人狼議事


184 【RP】Septimo Oves Errantes【R18】

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[頭の片隅では1番罪深い"命を持って償う者"を考える。
傲慢な娘は、そんな風に良いようにされるのは好まぬ。
だから傲慢にもそれを利用しようと考えた。

"強欲"自分を脅かした憎い男。
"色欲" 悍ましいまさに罪人。
"憤怒"強欲覚醒の切欠を作ったかもしれぬ。
"嫉妬"淫らで哀れで生きるのも辛いならば死の慈悲を。
"怠惰"何もかも億劫ならばその命を終わらせてあげても良い。

"暴食"の情けない男を除いて、娘には娘なりの相手の命を奪う選択肢はある。
さて、この中の誰の命を使って"償おう?"

────最も、自分の罪は彼らと比べて軽いだろうと未だに信じる娘だが]**


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2016/03/02(Wed) 08時頃


【人】 看板娘 櫻子

[待て、と言われれば小首を傾げて相手の様子を見守った。
どうやらナイフや金属に見覚えはないらしいが、さて何をしようと言うのか。
────と、相手が何か取り出してくる。矢張りそれが一見しただけでは何か良く分からなかった。
真っ黒な、奇妙な形をしたもの。
物々しい雰囲気を纏うそれを、おそらくたった今見つけ出した所なのだろう。
何をするのか興味深く観察していたが、"銃と弾丸"(>>3)と聞けばその顔から血の気が引く。
まさか使われては仕舞わないか、渡したのは迂闊だった────と思ったのも束の間。
相手は安全装置の外し方、構え方、引き金の引き方を教えると此方に渡してきた。
一瞬相手の様子に戸惑ったものの、軽く膝を曲げ会釈してはそれをしっかりと両手で受け取る。
ズシリと思ったより重い拳銃に微かにまゆが寄せられた]

(弾は6発。
────自分以外に打ち込めとでも言うような数ですわね)

(8) 2016/03/02(Wed) 11時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[そんな事を考えるものの、娘の細腕では敵に当てられるかどうか。
死を恐れる必要は無いらしいこの空間。
奪われて、自分が撃たれるのがオチではないか?

────しかし、ハッと目を見開く。
確かに、"自分の小刀"では死ななかった。
"強欲"の男が使ったナイフも、本人のものか目の前の"憤怒"の男のものだろう。
しかし、首無し男は死んでいた。
首を切られていたとは言え、首さえ落ちなければ生きていたはず。自分の推測が正しければ、だが。

刃毀れしたナイフを思い出す。
────あれは、首を切り落とし骨まで断った名残では?
つまり、自分たちが持ち込んだ武器では死ねないが
"ここにある武器では相手を殺すことができる?"

そう、弾丸の数は、その他の者を殺せというように6発分────]

(9) 2016/03/02(Wed) 11時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[しかし。どうやら、今の相手は紳士然と振舞ってくれているようで、確かに"危険を報せる"為にも使えるだろうとコクリと頷くに留めた。
差し出された食べ物も、一瞬ためらった後──何せ娘には見た事のないものであったし、舌先が無いから上手く食べれもしない──頭を軽く下げて受け取っておく。
"暴食"との交渉に使えるかもしれない。彼の罪や、今の状態は知らないが。

そして、興味を示された資料は勿論そのまま差し出して、食べ物は一度懐へ。
刃毀れしたナイフも、できれば返して貰い再び布に包んでしまった。
男のいるうちに、安全装置を外したり、付けたりを繰り返してみる。
2度、3度と繰り返せば安全装置をしっかりかけて、納得して銃を両手で握りしげしげと観察した。
真上から見つめたり、ひっくり返したり。
ちゃきり、と安全装置がかかったままだが両手を伸ばして照準を合わせる真似ごとも。然し、重い。銃口がプルプル震えて、これでは距離が開けば相手に当てることは出来ないだろう]

(10) 2016/03/02(Wed) 11時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[これで、────他にも手に入れた劇物や刃毀れしたナイフで。
誰かの命を奪えるだろうか。
逆に、自分が奪われる事になるのか。
試してみたくはあるが、目の前の男は"憤怒"の扉から出てきた。
恐らく、怒らせたならば自分には太刀打ちできまい。
ならば────]

(…………試すなら、白髪女か黒づくめ?)

