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【めがさめるテレビ】
─ 今日はクリスマスイブですね! ─
─ 東都の日中は晴れ、雨の心配はありません ─
─ ですが、夜には雪が降る地域もありそうです ─
─ ホワイトイブになりそうですね、素敵な夜をお過ごしください! ─
(#0) 2018/12/18(Tue) 00時頃
其々の早さで、しかしゆっくりと夜は明け…翌日。
透き通るような青空のなか、浮かぶ雲ひとつふたつ。
テレビには天気予報に雪マーク。
『奇跡』でも起こるのかもしれません。
男だらけのクリスマスパーティーは
一体、どうなることやら──…
(#1) 2018/12/18(Tue) 00時頃
[朝、起きて。
スマホを手にとってまず見るのはツブヤイター。
繋がっているのは特に仲の良かった級友が何人かだけ。
……それと、一方的にフォローしている女子大生。
いつか、見覚えのあるカフェのパンケーキをアップしている画像がリツブヤキで回ってきて、近所の子かなと何気なくフォローしたアカウントだ。
自分の選択しなかった、大学進学という道。
恐らく自分より何歳か年下であろう彼女の、きらきらした生活の片鱗が、『終着点の向こう側』を読んだ時に感じたような息苦しさを感じさせる。
その仄かな痛みが──決して、嫌いではない。
と言うと、なんだかマゾのようだが。
本を読み漁るのも、同じようなもの。ひたすら心に響く何かを探している。心に響くというのは、少なからず苦しみを伴うが。それはどこか、恋に似ている気がしたから。
……いや。恋なんて、多分、したことないけれど]
……ん?
[そしてふと、気づく。
このオーナメント、安日荘の中庭に飾ってあったやつと似てる。
とはいえ、遠目に「なんか飾られてるなあ」と眺めただけだし、似ているだけの別物かも知れないし。
特に気にせず、ただ、顔も名も知らぬ彼女の元にも、僕と同じようにクリスマスが訪れているのだと、それだけ確認して。
自分は何も呟くことなく、ツブヤイターを閉じる*]
ついしん。
予算が厳しそうならお鍋でおねがいします。
キムチがいいな♡
[プレゼント、靴下、キャンディの杖。
とりどりのオーナメントから林檎を選んで手にしたのは、彼の姓名を連想したからだった。
知恵の実と、古書に囲まれる彼を重ねて、一滴の好奇心。
俺が入居した時には既に安日荘に溶け込んでいた彼は、どんな人だろう?]
[――知りたい、と思う]
もか @_moca_moco
雪降りますよーに!!!
もか @_moca_moco 3分前
幸先わるいけど、今日もがんばろう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
みんなもいってらっしゃーい
もか @_moca_moco 5分前
寝坊した;;
[果たして、クリスマスの奇跡はあるだろうか。
女子大生に仮託して少し浮わついた気持ちを表する、朝]
[道すがら。
知らず知らず口遊んだのは、クリスマスソング。
自分が青春の頃に流行ったメロディ。]
〜♪
[我に返ってすぐに止めたが。
誰かに届いたりすることはあるのだろうか。*]
[……見たものの、手癖でまずツブヤイターを開いてしまった。
目に入ったのは、「今年は彼女とデートだぜ」という友人の呟きに連なる「爆発しろ」「裏切りやがった」「実は俺も(*^^*)」といった他の友人のリプライの数々。
そして、例の女子大生、「もか」の呟きも追加されていた。
彼女もちょうど今起きたところらしい]
リンゴ @Apple0419 今
雪、降るといいね。
リンゴ @Apple0419 42秒前
こういうのも悪くないかな。楽しくなりそう。
リンゴ @Apple0419 1分前
今年のクリスマスは男ばかりの独り身パーティー。
[普段ツブヤイターは眺めるばかりの僕にしては珍しく、3つも連続で呟いてしまった。
「お、友達できた?」と早速友人からのリプライが飛んできて、「まあね」と短く返し、ツブヤイターを閉じた*]
[ツブヤイターの「リンゴ」のアイコンは、いつだか撮った市販の林檎だ。つやつやの大きなジョナゴールド。
昔は「Bennett」とそのまんまな名前で、初期のたまごアイコンのままろくに呟きもせず放置していたが、
この安日荘に来て管理人に「林檎ちゃん」と呼ばれるようになってから、その響きを気に入って自らリンゴと名乗るようになった。
そんなことをしみじみと思い出しつつ、ツブヤイターを辿る。
高校時代、古書店巡りの一環で少し足を伸ばして訪れたこの町が、今ではすっかり自分の本拠地になっている。
古書店の店番をしながら、暇な時は本を読む日常が今は当たり前。
やってくる客は顔馴染みが多く、その中には本が好きらしい葛籠や文学部の阿尾といった安日荘の面々もいて。
仕事帰りにコンビニに寄ったら、また阿尾に出くわしたりして。
──やたら学生客が多いなと思えど、まさか阿尾の所属する文学部で評判になっているとは知らなかったが]
