35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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……先生。
[手を包まれたまま、静かに、呼吸を整える]
だったら、その気持ち、ちゃんと伝えることにしねえか。 あいつを困らせるかも知れねえ。けど、本当のことを知って、それでもあいつにいて欲しいんだって、俺は言っておきてえよ。
決めるのは、一平太だ。 それでも、お互いに隠し事したまんま別れるのは、俺あ嫌だ。
何とかして、あいつが行っちまう前に、伝えようぜ。
[しっかりと、源蔵の手を握りかえした]
(0) roku 2011/08/20(Sat) 21時頃
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[円盤の中に、気まぐれに仕込んだ装置。祖母の形見。
祖父以外の者に記憶を手繰られぬようにと作った装置。けれど、それだけでは味気ないと、手を加えたのは]
『 はろー CQ はろー CQ
こちら J21NR0
こちらは
じゅりえっと つー わん のべんばー ろめお ぜろ
星降る海岸より 』
[きゅるきゅるとゼンマイが噛んで周り出す。
ここにいるよと。愛を囁く小さな*機械*]
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[普段は理性的な、黒目がちの学者の双眸が、揺れる]
言ってまずいなんてことが、あるかよ。
あいつが大事だって、一緒にいてくれてありがとうって、 これからも一緒にいたいって、
正直な気持ち伝えることに、誰にも文句なんざ言わせねえや。
[揺れて、揺れて、それから、しっかりと定まって]
おうよ。後悔は、したくねえ。
[はっきりと、頷き合う。もう、迷わない。
だから、きっと、伝わる**]
(2) roku 2011/08/20(Sat) 22時半頃
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団十郎は、源蔵の背中を流すことにした**
roku 2011/08/20(Sat) 22時半頃
こいつは…
そっか、これで一平太は来たのか。
[ここに来た時から端末が時航機とのやり取りと始めていた。
データが一部時航機のほうへと転送される]
あの設計図のデータ?
もしかして、これって一平太の時代のものか。
[...の端末が時航機へと何らかの信号を送っている。
そして…
認証しますか? YES/NO と表示された。]
団十郎は、メシくってくるー**
roku 2011/08/21(Sun) 18時頃
団十郎は、仁右衛門ー!
roku 2011/08/21(Sun) 19時頃
団十郎は、眠いんでちょっと横んなってくる**
roku 2011/08/21(Sun) 20時半頃
…――――?
[通信機のスイッチが入ったけれど
何も言わないようなので、黙っておいた]
You Mean the World to Me.
I love you. I love you.
[手記の一番最後に、何度も何度も、祖母が書き残していた言葉]
/*
[祭りが終わった後、空の星が海へと全て流れ落ちた時―
村に住む皆は深い眠りへと誘われた…。
そして目が覚めると、再びいつものように過ごすのであった。
ただし、あの最愛の人、仲間の良かったあの人、自分に仕えていてくれたあの人―
それら全ての人の記憶が…茄子になっていました。]
〜 茄 子 E N D 〜
※これはネタです。
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―祭りの当日・朝―
[昨夜、源蔵と共に、一平太に会う算段をしたのだが、結局作業に追われて抜け出せず。 皆と一緒に休むふりをして、寝静まった隙に出ようと思っていたのだが]
……む。
[誰かが出て行く気配で目が覚めた。障子の外は、既に薄明るい。 どうやら本当に眠り込んでしまっていたらしい。
飛び起きたりしては、他の役員たちにバレてしまう。 そっと身を起こし、源蔵の書き置きを確かめた]
(123) roku 2011/08/22(Mon) 19時頃
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[自分も何か書き残していった方が良かろうか、と思案したが、いい口実を思いつかない。 結局、]
『船の様子を見てくる』
[と、台風の時に危ない目に遭う人のような書き置きをした。 広い意味では、嘘ではないかも知れない]
(124) roku 2011/08/22(Mon) 19時頃
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―村の通り―
[まだ人の少ない道を、あちこち見渡しながら歩いていく]
さて、っと。 一平太が、先生ん家にいるなら、会えてるだろ。 おっさん二人で縋り付くのも何だし、まずは先生に任せるかね。
先生ん家にいない場合のことを考えて……一応探すか、ね。 さすがに、今から海岸に陣取っちゃあ、いねえだろうが。
いや、その前に……朧の奴あ、知ってんのかね。 一平太を海岸に近づけさせんな、って言ったとき、どうもピンと来てねえ様子だったからなあ。
[朧がうすうす気づきながらも、旅立ちを見守る心づもりでいたことを、船大工は知らない。 自分が立ち去った後の鳩渓堂で、一平太自らが、兄に真実を打ち明けたことも知らない]
(125) roku 2011/08/22(Mon) 19時頃
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団十郎は、|・)じー
roku 2011/08/22(Mon) 20時頃
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―旅館―
おうい。朧はいるかい。
[帳場にいた者に、尋ねてみる]
え。あいつも、役員になっちまったのか。 いや、会ってねえんだ。バタバタしてたもんでな。 すまねえ、邪魔したな。
[帰りがけ、ふと旅館を振り返れば、窓から外を見ているおみつの姿]
あ、おみ……いや、いづ……いやいや、おみつ。
[人づてに知った本名を呼んでいいものかどうか、迷ったあげくに、いつもの名前]
(126) roku 2011/08/22(Mon) 20時半頃
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おはようさん。
[手を挙げて、窓辺に歩み寄る]
ここは相変わらず忙しそうだが、祭りくらいは見に来られるのか? まあなあ、こんな田舎の村の祭りでも、よそから見にくる客がいるからなあ。 朧みてえに、里帰りしてきて宿に泊まるやつもいるし。 ああ、あいつ、役員になったんだって?
