76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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なんだそりゃ ……んー…手伝うか?
[準備が進めば、それだけエリアスがいなくなる日も早くなる。躊躇いがちにだけどそう提案して うとうとしている後輩のためにブランケットを探して他のソファをのぞきこむ]
(6) 2013/03/24(Sun) 00時頃
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[ブランケットと枕代わりのクッションを手に二人の元へ戻れば、サイラスの寝息は本格化していた]
ん、そうかも この分なら明日は晴れるかな
[ブランケットをそっとかけて、サイラスの腹のあたりをぽんと叩いた]
(9) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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おう、頼まれなきゃ乗り込まないから安心しろ
[いつでも出ていけるよう準備の出来た自室を思い返す。やるべきことは、もうほとんどない。 サイラスの頭をクッションにのせる。あとでヤニクに声かけるか、と幸せそうな寝顔を眺めて考えた]
大丈夫……じゃないか 明日になったら様子見に行くかな
[窓の外が少しだけ明るい。月でも出たのだろうかとエリアスの隣に並ぶようにして空を見上げた]
(14) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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ああ、僕は醜い。
[木枯しのようなつぶやき。
ひゅうと、風の音のように……。]
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悲惨なことになってても 薔薇なら綺麗かな、とか……考えちゃうけど
[薔薇にとってはよくないことを少し眉尻をさげながら呟いて]
……最後の満月
[次の満月はもう此処では見られない。 月と、それに見入るエリアスの顔を交互に見ていた]
(20) 2013/03/24(Sun) 01時頃
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サイラスは惜しいことしたな
[暫しの沈黙を味わった後、月に背を向けながら含み笑い]
こんな綺麗な月を見逃すなんて
[月光に照らされ輝く金髪をくしゃりと撫でる]
(21) 2013/03/24(Sun) 01時頃
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[暖炉の火を調節してから、いい加減自室に戻ることにした。今は何時かわからないし、明日することも見つかってないけれど、さすがに少しは眠くなっていて]
じゃあ…… おやすみ、エリアス あ、ベッド塞がってたら来てもいいからな
……また、明日
[この言葉はあと何回言えるだろう。
談話室を出て、部屋に向かう。途中ヤニクとすれ違えば、サイラスの居所を伝えたろうが、わざわざ探す気にはなれない。
殺風景な部屋に戻れば、鞄がひとつと、ベッド上の本が出迎えてくれた**]
(23) 2013/03/24(Sun) 01時頃
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んん……
[眠っているのに。満月は確かに瞼の裏に映る。
青い目に月はまぶしくて。
けれど目を開くことができないまま、とろとろ眠る]
[意識の中に風がたゆたう。
閉じた意識の中に、水面に結ぶ泡沫(うたかた)のような音が響く]
……誰……
[夢に遊ぶような声は脳裏に僅かな香りを伝えて*]
ああ、これが冬のような愛なのか?
[その手から出た赤はなぜか蒼くも見え…。]
[そんな中、
ぼんやりと、やんわりと、
微睡みに酔いしれている声を拾う。]
――……その声は?
[暖かな暖炉のまえ、眠れるキティに…。]
君は眠っているんだね。
キティ……。
[薔薇の香りは、その眠れる子にも届くだろう。
それはなお、眠りを誘うのか、それとも。]
[聞こえる声はまどろみを呼ぶ。
酷く心地よくて、酷く危うい]
…誰。
キティって、誰を……
[泡沫のような意識はただただ風に舞う木の葉のように
頼りなさげに返る]
ああ、なんだか、
子猫のようだと思ったんだよ……。
ごめんね。
でも、君のことを感じれる。
何か特別に呼びたいな。
[その眠る彼が誰なのか、
声が響く方向に意識を向ける。]
[ふわり。響く声。
口からの声はヤニクに向けられるのに
意識はもう一つの声に時折傾く]
…猫じゃない。誰だって聞いてるンだけど…
……って。何。この声。
[初めて気付いた声の違和感。
ふわふわした意識がようやっと目覚めたよう]
僕が誰か?
それは、君が誰かというところからはじまるよ。
とにかく、とても月が綺麗で、香りが良いよ。
[弾むような息遣い、掠れた声は、眠りの子の耳をくすぐる。]
ん。
[耳元に響く空気に僅か身を竦ませる。
吐息は少し、熱を持つ]
俺が、誰か?俺は……
[サイラス、といいそうになって息が詰まる。
薔薇の香りの甘さと流れ込んでくるものに。
瞼に映りこむような月に、くらりと頭痛がする]
君の元に、行くよ……。
どこに来るかい?