[今呟きを辿っている「もか」も、恐らくご近所さんで、新しい僕の生活を構築している一人である。
彼女の生活に思いを馳せるのは、僕にとって、本を読むのと同等だった。
どんな子だろうと思わないでもないが、もし知り合ったとて、多分話は合わない。
相手は年若い学生の、普通の、いや少しオシャレな女の子なのだ。カビ臭い古書を好み、本に囲まれて生きる僕に、お近づきになれるとは思わない。
ただ、古書の中には決していないタイプのリアルで煌びやかな女子大生という存在が、僕の辿らなかったifを想起させる。
それはひどく、心を揺さぶる想像だった。
──オシャレな女子大生に近づくことは叶わずとも、星野さんや阿尾さんに大学生活について尋ねるくらいは今の僕にも可能だろうか。
今宵は良い機会だし、酒の勢いに任せて色々聞いてみようかな、と心を弾ませるのだった*]
あと、野菜も食うべし。
[とは独り言で、メールには書かなかったけれども。]
[フォロワーには近所の人々が多い。
日常の中で、ただの自分では縁遠いことに挑戦しようと思うと、写真の映えや近所のスポットに拘りがちになるからというのもあるだろう。
思い込みだけで遠ざけていたパンケーキは、塩味の向こうの仄かな甘味が好ましく。綺麗な景色や面白い場所は日々を元気付けてくれる。
天気予報アカの呟きの後、誰かのいいねが流れてきた。
「雪、降るといいね。」
ふ、と微笑む。たまたま、道を交えたような気分で。
「知りたい」という気持ちが現実の自分に響いてくる感覚は、嫌いじゃなかった]
[古書店のことを聞いたのは、同じ日本文学部の女の子から。近頃隠居がちな店主に代わって店に立つ「ベネットさん」が入居先のアップルトンさんと同一と知ったのはその時だった。
趣味の古書も研究用の資料も、速やかに手に入る店。
彼女らは、目的を遂げて満足したところで、不意に場に溶け込んでいた男の瞳の美しさに気付くらしかった。
学部によってタイプが偏るのはありがちだが、大人しい子が多いからか、明るい場所で作業しているのを見られたらラッキーという認識らしい。
パンダじゃないんだから、と苦笑しつつ。
古いものの中にあって埋もれず目覚ましい人なのは確かに、と思ったのを覚えている。
古い安日荘にさえ溶け込む穏やかさが第一印象だった]
[思えば、ごく普通に挨拶を交わす相手の噂を一方的に聞いた申し訳なさも、深く話す機会を失する原因かもしれない。
人や物をじっと見つめる癖を持ちながら噂のグリーンアイを見られずにいるのは、惜しくはあったけれど。林檎の身の色を知らずに艶を賞美するのは無作法に過ぎようかと、目を伏せがちだった]
[階段は降りたが、ふと上から俺でも
聞覚えのあるクリスマスソングを
唄う声が届いて足を止める]
……何だかんだ言って……結構楽しみにしてるんだ。
[ヤケになっていた人たちもいた気がするが、
何気なく漏れ聞こえた音は、存外心沸き立たせた]
俺も、楽しもう。
[ふふ、と緩めた口元はまだ誰にも見せていない*]
……あ、あんまり見ないで下さい。
俺こう言うの着慣れてないし。
見られるの、何か恥ずかしいし。
[管理人さんなら、だろ?と得意げに返す様子が
目に浮かぶが俺にそんな余裕はない。
製品チェックは慣れているが、俺自身を見られることなんて
ないからだ。
着こなしに似合わぬ真っ赤な顔でしどろもどろのまま]
き、着替えてきますよ。
パジャマパーティーでは笑い取りに行きますから。
[居たたまれず逃げを打とうと*]
そんなに恥ずかしがる必要ないぞ?
オレ、ただの同じアパートの仲間で、男なんだし。
[真っ赤にさせてしまった。
この辺で一旦引いておくか、とじろじろ眺めるのは止めて、いつもの距離感に体勢と視線を戻す。]
え、着替えるのか?
もったいない。
[本心からの口調でそう言って。]
判ってますよ。
これが異性なら逆に意地でも冷静さを
装うと努力しますって。
[多少なりとも知った人たちだからこそ、
慣れぬところを見られて恥ずかしいのだと
少しばかり恨めし気に見つめれば離れる距離。
慣れぬ距離と突き刺さる視線は和らいだが、
まだ真正面から彼は見れそうにない。
やっぱり聞き慣れない台詞が聞こえたからだ]
もったいないって。
この格好誰得なんですか。
[似合うかどうかより、上京したてですばりの
緊張感は拭えないんですがと訴えかけたが、
妙に重みを感じさせるものがあって、それは言えなかった]
じゃあ、オレ得ってことにしとこう。
隣にお洒落なイケメンがいた方がいい……こともあるかもしれないということで。
[楠の気持ちが上向きになれば良いのだが。
フォローは得意ではないのだ。]
しかし、その服着てるとアレだな。
楠サンの方が年上っぽいな。
[マフラーで隠した口元に、ゆるく弧を描く。*]
俺のこの格好が誰かの得になると言うなら
信じときます。
俺の方こそ自然体のイケメンさんがいると
お姉さんとかにおまけしてもらえる気がしてきました。
[あなたも大概イケメンですよ、とクスっと口角を上げて]
年上って、葛籠さん幾つでしたっけ?