[そんな事を思いつくも、自分が1番非力であるのは分かっている。
銃をいたずらに構えるのをやめ、首をゆるゆると振っては相手に差し出した。
危険ではあるが、相手がその扉のままの人物なら怒りさえ買わなけれ良い。
いっそ、怒りのままに誰かに全弾使って仕舞えば良い。
相手が受け取らねばそのまま、受け取れば改めて小刀を握りなおす姿があるだろう]

(11) 2016/03/02(Wed) 11時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[決して娘は怠惰なわけでは無い。
恐らくはその自尊心から、自身の手で為さなければ腑に落ちないことが多い性分だからか。

────男の問いかけにはキュッと眉尻を釣り上げた後、悠然と笑みを浮かべた。
そして、言葉の代わりにゆるりと首を横に振ってみせる。
そして小刀を片手に、もう片方の手で袴を摘んで会釈してみせた。
そして、相手にくるりと背を向けるとそのまま歩き始めようとしてしまう。

そんなものは、本来自分の手で探すべきだ。
自分はこの男が最も罪深いと思うからこそ、皆に見せて回るのみ。
あの"強欲"の男の罪も深いが────写真が違う為に説得力が無いのだ。
だから、今は"色欲"の罪を見せて回ろうと考えただけの事。
相手が自分に協力するなら兎も角
自分が相手にする協力は、これで十分]

(ご自分でお探しなさいな。私の手を借りようなんて、私は安く無いですわよ?)

くす、と小さな笑いすら零して、傲慢な娘は背を向け歩き始める。
相手が果たしてどう出るかはわからない。それでも、小刀を手放さぬ程度には警戒もしていた。
相手が特に引き止めなければ、広場の方へと戻っていくつもりである]**

(14) 2016/03/02(Wed) 13時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2016/03/02(Wed) 17時頃


【人】 看板娘 櫻子

──扉の間──

[果たして、それはどんな状況であったか。

色欲の男はどこで何をしていたか。
強欲の男と嫉妬の女の小競り合いは続いていたか。
娘はと言えば────

何故だか同じ方向に向かって歩いてきた"憤怒"の男に負けじと早足に。
しかし背丈の差から追いつかれそうになっては、小走りに扉の並ぶ間に入り込んでいた。入り込んだその時はほぼ、駆け足だったのである。
呼吸を荒げて頬を染め、そこに人がいたとて居なかったとて。
"傲慢"の部屋の扉に真っ直ぐに向かい、その扉を開こうとしていた]

(20) 2016/03/02(Wed) 18時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2016/03/02(Wed) 18時半頃




[こんな至近距離で

しかも愛おしい人の部屋の前で。

先ほどは扉の中で彼と睦みあったというのに、今度は同じ扉の外で別の男に迫られているという状況は


ああ……耐えられない。
とてもとても、我慢ならない。]
 
 



[不思議そうに首を傾げつつも、吐かれた唾には…………思わず口元に微笑。


(人形を無意味に壊す趣味はないんですけどねえ……。…一度バラバラにして組み直せば、美しくも見えるでしょうか?)

その後の罵声など半分も耳に入らぬ。
ただ、足音でも聞こえればそのまま彼女の腕を無理やり引っ張り────そうだ、強欲の部屋にでも行ってしまおうか?]


