29 Sixth Heaven
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―廊下―
[溜息ついて、はじめたのは チャールズを探すことだったのだが。 スティーブンの勘の鈍さは残念としか 言いようがなかったようだ。]
ペラジー…? すまない、ミスター・チャールズを見なかっ、 …、…そうか。
[順に当たった挙句のすれ違いか。 丁度戻るところに出くわす。 ペラジーだけでなく、 フィリップらに説明を受ければ 気がかりそうに個室のあるほうを一度見て]
(0) 2011/04/21(Thu) 07時半頃
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スティーブンは、フィリップの様子に、少しばかり、どうしたのか、というような表情を浮かべた。
2011/04/21(Thu) 07時半頃
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[共に戻るは待機室か、 道中ペラジーが話したということを聞けば 彼の方を、見て]
…そうか。 私も探していたのだが、 入れ違いになったようだな。
ありがとう。
間に合うといい。…だが、
[間に合ったとて、 行き着く先は変わらないのか。 彼は決心してしまった。 ――貴方たちこそ哀れだと思う。 それは。どうなのだろうか。胸に沈む思いはわだかまる]
(1) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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いや、詫びることはない。
…――そうか。
君たちが決めたことならば。 …きっと、それがいちばん いい。 ―――そうだな。
[疲れた。その言葉には同意を示す。 確かに、からだというよりは、心の疲労が大きいか。 欠伸をするフィリップに、休むといい、と 声をかけもした。マーゴは彼に付き添うだろうか。 ペラジーにも君はどうするか、と尋ねる。
自分は一度、大部屋に戻るつもりだったが。]
(3) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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[待機室で、食事などをとったこともあろうか。 チャールズがベルナデットを連れて 戻ってくるのを見て、気がかりそうに見た後]
ラルフに貴方を殴れ、と謂われていたのですが。 ……。どちらに非があると私には謂えない。
[――結局のところ、「殴る」ことはなく。
共に行き、接続をすると決めたらしい チャールズとベルナデットのふたりを 待機室から見送ることとなるか。 時計を確かめる。昨日と同じくらいの時間。]
――……。
[スティーブンは なんとも 複雑な表情を浮かべていた。 かばんの上から聖書に触れた。]
(4) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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スティーブンは、フィリップに指摘されると、そうだろうか、と少しばかり考えるように僅かに眉を寄せたようだった。
2011/04/21(Thu) 08時頃
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[時計は止まらない。
しばらく彼らの消えた扉を睨むように見ていたが 疲労していたのは確かだったゆえ 仮眠を取るために11番の部屋へと。 眠るというならペラジーも連れて行ったろう。 スティーブンは自室で聖書を取り出し、 折り目のついた写真を 綺麗に伸ばそうとしながら。
ペラジーが見ていたなら]
これは、ミスター・チャールズの ……家族の写真だ。
[そう、説明をした。 ペラジーは、何か思うところはあったろうか。]
(5) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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―――ペラジー、 君に、家族は?
[答えを待つが先か、 今日は休むと言うが先か。
どちらにせよ 眠りに落ちたるまでに要した時間は然程長くない。]
(6) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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[夢を見る。
まだ、任に就くこともなく
笑っていた友人の夢。
だが、気づけば遠ざかり
閉ざされたモニタの向こう側に笑みのないかれがいる。
叫んでも声は届かない。
モニタの向こうには
コリーンが、トニーが、
先程向かったチャールズが、ベネットが―――居る、夢。]
「どちらの世界で生きるか、
ではありませんの?」
[パピヨンのこえ。]
「結論、出しました」
[フィリップの声。
泣いている子供がいる。
知るはずのない、巻き毛の少女。]
[泣いている少女が
こちらを見た。
―――あれは、ヘンリエッタだ。
何故か、確信がある。
瞬きの後、己の傍らにペラジーが居ることに気づく]
あ、――――
[少女の口が動く。
何か、謂っている。
聞こえない。]
な、に―――――
[聞こえない。
歩み寄ろうとすれば
―――ぱん
と
ひどく乾いた音がして
少女の体はどさり、倒れる。
光なくした眸がスティーブンを映した。
薄く、笑っているようにも見えるそれ。]
―――あ、
[呆然。
がくり、膝を折る。
ペラジーは、動かない。]
[少女の背後にひとつの影。
見上げる前に気づく]
ギル…―――
[27歳で死に、止まったままの記憶の中のかれがいる。
わらっていなかった。
ひどく思い詰めたような顔。
手には、銃を持って。]
ギル、やめろ
[愛称、もう長らく呼んでいない。
止める。止まらない。
彼は銃口をこめかみにあてる。]
やめろ、
[止めようと動こうとするのに、体は言うことを聞かない。]
[手を伸ばして、
止めたい、止めなければ、どうして死ななければならない。だめだ。いくな。ギル。]
「スティーブ。…俺は」
[引き金を]
や、
[弾く]
やめろおぉぉぉ!!!!
