れ 主にありて 憩え 其の御手に 妨げるものは 何処にもなく
恐れることは 何もなく
眠れ とこしえの朝が おとずれるまで───……
[紡ぐのは、鎮魂歌《レクイエム》
まだほんの僅か、頬に感じる風に、乗せるように。]
(431) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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[啜り泣きながら、 >>431耳に心地良いその歌声に、瞳を伏せ、耳を澄ませた。
音痴だから、一緒に歌うことはできない。 だからただ、じっと声を殺して、耳を澄ませていた。
その歌声が、途切れる瞬間まで―――…]
(432) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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― 自宅 ―
[朝陽に明るむ村に背を向けて。
ドリベルと向かい合わせに立ち尽くし。
ふたりの間に吹き抜ける風を感じ。 遠く近くからの朝の鳥の声を聞き。
微かに震えた唇から細く息を零し。
健全なままの右手を結び、解いて。
そっと、首を横に振った。 密やかな問いかけの答えは、否。]
(433) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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[背後に扉が閉まる音を聞きながら、 一歩分だけ前に居るドリベルの腕を掴み。
腕の中へと引き寄せて、抱擁を。
「ただいま。おかえり。」と言ったら、 もうすっかり日常に戻った気分になった。 声は無いままだが、きっと伝わるだろう。
まずは枕元に置いたままだった 板とチョークを取りに行こう。
昨日交わした約束は今もそこに。 指先で、その文字を撫でて。]
(434) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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《今日は 何をしようか ?
散歩へ行くのは、もう少し暖かくなってからね。
他に 何かしたい事は、ある ?》
[寝台に腰掛けて、言葉を綴って見せた。**]
(435) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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───……
[頭がぼーっとする。 思考力の低下は、侵蝕が脳差し掛かった証か。]
……。
[左眼の光も消えかける。 一瞬、そこにチアキがいることを忘れ、ケヴィンに唇を重ね合わせた。
緩やかに、途中まで身を起こしたところで、背も首も黒く染まりきった。]
─── …… ……♪
(436) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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春の朝 露に匂う 花よりなお美しく
秋の宵 空に澄む 月よりなおさやけし
夏の夕暮れ 青葉わたる 風よりなおかぐわしく
冬の日に 降り積もる 雪よりなお清けし
我が 愛しき───……
[……ぱりん。
何かが砕けたような、乾いた、高い音が響いた。]
(437) 2013/05/16(Thu) 14時半頃
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─────。
[風が止めば。
そこにもう、歌声は、ない**]
(438) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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[>>430笑うホレーショーに、首を横に振る。 彼が何を考えているかまでは知れないが、
目の前で弟に死なれる事も 目の前で兄が死ぬ事も
何方の哀しさも味わった兄弟。 出来れば、いつまでも幸せで居て欲しいと思う。]
…………。
[兄弟愛にしては仲睦まじすぎる気もしたが、 自分の長兄を思い出して比較してしまうと――…。 良い仲だな、と思う。
ホレーショーのような兄を持てば、 深い兄弟愛を芽生えさせるのだろうか。
歌の合間の口づけ>>436で、 見解が大きく異なっていたかもしれない、と考えなおす。]
(439) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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[>>437歌の途中で、無粋な砕ける音の邪魔が入る。 ああ、しかし。
早く、ケヴィンのところへ逝きたいのだろうか。
それでも、響く音は、哀しい。]
…………。
[肌に感じていた心地いい風。 血なまぐさい臭いを運んでいるはずのそれは、 ホレーショーの歌声で、酷く爽やかに頬を撫ぜていた。
それが止まれば、瞳を伏せて黙祷を捧げる。]
(440) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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[ずっと瞳を閉じていたから、 その口付けを>>436、目にすることはなかった。
何かが砕ける音。>>437 そして、風と共に止む歌声。
そっと、瞳を開ければ、また叫びそうになるのを抑えて]
(441) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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ありがとうございました!!
[今までの事。全ての事に対して、そして、 稽古が終わった後の様に、大きな声で挨拶を、]
どうか、……二人に、アメノマの加護があらんことを、
[そして、静かに二人の幸せを祈った。 大きく息を吐き、未だ枯れぬ涙を拭う。くらくらとする。
だけど、二人をこのままにはしておけない。 ふらりと立ち上がれば、]
(442) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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攻芸、村長に報告しよう それで……二人を、皆をちゃんと……
[今回の件で、亡くなったのは二人だけじゃない。 他にも獣によって、命を奪われた人もいた。
だから、彼らをきちんと弔いたいと、 赤い目で傍らの攻芸を見上げた。
次の事を、次の事を、 考えていないと、繋ぎ止めている糸が 切れてしまうそうだったから]
(443) 2013/05/16(Thu) 15時頃
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