29 Sixth Heaven
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[ギルバートはよく笑う男だった。
くだらないことでも、
楽しむようなそれは。
随分と眩しいもので。
ああ。
酒に酔っ払って面倒をみたのは
大学の時だった。酷い飲み会だった。
若気の至りに相応しいどんちゃん騒ぎ。
――もっと飲みゃーいいのに。
そんなふうに、言っていたのは。]
[任務から帰還して
そしてギルバートは死んでしまった。
泣いていた。
誰も彼も泣いていた。
私は泣けなかった。
ただ呆然と葬儀場に立ち尽くして]
[何故だ。
彼を殺したのは 誰だ。
彼を殺したのは 彼自身。
彼を殺したのは 世界。
彼を殺したのは
何も知らなかった私も――か]
[彼が最期まで何も謂わなかったことが悔しくて
何もできなかった己が情けなく
知りたいと思って此処へ来て
知ったときには戻れない。
今、
「暴食」のこどもと、
「愛」の美徳をもつ女性が
「世界」に接続する。
ここにいるもの以外誰にも知られずに]
[己が器なら]
[粛々と此れを受け入れたろうか?]
「貴方は人柱にならずに済みますね」
[耳に残る。こえ。]
「皆のためなら」
[そこに自分がいないのに?]
「世界が壊れるより、いいんじゃないの」
[虚ろな声がからっぽの抜け殻のように響く]
あのとき、何を謂おうとした。
私には
まだ。
わからない。
わからないんだ――ギルバート……。
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― 廊下 ―
[リベラを抱き締めていると、丁度今考えていた彼の声がして。 頬が赤い事を問われ額を合わせらられれば、 触れそうな睫毛を慌てて伏せる]
な、何でもないよ。 ちょっと、考え事をしてただけ……。
[そうして、連れられるまに共に待機室へ向かう。 先程まで話していたトニー達が接続へと向かうのには、 励ますような面持ちで扉の向こうに消えていく姿を見送った]
(32) 2011/04/19(Tue) 16時頃
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― 待機室 ―
[リンダに“仲良くね”と言われれば、ちょっと目を丸くして。 控え目に頬を染めてこくんと頷いた。
そうして、管理者達の間で交わされる会話を聞きながら、 ふと何かを疑問に思ったようだった]
悪い気持ちに汚れるのは、器の方でしょ? お世話する人にも、何かあるの……?
[手を汚す覚悟とは何だろう。 スティーブンの返す言葉に、きょとりとまた首を傾げた]
(33) 2011/04/19(Tue) 16時頃
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[ふと頭を過ったのは、スティーブンの問いによって思い出した ギルバート、そして、共にいなくなったヘンリエッタの事。 彼らが出ていけたのは、彼らに縁があったからなのだろうか。 事実は、ただヘンリエッタが壊れた……それだけなのだろうけど。
フィリップという縁ある管理者に巡り合えた事を運命と 信じていたい少女は、ここにきてまた少しばかりの不安を感じた]
ギルバートお兄ちゃんとヘンリエッタは、幸せになれたんだよね……?
[心の支えを確かめるように、少女はそう口に*した*]
(34) 2011/04/19(Tue) 16時頃
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― 待機室 ―
……聞き、たい。
[ここでは話せない理由にはすぐには思考が飛ばず。 ただ、純粋に彼らの事が聞きたいと思った。 外に出て行った者達の後ろ姿を、 自分は追おうとしているのだから]
[そうして、スティーブンが部屋へ向かったのとほぼ入れ代わりか。 プロジェクターからトニーの声が聞こえてくる。 思ったよりも元気そうで安心する]
トニー君、元気そうで良かった。 最初の負荷は、大丈夫だったみたいね。
(58) 2011/04/19(Tue) 21時頃
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[ムパムピスが話を聞きにいくと言うのには、 フィリップの方を見た]
私達も、一緒に行く……?
