131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/08/20(Wed) 01時頃
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― 砕けた鐘楼 ―
[空虚な風と闇の名残が強く空気を澱ませていた。 赤い血に塗れて、既に冷たい身体を外気に晒す黒髪の少年。
異変を感じて駆けつけた者がいたら、後ひとり。 少年の前で、ぺたりと座り込んだ、ぼんやりとした少年がひとりいきてた。 その少年は、自分の前で人の。友達だった人の冷たい身体があるのに。 何の反応もみせていない。
いや。誰かが少年に何をしようと何を話そうと。 空虚な空洞の中で、少年の瞳は何も映さずに、唯深い闇の中で座り込んでいた]
(1) 2014/08/20(Wed) 01時半頃
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[天使が支配する光溢れる聖地の中で。 空虚な昏いまどろみの闇に惹かれる様に、光の地に。
「闇聖霊」や「狂聖霊」、澱んだ力が少年に集いだしていた**]
(3) 2014/08/20(Wed) 01時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/08/20(Wed) 01時半頃
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― 断章/勝利を奏でた天の旋律 ―
[…「僕」は幼い頃から、唯ひとりの主君を信じ続けていた。 いつか時を越えて、この世界を救いに現れる、闇の『王』。彼ははじめは未熟で、独りではすぐに壊れる器。それはまるで生まれたての希望という『苗木』の様。 それを護り助ける。「僕」はその『苗木』を護り育て、いつの日かやがて、雨にも風にも光にも負けない、すべての人たちが幸せな木漏れ日にまどろむ事のできる『大樹』となる日まで支え続ける。 幼い頃から、「僕」はその日を信じて、未だ姿を見た事もない『苗木』が僕の元に現れてくれると、努力に励んだ。
幸い、「僕」は天才と呼ばれた。王を護り支える騎士。偉大なる月桂の大樹を嘗て慈しんだ、祖先の再来に相応しい傑物だと賞賛され、。だけどそれに驕る暇があれば後すこし、後いっぽ、いつか来るその人を助ける為に僕はまた励んだ。
いつか必ず。何をしてでも『王』を助ける事のできる、そんな聖霊術士になるために]
(31) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[……「僕」の。アマネ・カザミヤの唯ひとりの『王』。 "ヘクトル様"を助ける騎士。七代目「亀吉」に恥じない様に。強く強く]
(32) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[……………… メサイア教団聖堂 監禁部屋 …………。
その部屋にはある強力な聖霊術士の青年が閉じ込められていた。 己が契約聖霊をひきはがされ、抗う力も逃げる術もなく、無為の数年を過ごす事を強要されてきた>>2:49。 光を前に翳されるだけの。自由もない、意志もない、狂う様な苦痛を耐えてきたのも、すべてはひとつきりの機会の為。
いつか。いつの日か。青年の弟が、「その人」を連れてこの光の地を訪れる。 その時が来たら、なんでもいい。なんでもいいから。 「その人」の力にいつか必ずなれるだろう、そんな最善の手を、命を投げてでも打つ。 そうして青年は。手を打った。不脱の地下牢に閉じ込められた白き少女を助けるという手を>>2:91>>2:92]
(33) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[聖霊も無く、魔力も満足に通じぬ場所で、彼は何をしたか。 それは、彼という存在が天才。余りにも常軌を上回る、術式理論に天賦の才を秘めていたから成し得た奇跡。
……彼は。まるで水晶と化し四つに分かたれた契約聖霊の様に。
自分という「魂」を、ひとつの聖霊と無理やり見立てたのだ。
その方法を考え、編み出し、到る才覚。だから彼は「どうせ全部勝ちだ」と宣言した。 ラディスラヴァ。いや、天使ラディエルがその慈悲で彼を殺さずにいた。その時点でアマネは彼女に勝利していた。いつか必ず、『王』を助ける最後の牙を振りかざすその日を、息を潜めて待ち続けていた。 地下牢に現れた白いもや、彼女を導いた光の導は、すべて青年の魂だった]
(34) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[だが己の魂を無理やり聖霊と見立てる行為。 それは云うならば、飢餓を癒す為に、己の身を削りそれを食う狂気だ。 だから、成すべき力を使い果たした時。もう彼の身体に生命は残されていなかった。
……後はアマトが。弟がいる。レガリヤも奪還できた。もう大丈夫だ。 我らが『王』は、この世界に漸く希望を導く為現れた。もう満足だ。 だから。
……これで全部 僕の 勝ちだ 。
