76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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……。
[薄く笑んだあと、溜息を。 すっかり反応の鈍くなった後輩の様子を眺めながら。 頭の乗った膝はそのままに、もう一度彼の髪を撫でて]
…あれ。 風、ちょっと収まったか?
[窓の外が静かになった気がして。 サイラスから視線を外し、顔を上げた]
(5) 2013/03/24(Sun) 00時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/24(Sun) 00時頃
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…本当にまずくなったらヘルプ頼むわ。 ただ、出来るところまでは自分でやるよ。 あんまり他人様に見せたくないものとかもあるしさ。
[たとえば必死になってクイズを解いた時のメモの山とか。 人生についてうっかり考え過ぎた時のポエムじみた文章とか。 残っていないとも限らない]
ありがとな。 持つべきものは友人だ。
[ブランケットがかけられるのを見届けて。 起こさないようにそっと膝からサイラスの頭を下ろし。 席から立ち上がり、窓の傍に寄った]
中庭の薔薇の木、大丈夫かね… 風も止んだみたいだし、別にたいしたことでもないか。
(10) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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悲惨なことになってたらちょいと後味悪いよなー。 そこまでヤワじゃないとは思うけどさ。
…あ、月でてる。
[雲の間から満月が覗いている。 綺麗だ、と素直にそう思って。 窓枠に指を滑らせて、しばし眺めに見入った**]
(17) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/24(Sun) 00時半頃
ああ、僕は醜い。
[木枯しのようなつぶやき。
ひゅうと、風の音のように……。]
んん……
[眠っているのに。満月は確かに瞼の裏に映る。
青い目に月はまぶしくて。
けれど目を開くことができないまま、とろとろ眠る]
[意識の中に風がたゆたう。
閉じた意識の中に、水面に結ぶ泡沫(うたかた)のような音が響く]
……誰……
[夢に遊ぶような声は脳裏に僅かな香りを伝えて*]
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最後の満月? …あ、そうか。そうだな。
[次に満月になる頃まで居座るわけにはいかない。 ちらと聞こえたオスカーの言葉に我に返り。 新たに浮かんだ感傷と共に月を見つめた]
サイラスは…まだ時間があるだろ。 でも、どんな反応するのかはちょっと見てみたかったかも。
おう、お休み。 どうしようもなくなったら部屋行くかもしれないから、 そん時はよろしくな。
[ありがたい申し出には図々しく乗って、 去りゆく背中を見送った]
(32) 2013/03/24(Sun) 10時頃
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…最後の満月にしないと。 俺は出ていく側なんだからな。
離れたくないのは、どっちか…
[眠るサイラスの横顔に呟く。 一人残すのは多少気がひけるも、 ここに居たら何も進みそうな気がしなくて]
おやすみ。
[届かずとも声をかけ、談話室を去った。
ほのかに抱えた感傷も、 部屋の荷物の山の前ではあっさりと掻き消えるのだが]
(33) 2013/03/24(Sun) 10時頃
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エリアスは、荷物の山との格闘を再開した。**
2013/03/24(Sun) 10時頃
病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/24(Sun) 10時頃
ああ、これが冬のような愛なのか?
[その手から出た赤はなぜか蒼くも見え…。]
[そんな中、
ぼんやりと、やんわりと、
微睡みに酔いしれている声を拾う。]
――……その声は?
[暖かな暖炉のまえ、眠れるキティに…。]
君は眠っているんだね。
キティ……。
[薔薇の香りは、その眠れる子にも届くだろう。
それはなお、眠りを誘うのか、それとも。]
[聞こえる声はまどろみを呼ぶ。
酷く心地よくて、酷く危うい]
…誰。
キティって、誰を……
[泡沫のような意識はただただ風に舞う木の葉のように
頼りなさげに返る]
病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/24(Sun) 21時頃
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…よし。 とりあえず、いらないものはまとまった。
[しばらくして。 大して片付いてない部屋の中で、満足げに独り言を。 一応脇には古い雑誌を縛り上げた山が出来上がってはいた]
あれ、大して時間たってないっぽいな。 これは…俺もついに要領というものを身につけたということか…
[先ほどとあまり様子の変わっていない 窓の外に首をかしげつつも。 満足そうに背を伸ばし、さて、と腕を組んで]
水でも飲もう。
[再び休憩をとることにした]
(57) 2013/03/24(Sun) 21時頃
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ああ、なんだか、
子猫のようだと思ったんだよ……。
ごめんね。
でも、君のことを感じれる。
何か特別に呼びたいな。
[その眠る彼が誰なのか、
声が響く方向に意識を向ける。]
[ふわり。響く声。
口からの声はヤニクに向けられるのに
意識はもう一つの声に時折傾く]
…猫じゃない。誰だって聞いてるンだけど…
……って。何。この声。
[初めて気付いた声の違和感。
ふわふわした意識がようやっと目覚めたよう]
僕が誰か?