そうそう。私、貴方のことを醜い醜いと形容していましたが、……貴方のその瞳の色は気に入っているんです。屋敷に同じ色のドレスを着た人形がいましてね?……嗚呼、きっと彼女にその瞳は相応しいだろうな、と先程から見ていたんですよ。

[静かに淀んだ瞳のまま、口元だけに笑みを浮かべ 男は饒舌に語る。

他人の人形に手を出す趣味はない。いや、なかった。────さっきまでは。]


【人】 看板娘 櫻子

──扉の間──

[カツッ、コツッ、カツコツカツコツ。
小刻みな踵の音が扉の間にいる者たちに聞こえたか(>>23>*2)
チラリと、先に訪れた娘はその騒ぎは見たかも知れない。
しかし、扉まで辿り着いて訝しげに其方を見遣るのみ。
あの人の玩具(>>23)などと自分を卑下する様は眉を顰めるだろうし、
もし強欲の部屋に連れ込もうとするならば目を眇め小さく溜息をついただろう。
娘は"傲慢"の扉の前か、扉の間の直前でそっと様子をうかがっているのだろう]

(25) 2016/03/02(Wed) 21時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2016/03/02(Wed) 21時頃


[そして、無常にも扉は閉じられた。
真っ暗な部屋に、おぞましい男と二人きり。]

いやぁぁぁあ!!開けて、離して!
出して、出してぇぇ!!!

[少女はまた、悲鳴を上げる。その甲高い声が、男の神経を逆なでしているとも知らず。]


【人】 看板娘 櫻子

[嫉妬の女が睨みつけてくる(>>26)
何故睨まれるのかさっぱり分からない。
此方に命乞いをするのだとか、助けを求めるなら分かるのだが。若しくは、助けを求められたあとに断ったなら恨みがましく見られても仕方ないとは思うのだ。
────無論、こんな女の為に自分の身に危険を負わせるつもりは無いが。

そして、強欲の男の笑み(>>27)も見えた。
パチリと目を瞬かせ、然し言葉を発しないまま此方も笑みを浮かべて膝を曲げての一礼をしてみせる。
その現場を色欲の男が見ていたならば、奇妙に映る事だろう。
然し、この笑みは挨拶の笑みと言うよりは労いのもの。
"嗚呼、あの騒がしい女をどうにかしてくださるのね?"
そんな意味が込められていた。
自らを玩具などと称する女、同じ女として嘆かわしい。
ならば本当に玩具に────あの男の言うところの"人形"にでもなってしまえば良いのだ。
また、"色欲"の男が居たならば、手元のファイルを相手に差し出してみよう。
居なければ、色欲の扉の前にそっと置いて、自分は"強欲"の扉へと向かう]

(30) 2016/03/02(Wed) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

[その前後だったのだろう、"憤怒"の男が扉の間に現れたのは。
だからきっと、自分が逆恨みされただけ。
なにやら探している風の男が少し気になり、扉に手をかけながらも暫し其方を眺めていた。

そしてふと。先程"小瓶"を手に入れた扉が全て開け放たれている。
それに気付けば、何かあったのだろうかと其方の奥へと歩いてみる事にした]

(31) 2016/03/02(Wed) 23時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2016/03/02(Wed) 23時頃


[暗闇の中で、男は少女に『黙れ』と脅す。

しかし少女には男の声など届かない。声が届かなければ会話など成り立つはずも無い。]

出して、出して、いや、あぁぁ!!ここから出して、出して――ひ、ぐ……!?

[暴れる少女に、男はナイフを突き立てた。
男は少女の口の中に突き立てるつもりだったのだろうが、目測は外れ――しかし、あながち大ハズレというわけでもなく。]

耳……がっ、あぁぁ!!痛い、痛い、ぃぃぃっ、ぃぃ"……!!

[ナイフの刃先は少女の左耳を切断した。
根本から切断されて耳たぶの下の部分だけがブラブラと揺れてまるでイヤリングのよう。
血が吹き出し、その痛みと恐怖でますます少女は泣き叫ぶ]



いや…いや、顔は傷つけないで……!
あの人に捨てられる……!醜くなってしまったら、あの人に、捨て……捨て、られ……っ!