何れ教団の何者かがその部屋を訪れたら、知るだろう。 アマネ・カザミヤは、確かに勝ち誇る笑みを浮かべたままで。 既に安らかな闇のまどろみに沈んでいたと*]
(35) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[ 「だから」その瞬間から 預言は狂いだした ]
(36) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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― 混沌/預言の歪み ―
[アマネ・カザミヤは本来の預言では『まだ死なない』存在である。
"王がその御声を取り戻せし後。 王の騎士は王を導き、光の外へと逃げ出した"
"アマネ"は確かに、『王』と共に聖堂を脱出し。 その後、闇抱く者が集う場所に君臨する『王』をその傍らで助け支える。 『王の騎士』として、この戦いを死す時まで戦い抜く運命が待ち受けていた。
"王の騎士は、聖なる光の渦を押し退け 光の祝福より 唯ひとりのまだ見ぬ王を選んだ"
そもそもだ。"アマネ"は本来、数年前にルンフィアの特務部隊を『退けた』のだ。 確かに絶望的な数の差、力。しかし"アマネ"は最終的に彼らに勝利したのだ。 その才と力、未だ見ぬ、『王』を信じる彼の心が、奇跡の勝利を手繰り寄せたのだ。
然しゆるやかに、この預言が違えられた事が、預言をゆがめる]
(37) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[天使ラディエルの存在が事態に介入した事で、アマネは捕らえられた。
本来の預言に於いて、アマネ・カザミヤは。 『王の錫』を携え、その弟アマト・カザミヤを伴い、時を満たして後『王』を向かえる。 ヘクター・ローガンを守り支えるローレルの騎士は「七代目」であるのだ。
初めは然程大局に影響も無い程度のズレが、やがて違和感となり預言を歪めて行く。
アマトは、「八代目」を名乗る事も無い、唯の「当代」の弟としてルンフィアに現れ。 再会した友達、オスカーを見出したら、彼と共に行動を始めた。彼を護りたい人だと定めたから。 『王の騎士』と云う、他の誰かを護り導く使命がないからこそ、それを躊躇わずに決める事ができたのだ。
…………そして…………]
(38) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[ヘクターを導く様に聖堂へ侵入するのは"アマネ"。 彼はレガリヤ奪取後、ヘクター達と別れる事なく無事聖堂を脱出する。 カリュクス。彼女は本来、この撤退時に助けられる事となっていた。
オスカーの怒りに呼応し、君臨せし天使と戦うのが"アマト"。 彼は暗殺者とも共に戦い、オスカーに従いあの聖堂の鐘楼へ赴き。 そして、その戦いの果てに。
" ――断罪者は光に灼かれ、命を落とした。>>3:11"
『 ――聖霊術士もまた天使の光に射貫かれ、友の傍らで命を落とす >>2:429』
兄のアマネが『王の錫』を持ち、はじめから友達を護ろうとした為に。 天使に抗う力のないアマトは何もできず>>2:426、此処でオスカーと共に天使ラディエルに殺される運命だと預言には記されていた。 のに]
(39) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[預言全体の運命の流れからすれば、実は大差の無い影響である。 これより後に開かれる預言の大半も、元通りのまま進行する。
アマネがいれば、アマネがヘクターを導いた。 アマネがいなければ、アマトがヘクターを導いた。
唯それだけのはずの流れが。今ここ瞬間。 預言で生きる定めの者が死に。 預言で死せる定めの者が生き。 生者と死者が預言の中で逆転したその時から、預言には歪みが生じて。
唯ひとつ文章。黒衣の預言書ドレスコードには新たな文字がこう記されていた]
(40) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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[" 絶望と暗闇の中で 不死なる騎士が生にのこされた時 悪魔が断罪の呪いとなりて再臨した。 其は運命にとりのこされた 昏き歪みの復讐者 "**]
(41) 2014/08/20(Wed) 09時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/08/20(Wed) 10時頃
たべたい、ああ、あれは美味しそうだ
[理性は半分飛んでいる。
本能が少女を欲しっている。
喉元に食いつき血を啜り、肉を食めばさぞかし甘美であろう。
その昔、どうしても嫌ならば食ったあかつきには手を突っ込んででも吐き出させてやると言ってくれた。
その友人はここにはいない。
その友人がまさにこの建物の中にいて。
そして安寧の闇に抱かれ逝ってしまった事など知らない。]
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/08/20(Wed) 21時半頃
彼女達へも慈悲を、構わないでしょう?
