24 ロスト・バタフライ
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片羽探さないなら──
急がないなら
──みつけちゃうかもしれないよ?
[はやくはやく]
急いだ方が、いいかもね
のんびりしてると
ニールも、悪霊に齧られちゃうかもしれないよ?
[聞こえない忠告。きしし、と声は笑って]
でもそれが、
わかんない限りはさ
"おいら"には、良い事しか起きないんだ。
"おいら"は
自分の失くしたとこは、
── 埋まんなくていい。
* 埋まらないままが、いいんだよ *。
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[部屋に残るように言われ>>2:227頷く。 今度こそ、先ほどのように、少女を独りにしてしまおうとはしなかった。 やがて掃除をし始めた彼女の後に続くように、自分も雑巾を取り出す。 別の部屋に行こうとは思わなかった。なるべく一緒にいようと思った。
黙々とテーブルを拭き窓を拭き、思うのは双児の紡いだ事実。 「悪霊」については触れない。またおびえさせてしまうから。]
片羽、だっけ。 レティはその、多分、声…だよね。代償は。
僕の代償はなんだろう。
[記憶に曖昧な所はあれど、自分が失ったものは思い当たらない。 元より自分が与えられた物等、自分の身以外にないに等しいのに。]
なくしたといえば、荷物だけど。 …代償がおつかい?まさか、ね。
(35) 2011/01/28(Fri) 14時頃
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でも困った。代償がわからないと、片羽もわからないものかな。
[眉を下げてふと少女を見遣った先に、見えたものに目を見張る。]
蝶。
[蝶だ。]
(36) 2011/01/28(Fri) 14時頃
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―埋葬の地/蝶―
[ひらひらと、蝶は舞う。 砂色の羽を羽ばたかせ。 主人となった男の手を離れ、溶けていったのは指示された浅黒い肌の男の下。 その姿を見つけると、ひらりひらりと纏わって。 少女に興味も示さなかった時と裏腹に、何かを伝えるように離れない。]
(38) 2011/01/28(Fri) 14時頃
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ねぇ、もしかして。
…僕とイーラは、もう混ざれなくなっちゃったのかな。
声がしないね。
寂しい?ガウ。
寂しい、のかな。
──回想、番人の姉妹──
[それは昨日の出来事。湖畔で歌が歌われている時分のこと
フィリップたちと分かれて
霧の中に消えた身体の足元から、
すう。と影が広がる。]
おれ、今、
二人におやすみっていいにいくけど
ナハトも、食べに来る?
[尋ねる声。待つ気はあまりないみたいな調子で響く]
[それと同時に霧に浮かぶ影]
[近くの青い蝶が数匹 巻き込まれて黒い影に成った]
[もしも、小屋に忍び込むところ
誰かに見られたとしても問題は無い
なぜなら手足が伸びた姿は、
子どものかたちはしていない]
こんばんは?
[──声も大人びて、それは
無力な子どもを装うことをやめた 青年の姿 ]
[片羽はやはり欠けて無いけれど──
それは、蝶のかたちをしてはいない。]
よかったね
イーラがやるより、おれがやる方が、
あまり痛くなくて済むかも
[二人をやさしく包むように広がるそれは、
──御伽噺によくあるような 蝙蝠の皮翼。]
ああでも、痛かったら叫んでもいいよ?
[包む影は、──冷たく、人の身体から熱を、*血を奪う*。]
イーラ、
イーラ? 終わったよ。
終わったけど、
イーラ?
[番人の二人が起きてこないの確認して、
声をかけるけれど返事はなく]
ナハト。
[ 声がしない。と、
そう、呟かれるもう一人の声に
ぽつりと名前を呼んで]
[言われたこと、なぞって確かめるみたいな声。]
……
[少しの間、沈黙が挟まって]
[けれど]
… わかんない。
[返す答えは、いつもみたいには、笑わないまま]
でも、
イーラの怒ったいらいらした声が、しないのは
なんか、ちょっと、
… つまんない、かな。
[ぽつり、呟くように返す*]
[ふわり、ふわりと、
ガウを追いかけるのは砂色の蝶々。
息のない姉妹の周りを、ひらひらと舞って。]
うん、わかんない、ね。
[声は沈んでいるだろうか、でも。]
よくないなぁ。
うん、よくない。
人間は嫌いじゃない。
イーラとガウは要らなくない。
でも誰か、イーラを居なくしてしまった。
誰が?
よくない、ね。
どうせ奪われる僕が、
僕が奪いたかったのに。
イーラを殺した誰かが死んだら、
その身体から魂の一部が漏れてくるかな。
[紡ぐ言葉は、仲間のことばかり。
冷たくなった姉妹に興味はない。]
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―朝―
[ 叫ぶ声。 ]
(52) 2011/01/28(Fri) 17時頃
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[それに呼応するように、頭より先に身体がばっと動き出す。
声は、女性のもので。
身体に馴染んだ、低い男性の声とは違うけれど。]
なに…?
[一昨日から疲れた身体は上手く言うことを聞かず、鈍い動作で声のした方へ。 そこにいたのは横たわる執事風の青年と、それにすがり泣く女性の姿。]
ええと、…ロビン?
(54) 2011/01/28(Fri) 17時頃
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[傍らにいた幼い少年の言葉>>53は、すんなりと頭に入った。 ああ、彼は死んでいるのだと。]
綺麗な死に顔、って言ったらいけないね。
うん、これが、誰かに…。
[そこで言葉を切った。続けられなかった。 苦虫を噛み潰すような表情でコリーンの傍に寄り、そっと彼女を遺体から引き離す。 その間に考えていたことは2つ。
はて、彼女とロビンは、いつの間に泣き崩れる程親しくなっていたのだろうか。
それと、]
(55) 2011/01/28(Fri) 17時頃
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…。…。…。ニール。
[片足を失った男の遺体を、機械的に分析していた男。
昨日願いを込めて彼に放った蝶々は、今だ彼の周りを離れずひらひらと舞っている。]
(56) 2011/01/28(Fri) 17時頃
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[他に誰かがいれば、その人にコリーンを預け。 そうでなければ彼女を支えたまま。
ふと引っかかった言葉>>53に、トニーを見やる。]
ええと、 番人のおねーさん『も』?**
(57) 2011/01/28(Fri) 17時頃
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[起きてこない>>80というトニーの言葉に一瞬瞠目し、すぐに目を伏せる。]
そっか…。
[それから湖畔に行くか>>67というフィリップには相槌を。]
彼女たちもきちんと確認して、埋葬してあげないとね。
ここの主だった彼女達だ。 きちんと葬ってあげないと、ここの死者が悲しむかもしれない。
(107) 2011/01/28(Fri) 23時半頃
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[そうしている間に人が増えてきたのか。 フィリップにコリーンを預けたおかげで、空いた体でぐるりと部屋を見渡す。 辿り着く視線はニールの元。 どこか様子のおかしい彼に訝しげに目をそばめ、突然上がった声>>92とやりとりには目をぱちくり。]
ニール?なんか変だよ?
[声をかけ。レティーシャがいたならば、彼女に声をかけ、少し外すように言うだろう。 彼に今も纏う蝶の意味を、彼女に伝える為に。]
(109) 2011/01/28(Fri) 23時半頃
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