可愛いって、い、言ってくれたんだもの!
綺麗だって、言って――

[もはや少女は悲鳴を上げるというよりも号泣していた。見えないながらも必死に腕を振り回そうとするだろう。それがダメなら、足もばたつかせて。それでも男の凶刃は、避けられない。暗闇に目が慣れてきてしまえば、今度は寸分の狂いもなく、貫かれるはず。

舌は切られなかったが、喉の奥を突き刺されて壁に刃先がのめり込めば、少女はもう頭を振ることもできず、悲鳴を上げることすらできない。男の望通り『静かに』はなるだろう。しかし『大人しく』は相変わらずしていなかった。]


[ ──────愛する少女は、大罪人だ。

こんなにも他人に惹かれたことは無い。
こんなにも愛おしいと思ったことは無い。

だが今お前の瞳は何を映している?
嗚呼、駄目じゃないか。
俺様以外を視界に入れては。

勝手に出て行っては駄目だろう。
どうして鳥籠に留まっていなかったんだ。

俺の愛だけでは足りないとでも?
もう、飽きられてしまったというのか?
こんなに、こんなに、愛しているのに!!!!

────嗚呼、アレはなんて罪深い生き物。
お か し く な り そ う だ  ]


[自分の目測では、ちゃんと口に突き刺したはずだ。…はずだったの、だが。
どうやら口に刺した時とは違う手応えに、首を傾げる。

ご丁寧に彼女がどこに刺さったのかを教えてくれたようだ。それなら、ナイフを抜き取りながら 情けなく笑ってみるのだ。]


ああ、すみません。無意味に傷付けるつもりはなかったんです。…だから、そんなに喚かないで?

[より一層喚く彼女に、ほとほと困り果てたように眉を下げた。…尤もこんな暗闇ではまともに見えていないだろう。…噴き出す生暖かい液体に、ああこれでは服が汚れてしまうな などと思い。

号泣しながら「醜くなったら捨てられてしまう」などと喚く姿には……心底不思議そうに。]


…醜く?いえいえ、何をおかしなことを言ってるんですか。はは、変なことを言う人ですね。



今よりもっと、ずっと美しくなれますよ。
約束します。

きっと貴方の持ち主も、綺麗だと喜んで下さるのでは?

[彼女の白い皮膚は魅力的ではあるが、それよりも瞳だ。たとえそれを無くしたとしても、今の彼女よりはよほど素敵になれるはずだろうに!

全て自分の美醜の価値観で測る男は、ケイイチという男が喜ぶに違いないと確信している。だからこそ、真剣に本気の瞳でそう語るのだ。

次第に目が慣れてくれば、腕を振り回し逃げようと足掻く姿が見えるだろうか。
ならば、不愉快そうに眉を顰めて。
自らの足で彼女の足を押さえ込むように体重をかけ、]


…余分な傷を作りたくないんです。だから、大人しく貴方のその美しく可憐な瞳をいただけませんか?

[欲に押されて気が急いてしまったからか、喉元を切るより先に彼女の瞳を、その目尻の方にナイフの切っ先を沈めようとしただろう。

恐らく先程まで縫い止めていた手を離し、彼女の顔を固定しようとして。]


[部屋の外では愛おしい彼が怒り狂い、心配しているなどということは、今の少女にはわからぬこと。
ただ、怯えて泣きながらもずっと彼の人のことを想っていたことだけは確かだ。]

ヒック……う、ふぅ、おかしいのは、どっち……ぁぁぁ……っ、この、この狂人め…っ!

[目の前の男は妙に優しい声音で諭してくる。これからより美しくなるのだと言われても、耳に走る激痛の前には説得力などあったものではない。
この男が何をしようとしているのかは未だわからない。まさか目が綺麗だとか言っていることが、目玉をよこせと言っているなどとは少女には理解の範疇外だった。]

え……

[それでも、今度は聞こえた。男は今はっきりと言った。『貴方のその美しく可憐な瞳をいただけませんか?』と。
少女は自らの耳を疑う。……もっとも、片耳しか残っていないが。]



ひぎ……っ、ぎゃぁぁぁ!!