ラディエル聖下。
[先代の教皇も彼女には苦労させられたのではないだろうか。
何せ、気に入れば殺すのを止めて洗脳しようと言い出すのだから。]
彼女達へも?
――――――それは。つまり…そういう事ですか?
[いかにも人間らしい感情だ。自分にとっては馬鹿げたものでもある。しかし、あえてそうとは口にしなかった。ただ、一言告げただけ]
大いなる方は、戦い自体を好むわけではありません。
……貴女には必要ない説法だとは分かっていますが。
……今回は聴き届けましょう。
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― 聖堂 ―
[闇の帳が、光の空辺り一帯に下ろされて、光の国に夜が訪れた>>27。
聖堂には濡れ羽の様に黒き六枚翼が踊り。 堕天使が光の園に舞い降りる>>43。
美しき堕天使は命の糧を担い悪魔を呼ぶ>>88。 闇の聖霊が、狂えし聖霊が、澱んだ力を求め鐘楼へと集う>>3。
まるで、光の時代の幕開けの様だ!天使様がついに降臨なされた!! そう喜んでいた、ルンフィアに住まう光の民達は、然し今、ざわめいていた。 偉大なる天使ラディエル様がおわす聖堂の方角では、不穏な闇が渦を巻いていたのだから。
そして…]
(123) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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― アマトの精神 ―
[ 空虚だ 。
何も無い、抜け殻の心が暗闇に満たされていく。
何かを聞く事も放棄した。 何かを見る事も放棄した。 何かを思う事も放棄した。
喪失の絶望は、生きる為に必要な『希望』を枯らした。 真に『希望』を失くした人間は、馬鹿らしい程に脆い物なのだ]
(124) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[無駄なんだ。何もかもが無駄なんだ。
所詮己には何かを成す力はない。 所詮己には誰かを護る力はない。
…………もうつかれた。
何でこんなに眩しい光に溢れているのに。 この場所はこんなにも悲しいのだろう]
(125) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[ 『 …、………呪われろ。 』>>2:414 ]
(126) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[抜け殻のアマトの心が無機質に再生した記憶。 それは最後に聴こえた、どす黒く澱んだ呪詛。
友達の声だ。生きている彼の声だ。
闇を異端とする光の教団もこのルンフィアも。 天使も人もすべてなにもかも。
無辜の人々の血で呪われ、報いを受けてしまえ
それは最後にアマトが聴いた……友達の最期の願いだ…………]
(127) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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《 憎 い か … 》
《 壊 し た い か … 》
(128) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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《 憎 い か … 》
… 憎い 。
《 壊 し た い か … 》
… 全部 壊したい 。
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《 妬 ま し い か … 》
《 呪 わ し い か … 》
(129) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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《 妬 ま し い か … 》
… 妬みじゃ ない 。
《 呪 わ し い か … 》
… 唯 呪いたい 。
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《 消 し た い か … 》
《 変 え た い か … 》
(130) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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《 消 し た い か … 》
… 消したくは 。
《 変 え た い か … 》
… すべてを 変えたい 。
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[アマトの精神に、何か昏くも暗い闇が絡みついた。 それは、聖都に充満した闇に引き寄せられ。 暗黒の呪いを最期に謡いし断罪者の怨念に共鳴し。 黒く深く、澱みと歪みの奥底でたゆたう、抜け殻の人間に聴こえた
悪魔の囁きそのものだった]
(131) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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《 生 き た い か … 》
… 生きたくない 。
《 死 に た い か … 》
… わからない 。
《 歩 み と め た い か … 》
… …………… 。
《 動 き だ し た い か … 》
… 動き だし … 。
(132) 2014/08/20(Wed) 23時頃
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