196 水面に映る影より遠く
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2016/08/17(Wed) 07時半頃
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[ 恨めしげに、窓から空を見上げる男が一人。 階段を登る足は、重たげで。 歩を進めながら、頭に思い浮かぶことは一つ。 ]
(1) 2016/08/17(Wed) 08時頃
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休みが…… あれば───……。
(2) 2016/08/17(Wed) 08時頃
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[ 休みがあれば? 友達を誘って遊びに行くことも。 隣のクラスの担任である彼女に声をかけることも。 後者はともかく、前者はできる。 友人と、俺の休みが合えば、だが。 ──予定合わせなんて、小難しいことをしなくてもいい、高校生が羨ましい。 夏休み明け、気がついたらいい雰囲気漂う、高校生が羨ましい。 一夏を通して、 友情に恋に青春してくれ。俺の分まで。
顰め面をなんとか整えて、 辿り着いたドアに手をかける。 よう、遅刻してないか?俺の生徒諸君。 ]
(3) 2016/08/17(Wed) 08時頃
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おはよう、諸君。 今日から、楽しいプール補講だな。 体調優れなかったら、すぐに申し出るように。
(4) 2016/08/17(Wed) 08時頃
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[ 楽しい、に妙なアクセントは効いてないはずだ。断じて。 約10回、生徒の名前を呼びあげ、出欠をとる。 途中、騒ぐ神山に落ち着けといつものように一釘刺した。 さて、更衣室に移動願おうか。* ]
(5) 2016/08/17(Wed) 08時頃
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船大工 団十郎がいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(船大工 団十郎は村を出ました)
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[ プール補講は楽しかっただろうか。 プールサイドで見学した生徒はいただろうか。 日陰でも、暑くなかったか心配だ。 水はしっかり飲んでおけよ。
着替えを終えた生徒達は再び教室へ。]
(6) 2016/08/17(Wed) 08時半頃
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夏休みも半分以上過ぎたが、課題はやってるか? 31日になってから、 誰かに泣きつくことのないように。 ──……じゃ、解散。 明日も今日と同じ時間にな。
(7) 2016/08/17(Wed) 08時半頃
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[ 遊んでおけ、青春しておけ、なんて、 思っていても、言うことはしない。 教師として、無難な注意事項を告げて、教室を出た。** ]
(8) 2016/08/17(Wed) 08時半頃
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船大工 団十郎は、メモを貼った。
2016/08/17(Wed) 08時半頃
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にゃーあ
[ブロック塀の上、碧い瞳と真白い毛並みを持った猫。 目と目が合ったその瞬間、俺は思ったんだ。
これは運命の出会いだって!]
なぁーお? ぁっ
[お高そうな首輪の付いた彼女の背を撫でようと手を伸ばす。 触れる直前、しなやかな身のこなしでするりと手を避けられた。 行き場のなくなってしまったそれをどうすることもできず、 宙を彷徨わせる。 澄ました顔で首を傾げた彼女の尻尾が、不機嫌そうに揺れた]
(9) 2016/08/17(Wed) 18時半頃
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まぁだ、駄目? 今日はいけると思ったんだけどなー
[少しだけ寂しそうに声音を落とす。 目が合う前に、足音を聴いただけで逃げられていた最初と比べれば、大分進歩したと思う。 宙を彷徨わせていた手をようやく元の位置に戻せば、軽く手を振った]
また明日ね、お嬢さん。
[別れの挨拶をすれば、勢いよく前方と後方の確認をする。 幸い、同じ学校の生徒はいないらしい。 胸を撫で下ろすと、でれっと緩んでいた頬を引きしめた。 ついでに制服の襟も直しておこう。 毎朝猫と戯れているなんて知られたら、 恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ *]
(10) 2016/08/17(Wed) 18時半頃
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[今日もとてもいいお天気です。絶好のプール日和ですね]
……はぁ……。
[そんな中、重い足取りで学校を目指します。 暑くて暑くて、ついだらだらと歩いてしまう……というのも理由のひとつではありますが、理由はそれだけではありません]
雨……降らへんかった……。
[ぎらぎらとしたおひさまを、恨めしげに見上げます。じりじりと刺すような日差しに、お肌が焼かれていくのを感じます。 美容の大敵とか、そんなことは問題ではありません]
(11) 2016/08/17(Wed) 19時半頃
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あんなに「豪雨になりますように」ってお祈りしといたのに!!