[喉にナイフは来なかったが、その代わりに目尻に突き刺さる鋭い痛み。逃れようとしてもしっかりと頭を掴まれてしまっている。
もはや逃れられない。
それでもこの男は 本 気 で 少女の瞳をえぐりだそうとしていることに気がつけば、少女の慟哭が響く。]

いや、いやぁぁぁあ!!!痛い、痛い痛いいたいいたいいいいいいやぁぁぁぁいあああ!!、助けて、たすけっ、て……ケイイチさ、ま…!たすけ、て……いたいぃぁいやぁぁぁあ!!

[自由になった手で男のナイフを持つ手をどかせようとしたり、自由を奪われた足を動かそうと必死だ

それでも、やはり。

少女は無力。
男の力には敵わないのだ。

今まで彼の『人形』に"された"61体の女達のように]



狂人?…いやいや、おかしいのは私ではないでしょう。

[耳の傷は計算外だ。後でそのケイイチという男に会うことがあれば、詫びておこう。ああ、でも片方だけになった耳も美しいかもしれない。

男は元々美醜の価値観がおかしいのかもしれない。いや、冷静に考えたらおかしいに決まっているのだ。今まで肯定してくれた人物などいるはずもなかった。

男の人形はその殆どが元の人間の形など保っていない。────もっと言えば、妻と娘以外は元の人間の形など保っていないのだ。
腹部に穴を開けてはそこを眼孔に喩え、美しい琥珀色の瞳を沈める。その瞳が此方を覗けば男はより一層感激してその人形を愛でる。
手の美しい女性に会えば、その手はより美しい人形へのプレゼント。増えればさらに美しい。]




そんなに動いたら折角の美しい瞳が壊れてしまいますよ。……痛いですか?それはね、まだ貴方が美しくなれていないからです。貴方がより美しさを望みそれを手に入れればきっとそんなものを感じることもなくなりますよ。それこそ永遠で美しくて、嗚呼そうなった貴方を愛してみたくはありますがきっと叶わないのでしょうね。ああそういえば、先程見かけた少女がね。自らその美しさを手にしようとしてくれたんですよ。素敵なことだと思いませんか?ほら、漸く私の思いも報われました自分からそれを望んで命を絶ち完全な美を手にしようとしてくれるなんてねえ素敵でしょうでも残念なことにこの空間には生しか許されないようで本当に残念彼女は美しくなり損ねた嗚呼でも静かになった彼女はより完全美しい貴方もすぐに綺麗な人形私が全部きれいにして貴方もすぐに美しい彼女もきっと残念に嗚呼……貴方もそう思うでしょう?




[にこりと微笑んだ。

男は笑顔のままヨーランダの瞳の際に、目尻からナイフを入れ そして、彼女に語るのだ。
それこそ、欲しいものをようやく手に入れられた子供のように無邪気な微笑みで。────暗闇に目が慣れたのなら見えたろうか?いや、泣き叫び痛みに震える彼女には見えなかったかもしれない。

それでも男の手も、口も止まることなく。…これほどまでに男がお喋りになったのは、いつぶりだろうか?家族を失った今、────いや家族がいた時は男は物静かな人間だった────人形相手にしか饒舌にならぬ。

そのまま周りの肉と眼球を引き離したのなら、眼球の裏側までナイフを回し繋ぐ神経や筋肉を全て断ち切ろうとしただろう。]



もう少しあいつに似てたら
”黙らせたい”とは思ったかもな


(おかしい。

     おかしい やはり  変だ

   この男は変だ     いや 狂 っ て い る

 痛い 痛い痛い!!!
       ああ、なんて酷い痛みなのだろう!!

 刺されたところが 痛くて 苦しくて 

  ああ 私の瞳が奪われてしまったら もう二度とあの人を見ることはできないのね
 可愛いと愛おしげに見つめてくれるあの瞳をもう見つめ返すことはできないのね
 
 きっと目を失った醜い私は彼に捨てられるんだわ。きっとそうなのよ。そしたら私はもう二度と もう二度と 愛されることはないんだわ……――

ああ、憎い。憎い、妬ましい。
どうして私ばかりが こんな目に遭うの?

