82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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[喉を潤した後、違和感に気づいて一度腔内を濯ぐ。 水を流しに吐き出すと、朱が混じっていた。]
………。
[病の其れで無ければ良いが、と一度思う。 だが、――もしそうだったとしても、覚悟はとうにしている。
いや、血を吐くような病――とは言ってなかった筈だ、
たぶん。]
(5) 2013/05/13(Mon) 00時頃
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――前日夜・戸口――
[熱の篭る身体を冷まそうと、寝間着の侭外に出る。]
………? とりのこえが、ないな。
[野鳥の声が聞こえない。 不思議だと思いながら、目を細めた。
暗い空に輝く満天の星は、今にも溢れて来そうで――]
………あれは、
[どれもこれも眩く瞳に映る星々。 だがその中にひとつ、輝きを弱くした星があった。]
(18) 2013/05/13(Mon) 00時半頃
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――――……。
[良い予感がしない侭、目を細める。 名前を呼ぶ声>>14が室内から響き、踵を返す。]
ああ、あがったか。 すこし、そとのくうきをすっていた。
[チアキを見下ろし、ぽつりと呟く。]
(22) 2013/05/13(Mon) 00時半頃
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――寝室――
[寝室へゆき、チアキを見下ろして告げた後。 眠たげな様子に気づき、息を吐く。]
そろそろやすむか? あしたはやくおきるのならば。
[親父殿の墓参りもあるし、 調子の悪い喉を休めなくては、という事もある。 気だるそうな様子のチアキの前髪を撫で、首を傾げさせた。]
(26) 2013/05/13(Mon) 00時半頃
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あしたもこのままなら、そうだな。 …あめでもなめれば、どうにかなるだろう。 [>>31今にも寝そうな様子のチアキを見下ろしながら、 筋肉の筋の走る喉を指先で撫で、そう告っておく。 まあ、普段から喋らないので枯れた声しかでなくても 特段問題では無いといえば無いのだが。]
しょうがゆとか、のどにいいのか?
[あれは喉風邪なのだろうかと思いつつ、 呼ばれた>>35ので、おとなしく寝台へ入る。]
……せまいな。
[横向きになり、毛布をかけ直した。*]
(40) 2013/05/13(Mon) 01時頃
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――翌朝――
……チアキ、起きろ。
[あ――、と軽く声を出してみて、喉をさする。 少し痛みは残っているものの、いつもの声質だった。]
おい、 ………いつまで寝ている。
早起きをするのでは無かったのか?
[ゆさゆさと揺り動かす男の手は、厳しい**]
(47) 2013/05/13(Mon) 01時頃
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[兄さん]
[―――…兄さん、]
[声にならない慟哭。
この日が来ると、どこかで分かっていたけれど、
大切で、愛しい、己にとって唯一の人を失うのは、
受け入れられるはずがなかった。**]
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[寝ぼけた様子のチアキを見て溜息一つ>>50。]
全く…。 顔を洗いに行くぞ。
[厳しい目覚まし時計は二度寝を許さないようだ。 チアキの起き上がる様子を見届けた所で 己も布団から出ると、自室へ向かおうと。]
ああ、少し違和感はあるのだが… いつもの声が、出せる。
[>>53首を傾げるチアキにこくりと頷き。 今度こそ部屋へ向かい、道着に着替えて台所へ。]
………生姜湯か。
[昨日言った事を覚えていたのか、と思えば、 鉄仮面のような顔に、微かに笑みが浮かぶ。 と同時に、全部覚えてるだろうなと思いつつ。]
(70) 2013/05/13(Mon) 07時半頃
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―――…。
[忘れられても困るが、色々と気恥ずかしい。 小さく咳払いを落として椅子へ腰掛け、カップを口元へ**]
(71) 2013/05/13(Mon) 07時半頃
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ああ夢では無い。……チアキ、身体はなんともないか? 俺は今のところ、普段と変わらんが。
[そうして一日置いてから考える。
病とは無縁の生活を送っていること。 そして村外の他人を信用していないこと。
もしかして薬を高く売る為の嘘?と思い始めた。 代金を欲しがるような事は言われなかったが 村長が先に代金を払って居るのかもしれない。]
……墓参りの後、他の者達の様子を、見に行こう。
[何事も無ければいいがと思いつつ。 突如咽るチアキ>>77に、瞳をまあるく見開く。]
……?
[大丈夫か、と背中を撫でた。]
(79) 2013/05/13(Mon) 10時半頃
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[考え事をしながら食事をしているせいか、 ちぎったパンがぽろぽろと道着に溢れている。
顔つきは無表情の儘、皮膚だけ真っ赤になっていた。]
……。
[食事を終え、片付けをする間>>78。
似たようなものでなら鍛えられるだろうかと、思い至る。 何事にも過剰過ぎる程には、真面目だった。]
(85) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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――早朝・村内→教会――
[チアキと二人、村外れの教会に有る墓地を目指して歩く。]
ん? トルドヴィン、随分早いな。
[>>74少し離れた所に、トルドヴィンの姿を発見した。 普段からこんな早い時間に動いているのか、と感心する。
しかし、 聞こえる程度の声量で声を掛けたものの 卵の入った籠を持ったラーマは、全く気付く気配が無い。]
………?
