14 学校であった怖い話 1夜目
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キ――――ン
コ――――ン
カ―――― ン
コ――――ン
(#0) 2010/07/22(Thu) 03時頃
段々チャイムの音のブレも酷く、ただの雑音に近いような音も混じって唐突に音を響かせる。
貴方がその音に反応をしてスピーカーを見上げた頃だろうか。
唐突にマリアンヌの立っていた床にブラックホールのような穴が広がりマリアンヌが飲み込まれる。
(#1) 2010/07/22(Thu) 03時頃
「はァい、皆元気?
皆心の中でマリアンヌが邪魔だって思ったでしょ、酷い人たちね。
そのくせ殺そうとしないなんてちょっと卑怯ね。
でもその方が人間らしいって気もするけど。
マリアンヌは私が駆除してあげるわ。
フフ、知らない仲でもないし、ね。
特別にマリアンヌの最期を放送してあげるから、
教官室のテレビにご注目。」
声がスピーカーではなく教官室の中から響く、そしてブンと音を立てながらゆっくりと古いブラウン管のテレビの電源が入る。
そこにはただただ落ちて行くマリアンヌの姿が映し出されて、教官室に居た面々がその画面に注目している間にもう一人消えて居たのだが、それは別のお話。
(#2) 2010/07/22(Thu) 03時頃
マリアンヌは叫んでいるだろうか、それともこの期に及んでもセシルが何かに取り憑かれていると勘違いしているのだろうか、彼女の口が動くのが画面で確認できるはずだ。
そのまま昏い昏い闇に落ち続けたマリアンヌは最後にパーンと何かが破裂するようなすさまじい音をテレビから音を響かせて粉々に砕け散った。
朱い紅い花を咲かせて、マリアンヌの命はそこで終わったのだった。
「……これでマリアンヌは私の一部になるわ。
ずっとマリアンヌは私が何かに取り憑かれてるって勘違いしてたけど、
私は取り憑かれたわけじゃないのよ。
私は昔百物語をして、今の貴方達と同じ目に遭ったの。
しかも友達まで自分の手にかけて殺しちゃってね。
結局鬼退治が終わった時生き残ったのは私だけ。
その苦痛から逃げるために自殺したらまたここに戻ってきちゃった。」
(#3) 2010/07/22(Thu) 03時頃
「ここは簡単に言えば死後の世界。
もっと厳密に言えば死後の世界に繋がりかけてる鎖ね。
つまり成仏できない悪い霊ばっかりが集まって出来た澱みみたいなところ。
だから生きてる人がすごく憎いの。
私たちは皆死んでしまった。
しかも成仏すら出来ない。
だから仲間を欲するのよ。
私は取り憑かれたんじゃなくて……
――溶け込んだのよ、彼らに。
今回私が水先案内人になったのは単純に前回の参加者だった事と、
マリアンヌが居たからね。
本当にそれだけ、それじゃ、また暫くしたら連絡してあげる。
それまでせいぜい頑張って生き残るのね、アハハ。」
最後の嗤い声には喉に何かが絡みついているような粘っこい水音を伴って耳に残るような嗤い声だった。
――その哄笑を残して、ブツリと音を立てテレビが消えてセシルの声も聞こえなくなったのだった。
(#4) 2010/07/22(Thu) 03時半頃
[テレビの画面が、マリアンヌの最期を映し出す中。
教官室の片隅に鎮座する闇の中から、
ぬるりと小さな手が生える。
一つ、二つ、三つ、……無数の子どもの手。
それらはよく見ると一つ一つ違っていた。
或るものには幾つもの傷跡があり、或るものは酷く焼け爛れ、また或るものは水を吸ったかのように白く膨らんで。
けれど全ての行き先は同じ――アイリスの方へ]
[彼女の手足を掴み自由を奪い、
視界を覆って身動きをできなくし、
口を塞いで悲鳴を飲み込み、
闇の中へ引き摺り込んだ]
[それは人にしてみればほんの一瞬でしかない時間。
アイリス=エメリッヒの姿は、教官室から跡形もなく消えた]
[何処かで、
ごきり、と嫌な音が、仲間には届いたかも知れない]
……“なんにもないこ”かぁ。
[能力を持つものではなかったと、残念そうな幼子の声と共に]
あひゃ――お見事。
お嬢の殺しは鮮やかだなぁ?
[怯える体を下から見上げながら、影は笑う。
アイリスの死にはまだ誰も気づいていない――ああ、彼らはどんな反応をするのだろう。
わくわくしながらその瞬間を待った]
……いやぁ、お見事。とても静かで、鮮やかだなァ。
[ククッ、と笑えば。お嬢の続く言葉には、あー、と声は漏れる。]
まぁ、そういう日もあるって。どんまいどんまい。
……しかし、どうも厄介そうな奴が多いんじゃねぇの、この部屋。
嫌な感じがビンビンしやがる。ソースはオレの野生の勘。
[そう言いつつ、影はにゅるんと耳と尻尾を生やした。
勿論素は人間の霊なのだが。低俗霊をどんどんとり込むうちにこんな事が出来るようになったとか、ならなかったとか。
でも、会ったときにはもうこんな事が出来ている。素が狐だとかそんな風に思われてるかもしれなかった。別に否定もしないが。]
あひゃ。あの嬢ちゃんが外れとなると――見えるヤツは誰かねぇ。
[体が室内の面々を確認するのに合わせて、誰が怪しいだろうかと眺めてみる]
ヤな感じなぁ。とりまパティって奴の力は本物くせーが……
って勘かよ。あひゃひゃ!
