131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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[剣筋は完璧に見切られ、軌道上に銃剣が重なる>>0]
――――え?
[耳元に囁かれたのは意外な言葉]
くうっ……
[銃剣を弾くようにして無理矢理距離を取る。 確かめるような眼差しを一度だけドナルドへ向け]
…………っ
[身を翻し、傷を負った身の出せる限界の速さで駆け出す。 シーパルは状況に気付いただろうか。 合流出来たなら、無言で手を引いて退却を促すだろう。 そして――]
(1) 2014/08/26(Tue) 01時頃
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ティソさん……。
[もう一度だけ振り向いた先。 クラウディアと対峙していたティソは――]
(2) 2014/08/26(Tue) 01時頃
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[王の怒りの情報を得る、どころか、大魔神という新たな脅威に手出しも出来ぬまま。 斃れたティソを置き去りに、シーパルと二人、賢者の塔を離れていく。 その塔の影がようやく見えなくなった所で、先導していた少女は、足を縺れさせて倒れ込んだ]
うぐっ
[痛みに鈍感と言っても、傷が開くような転び方をしてはさすがに平然とはしていられない。 起き上がれないままに、地に額を擦り付け]
う、う…… うわあああああっ!
[敗北に、怒りや恐怖を感じることはあっても。 悔しいと感じたのは、これが初めてであっただろう。 涙は流れない、だからその代わりというように、しばらくは恥も忘れて喚いていた**]
(10) 2014/08/26(Tue) 01時半頃
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あ、あなたは……。
[空から降りる影>>13に顔を上げる。 その姿に、少女は驚きの表情を見せた]
王!? そのお姿は……。
[蝙蝠の如き羽と、漆黒の二つの角。 それは正しく、預言書に記された覚醒《めざめ》し王の姿であった]
ご無事で……良かった。 王がいてくださらなければ、闇の軍勢は光に掻き消されるのみであったでしょうから……。
[黒衣で傷を隠すようにしながら、身体を起こす。 それでも動きのぎこちなさは誤魔化し切れないだろうか]
(14) 2014/08/26(Tue) 14時頃
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これは……先程賢者の塔の前で、クラウディアの騎士であるドナルドと戦って……。 あたしは、敗けたけど……見逃してもらったんです。
[震えそうな己の身体を、両腕で抱える]
でも、ティソさんは……クラウディアの手によって。 王の声で立ち上がった人たちも、あっという間にやられてしまって。 あたし、何も出来なかった……。
[そこで堪え切れないというように、両手へ顔を埋める]
このままじゃ、『王の怒り』も……クラウディアが言ってた『大魔神』も、止められないよ……!
(15) 2014/08/26(Tue) 14時頃
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――――…… ティソ!! 応答して!!
[いつもの様に、精神共鳴を利用して、彼に呼びかけようとしたのだ]
……っ!? ティソ。 ティソッ!!?
[然し術式の知識があるアマトは、すぐに異変に気づく]
ティソ!! 早く応答してよ ティソ!!!
[本来精神共鳴とは、二者間、稀に三者四者間で行われる高等術式だが]
僕、ちゃんとこうして戻ってきたよ!? ねぇ返事くらいしてよ!!
[アマトの感触にここ暫く定着していた、共鳴の精神パスが、外れている]
…………ねぇ………………返事くらい…………
[両者の共鳴を繋ぐ精神パスが、途中で外れる事例はほぼ無い。複雑な術式ゆえの完成度の高さ故に]
…………………………ティソ……………………
[つまりその高度で強固な精神パスが外れる理由の第一として挙げられるのは…]
…………………………ティ………………………
[……共鳴する相手が死んだ事による、術式の無意味化。そして解除である……]
…………ティソ……
[いつかカーライルを紹介する。そう前に約束もしていたのに。
復讐に沈んでいた時、誰より必死に呼びかけ続けてくれていたのに。
……呼びかけても、答えが返らないなんて。わかってた]
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アマトさん……!
[王に続き駆けて来た少年。>>24 無事であったことにひとまずは安堵するけれど]
ティソさんは……ごめんなさい……。
[俯き震えている所へ、こちらを追い掛けてきたのだろうか、ドナルドが姿を現す。>>19 戦闘の意志はないようだが――その姿と、降ろされた遺体を目にして、ひっと小さく声を上げた]
(33) 2014/08/26(Tue) 20時頃
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[王の決断に声を出すことはない。 預言書を辿ればその答えを探し出すことは出来るだろうが、それは王本人の決意を鈍らせてしまうような気がした]
[だから代わりに、傍らの少女を見る。 ドナルドとの戦闘の最中、動くことのなかった少女。 その理由>>30に、預言書を自動的には読めなくなった少女は気付いていない]
シーパル、大丈夫? ……シーパル?
[ぼんやりとした眼差しは本調子でないせいなのだろうか。 けれどそれだけではない、なにか嫌な予感を感じて。 思わず彼女の手を引きながら声を掛けていた]
(34) 2014/08/26(Tue) 20時頃
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[こちらの声にシーパル>>41が反応する。 笑顔を見せてくれたことに、とりあえずは安堵した。 息詰まる状況の中では、場違いなくらいの明るさが引っ掛かりはしたけれど]
ううん、それならいいんだけど。 ……あの人、どういうつもりなんだろう。
[死なない程度に痛めつけられた直後の、共闘の申し出。 光と闇、敵と味方という判断しか出来ない少女には、理解し難い展開だった。 感情と打算と、内に渦巻くものは表には出さぬまま。 シーパルのついた溜息を聞いて]
ね、具合が悪いなら、すぐにここを離れよう? シーパルが無理して戦う必要はないんだよ。
[ドナルドに聞かれて目を付けられないことを祈りつつ、シーパルへ囁く]
(46) 2014/08/26(Tue) 21時頃
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王……。
[>>48視線を受け、申し訳なさそうに俯く。 気にしないでと言いたいが、足手纏いになってしまうなら本末転倒だ]
お気遣い、感謝します……。
[結局はそんな言葉を口にしつつ、王の判断を尊重する意思を見せる]
(51) 2014/08/26(Tue) 21時頃
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シーパル!?
