45 哀染桜 〜届かなかったこの想い〜
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みえない、もの──…?
[震える心は、今も少しずつ薄れ行く。 けれど、預かった言葉を思い出せば、びくりと揺らぐ。]
──……大事なもの、だったね。 これは、喪えない。
…────なくしたくない。
(-21) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[気付けば段々と自分の姿が薄くなるように感じた。 それを当たり前のように受け入れる。]
今度は私が選ばれたみたいね。 ごめんね、マコ。……ごめんね。
[連れていってと言う彼女に、少しだけ困ったような顔をする。 叶えてやりたいと思っても、どうすれば良いのか分からない。]
(26) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[もともとあってなかったような身体。 少しくらい薄れかかっても、自分じゃ気付けない。 ただ、さっきからやけにざわつく桜がうるさいなと思うくらい。]
あさこちゃんも、もういい、の。
[生者の想いとすればそれは少しだけさみしく思えるようでもあり、けれどここに集められてしまってどうしようもなく逃れられない消滅に抗わなくてすむならしあわせなようでも、あり。]
連れていけたら、いいのに。
[もしもそれが望みなら、叶えてあげたかった。 だけど、名前に反して、そんな力は僕にはない。 僕に残っている力は、僕の足元から背中の方まで、僕の最後の瞬間をぎりぎりまで留めようと、あの日トラックのつけた傷跡がそこだけ薄れず痣のように残ってくだらない抵抗をしているだけ。]
(27) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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/* 本当は魂だけの存在だから、一番はじめに桜に吸われていておかしくないのに、"僕を現実という世界に縛り付けている原因のもの"が痕に残っている、という聖痕者
えっ早く死んだらどうする気だったかって? そんときはそんときー
(-22) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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さくら。
[ふたたび、零れる。
視線は、蒼白の花弁でなく、掌の上の薄紅を見る。]
(+18) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[青年は薄紅の花弁を手にしたまま。 やわいそれは、けれど色を失うことはない]
……。 俺の、望みは……もう……
[目を閉じて。つむりをふるり。 さくりと足跡は桜に向ける]
……。 俺の言葉も、望みも。 もう、君のもの。
[差し出した手には薄紅桜。 対となるそれに、手は伸ばされる]
(+19) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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/* のっきゅんきゅん♪
(-23) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[そっと、指を曲げて薄紅色を閉じ込めた。]
わたしにも、だれかにあたえることが、できる?
(+20) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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/* ( ゚д゚)ハッ! のっきゅん、聖痕??
(-24) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[されど、悲しみと喜びは表裏一体。 悲しみが深くなればなるほど……―――。 その裏の感情を、人は求めるものなのかもしれない。
死は生への始まり。 過去の想いは、次の想いへの肥やしになり輪廻は巡る。 そんな答えも、あるのかもしれない……と。 奏者は昏い眼に、映る光景に思う。
もし、この音が、真に魂を震わすことが できるのならば……―――。 そっと何かの後押すように、ヴァイオリンは悲しみを歌い続ける。]
(+21) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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/* あ!人魚姫=お魚さんか!!!ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ
気付くの遅いなぁ(゚∀゚)アヒャ
(-25) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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パティも望も……やっぱり私と同じなんかじゃない。
同じ、なら 置いていかないでよ。 みんないなくなっちゃうなんて
[やだ。
まだ選ばれていない自分はどれだけ望んでも行けないのだろうけれど。
衝動のままふたりの手を掴もうとして。叶うなら両頬に押し付ける。
いつの間にか涙で濡れていた頬に。]
いや。
わたしも……みんなだって、悪いことしてないんでしょ。
……どうして……
(28) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[諦めた筈なのに、と
冷静な自分を殺し、捩れる心のまま。]
(29) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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[また風が吹いて、短くなった髪を撫ぜる。 髪は軽くなったけれど、気持ちはちっとも軽くならない。
好きに、ならなければ良かったなんて。 思っていない。
好きでいたあの時間は、確かに幸せだった。 胸が一杯になるくらい、とても幸せで。
だからこそ、今。 その何倍も哀しくて悲しくて、胸が。痛い。]
(30) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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もう、いちど、 だけ。
[今にも消えそうな己を繋ぎとめる、掌の中の花弁。 それを大切そうに、閉じ込めた侭。
奪う為では無く、男の望みを叶える為に。]
(-26) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[伸ばされた手に向けて、女は最後の勇気を振り絞った。]
あなたの想いを、まもるよ。
(+22) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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だめだまとまらん!!!!!
(-27) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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北狼さんに、切ないとか、儚いとか! どだい無理な話だったんやーーーーーーーー!!ヽ(`Д´)ノ
(-28) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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くそー、みんな綺麗に綴るよなぁ……!!!
(-29) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[手を掴まれ、その頬に。
濡れた頬は柔らかくて、暖かくて。]
ごめんね。
[謝ることしか出来ない。]
(31) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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うけとって くれるなら。
[伸ばした手は、女性の手を、確かに取る]
(+23) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[同じく選ばれていないであろう彼の方を見るけれど、涙目では表情は窺えず。
自分と彼もすぐに吸収されてしまうのだろうか
胸が軋む。]
(32) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[もう、輪郭とうっすらとした影ぐらいしか、僕の手は残っていない。 もともと消えていたようなものだから、進みは早いのかもしれない。 傷跡も、もう向こう側を透かしはじめた。]
あさこちゃん……
[それでも、手はしっかりと頬に触れた。 温度の低いらしい僕の手は、あたたかい水に濡れるその頬をとても可愛い、と感じる。 あの時のエリアスみたいに、ちゃんと温度を感じるのに。 僕の存在はどんどん希薄になっていく。]
ごめんね。
[どうせこうして消えてしまうなら、連れていけたらよかったのに、と思うのと。 残るのなら、僕らに出来なかったように傷を超えてほしい、と彼女の意に反することを思ってしまうことを。 許してほしい、と思うわけではないけれど、それでもごめん、と幽かな親指で雫を拭った。]
(33) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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もう、魂があっても、なくても。 俺は、ここにいたい……
[彼女の隣。互いにすれ違う魂のいろ。 触れた指先から、ひらりと零れる薄紅桜]
君の隣に、いたい。
[伝えることも、気付くこともできなかった青年。 青白い光は、また、足りないものを補うようにざわめいて]
(+24) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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――――……、
[気付けば、言葉を発する事すら出来なくなっていた。
聞こえてくる旋律に意識を委ね、そのまま―――**]
(+25) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[“ごめんね”の二重奏。
行ってしまう。]
……謝るくらいなら、
またね、って言って。
[嗚咽でうまく紡げない。 もっと言いたいことがあった気がするのに。
強く強く握り締めたふたりの手は、やがて――]
(34) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[表情はあまり変わらぬまま。 3人の話を、聞くともなしに聞いていた。]
…………。
[ふいに、ぽつりと。]
───。
消えるん、だろうな。 俺達も。
(35) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[涙を拭ってくれる指を、最後に濡らした雫はいったいどれなのだろう。
今はもう ]
(-30) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[手を取られた瞬間、閉じ込めて居たさくらは女の掌に溶けた。 形を喪っても其処に在り続ける温もりとして。
その手で、男の手を握り返して]
私の心も、受け取って。
[ふわりと、花綻ぶように微笑んだ。]
(+26) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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そうだね。 また、ね。
[彼女は残れるのかもしれないけれど。 いつか、きっと会えると思って。
だから、さよならは言わない。
小さく微笑み、消えた。]
(36) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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