266 冷たい校舎村7
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 21時半頃
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笑ってたら、京輔の本音が見えないし 笑えばいいとかそういうの、俺は嫌い
[ 笑ってすむだけの世界じゃない。 案外多いわけじゃない、笑って済むなら 表情なんていらない。し。
努力はしている、と宣う彼の顔は 縫いつけられているみたいに笑顔に戻る。>>278 仕方ないなあと溜息が零れるものの、 京輔自身が嫌いってわけじゃないことは、 訂正としていれておこうか。
疲れたって顔を見抜けたかどうかは分からないが 誰でもおかしくないと言って離れた彼の背は なんだか危うくさえ思えてしまった。 ]
(376) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[ そして、七月とふたりになった体育館。>>304 人間としての生≠確かに感じる欲望は 俺たちの腹を鳴らしてやまないようだった。
矛盾だらけの感覚に、 素直に飲み込まれたかったっていうのに、 どうやらこの校舎はそれを許してくれないらしい。 ]
だれ、だろうな
[ 大きさから、予想は簡単にできた。>>305 ]
(377) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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……ねこ?
[ 傍にある可愛らしいぬいぐるみ。 予想する人物には似ても似つかない、もの。 近くまで寄り、屈み込むように見下ろした。
しあわせを運ぶてんとう虫ののったクローバー、 それを大切そうに持つゆる顔な猫が、 俺を見上げているような気が、した。 ]
(378) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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何がほんとうのしあわせなんだろう
(379) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[ てんとう虫をつん、ってつっついて 細めた瞳のまま猫の頭をゆるく撫でてやった。 そうして、横たわる大きなマネキンを暴く。 ]
おそろいじゃん、これ
[ 似ても似つかない。だけど。 首元の包帯におんなじようについてる クローバーのアップリケを見つけた。>>2:578 指で、そっと、つっついた。
……俺は、べつに嫌いじゃない。 ]
(380) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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堅治だな、これは
[ よっこいしょ、の合図で立ち上がれば、 砂ぼこりを払うようにお尻を叩きながら 傍にいるだろう七月へとそう告げていた。 ]*
(381) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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──三階:三年七組──
[ 教室の中は、しんとしている。 皆、どこかに出払っているのだろう。 ]
んー、
[ どうしようか、と考える。 そういえば、靴下は乾いただろうかと、 窓近くに干してある自身の靴下に手を触れる。 乾いていたので、なんとなく気持ちは悪いけれども、 ないよりはましであるために再び足を通した。
毛布や鞄を机に置き、 紫苑の上着は彼の椅子へと軽く畳んで掛けておく。 そこまでして、教室でやることが無くなった。 ]
(382) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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[ 黒板に再び目を移す。 安置所、の行に顎をさすった。 ]
……体育館にいる、のか。
[ そもそも、『居る』だろうか。 周りの人間がすでにマネキンになっていたら? もし、そうだとしたら?
────……すっごく安心、する。 ]
(383) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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[ 小さく頭を振って、考えを振り落とした。 自らの額を撫ぜて、教室を出る決心を。
その前にひとつ。 『三度目のチャイム後 田所動いてます』 と黒板に伝言を書いて、体育館へと向かう。 ]*
(384) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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──現在:4階 3年1組──
ここに寝っ転がってた。 ……寝心地はよさそうに見えないし。
[ 充分不思議だったよ。>>355と、 問いかけにはそう答えよう。
延ばした指先に、 驚いた>>355ような様子に、 僕は少しは躊躇したんだけれど、
結局無言のまま手を伸ばしたのだ。]
(385) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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……うん。へんな感じですねえ。
[ 間延びした相槌を打ちながら、 熱を帯びた額を指先でなぞった。
熱いなあ。って思うのと一緒に、 ここは寒いからなあ。とも思う。
暖房がきいているとはいえ、 この校舎は寒い。冷たい。風邪をひきそう。
半分眠ったままらしい人間が、 そのまま覚醒する様子は見られないので、 やはり、休んでもらった方がいいのでしょう。]
(386) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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……そっか。 高本くんと拓海くんがなんて珍しいね。
[ 仲の良いという印象のふたりが、 じゃれあいのような喧嘩はしていたって、 本当に喧嘩をしている印象は薄かった。]
体調もよくなさそうだから、 そのことは気分がよくなってから、 考えた方がいいと……あ、気を付けて。
[ ……人形にぶつかることを気にしたけれど、 なんてことはなく跳ね除ける仕草>>358。 また白色がぶらんと揺れる。赤を散らして。]
(387) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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──現在:保健室── ……保健室までついてくよ。
[ 色がうるさい。そうだっけ?