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―仮眠後:個室11―
っ―――!!
[息を飲み、天へ右手を伸ばす自分の動きで眼が覚めた。 心音が速い。]
っ、ぁ…
[悪夢。だった。 けれどそれは現実をなぞったもので――― 伸ばしていた手を降ろして顔を、覆う。]
―――――、ッ…
[きつく眼を閉じた。 悪夢に苛まれるのは、此処が本来通り負の感情を抱ける場所、だからなのか。]
(7) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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…は。 ――――どちらも、悪夢、か
[呟く。 此処を地獄の門と称したのはラルフだった。 来たばかりのときのやり取りを思いだし、苦い表情。 時計を見ると 寝間着用のシャツの釦をひとつ外し、息を一度吐いてから身なりを整え、着替えに移る]
(8) 2011/04/21(Thu) 09時頃
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[常の格好になれば 向かうのは待機室、 そこにはもう、誰かいただろうか。
まず、気になるのは モニタに他ならない。 やや不明瞭な音声と映像。息を荒げて、尋常ではない様子で逃げるように行くひとが見えた]
……ミスター・チャールズ……
[呟く表情には、苦味が浮かぶばかり**]
(9) 2011/04/21(Thu) 09時頃
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―待機室:現在―
[>>14モニタを見上げながら、 マーゴの言葉を思い出していた。
「決めたとは言いかねる。 私の気持ちは器を接続させたくない、 その方向に傾いているが ペラジーは…どうだろうな」
とても、今の彼の言葉が 真に彼の意志だとは思えないのだ、と
果たしてそれは彼らにどう映ったのか。 怠惰が蔓延ればどうなるだろうか。 今憤怒が足りぬ器、それだけでも 法を司るものに様々事件が舞い込んでくるというのに]
(15) 2011/04/21(Thu) 18時半頃
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―現在:待機部屋―
[問いかけてきたマーゴと、 彼女のパートナーであるフィリップを思う。 彼らは、どのような選択をしたのだろうか。
唇の端、すこしばかり膿んだように熱を持つ。
近しい者が何も謂わず自ら命を絶って その刺が今も胸に刺さって抜けない。 ギルバートは、世界に殺された。 無知であった己も同罪と、スティーブンは考えていた。 彼は、選べなかった。――だから]
――…、
[結局は器は死ぬのであろうと、 それも管理者が手にかけるのであろうと、 推測ながらも口にすれば、トニーは、チャールズは、――諦めたのだろうか。否、諦めたからといって、次の道は、あったのか。己の選択に問いかける。]
(18) 2011/04/21(Thu) 19時頃
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スティーブンは、眉を寄せて、モニタを見上げている。眼鏡に光が反射、して*
2011/04/21(Thu) 19時頃
スティーブンは、モニタに手が届くなら画面にてを触れて
2011/04/21(Thu) 21時半頃
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―待機室―
…―――どうなっているのだ……――
[どこか不安げに、 モニタに緩く爪をたてる。 と。 ひとり、足音に気づき振り向く。 フィリップの姿があった。]
―――ああ。 ミスター・チャールズと、 ミス・ベルナデットが。
[――仮眠の前、 フィリップと交わした言葉。>>29 一度瞬いて、それから 僅かに眼を細めて 叶うなら、是非―――と、答えたのだった。]
(37) 2011/04/21(Thu) 22時半頃
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―待機室>>38― [フィリップの言葉に頷いて、]
…ああ、だが 上手く纏まったのかは、 少し、疑問だが。
[声、聞こえたそれに 眉を寄せてモニタに視線を戻す]
―――私は彼に本当のことを伝えられなかった。 眼をそらさないのも、また義務、ではなかろうかと―――思うのだ。
[ギルバートもまた、見たであろう―――それを。]
(40) 2011/04/21(Thu) 23時頃
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――――、…
意味などないかもしれないな。 ただ、私は自分の罪悪感故に―――行動しているだけかもしれない。