 どうして 私ばかりが こんなに 不幸なの――……?)


[嘆く少女の不幸は、全て、自業自得。

愛おしい人に何度も刺され、殺され、遊ばれた時には嬉しく思った痛みでも、相手が違えば吐き気がするほどの恐怖と痛みを伴うということを少女は身を持って知ったのだった。

けれど、それは当たり前のことなのだろう。

なぜなら、あれほど義父に抱かれることが嫌だったというのに、相手がケイイチだったのなら喜んで体を開いて抱かれたのだから。

そのうち少女は血の涙を空虚な穴から流すのだ。眼球がなくなっても、人の体は涙を流せるものだから。

男の言葉も、少女には死刑の宣告のように聞こえた。まるで身に覚えのない罪状を挙げ連ねられて、執行を待つだけの罪人のような気分。
いずれこの男にそんな思いを味あわせてやることはできるだろうか]



ひっ、ぎ……!!

[男の見せた子供のような無邪気な笑みなど見えるはずもない。少女は必死にナイフの侵入を拒むために目を閉じていたのだから。

しかしその努力も虚しく、こめかみと眼球の間に入ったナイフの刃先は、まぶたを突き破ってまず涙液に浸った。その薄い膜を超えたあとは角膜へと到達する。
しかし眼球を傷つけることなく手に入れようとする男は、前眼房までは傷つけずに、角膜の被害ですら最小限だったに違いない。
シュレム氏管を経た後に眼孔に沿って刃を滑らせ、上直筋と下斜筋を切り落としたのだろう。
外側の筋肉が切れたことによって、少女の目玉は内側の眼筋に引っ張られてぐるんと裏返る。
そうしたなら眼球の裏側が丸見えだ。
きっとすぐに上下と内側に残るの筋肉と神経も切断できたことだろう。
尤も、その作業をするにあたっては少女の上瞼と下瞼が非常に作業の邪魔をしたようだから、まずはその邪魔な皮膚を切り落としてしまったほうが早かったかもしれない。]

う"ぁ……あ……ぁぁ……

[そして片目の作業を終えた頃には、少女は大人しくなっていたはず。
あまりの恐怖と絶望と痛みに耐えかねて、気絶をしてしまったようだから。]


[そう、まだ気絶である。死んではいない。

故に、男にとっては幸運なことに(少女にとって実に不幸なことに)、処理を終えた片目を放置したままもう片方の目へと作業を進めても問題はなかったようだ。再生はまだしていない。

筋肉と神経を切断した目玉を繰り抜くのに、手慣れた男であればさほどの時間は要さなかったはず。
慣れぬナイフ一本だけでは、いつもと勝手が違ったかもしれないが。]


[きっと彼女の心の声が、その一部だけでも聞こえていたのなら、彼女にそんなことはないと語ったに違いないのに。
瞳がないと悲しむのなら他のものを埋め込めばいいし、その穴を醜いと恥じるのなら縫い合わせて仕舞えばいい。

────元の持ち主が愛さなくなったのなら、より美しくなった彼女をこの男が愛すだろう。

尤もそんなもの、彼女には必要がないのだろうが。]


…それでね、娘は昔からその人形がお気に入りで寝るときもずっとそばに置いているんです。可愛らしいでしょう?でもねその人形をベッドに入れるのは止めなさいと何度言っても聞かなくて。ああ、そんなところも可愛らしいんですが。もうすぐ社交界デビューなので新しいドレスを新調しなくては。ああ、貴方の瞳のように鮮やかな菫色もいいかもしれません。少し落ち着きすぎてますかね…似合うと思うんですが

[男はベラベラと口走る。
ナイフの侵入を拒むようにその瞳が閉じられたなら、当然その邪魔な皮膚は切り落とす。作業の効率化を図るなら周りの皮も少しだけ剥いてしまったかもしれない。
そうすれば筋繊維を切り落とすのさえ簡単に行えただろう。


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