とにかく僕はそう言って、 白色にちらつく赤をそうやって、 捉えられなくもないんだろうと考え、 僕は病人に先を歩かせ>>359ている。 文字通り”ついていった”わけだけれど。
……僕は彼の後ろをついてくのが好きだし、 面倒見のいいほうじゃないので。 介抱ってのもよくわからないのだ。
ひとまず、道案内まで。 ベッドに腰かけた養拓海>>359の近くで、 僕は雑な手つきで保健室の棚を漁っていた。]
(388) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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宇井野くんが。そっか。 僕は灰谷さんを見つけたので、 七月さんと轟木くんと体育館に。
[ ふたり。と思った>>318記憶が蘇り、 あれは宇井野くんだったんだな。と思う。 どんどん減っていっちゃうだな。
そういうことを、淡々とした声音>>360に、 僕もまた、そういうもの。って風に。
そう思ったあたりで、目当てのものを見つけて、 ベッドの上の病人に1枚差し出しましょう。]
冷却シート、一応貼っておきなよ。
[ 相変わらずぼんやりした調子のその人のつむじを、 立ったまま、見下ろしながらつぶやく。]
(389) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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……あのさ、拓海くんは、 断れるうちに断れって言ったけど、
いやなことなら、僕は、 とっくに断れないんだとしても、 見捨てて逃げてしまえばいいと思うよ。
[ 昨日の。そして、今朝の会話を思い出し、 ゆっくり眠るんだよ。というような調子で、 静かに、そうつぶやいたんだろうけど、
それが、ぼんやりとした彼の耳に、 果たして何割届いたのかはわからない。
引き留められないのなら、 最後に「おやすみ」とだけ笑って、 また、冷えた廊下に消えるんだろう。*]
(390) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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[ 泣いているの、慰めちゃダメ、だけれど クラスメイトですから。ええ。 無視するのも、可笑しいかしら。
なんて、思って。 でも、意地悪したかった気持ちも少しあるわ。 ]
泣いちゃダメだよ、たかもと君 泣くのは皆で出てからにしよ、ね
[ 振り返って、ただのクラスメイトの私は笑って。 ハンカチを顔に押し当ててから、今度こそ、 私は図書室を出たでしょう。 ]
(391) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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愛じゃなくても、良かったよ。*
(392) 2019/06/13(Thu) 22時頃
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──少し前:体育館>>374──
……轟木くんは、 はっきりと言ってくれるから、 僕はそれに助けられていると思う。
[ 数度翻訳をかけたような、 ぎこちない文章を僕は大まじめに吐いた。
大まじめに言ってみて、しっくりきたので、 うん。というふうに僕は笑った。
それは、例えば灰谷彩華との、 分かり合えないことを前提とした、 付き合いの長さゆえの気安さとか、 そういうものとも、また少し違って、]
(393) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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[ 探してやる。と轟木颯太>>375は言った。 同意を得られるのはいつだって嬉しい。]
……うん。
[ 僕はそれにもそう言って頷き、 突然さらに会話が下手になった気分である。
けれど、付け足す必要のある言葉は思いつかず、 僕はやっぱり基本は微笑んでいるものだから。]
……手厳しい。
ただ、僕からすれば、 本当に機嫌がいいことも多いんだ。 ……それは、嘘じゃないよ。
(394) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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それに、僕は、 たまに轟木くんが笑ってくれると嬉しいし。
[ 真顔と笑顔の間に僕は言う。 ため息>>376を受けてのことだった。
そして、それでは。というふうにふらふらと、 その場を去っていったことだろう。*]
(395) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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―― 保健室 ――
ありがと。
[俺は笑った。 保健室までついてきてくれたキョースケに。
いつも俺のずっと後ろを走ってくる、でもなくて、 数歩後ろを少し遅れる、みたいに歩いてくる。 そんなキョースケが なんだって俺と同じ景色を見たがったんだか そっちのほうが、ちょっと不思議だったけど>>385
今は「思いつき」を掘り下げることはできないから 俺は雑な手つきで保健室の棚をあさるあいつを見てる。