[声質はどちらかといえば低めだが、声が小さいわけでは無い。 不思議に思いながらも、そのまま教会方面へと向かう。]
(88) 2013/05/13(Mon) 11時半頃
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――墓地――
[教会の裏手へ周り、ずらりと大量に並んだ墓石に迷いそうになる。 だがチアキが一緒なので、そう時間を掛けず場所を見つける事が出来た。
父親の名前が刻まれた墓石の前に、あぐらをかく。 参る時はいつもこうなので、新鮮味の欠片も存在しないが 生きてる父親から教えを受けている気分になるから不思議だ。]
……親父殿、奇病が村に蔓延るやも知れぬと――。 いや、もう風の噂で聞いていただろうか。
[淡々と、其処に父親が居るような調子で話し掛ける。]
俺は、何があろうと最後まで――… チアキの、ラーマで居続けたいと、思います。
[手を合わせ、墓石に記された名前を見上げた**]
(91) 2013/05/13(Mon) 12時頃
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――墓地――
[早い時間の墓地への訪問に、神父が教会から顔を出した。 無言で礼をした後、病に掛かっていないかと尋ねられる。 神父は少し前に、村長の家に出かけたらしい。]
いや、今の所は特には。 旅人……が、病に…? …れんきんじゅつし?
[病の話>>7を明かされ、驚きを顔に出す。 やはり、杞憂では終わらなかったのか――… あの時同じ場に居たトレイルの質問>>1:255への回答。 副作用…即ち肉体の硬化状態が出た場合は、 五分程度の可能性で効果が出る>>1:273。 腕の硬化>>1:242はこの目で見ているし、触れていた。]
つまり、副作用は出たが…効かなかったと。
[ぞくり、と冷えた汗が背中に流れる。]
(105) 2013/05/13(Mon) 13時半頃
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なんとも分の悪い賭けだな。
[硬化の部位は腕だけとは限らないらしい。 場所によっては、ライマー生命を絶たれるだろう。
それでも、チアキが生き残る望みが上がるのならば――…]
……共鳴は起こるのか? あの兄弟は随分仲が良いように見受けられたが。
[神父は首を横に降った。 兄の方の硬化しか、この目で見ては居ないが、 恐らく弟も薬を飲んでいるのだろう。 薬が効いている場合、共鳴しない>>2:19――…?]
(107) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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…………。
[――自分が病で死んでもチアキは生き残るかもしれない? それならば薬を飲ませた方がいいのでは、と一度考える。
しかしその場合、チアキは生きる事を選択するのか。 別の武器を手にして、ライマーを続けるのだろうか。
生活に不足する部分に支障が出て、引退を余儀なくされても チアキにはちゃんと帰る場所はあるけれど。
そこまで考えた所で、大きく息を吐く。 ――決意の篭ったチアキの言葉や表情が、脳裏に過ぎったから*]
(115) 2013/05/13(Mon) 14時頃
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[神父が立ち去った後、暫し無言で思案を働かせた。 飲ませるべきだと思うし、生きて欲しいと思う。
だが、父親の墓前で誓われた言葉>>114や、 食卓での話>>111を思い返し、太い眉が下がった。]
………、チアキ。
薬を飲めと言ったら、お前は飲むか?
[効果が出て、そして。 自分の命が尽きても―共鳴しない可能性に、賭けて。
その返事はある程度予測して居るのだけれども。 敢えて墓前の前で、問う。]
(128) 2013/05/13(Mon) 14時半頃
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[>>130チアキの言葉は、想像していた通り。 だから飲ませるなら、密やかに飲ませねばならない。
そう考えていたのだが。]
ああ。 ……そう言うだろうと思っていた。
[手を取られると、その手を確り握り返す。]
――…、一緒に生きて、同じ墓に入ろう。 それなら、死んだ後もずっと一緒だな。
[薬の存在を、頭から消し去った。]
(137) 2013/05/13(Mon) 14時半頃
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……。
[その後墓前を離れ、教会の方へ。 用事があるわけでは無いのだけれど。
比較的立派なステンドグラスが見たかったとか そんな事もやはり考えて居ないが、立ち寄った*]
(140) 2013/05/13(Mon) 15時頃
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[>>143チアキの言い分を聞いて、そうだなと頷く。 向けられる独占欲の強さ、そして深さが心地いい。 昨日までの男であれば、 それを疎む態度を装っていただろうけれど。 握られた手を見下ろす。 いつものように、離せとは言わない。
微かに口角を上げて、頷いた。]
……相棒だからな。 地獄の底までつきあってやる。
[人畜無害そうなチアキは地獄に落ちる事など無いだろうが。 今まで惨殺してきたモンスター達に祟られて、 男が地獄行きになる事は、割と有るかもしれない。]
地獄では鍛錬し放題…か? ……それなら永住しても良い。
[悪く無いと思いつつ、共に歩んだ>>144**]
(148) 2013/05/13(Mon) 16時頃
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………弟の方、に? ――解った、戻ろう。