[あの時とは 立場が逆だ、と、思う。 同時に、フィリップたちが選んだ道もまた知る。
仮眠の織りに見た悪夢のせいだろうか。 眼鏡の奥の藍はかすかに揺れ モニタを、見た。]
(44) 2011/04/21(Thu) 23時半頃
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何も知らないでいた。 それゆえに私は知りたいと望む。 悔いもするだろう、 それも含めて。
[フィリップに殴られ生じ、 チャールズに抉る意図で触れられた傷が治らなければよいと、ひそかに思う。
ペラジーは――どうしていたろうか。]
(45) 2011/04/21(Thu) 23時半頃
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―待機室―
――――…
―――私は、 友の命を奪ったシステムを “憎んでいる”。
[明確に形となった負の感情を口にした]
…知って、今。 ―――システムなくとも 世界が成り立つようにはならないかと、…考えている。
システムができてから 100年を優に過ぎた今、 引き剥がすのは困難だとは、理解しているが。
―――犠牲の方が、大きいだろうな。
(53) 2011/04/22(Fri) 00時頃
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君の謂うとおりだ。 そうすれば、私は大罪人となるだろうな。 殺されても文句は言えない。
先の戦争より、酷いこととなるかもしれない。 100年。人はそう…「微温湯」に浸かっていたのだから。
[それはすこし、俯瞰したような物言い。]
――何が正しいとは、謂えない。 私は私の利己的な考えで、 動いているに他ならないのだろう。 だが負の感情を吸い上げられていない此処での思いは 確かに、私の思いでは、あるのだ。
[屈託なく笑うフィリップに、 藍はやはり、ほんの僅か細められたようだった]
(62) 2011/04/22(Fri) 00時半頃
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―待機室―
…――…。そうだな。 それは、生きていなければならない、な。 投げ出すわけにはいかないから。
[>>67フィリップに頷く。 藍はすこしだけ伏せられた。]
主観的、確かにな。 歴史の正義と悪が後付けであるように。
大切なもののために、 選択し、…思うままに生きるも またひとつの在り様。
(71) 2011/04/22(Fri) 01時半頃
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――そういうことだな。 …本来の己、ではなくなってしまう。
ラルフも厭っていた、な。
[モニタを見る眼は、何処か遠い。]
(73) 2011/04/22(Fri) 01時半頃
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[トニーの食べる様子は 異様、とも謂えるか。 食べて、食べて、それでも尚食べて。]
――そうだな。 彼は、どちらを選ぶのだろうな。
[眼を閉じる。]
…夢か…理想を追い求めた、結果か。 どちらにせよ、歪んではいるが
互いを尊重し 思い合い 慈愛に満ちて――
知らぬものには、“楽園”だった。 壊すことを躊躇するほどには。
(79) 2011/04/22(Fri) 02時半頃
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…ああ、
行ってやると、いい。
[マーゴのことを口にするフィリップに頷く。 自身も、ペラジーの様子は気にかかる。 フィリップが出て行くのを見送って、
もう一度モニタに顔を向けた。]
…偽りの楽園といえど…か。
[睨むような、痛みを堪えるような、 そんな表情で眉を、寄せて*]
(80) 2011/04/22(Fri) 02時半頃
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スティーブンは、足元に小さなねずみがうろついているのに気づく。
2011/04/22(Fri) 11時頃
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――…。
[白と赤で構成された 小さな人工生物を見下ろして、 スティーブンはわずかに眉を寄せて けれど蹴とばすようなことはなく。
見上げてくる赤い眼からは 己を危険分子として認識しているのか そうでないのか、感じ取れない。
ただプログラムどおりに動くのみだった。]
(81) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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