まあ、きーちゃんの勘なら俺のよか当たりそーだけど。
えー!だって、アレっしょ。
もうオレら含めて7人しか居ねぇよ!?
しかも、なんか霊感ある兄君はこっちの方を見てたようだしよぉ。
なんか嫌な予感がするんだよなぁ。
あーやだやだ、オレおうちに帰りたぁーい!
[冗談めかして、影は声を張り上げ。]
野生の勘は女の勘に並んですげーんだぞぉ、大将!
畜生ッ!オレが真っ先に脱落だなんて考えたくもねぇッ
ありがと。
[礼は仲間による称賛と、手伝ってくれた“子供たち”に向けて。
だが続いた言葉には、小さく唸るようなこえをあげた]
“ひととわけるこ”、“むこうがみえるこ”。
だけじゃ、ないのかなぁ。
[セシルの言った霊能者と、パティ自らが宣言した力。
他にもいるのかと、丁度“ノックス”の影になる位置から、そっと視線を配る]
あー、確かに。ニンゲンから見りゃあ、他人の半分が敵ってことかぁ。
[紛れる範囲少ねーな、なんて頷いていると、
狐のだだっ子のような声を聞いて吹き出した]
あひゃひゃっ!わ、悪ぃ吹いた。なるほど、野生の勘かぁ。
…もし、おにーちゃんが「分かる」やつだったら、確かにやべぇかもな。
そういう事だぜ、大将。
一番難しい条件をクリアーするには、後一回は他のヤツらをセシルに殺らせねえとなぁ……
ま、せめてお楽しみは味わってから脱落してくれよぉ?
こっちはまだとっておきはないからいいけどよぉー。
[ゆらゆらと影は動き、色白の周りをぐるぐる回る。]
……こいつァ、まさか……ッ
[影が潜む色白の瞳は、オスカーの赤く光る瞳を見つめ。]
見ぃつけたぜェ。こんな、皆の前でやるたぁ。
なかなか度胸があるじゃねぇか、畜生が。
………悪ぃな。大将、お嬢。オレ見つかっちまったわ、こりゃ。
みつけた?
……みつかった?
[怪訝そうなこえは、はっと息を飲む音に。
思い当たる節は]
“ひととわけるこ”?
!
…ちくしょう、こっちかよ…!
["ノックス"に対峙するオスカーを見て、ぎりぎりと奥歯を食いしばる]
…… そう。
[目の前の少年を、すぐにでも殺してやりたいと思ったけれど。
再び“呼ぶ”には時間が掛かる]
ごめん、きーちゃん。
わたしがまちがえたから……。
へへ、お嬢はなぁんにも悪くないぜ?
一方的なゲームなんてつまんねぇだろ、ハンデだよ、ハンデ。
[影は屈託の無い笑みで仲間に言った。]
ま、少しばかりのお別れだ。
アイツらと違って、オレ達はまたすぐに会えるさぁ。
きーちゃん。
[悪くない、と言われて少し黙り]
うん、でも……。
ごめんね。
もっと、あそびたかったでしょ。
[もう一度、謝罪を乗せた**]
[狐がテッドと話す様を見て、何か思うところがあるのか。
影の中からじっとその姿見つめるものの、何も言わずに黙りこくっている]
……ったく、やっちまったかなぁ。
[はぁ、と溜息をつく。]
悪ぃ、やっぱ生者が羨ましいぜ。
こんなに楽しそうに話すんだもんよ。
……でも、こんな風に付き合ってくれる奴は久しぶりだよなぁ。
[ハハッ、と無邪気に笑った。]
あと、大将!
密かに笑ってたの知ってんだからな、畜生!
大将だからって言っても、怖いもんは怖いんだよ!
[マジこぇえええ!
悪霊は恐れを知らないと言ったのは誰だったか。]
だぁから。大丈夫だよ、お嬢。
オレの分まで楽しんでくれりゃァ、本望だ、うん。
[影は伸びて、密かに彼女の頭を撫でただろう。]
……まったく。
でも……なんだろうなァ。
なんか、アレだな。もし悪霊じゃなかったら……
もっと、アイツらと笑いあえてたのかなァ。
[呟くように言うと、影はしゅるりと色白の中へと隠れるように**]
…まぁ、正体知っててなおあのノリが出来る奴ぁ希少だしな。
ってかぶっちゃけバカだろあいつ。あひゃ。
[羨ましい、という言葉には同調も否定もせずに。
そう告げてからふと、何かに気づいたように声をあげる]
ああ。俺ってばあいつにきーちゃんとられて妬いてたのかもな。
…仲間が好きって言ってくれて、嬉しかったぜぇ?
[それから、いつものようにあひゃひゃと笑う。
その声は、普段より少し照れくさそうだった]
あひゃひゃひゃひゃ!
悪い悪い、こいつほっとくといくらでも暴走しやがるからよぉ?
[謝りつつもあんまり気持ちは入ってなかった。
好き勝手やらせてるのは棚に上げて責任は「体」に丸投げである]
…ま、そろそろ真面目に「動かす」ことにするさ。
あんま演技得意じゃねーけど、こいつをほっとくと何やるかわかんね。
[まさかあの空気であそこまでやるとは思っていなかったらしく。
こいつも筋金入りのバカだと笑う]
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