[>>150チアキの目を覗き込みながら、頷く。 身を離し、チアキに続いて歩き出す。]
地獄の底でも、 地平の果てでも、何処にでも。
[>>151チアキが傍に居れば、それで良い。 願わくば、鍛錬の出来る場所であればとも思うが 口には出さぬ侭、促しに応じて家路を目指す。*]
(165) 2013/05/13(Mon) 19時頃
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――家の前――
[洗濯物を干しながら、鳥の声を聞く。 やはり昨日と変わらない、奇妙な鳴き方。
不幸の前兆であるかのような、違和。]
……ふん。
[――寧ろ、ラーマとして二度生を受ける幸運に恵まれたのだ。 今日病に伏せて死んだとしても、不幸とは思わない。 ただ、道連れにする形でチアキを死なせてしまう事が]
…――恐ろしい、な。
(167) 2013/05/13(Mon) 19時頃
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[――ぱぁん。]
[考え事をしてたせいで、 洗いたてのシャツが真っ二つに破けてしまった。]
…………しまった。
[後でごめんなさいしようと思う。]
(168) 2013/05/13(Mon) 19時頃
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俺もおわっ………
[>>177それにしてもこれどうしようか。 チアキのお気に入りのシャツだったような気がする。 そんな事を考えて居たが、呼ばれて振り返る。
目が合った。]
……すまん、力を入れすぎてしまったようだ……。
[今更隠すわけにもいかず、破れたシャツを手にしながら 苦い顔でチアキを見つめ、肩を落とす。]
(180) 2013/05/13(Mon) 21時頃
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……すまない。
[>>184伏し目がちにしながらチアキに謝罪を告げる。 トレイルに繕って貰うにも、元の状態に戻すのは無理そうだ。 しゅん、としていると、肩を叩かれる。]
……ん。
[果物の礼の事だと理解して、頷きを一つ。 そういえば、ジェームスは例の薬を飲んだのだろうか。
先日の手合わせの話も、身体の一部が硬化してしまったら ご破算だなと思うが、それどころでは無いので仕方ない。 彼らがあの後どういう選択をしたのかも気になる所ではある。]
……行く。
[破れたシャツを手にし、チアキの後を歩く。]
(188) 2013/05/13(Mon) 21時半頃
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――トレイルの家――
……。
[チアキの後ろで腕を組み、反応を待つ。 中の気配を耳で探る。少なくとも不在では無いようだ。]
キリシマ様の所にも寄ってみたいな。
[声をかけたのに返事をしなかったトルドヴィン。 チアキが彼に憧れを抱いて接している事も知っている。 恐らくトルドヴィンもそれを知っている筈。 流石に無視をするという事は無いと思う。 たまたま聞こえなかったか、あるいは。]
……聴覚が、効かなくなった、――か。
[考えられる事をぽつりと呟く。]
(196) 2013/05/13(Mon) 21時半頃
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[>>199トレイルの姿が見えれば一礼する。 ジェームスも共に現れただろうか。 二人とも一見して、変化は見受けられないが。]
……やぶいて、 いや、その。破れてしまって、
[原因までは話す事は無いだろうと、 チアキ>>208に申し出を任せてしまう。
シャツ真っ二つに破れたシャツを見せる事に。]
(209) 2013/05/13(Mon) 22時頃
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[>>210チアキをハグするトレイルを眺める。 やはり違和は見受けられない。態度的な意味で。]
ジェームス。 トレイル様と貴方は、件の薬を飲んだのか?
[>>212そして主を諌めるジェームスの姿も普段通りだ。 副作用の方は、出るか否かは個人差があるのだろうか。 だが副作用が出なかった場合、 効果がほぼ無いとも耳に入れている。 それでは薬としての意味が無いのでは?と疑問を感じつつ]
(217) 2013/05/13(Mon) 22時頃
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……トレイル様は飲まれたのか。 見た所、変わらぬように見受けられるが。
[>>219れんきんじゅつしの硬化した部分は、片腕。 しかしチアキを抱きしめる腕もきちんと曲がっているし、 此処まで歩む音には、引きずるような雑音も感じず。]
飲んでない、俺もチアキも。
[首をふるりと横に振る。
チアキが解放された辺りで、トレイル>>220にシャツを預ける。 原因はやはり気になるのだろうか。 破れた、ではなく引きちぎった形になっているので 故意的に破かれた感は、見抜けるのだろうけど。]
(223) 2013/05/13(Mon) 22時頃
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…飲んだ方がいいのではと進言はしたのだが。 本人が飲まぬというなら、どうしようも無いな。
[>>227ありのままに告げる声は、 焦りや憤りなどといった感情が一切篭らないもの。 飲まない事に関して呆れもしてないし、絶望もしていない。
どうしても飲ませたいと思っていたら、 今日の食事の後に出した茶に、一服盛れば良い話だ。]
(231) 2013/05/13(Mon) 22時半頃
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