[中の事は少女にとっては目新しい事ではない故か、 気持ちはスティーブンの話の方へ向いているようだ。 トニーの様子に興味があるようなら、 ムパムピスが危なげに歩いて行くのも気になったし、 共にスティーブンの部屋へ向かうつもりで席を立った]
(65) 2011/04/19(Tue) 21時半頃
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[フィリップが食器を片付け始めるのを見て、 ムパムピスが持とうとしていた皿を受け取ろうと]
ムパムピスお兄ちゃん、お皿は他の皆に任せて先に行こ? お兄ちゃんがやると、大変でしょ。
[そう言って、心配そうに彼の隣に着いた。 フィリップには、彼に着いてても良い?と目で問うて]
(69) 2011/04/19(Tue) 21時半頃
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[トニーとコリーンのやり取りからは、 順調な滑り出しが窺えて少し微笑んだ]
2人きりは流石に寂しいものね。 すぐに皆そっちに移っていくから、ね。
[朧な映像でも手を振る仕草は解って。 こちらからも手を振ってムパムピスと共に部屋を後にする。 フィリップにもまた後でね、と微笑んで]
じゃあ、行こっか。 確か、11番のお部屋……だったよね。
→ 個室11 ―
(76) 2011/04/19(Tue) 22時頃
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― 個室11 ―
[途中で何か言葉は交わしただろうか。 ひょこ、ひょこと歩く様子に気を取られて、 逆に彼に申し訳なかったかもしれない。 そうして、個室11の前に辿り着く]
ここ、だよね。
[確かめるようにじっとナンバープレートを確認して、 とんとん、と扉を叩いた]
(77) 2011/04/19(Tue) 22時頃
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マーゴは、ムパムピスがチャールズに引き止められれば、一緒に立ち止まる。
2011/04/19(Tue) 22時頃
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[2人はかつてから面識があったらしく。 随分と今回は縁者が多い、とも思った。
古い管理者、ギルバートと新たな管理者、スティーブン。 自分とフィリップ。 そして、他にも沢山あるのだろうけれど、 この目の前の2人も……――]
(86) 2011/04/19(Tue) 22時半頃
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― 個室11 ―
[中からスティーブンの声が聞こえて、 扉に手をかけようとすれば中からそれは開かれて。 出した手を引っ込めながら、彼の問いに答える]
うん、お皿のお片付け手伝ってるって。 後からすぐ来るって言ってたから。 ムパムピスお兄ちゃんに着いて、先に来たの。
[そう言って、招かれるままに中へと歩を進めた]
(102) 2011/04/19(Tue) 23時頃
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― 少し前・>>97 ―
[立ち止まった場所は、扉のすぐ先。 扉を開けた状態で彼を待つような状態になったか。
声は聞こえていたけれど、 話の内容は断片的にしか聞こえない]
[耳元で何事か囁くようにするムパムピスを見れば、 何か大事な事なのだろうと遠目に眺めていた]
(105) 2011/04/19(Tue) 23時頃
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― 個室11 ―
私も、次はお方付けしなくちゃ。 全部ベルナデッタお姉ちゃんやラルフお兄ちゃんに お任せしちゃったから。
[勧められた椅子に掛けると、行儀良く手は膝の上]
他の人は、来るか解らないから。 取り敢えず、フィルが来たら……かな。
[自分もまた廊下の方をちらと見て]
……トニーの接続は上手くいったみたい。 元気そうに手も振ってたみたいだから。 多分、これから……だろうけど。
[そう、スティーブンが出て行った後の様子を 話の繋ぎに紡いでみた]
(116) 2011/04/19(Tue) 23時頃
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― >>117 ―
うん……じゃあ、行こっか。
[話を終えこちらへとやって来たムパムピスの表情に、 少し心配そうな顔をしてチャールズ達を一度振り返った]
ムパムピスお兄ちゃん、大丈夫? なんだかとっても、哀しそうな顔……。
[気遣う事が余計に負担になったりしないだろうか。 そんな戸惑いもない交ぜになりながら。 彼の歩調に合わせてスティーブンの待つ部屋へと向かったのだった。 その際にお腹の音を聞いてしまい]
後で、台所で何か食べなくちゃだね。
[情けない顔で謝るのには、ちょっとだけ微笑んだ]
→ 現在へ ―
(122) 2011/04/19(Tue) 23時頃
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― 個室11 ―
[気のつく、と言われてぱちりと灰青色が瞬いた]
そう、かな。 でも、そう言ってもらえるのは嬉しい……かな。
[それを褒め言葉としっかり受け取った様子で。 トニーの話をした時に彼が動きを止めたの気付くと、 スティーブンを見上げるようにして]
うん……ペラジーお兄ちゃん以外は、皆。 ペラジーお兄ちゃんの前の器も、かな。 1年しか一緒じゃなかったから、 そんなにいっぱい仲良くなれなかったけど。
(134) 2011/04/19(Tue) 23時半頃
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[ノックの音と声に、扉の方へ視線を向ける]
フィルも、来たみたいね。
フィル、皆いるよ。
[そうして、開いたままの戸口へとひらひらと手を振ってみせた]
(140) 2011/04/19(Tue) 23時半頃
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7年……そっか、そんなになっちゃうんだ。 ギルバートお兄ちゃん達が此処を出ていってから。
私は……8年、のはず。 もうすぐ9年にも近いのかな。
ヘンリエッタは、赤い巻き毛の女の子で。 外に出たい、もう疲れた、って。 最後の方は毎日のように言ってたらしいわ。 私、まだ小さかったし新しい器だったから。 あまり見ない方が良いって遠ざけられてて、 そんなに詳しく知ってるってわけじゃないんだけど。
[当時を思い出して、少し痛々しげな表情になる]
(146) 2011/04/20(Wed) 00時頃
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[言葉を切った後、スティーブンが一度何かを呟きかけて。 改めて口から出た謝罪の言葉に、 少し驚いたように灰青色が丸くなる]
うそ……?
[スティーブンと話をした事といえばギルバートに関する事が主である]
それは……もしかして、ギルバートお兄ちゃんの事……? どうして、嘘なんて……。
[嘘、それは何かを隠したい時に吐くもの。 それを撤回してこれから現れる真実に、 不安からか自然と右手が胸元を握った]
(152) 2011/04/20(Wed) 00時頃
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