[お祈りの効果はまったくなかったようです。雲ひとつない抜けるような青空は、にわか雨の一滴も降りそうにありません。 絶好のプール日和に水泳の補講。一見何の問題もなさそうですが、深刻な問題がありました。 葵は、まったく泳げなかったのです]
ウチ、なんでこの高校、選んでしもたんやろ。
[そんなこと今更毒づいても、とてもとても手遅れなのでした*]
(12) 2016/08/17(Wed) 19時半頃
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―朝・通学路―
[太陽が全てを焼き尽くす様な。アスファルトが上を歩いている人達を熱していくような。 夏の風物詩、セミの合唱がそこかしこで聞こえる中、僕はゆっくりと通学路を歩いていた]
暑い……こんな暑いなんて……。 早くプールに入りたい……。
[前を見れば、同じく暑さに負けているサラリーマン、主婦、同じ学生。 みんな暑くて暑くてたまらない様子だ。 きっと彼らは、この暑さを耐えたらエアコンの効いた室内で仕事なり家事なり、或いは勉強なり。 とにかく、涼むことが出来るんだろう]
それに比べて僕は……、いや、プールに入れるだけマシか……。
(13) 2016/08/17(Wed) 20時半頃
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あっ、にゃんこ!
[綺麗な白い猫>>9が、目の前を通り過ぎて行きました。 じっとりとした目つきで、うらやましそうに眺めます]
ええよなぁ……。 にゃんこは、泳がんでええねんもんなぁ……。
[はぁぁ、とまた重いため息をついて、じりじりと学校へ足を向けました。牛歩作戦のような亀の歩みです。 視界が陽炎で歪んで見えます。セーラー服のすそをそっと揺らすようなそよ風ひとつ吹きません。 学校が果てしなく遠く感じられます。いっそたどり着かなければいいなぁ、なんて馬鹿げたことを考えました]
ゲリラ豪雨……来ぃひんかなぁ……。
[来ません]
(14) 2016/08/17(Wed) 20時半頃
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あっちぃー……
[ジリジリと聞こえるのは、夏が俺を焦がす音。
ぐん、 ぐん、
ペダルを強く漕げば 汗で張り付く真っ白なシャツは 風に膨らみ、身体から剥がれていく。
新しい朝が来た。 今日も暑い一日が始まる。]
(15) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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[前を歩いていた学生がにゃんこ、と言うから思わず足が止まった>>14。 白猫がその学生の前を優雅に歩いて通り過ぎていく。 この暑い中、猫は文句一つも言わないんだな、と思うと、僕も暑いなんか言ってられない]
と言っても暑い事には変わらないんだけど。 ん? あれ、そういえば前の子、うちの学校か。 この暑い中部活か……。
[きっと部室には扇風機くらいしか置いてないんだろうなぁ、大変だろうに、と勝手な同情をしながら学校へと歩みを進める。 もしかしたら、さっきの独り言は彼女に聞こえていたかもしれない]
(16) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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ん、
[自転車でびゅうんと進んだ先、 見知った姿を見かけたなら]
はよー お先っ!遅刻するなよー
[なんて、片手を上げながら声をかける。 涼しげに駆け抜ける俺は爽やかなドヤ顔。 自転車、いいだろ。 呼び止められなければ、 そのままぴゅーっと通り過ぎるけど。]*
(17) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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[水はすきだ。 身体を包み込むあの感触も、心地よいあの水音も。 身体が浮く感覚だって楽しいし、 水中から見る水面に太陽の光が反射している景色も綺麗だ。
問題はひとつ。]
……息継ぎって、どうやったら出来んだよ。
[体力はあるし、潜るもの得意だ。 だから息継ぎをせず泳ぎ切ったら、 それでは単位はやれないと言われた。納得いかない。
掌を瞼の上に乗せて影をつくり、空を見上げる。 雲一つない青空>>12 汗ばんだシャツが背中に引っ付いて、気持ちが悪い]
(18) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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[ふと、背後から声が届きました。>>16 うちの学校か、という言葉に思わず振り返ります]
切原君、おはよー。 ウチ、部活やないよ。補講やよ。
[果たして声の主は、葵のクラスメートでした。 部活じゃないときっちりと訂正しておきます。「この暑い中部活か」という他人事めいた言い方は、切原君もどうやら部活ではなさそうだと当たりをつけました]
切原君は部活なん?
[多分違うだろうなと思いつつ、もしも補講ではなく部活だったらちょっと失礼なので、そんな聞き方をしてみます]
あっ、おはよー。
[そんな横を、もう一人、クラスメートが颯爽と自転車で通り過ぎて行きました>>17。無駄に爽やかだなぁ、なんて失礼な感想を抱きながら、挨拶を返します。 乗せてけー!といつもなら言うところですが、今日は言いません。学校に早くたどり着きたくないからです]
(19) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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[見知った顔>>17から声がかかれば、 暑さにやられた気だるような表情で声を返した]
はよー って、自転車とかずりい! ドヤ顔しやがって、更に暑くなったわー
責任とって、俺も後ろに乗せってって?
[通り過ぎる前に素早く呼び止める。 止まってくれなければ、実力行使もやむおえない。 問いかけながら逃げられないように、自転車の荷台を掴んで。 悪戯に微笑んだ。]
(20) 2016/08/17(Wed) 21時頃
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