246 とある結社の手記:9
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―回想―
[ できあがった熱々のシチューは、自己評価でつやつやぴかぴかの野菜がまぶしい素敵な仕上がりだった。 食卓のみんなに配膳してまわったり、ルパートのあとにまとわりついてお手伝いをしていると、みんなは食べ終えてしまったかもしれない。シチューは熱々なので、こぼさないようひとつずつ。 そうすると自分でとってたり、配膳役を引き受けたりの大人よりは時間がかかってしまっていた。 お手伝いがひと段落すると、ベッキーが食べている食卓にルパートも座るのをみて、自分のお皿を隣に配膳する。]
いただきまーす。
あちちっ …けど、おいひいね。
そうだわすれてた。おれにもお部屋の鍵ちょうだい。どこがあいてる?
(2) 2018/07/27(Fri) 09時半頃
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こーなったら、何も無しってわけにはいかないよなあ…。
へへっ、任せてくれよ。占い師!
こうとなったら、ばっちり占うぜー。
誰を占って欲しいかとか、あれば言って欲しいっす!
あ、でもさでもさ。
俺っち、奥様とマリオのことは人狼って言わないぜ。
そういうことはしないから、覚えておいてくれよな。
[そうして心持ち胸を張りながら、二つの名前を挙げた。
ピスティオはそもそも、根本を言えば自分が助かればいい。自分さえ助かるなら別にいいのだ。だから人狼には協力を続けていたし、今だって誰かに脅されればなんだって言うことを聞くだろう。
…けど。そうだからといって「いつも誰でもがどうでもいいわけじゃない。」自分が大丈夫ならちゃんと、次に大事な人たちのことを思うし、なんならその他の人のことだって考える。
だから名前を挙げた。大事な二つの名前を。]
……いやでも、フォークやフライパンじゃ勝てないだろ。
[ぽつと呟く。周囲に調子を合わせてはみたけど、ちょっと馬鹿らしい気がした。]
―― 昨日の話、
[ピスティオ()の声に、ふうん、と呟く。]
別にそれで構わないわよ。
やりたい事できたらいいわね、は、
ピスティオも含めての事だし。
[自分は基本的に、仲間以外は誰がどうなってもいい。と思っているから気持ちは解らないけどそう思う。ピスティオも、人間だけど仲間だ。この声が聞こえるんだから。
まあ、比べるなら他の二人より優先度が落ちるのは仕方ないけど。それでも他の、人として生きている自分と仲のいい人間よりも、優先度はずっとずっと高かった。]
誰が良いとか悪いとかは〜〜〜〜〜、
[んむむむ、と悩むような声。]
解んないからパース。
[結局そこに落ち着いた。考え事は不得手で〜す。と言わんばかりの声色で。*]
― 朝、自室 ―
どおおしよっかな…、
うーん、びっくりする振りも面倒だし…
見に行くのはパスしちゃおーっと。
[そんなこんなでぐっすりだ。まさか、起きたらそんな事になるだなんて、思わずに。]
[手鏡で、自分の顔を確認する。人間の顔だ。
昨日の黒い狼との共通点なんて、黒い瞳のみだった。]
今なんていった?
処刑? はあ? この中から?
だって人間もいるのに、 え?
頭が おかしいでしょ こんなの。
それで、誰でもいいから、
人狼って言っちゃえばいいんじゃない!?
イヴォン、は、ダメって言ってたけど、
あのしらないおじさんとか、
皆で逃げ出そうって言い出したユージンとかさ、
誰でも良いから…!
[でも、きっと人狼と言うか言わないかも、その相手も、きっと他の人が考えた方が良いだろうと思っているから、他の名前が出たならそちらに賛成をする。
付け加えられた 人間を証明できるという共鳴者、という能力者の存在は、今は頭にはなかった。]
[怖くなんてない、怖くなんて。
小さく息を吐いた。
胸の奥に残っているサイモンの味が、苦く感じる。]
ああ〜〜〜〜〜…???
この、おばあちゃんがあ…?
[これは、彼女を人狼だと言わない、以前の問題だ。]
ピスティオ、どうする?
イライラする、苛々する、いらいらする!
も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 やだ、やだやだ、
いやだ、いやだ、いやだいやだいやだいやだ!
ころしたいなあ…
ころしたい、殺したいな…
誰を殺そう、誰を殺していい?