そんなに変わらないと思ってましたが。
俺まだ25歳ですよ。
そうは見えないかもしれませんが。
いや、葛籠さんがぴちぴちしているから
そう見えるんですきっと。
[フォローが苦手なのは俺も同じ。
嘘を吐かないプログラムしか相手にして来なかった分、
正直に話す以外、大事な人たちへの接し方を忘れていた**]
……、
楠サン、意外と管理人サン要素あるな?
[天然タラシなのではないか。
ぽつり、呟いた言葉が聞こえたかどうかは分からない。
住人仲間の新しい一面を知れることは、基本人付き合いを面倒臭がる自分にしては、楽しいと思えてしまう。]
オレ? あれ、幾つだっけ。
[咄嗟に出てこない。
生まれ年から逆算してみせて]
28……いや、27か。
確かにもうほぼ同い年でいいやって感じ。
[それはそれで適当すぎるか。
だが、学生でもなく、会社勤めでもない自分にとっては、そういう感じでもあった。]
楠サンは普段の方が若く見えるってわけでもないよ。
疲れてそうだな、が第一印象になるだけで。
今は年相応?
ちょっと生き生きしてる感。
[マイペースにそう表す。]
ピチピチは……微妙な死語感があるぞ。
しかもオレに対してってのが……。
[眉を寄せてみせる。
酒屋に行く道中、この会話が続いているのかもしれない。]
[買い物の最中。ふとスマホを見ると、ツブヤイターからのプッシュ通知がいくつか来ていた。
珍しいこともあるもんだ、と思ったが、それは自分が今朝珍しいことをしたからであった。
友人達からの「お前独り身なのか、なんか意外」「楽しくやってるようで何より。たまにはこっちにも顔見せろよ!」「うっかり男同士で性夜にならないように気をつけろよ〜」といった暖かい(?)返信の数々の中に、もかからのいいねがあった。
「雪、降るといいね。」
所謂エアリプというやつだったが、まさか見られていたとは、と少し気恥ずかしくなる。
──いつか、どこかで、すれ違うのかも知れない。
顔も名も知らぬご近所さんに、また遠く思いを馳せて。
まさかそれが今夜酒の勢いに任せて大学について根掘り葉掘り聞いてやろうと思っている相手だとは、想像だにしない]
[星野は人懐っこく、よく話しかけてくれるので大学のことも聞きやすそうではあったが、タイミングを逃してあまり話せず終いの阿尾に特に聞いてみたいと思う理由があった。
彼は少し僕に似ている──なんて、勝手に思っているから。
僕がもし大学を受験していたとしたら、まず間違いなく文学部を選んだことだろう。
他の教科はそこそこなのに、国語に関しては現代文はもちろん古文や漢文に至るまで、成績は常に上位にランクインしていた。
お前は本当にイギリス人なのか、と先生に呆れられ、ほぼ日本人みたいなもんですよ、としれっと答えていたが。
古書店の常連で、文学部で、どこか大人しい印象の阿尾。
彼という人は、僕の選ばなかった道を歩いている。
学ぶということは、楽しいだろうか。
彼は、その人生を、謳歌しているだろうか。
彼の人となりを深く知らぬうちから「僕に似ている」なんて、失礼極まりない評価かも知れなかったが、
それも含めて──知りたい、と。思うのだった*]
─時は来たり、18時頃─
共用スペースではぺかちゅうではなく、
ブイスターの着ぐるみを恥ずかしげもなく着た管理人が
住人たちをお出迎えするでしょう。
そして交換用のプレゼントを一旦受けとると
葛籠のものには【2】、楠のものには【3】
星野のものには【4】、阿尾のものには【5】
アップルトンのものには【7】と札を。
自分のものには予め【1】という札を下げているようです。
(#2) 2018/12/19(Wed) 18時半頃
「鍋が出来るまでにプレゼント交換だよ〜♪」
楽しげに管理人が取り出したのは、簡単に順番を決められる
『ふぉーちゅーん』というダイス。
どうやら各々[[@fortune]](@を削ってね☆)を振り
出目の大きい順に【1】の札からとっていく…というシステムのよう。
※もし自分が用意したプレゼントが当たってしまったら、
誰か交換してあげてね♡
(#3) 2018/12/19(Wed) 19時頃
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