[名乗ろうとする言葉を促すのではなく、
そう、求めるのは香りと、そこにあるという存在。]
薔薇の木の下でも、
僕の部屋でも、
もしくは屋根裏でも…。
僕の声が聞こえる君はきっと特別だから…。
[窓から見える月明かりの姿と聞こえる声。
未だ疑問は抜けきらずとも、やはり声は紡がれ続く]
…とく、べつ?
[息を呑む音は体の中に響く]
……薔薇の…下に。いくよ。
そう……じゃ、待ってる。
[薔薇の木の下。その言葉に、にこやかな香り。]
]
[薔薇の木の下に赴くのは談話室でヤニクと分かれてからのこと。
月明かりに見るその姿、ブレンダのようであって、どこか違う。
何が違うのかはすぐにはわからない。そう接点があった訳ではないから]
ブレンダ。
[青い目の色に、薔薇の木が映り込む]
バーチュー……先輩?
いや、サイラスでいいかな。
[青い眸に、新緑の眸はうっとりと。
薔薇の下、腰掛けたまま、手を伸ばした。
薔薇の刺に血のにじむ、指先。]
[今、先輩だの後輩だのと追求する気はない。
ただ名を呼ばれて、香るものにぼんやりとしてうなづいた。
伸ばされた手、躊躇なくこちらからも手を伸ばしてそれを取る。
指先に滲むいろ、何故だろう、その指に無意識に寄せたくちびるは]
[伸ばされた手、指先、
サイラスもまた伸ばしてくれて、にこやかに微笑んだ。]
ああ、君も、感じるだろう?
薔薇が、欲しているんだ。
[指にサイラスの唇が触れて、
はぁ、とため息をこぼす。
もう片方の手も、静かに伸びると、彼の柔らかな金髪に触れた。]
薔薇は本当にかぐわしいね。
そして、君もとても……。
[薔薇の酔いに敏感に感じてしまったこと、
きっと、声の通じる彼もそうで……。
次には指に口付ける彼の頭を包むように抱こうとする。]
[薔薇の香りが頭を埋める。
くちびるを寄せた指先から甘い毒が入ってくるよう。
もうくせになった髪に触れられる感触。
それこそ、猫のように摺り寄せて]
薔薇の、せいなんだ。
…酔いがさめない。眠くて…だけど、眠れない。
[彼の手が自分の頭を包み込もうとするように
空いた片方の手が、彼の細い体に触れる。
抱き寄せるように。
お互いの間、香りが満ちる隙間を埋めるように]
薔薇は、何を欲しがっているんだろう。
[頭を抱き寄せると、彼の手は細い体躯を抱いてくれた。
まるで、我が子をあやすような形になりながら、それでも、感じていることは、そんな美しいものではない。
感じる熱は、冷たさの中、咲き誇る赤い花のよう。]
眠れないのか。
かわいそうに……。
大丈夫。眠れるよ。
君を眠らせてあげる。
[髪に触れ、遊ばせながら、
もう片方の指からは、熱が奪われるのを感じている。]
薔薇が欲しているもの。
さぁ、なんだろう。
けれど、僕や君の欲しがっているものを
きっと欲しがっているんじゃないかな。
[そんな理由づけ。
包み込んだ頭、耳の当たりにくすぐるように、掠れた声を吹きかけて…。]
――……
[彼がこちらを見上げれば、
薄紅の唇をその額に落とす。]
――……きっと、特別なんだよ……。
[青い眸を新緑は見つめて…。]
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― 自室 ―
[寝台に寝転がり、本を顔の上で開く。 影になって文字は読めない。けれど、何度も何度も往復した頁だから]
その心臓に張られた弦は……
[かさり、音をたて本が顔に落ちてくる。横を向けば枕元へ滑りおり。 やがて部屋には静かな寝息が響き始める。 明日になれば、また一日、終わりへと近づく。 止まるはずのない日々の歩みは、薔薇の香りと共に道に迷い、そして――]
(67) 2013/03/24(Sun) 22時半頃
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俺が、欲しいもの?
[花霞の向こう、浮かぶ影はなんだろう?
欲しいもの。ほしい?どんな風に?
くちびるを寄せたゆびさきはするり、手から滑り落ちて]
ほしい、もの…
[額に触れる赤い、柔らかい感触。
目を閉じてそれを受け入れる
薄ら、瞳を開ければ。深緑と蒼が交わって]
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