[片手で顔を覆ったまま、呟く。]
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―朝― [ 与えられた部屋はゴミ箱よりもずっと快適で、日頃暮らしてきたガラクタ小屋よりもずっとよかった。これはお金が取れるお布団だ、とも思った。 だからこそ、なのだろう。目が覚めた時はもう、閉じた扉の向こうからでもはっきり、騒ぎが起きていることが漏れ聞こえていた。 また朝寝坊してしまった。あーあ。 嘆息してミルクキャラメルを口にほうりこむ。
個室を出るとすぐ、ベッキ姉ぇ、ノアおじさん、掃除の人に、ルパートさんが掃除にいそしむ一室と、そこから出た結社の大人が、玄関を抜けて出て行ったところが目に留まる。 猛烈に漂うのは、肉屋のにおい。
やがて、結社員が戻ると、全員を起こして回って説明が始まる。 そして、沢山のお肉、乳製品、お酒などを置いていき、結社は玄関の鍵をかけた。 新たに届いた食材のため、肉屋のにおいがぐっと強まる。
世界が裏返ってしまったかのようで、テーブルの脚の間からそれらをみていると、奥様は占い師だと宣言する。
そして、大人たちは言い争いをはじめた。 ]
(82) 2018/07/27(Fri) 22時半頃
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[小さく小さく、息が漏れた。声に乗せるつもりもないまま。
諦めのような、つきはなすような。
── 嫌悪の発露のような静かな音が。]
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これ…つかって。ヨモギの葉っぱもある。 ブッカさんちかサイラスさんちに売ろうと思ってたやつだから、きれいだよ。
[几帳面に畳んだ手布と、ヨモギの葉をさしだした。]
(97) 2018/07/27(Fri) 23時頃
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[騒ぎを眺めながら、わし。と頭を掻く。]
…… ローザスの奥様から、
力がある人に褒賞がでるらしーよ()
[まあ、オレとかは声が聞こえるってだけで
実際。何ができるってわけでもないけど。と、
そう付け加えて]
…… 話してみたいとか、思う?
[一応、聞くだけ聞いてみるかというような、
そんな問いがそっと届けられた。]
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ティオ兄ぃは狼じゃない……。 そうなんだ。ふうん?
[そう太鼓判を押されて、けれど、実感としては今までと変わらなかった。]
(118) 2018/07/27(Fri) 23時半頃
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こわい。
[ぽつりと呟いたのは、本当は届けるつもりがなかった言葉です。]
4人で、うまく、やっていた。
そうなんだと思います。だからあたしたちは、今まで彼らがいることを、知らずにいられた。
でも、もうだめだったんだと思うんです。
何がかはわかりませんが、どうしても、誰かを――殺す、ことが、止められなくて。
だから、たっぷりのお肉を用意するのも、無意味だと思うんです。
……あるものは食べないともったいないですから、いただきますけど。
[何をどうしたって"食事"は必要。
そう言う声は、悲しいですが、あたしの考えと同じようで、肯定されている気持ちになってしまいます。]
裏で――
[もっと、たくさん。
それは考えたくないことですが、きっと本当だと思いました。
だってここ数日だけで、二人も亡くなっているのですが、その間だけこの村に移住してきたような人は知りません。
つまり、ずうっと、どうにかして、やってきたのです。
あたしは声を失いかけましたが、喉が詰まっても、こちらの言葉はあまり関係が無いようです。]
……やっぱり、あたしは。
村の生活が大事です。子供たちもいますし、誰かを殺めた誰かのことを、そのままにはしておけないです。
でも。
誰も失いたくないから、みんなで逃げたかった、その気持ちも。
あたしは悪いものではないと――思い、ます。
[うまく自分の考えが言葉にできている気がしなくて、途切れ途切れの選びながらでしたが。
あたしはやっぱり、ユージンさんもまっとうで、まともに感じたのです。
そう思えるのは、この声を聞ける、あたしだけの特権かもしれません。
ほんの少しだけ嬉しくて、真面目に告げたあとは、ふふ、と笑みの吐息が漏れました*]
[どうしろと言われてもどうしたらいいのやら。
こっちが聞きたいといった心境である。]
[――ごくり]
……はぁぁぁっ…………。
[芳醇な香りを湛える乙女の血液()が、
喉を通り、胃袋に染み入り、全身の細胞にいきわたる。
1摘の血液ですら、人肉を絶つ獣にとって、刺激的だった。
閉ざされていた人狼の力、ふつふつと目覚めていく。]
落ち着けって言われても、
[スージーの前で零すのは、泣き言のような響き。]
俺っちの方がもう、なにがなにやら… …っス。
占い師が?なんで??
他にもいるっス……??
[氷のように冷たく静かな声]
……スージー。
わたくしは、今……冷静さを…欠こうとしております。
[刺すように鋭い殺意が、老女を指示している。
『占い師』であるかどうかは、この際、関係がなかった。
手塩にかけた乙女に手を挙げた女を許してはおけなかった。]
マリオは、ティオ兄ぃとスージー姉ぇを、なんとな〜く見守っている。
2018/07/28(Sat) 00時頃
[元凶が、いけしゃあしゃあと言い放つ。()
こういう時の感情は、別に演技などではなくって、割と本気で言っている。さっきの叫びもそうだ。本気で言っているけれど、別にリンダを殺す事に抵抗なんてないし、裏切って自分がリンダを傷付ける事も別に構わないと思っている。
感情が剥離しているように思えても、自分にとって何ら矛盾はしていないのだ。]
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