それは、君が誰かというところからはじまるよ。
とにかく、とても月が綺麗で、香りが良いよ。
[弾むような息遣い、掠れた声は、眠りの子の耳をくすぐる。]
ん。
[耳元に響く空気に僅か身を竦ませる。
吐息は少し、熱を持つ]
俺が、誰か?俺は……
[サイラス、といいそうになって息が詰まる。
薔薇の香りの甘さと流れ込んでくるものに。
瞼に映りこむような月に、くらりと頭痛がする]
君の元に、行くよ……。
どこに来るかい?
[名乗ろうとする言葉を促すのではなく、
そう、求めるのは香りと、そこにあるという存在。]
薔薇の木の下でも、
僕の部屋でも、
もしくは屋根裏でも…。
僕の声が聞こえる君はきっと特別だから…。
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―食堂―
[ひょこひょこ歩いた先は食堂で。 がらんとしたものだな、と。 首を突っ込んでまずそんな感想を持った]
酒…じゃ、なくて。水だ。 今呑んだらまずい。寝ちまう。
[呟きながら踏み込んで、厨房の方に人の気配を感じ、 一応そちらの方に声をかけてみた]
ちょっとお邪魔してますよー。
(61) 2013/03/24(Sun) 21時半頃
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[窓から見える月明かりの姿と聞こえる声。
未だ疑問は抜けきらずとも、やはり声は紡がれ続く]
…とく、べつ?
[息を呑む音は体の中に響く]
……薔薇の…下に。いくよ。
そう……じゃ、待ってる。
[薔薇の木の下。その言葉に、にこやかな香り。]
]
[薔薇の木の下に赴くのは談話室でヤニクと分かれてからのこと。
月明かりに見るその姿、ブレンダのようであって、どこか違う。
何が違うのかはすぐにはわからない。そう接点があった訳ではないから]
ブレンダ。
[青い目の色に、薔薇の木が映り込む]
バーチュー……先輩?
いや、サイラスでいいかな。
[青い眸に、新緑の眸はうっとりと。
薔薇の下、腰掛けたまま、手を伸ばした。
薔薇の刺に血のにじむ、指先。]
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[かじりかけの林檎をみつけた。 やはり誰か先客がいるらしい。
あまり手のつけられていなそうなピッチャーを卓の上に見つける。 脇のグラスを手にとって、一杯注いだ]
月見に一杯、と。
[椅子を引っ張り出し、腰かけて。 洒落た調子で一言。 少し虚しかった]
(66) 2013/03/24(Sun) 22時頃
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[今、先輩だの後輩だのと追求する気はない。
ただ名を呼ばれて、香るものにぼんやりとしてうなづいた。
伸ばされた手、躊躇なくこちらからも手を伸ばしてそれを取る。
指先に滲むいろ、何故だろう、その指に無意識に寄せたくちびるは]
[伸ばされた手、指先、
サイラスもまた伸ばしてくれて、にこやかに微笑んだ。]
ああ、君も、感じるだろう?
薔薇が、欲しているんだ。
[指にサイラスの唇が触れて、
はぁ、とため息をこぼす。
もう片方の手も、静かに伸びると、彼の柔らかな金髪に触れた。]
薔薇は本当にかぐわしいね。
そして、君もとても……。
[薔薇の酔いに敏感に感じてしまったこと、
きっと、声の通じる彼もそうで……。
次には指に口付ける彼の頭を包むように抱こうとする。]
[薔薇の香りが頭を埋める。
くちびるを寄せた指先から甘い毒が入ってくるよう。
もうくせになった髪に触れられる感触。
それこそ、猫のように摺り寄せて]
薔薇の、せいなんだ。
…酔いがさめない。眠くて…だけど、眠れない。
[彼の手が自分の頭を包み込もうとするように
空いた片方の手が、彼の細い体に触れる。
抱き寄せるように。
お互いの間、香りが満ちる隙間を埋めるように]
薔薇は、何を欲しがっているんだろう。
[頭を抱き寄せると、彼の手は細い体躯を抱いてくれた。
まるで、我が子をあやすような形になりながら、それでも、感じていることは、そんな美しいものではない。
感じる熱は、冷たさの中、咲き誇る赤い花のよう。]
眠れないのか。
かわいそうに……。
大丈夫。眠れるよ。
君を眠らせてあげる。
[髪に触れ、遊ばせながら、
もう片方の指からは、熱が奪われるのを感じている。]
薔薇が欲しているもの。
さぁ、なんだろう。
けれど、僕や君の欲しがっているものを
きっと欲しがっているんじゃないかな。
[そんな理由づけ。
包み込んだ頭、耳の当たりにくすぐるように、掠れた声を吹きかけて…。]
――……
[彼がこちらを見上げれば、
薄紅の唇をその額に落とす。]
――……きっと、特別なんだよ……。
[青い眸を新緑は見つめて…。]
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