それから雪の降る窓に視線を移した。 はいたに、って、苗字をなぞる音だけやけに響いた。]
(396) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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…………そっかあ 灰谷さんも、か。 そちらも、お疲れ。
[シンデレラになることを拒むように 階段から転げ落ちた姿を、見ることはなくて それがよかったのか悪かったのかもわからない。 ……後で体育館に手を合わせにいこうかとも思う。
おかしいな。 ういのも。灰谷も。全然かわいそうに思えなかった。
「かわいそうだ」「酷いことをする」って 見えないホストに怒ってた俺は 一体どこへいったんだろう。]
(397) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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[多分怒りは嘘じゃない。嘘じゃ、ないんだ。 怒ったことも。悲しく思うことも。 無事を願うことも。
でもな、この世界のこと。 寝起きの顔で少しずつ気づき始めていて――……だから
…………高本に怒った時から調子が悪いことも 全部頭が痛いから、ってことにしておく。]
(398) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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[先生、こんな俺にお薬ください。 差し出されたのは冷却シートでした。>>389
寝起きにもたれかかるくらいが限度で 貼ってもらう、ほど甘えてはいないので 素直にそれを受け取って、自分で貼る。
それからベッドに横たわろうとして>>390 聞こえた言葉に瞬きをいくつか。
……それってどこの言葉です?
一瞬、そんな顔をする。 それから少し間をおいて、 俺は、微笑みながらこういった。]
(399) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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甘えられるのは、嫌いじゃあないんだ。
……いま 自分がここにいきてる理由が そこにある、って思えるうちは 誤解してるうちは……
可愛いから守ってあげる。って、思えるんだ。
でもな………
[声を落とす。 目を閉じる。]
(400) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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…………キョースケは、かぞくって、何だと思う?
染色体の結び合わせの結果。 人間が群れでいきるための、最小単位。 それともただ守りたいって思う相手?
俺は…… 家っていう一緒の箱の中でいきてる、 動物だとおもってた。
(401) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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[俺は微笑んだまま、目を開いて じっとキョースケを見てから ゆっくり首を横に振った。
だって、俺といういきものは 基本的にはそんな話、しないことになってるから。]
……なんでもね。へんな話した。 忘れてくれ
[そのままベッドの中に潜り込んでしまう。 そうして、きっと言葉をかけられなければ すぐに眠りに落ちてしまうんだろう。*]
(402) 2019/06/13(Thu) 22時半頃
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―― 図書室 ――
[宮古の出て行った図書室に、 俺はたったひとりきり]
ハンカチ、返さなきゃな。
[制服のポケットに、 その清楚なハンカチ>>391をしまって 大きなため息を、吐いた。
壁に凭れかかって そのままずるずると床に座り込む。 くしゃりと前髪を掻き上げる]
(403) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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本当に、格好つけさせてくれないんだよな。 ……甘えたく、なるだろ。
[結局、泣き顔を見られてしまった。 最後の最後まで、彼女の前では 俺は情けない男だった]
ずるい、よなあ。
[声はまだ震えていて。 ぼうっとした瞳で、しばらく天井を見つめていた]
(404) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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[視線を、机の上のお汁粉の缶>>343に移す]
捨てに行かねえと。
[彼女からの最後の“命令”。 ペット候補としての最後の仕事をこなすために、 俺はようやく立ち上がった]*
(405) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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