あーっと、なあ、おみつ。祭りの後で構わねえんだが、ちょっと頼みが…… おい、目え赤いぞ。あんまり寝てねえな?
……無理すんなよ。
(127) roku 2011/08/22(Mon) 20時半頃
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あー、俺も役員なんだが、今はまあ、ちょっと用事でな。
[適当に誤魔化しつつ、おみつが今日は休むつもりだと聞けば、頷いた]
そうだな、それがいいさ。せっかくの祭りだし。 旅館の連中も、交替で休みゃあいいんだよな。
[微笑みを浮かべながら、きっぱりと言い切る様を見て、僅かに目を瞠り]
おみつ、おめえ……いや。 気のせいかね、何か、変わったな。
[次には目を細めた]
(130) roku 2011/08/22(Mon) 21時頃
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んー、頼みってのは、なあ。 お志乃の日傘な、俺が預かって修繕したんだが、俺の仕上げじゃあ、若い娘が持つには無愛想だろ。 頭んとこへでも、こう、可愛らしい布でもつけてやってくれねえかなと思ってよ。 お志乃が前に、伊綱に……おめえにも直してもらえばいいかも、なんて言ってたし。 おめえの、何つうかねえ、仕事の丁寧さとか、色の選び方の良さとか、そういうのを貸してくれりゃあ、ぐっと良いもんができる気がするんだ。
ま、傘はいったんお志乃へ戻してるから、後で会ったら、聞いてみるぜ。
でも、ゆんべ徹夜だったんなら、今日はのんびりしてくれな。 傘の話は、また、暇な時にでも。
[来た時と同じように手を挙げて、また通りへと出て行った]
(131) roku 2011/08/22(Mon) 21時頃
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団十郎は、|・)じー
roku 2011/08/22(Mon) 21時半頃
団十郎は、おまえら何やってるwww
roku 2011/08/22(Mon) 21時半頃
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ん、別段心配してるつもりもねえんだがなあ。 俺あただ、みんなが笑って元気にしててくれりゃあ、それでいい。
[ぼそり、返した言葉は、背を向けてからのもの]
……朧はいねえ、か。 先生は、ちゃんと言えたかねえ。 一平太は……どうするんだろ、な。
[見上げる空は、青い]
(133) roku 2011/08/22(Mon) 21時半頃
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うお!
[ちょうど今思い浮かべていた人物の声がして、大きな体をびくりとさせて振り向く]
お、ああ、その、何だ、一平太。
[そろりと様子を伺えば、そこにあるのは少年の、いつも通りの声音と表情]
お、おはよう。 あー、まあ、役員の方は、ちょっと休憩だ、休憩。
……なあ。 先生には、会ったか?
[白い花束をちらりと見遣ってから、尋ねた]
(136) roku 2011/08/22(Mon) 22時頃
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団十郎は、一平太を慰めた。
roku 2011/08/22(Mon) 22時半頃
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会ったか……そうか。
[大事な話をした、と聞けば、安堵の笑みを見せて頷く]
俺あ……そうだな、多分、先生より、朧より先に、気がついてた。 俺が別段鋭いわけじゃなくて、体質、みてえなもんなんだろうけどな。
だから、おめえの小さい頃のことが、思い出せなくて、 仁右衛門の野郎が未来人だの記憶操作だの言い出しやがるから…… もしかしたら、元々はいなかったんじゃねえかなんて思い始めたら、不安だったよ。
俺あ、おめえの先生でも兄貴でもねえが、俺だって、おめえが可愛…… ……?