[ぎゅうと手を握り、そして何かを振り切るように。 立ち上がったシーパル>>50を、少女は見上げる形になる]
用事って何? 任せるって……あたしそんな……。
[誰かに任せなければいけない存在になってしまったのだろうか、と思う。 しかし表情は愕然から、悲しい理解へと変わっていった。 ――ドナルドに敗けたし、激しく動けなくなるような傷も負った。 それならそう言われても仕方ない、と]
どうしても……一緒に行ったら、だめ?
[立ち上がれないままの問い掛け。 見上げた視線と、シーパルの視線は交わらない]
(58) 2014/08/26(Tue) 21時半頃
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[頭を撫でる優しい感触>>60で、決して嫌われている訳ではないことは理解出来た。 けれど、柔らかな拒絶の意志は変わらないようだ。 言葉を見付けられないまま、訴える視線を向けても、それが受け止められることはなかった]
……本当だよね? 約束だよ?
[追い縋ることも出来ず、胸騒ぎを感じながらぎゅっと両手を組む。 その胸の奥にある水晶の欠片。 アマトが先程、三つ目を渡していたけれど――少女の命を繋いだそれが、せめてシーパルにとっても助けとなることを祈るしかない]
(62) 2014/08/26(Tue) 22時頃
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[走り去った親友の背を、しばらくは座ったまま茫然と眺めていたが]
……あたしも行きます。
[アマト、そして王が動くなら、少女もまた立ち上がる。 応急処置的ではあるが、傷には黒衣の布の端を縛るように巻き付けた]
勝って……戻らなきゃ。
[シーパルへの心配と不安を振り払うように、ぶるり、と長い金髪の頭を一度震わせて。 彼らの行く方向へ少女も従った]
(64) 2014/08/26(Tue) 22時半頃
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え? は、はい!
[王に声を掛けられ>>67、一瞬怪訝な顔をしたが、すぐに言われるままに怪我を見せた。 彼が「王の剣」を翳すのに、微かな驚きを見せる]
この力は……。
[漆黒の薔薇から落ちた露。 そこから闇の加護が溢れ、全身を包んでいく。 鈍いとはいえずっと続いていた痛みがすっと引き、活力が慣れぬ接近戦で酷使した体に広がった]
はい……すごく、楽になりました。 ありがとうございます、王。
[差し出された手に支えられながら、少女は王の力に改めて感服の眼差しを向ける]
(68) 2014/08/26(Tue) 23時頃
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……貴女にとって、信仰とは何なのかしらね、クラウディア。
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[天使ラディエル。 「ラディエルの書」を手に戦う姿は、預言書より力を引き出す自身と近しいようにも感じられる。 ただし向こうには聖具《レガリヤ》――特に、預言書にも記されていない「王の怒り」がある]
あたしに……出来ることは……。
[王やアマトの足を引っ張ってはいけない。 自身の身を守るのは最低条件としても、それだけでは共に行く意味がない]
……いざとなったら……。
[一枚だけある切り札。 それを意識に浮かべながら、少女は足を進める]
(71) 2014/08/27(Wed) 00時頃
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― レグレシア メサイア大聖堂 ―
[かつて一人で潜入した場所に、今度は三人で立つ。 完全防備>>70の軍を見れば、緊張に身を固くするけれど]
はい、……必ず!
[アマト>>70に頷き、黒衣から幾つかの文節を手許に近い所へ呼び寄せる]
(72) 2014/08/27(Wed) 00時頃
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わかりました、ヘクターさん。
[王――ヘクター>>73に答え、続く言葉には、強く頷いて見せる。 そして聖堂へ向かい――]
な、あれは……!
[ヘクターに言われるがまま視線を向けた先、現れたのは「船」>>74]
なんですって、そんな仕掛けが……。
[防御障壁を生む「王の座」と、巨大な砲台である「王の怒り」。 その二つの組み合わせに、警戒しないはずがない]
"王の座は、王の地位を護りたり。 何人の攻撃も、座りたる者へ届かすこと能わず"
(77) 2014/08/27(Wed) 00時半頃
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……征くしかなさそうですね。
[闇のオーラを纏い突き進むヘクターへ、少女もまた従った。 ヴェールと化した黒衣が、ヘクターのつけた道へ殺到する兵を絡め取り、弾き飛ばしていく。 なおも阻もうとする者には、預言を具現化した黒の刃で対抗した]
(78) 2014/08/27(Wed) 00時半頃
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[男性二人に後れを取らないよう、必死に駆けながらヘクター>>80の説明を聞く]
……ふむ。 その「船」自体、預言書には記述がない。 ということは、「王の怒り」が核のパーツの可能性が高そうです。
[彼の危惧に頷きつつ、最上階へ向かう道を行く]
(81) 2014/08/27(Wed) 00時半頃
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いえ、そんなはずは。 …………。
[アマト>>82の疑問。 もう一つ未知のレガリヤがあるなら、レガリヤの総数は元の八個に戻るのだが。 少女はまだその存在に気付いていない]
どちらにしても、あれは歴史を歪めかねない兵器。 ……闇の勝利のためにも、止めなくては。
[背後の敵を風の術へ吹き飛ばす。 預言書と現実との齟齬が何を意味するかは気になるが、今は戦闘に集中するしかなさそうだ**]
(83) 2014/08/27(Wed) 01時頃
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