[地面へと置かれる花束に、言葉を切って少年の動作を見守る]
(148) roku 2011/08/22(Mon) 23時頃
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…………。
[謝罪の言葉が紡がれるのを、じっと、聞いて。 それから、彼の決めた道を、聞いた。
それから、ほっと息を吐き]
……なあ。謝んなよ。 あんときゃ、ああ言うしかなかっただろうさ。 それに、あれはやっぱり、本心だったんだろ。
悩んだよな。そりゃあ、苦しかったよな。
[大きな手を少年の頭に載せて、わしわしと撫でる]
そうだな……今も、怖いよな。 おめえを引き留めるのが、誰にとっても一番いい道なのかどうか、そいつあわからねえ。 先生も、それでなかなか言い出せなかったんだし、俺だって、これで何がどうなるのか、皆目見当もつかねえ。
(149) roku 2011/08/22(Mon) 23時頃
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でもな、やっぱり、嬉しいんだ。 やっぱり、おめえに、ここにいて欲しいんだ。
なあ、一平太。 おめえが、約束守ってくれるんだろ。 俺だって、応援するって約束したぜ。
学問は教えてやれねえが、細工でも、材料の手配でも、何でも力んなってやらあ。 酒の飲み方だって、立派に仕込んでやらあな。 おめえの兄貴は、今ひとつ弱えからな。
[にやり、と笑い]
……何があっても、守ってやるから。 なあに、先生の学と、朧の剣と、俺の技がありゃあ、大抵のこたあ何とかなる。
[わしわしわしわし頭を撫でた]
……ここに残るって、決めてくれて、ありがとうな。
(150) roku 2011/08/22(Mon) 23時頃
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……あ。
[少年の結わえた髪に触れて、思い出したように問う]
朧は、このこと知ってんのか?
(151) roku 2011/08/22(Mon) 23時頃
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あとは、ゆうと、明之進もか。
先に明之進のほうにでも行くかな。
どうせ、この熱い日差しじゃ外には出てこれねーだろうしな。
ちょっとお土産でも持っていくか。
[...は端末を使って、何やら仕込んでいる]
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[普段は、もっと子供らしくしてもいいのにと思いながらも、 一人前以上に働く彼を尊重して、あまり子供扱いしすぎないように気をつけているのだが。 この時ばかりは思う存分撫でていた。 安心した笑みを見せてくれるのが、嬉しくてたまらない。 しばらくそうしていたのだが]
あー……と、朧に話したのは、そこまでか。 じゃあ、気を揉んでるところかもなあ。
ん。 先に、親父さんとお袋さんにも、話してこいよ。 もしかしたら、朧もそっちへ行ってるかも知れねえしな。 多分、あいつが任されるとしたら、見回りとかだろ。寄合所に閉じ込められっぱなしじゃあ、ねえと思う。
俺もちょっと、あいつ探してみるぜ。
[言いつつ、周囲を見回した]
(160) roku 2011/08/23(Tue) 00時頃
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……おう、からくりできたのか。 先生大変だったなあ。
しっかし頑張ってたから、今年も楽しみだ。 みんなで見せてもらおうぜ。
……ん。 また、後でな。
[何気ない、小さな再会の約束が、今はとても嬉しい。 手を振って一平太を見送ると、朧を探して歩き始めた]
(171) roku 2011/08/23(Tue) 00時半頃
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[しばらく歩いたところで、のんびりとした声がかかる]
朧、おめえ、そんなとこに。
[ずかずかと歩み寄り、朧の隣にどっかりと腰を下ろした]
……おい、一平太のこと、聞いたんだろうが。 何呑気に氷食ってんだよ。
[カチ割りの氷をひとつ、勝手に取って自分の口へ放り込んだ]
(173) roku 2011/08/23(Tue) 00時半頃
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[...は、夕顔も朝顔と一緒に未来に行く事は、まだ知らない**]
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……受け入れるって、おめえなあ……。 弟だろ、たったひとりの。 そりゃあもともとは違ったかも知れねえが、兄弟になってからはずうっと、あいつがおめえの生き甲斐だっただろ。
[氷をがりがり噛み砕きながら、無愛想に言う。 一平太が残る決心をしたことは、黙っているつもりだった 父母に勇気を貰ってくる彼が、自分で伝えたいだろうから。
それに、あまり動じているように見えない朧に、ちったあ気を揉みやがれという、意地悪な気持ちもあった]
あ?海岸?
…………ああ。行くつもりだぜ。
[小さくなった氷を、飲み込む]
(179) roku 2011/08/23(Tue) 00時半頃
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……始めはな、仁右衛門との約束だから、仕方ねえって思ってた。 それから、どうやらこの村からいなくなる奴がいるってわかってから、邪魔して引き留めてやろうって思ってた。 で、今は……。
[未来人、が、一平太の他に幾人いるのか、誰なのかは知らない。 でもきっと、それぞれに悩み、結論を出したのだろうから]
……帰る奴がいるってんなら、最後まで見届けてやりてえからな。 俺あ、海岸に行くぜ。
ああ、頼んどいて悪いが、子供らを近づけるなってやつは、ナシにしてくれ。
[じっと、朧の目を見返して答える]
(182) roku 2011/08/23(Tue) 01時頃
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……そうか。 そうだよな。
[昨夜の姿は、と聞けば頭を掻いて]
おめえが何だか落ち着いて見えたから、あんまり悩んでねえのかと思っちまった。 そんなわけ、ねえのにな。 ……悪かった。 おめえは、やっぱり、あいつの兄貴なんだな。
[座ったまま、ぺこりと頭を下げた]
……ああ。海岸で会おうぜ。夜にな。
[立ち去る朧を見送る。 結局、一平太の結論は知らせていないままだ**]
(190) roku 2011/08/23(Tue) 01時頃
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