156 王立勇者養成学校【飛び入り様募集中】
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『キミに生きて欲しい どんなカタチでも かまわないから 。』
(-25) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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――…それが "ぼくたち" がのこす …… ……――― 。
(-26) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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[肩口に、ぽたりとおちたひとしずくだけを最後の感覚に残して。
邪悪な魔物が啼く様な断末魔が、心臓から響き。 聖なる光の刃に、その胸は、貫かれ]
(91) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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…… …… …… …… ……。
(92) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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[ボロボロと、汚染された魔族の肉体は灰の様に崩れだして。
光に貫かれた闇の身体は、最後には塵の様に崩れ落ちて。 無人の島を撫でる風により、ハラハラと何処かへと流れゆき]
(93) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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[カラリ……と、涼やかな音をたてて、彼女の足元に眠る様にして]
(94) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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[邪悪な呪いから解放された、フランベルジュの剣が遺された**]
(95) 2015/05/01(Fri) 08時頃
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― Answer2 そして聖騎士はないていた ―
『……寄生魔族……だと……?』 「そう、僕が"アイツ"と一緒に魔王軍と戦ってた頃にみた事がある。 文字通り、他の生物の中に寄生するタイプの魔族。 昔から伝わる、悪魔憑きや狐憑きの正体こそ、コレなんだ」 『そんな物、私でも聞いた事がないぞ…』
[...嘗て勇者の仲間として戦った"騎士"の話す言葉に、騎士団長は耳を傾けていた。 寄生魔族。それは寄生した宿主を養分に成熟する、自我のない魔族。 基本的に、魔族の何者かが、人間や野生動物の体内に入れ込むと、そのまま体内に融け込む様にして寄生を始める恐ろしい魔族]
「そいつが寄生する場所は、二箇所。生物の脳か心臓なんだ。 もし脳に寄生すれば、瞳や頭皮に、わかりやすくアザが出来たりするけど。 心臓に寄生すれば、胸が厚くて外的特徴は見られない。 唯一、ハッキリとわかる共通点はひとつだけ…」
(*14) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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「寄生魔族の宿主は、MP――魔力がいっさい無い」
[寄生魔族は、宿主の魔力を主養分にして成長していく。 厳密には、宿主の魔力が消失するのではなく、回復する端から寄生魔族が魔力を根こそぎ吸い上げ、常に魔力が底を尽きる。 それは光合成する植物の様に、魔力を吸い、代わりに宿主の体内に根を張り瘴気を巡らせる]
「魔族や魔物と接触すれば、コレの活動は活発化する。 生物の肉体や精神は、魔族のそれに汚染されていくんだ。 強い精神力があれば、しばらくは抗えない事もないけど…
…もしオスカー君が本当に寄生された確証があるなら…。 …残酷だけど、オスカー君は諦めるべきだよ。子供の精神力には絶対に耐えられない」
[だが然し、元来、魔力の無い身体に生まれる突然変異も否定はできない。 つまり、魔力がないだけでは、とても父親に断定をさせる事は出来なかった]
(*15) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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[ギリリと拳が白くなる程、力を込める騎士団長の姿。 すまなそうに瞳を伏せて、勇者の騎士はそれの打開策を彼に提示しない。 つまり、打開策などは何処にもなかった]
「……とりあえず、彼の様子をみるべきだと思う。 やがて汚染が始まれば、必ず彼の人格は汚染されて人を害する様になる」 『すまないな、―――。 貴方も、あの戦いから身体はボロボロだというのに』 「なに。僕にも家族を守る位はきっとできるさ。 産まれたてのロミオは、命を賭けても僕が守るから」
[新しい命、新しい世代の誕生は既に始まりだしていた。 まだ彼ら彼女らが、世界を守る者達になるには、時間が掛かるけれども]
(*16) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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[...結局、騎士団長...僕のとうさまはそれから数年。 遂に実戦にでて魔物と戦いだした僕の事をきっと知ってて。 結局、何もいわずにいた。
幸か不幸か、上辺を取り繕うだけの精神は持ってしまっていた僕。 とうさまはそれに気付かず、やっぱりただ、魔力のないだけの普通の子供だと安心したのか。 それとも、子供を殺すことなど出来ずに何も云わずにいたのかは、わからない。
そうして時は流れて、嘗て世界を支えた世代は変わる。 十四年前のその出来事を最後に……]
(*17) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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[剣は、呆気ないほどにあっさりと彼の身体を貫いた。 かかっていた重みが、彼に触れていた感触がはらはらと手から消えて行くのがわかる。つなぎ止めようとしても、その手は砂を掴むようにさらさらと無くなってゆくだけ
影も形もすっかり消えて無くなる頃に、茫然とした様子でがくりと膝から崩れ落ちる。
もう、居ない。 居なくなってしまった、その実感は、後からじわりじわりと妙に現実味を帯びてゆく。 ただひとつ遺されたフランベルジュの剣を、じっと見つめ]
…ぁ…。
(96) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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/* PL言語で注釈
二重人格とか、操作、とかじゃなくて 本来のひとつの魂が、魔族の成分に汚染されていく。 言葉として適切なのは、融合とか癒着とかそういう感じの。
その過程で、人格がわかれきらない二重人格。 或いは、上辺と本性みたいなひどく微妙なラインで、寄生魔族はすこしずつ弱い自我を持つ。 むしろ、融合した上で汚染して、オスカーの精神をハックする感じな。
オスカーが頑張って拮抗してたけど。 3dのアレで、ぎりぎり残されてたオスカーの精神が消えたので 完全に魔族が肉体精神を掌握して独立した自我を得たため、4dからは肉体を魔族のものに作り変え始めてた。 血がだんだん黒くなったのはその過程とかなんとか。 フィリのあれ>>63でいっきに黒化が進んだのは、この地雷連打で、僅かにでも微弱にでもまだついてたオスカーの残滓が全部まとめてぶっとんだからだとおもう。 ちなみにもしこれで赤勝利でもしようものなら、角でも翼でもはえて、完全に人間をやめてたはず。
(-27) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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じゃあな、オスカー…。
[彼が消えた後、小さく呟く。 彼にとって自分は裏切り者なのだろう。 少なくとも、彼は、僕が知っていた友人オスカーは、僕が勇者である事を望んでいたように見えたから。
だから……―――]
ごめん…な…。
(-28) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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………ユリは、ミーム様に任せるとして…ドナルド様をこちらに…。
[オスカーが消えた後、その様子を見つめたまま声を掛ける。]
最後に、試したい事があります。 うまくいくかは半々ですが……。
……ドナルド様を……助けます。
[さあ、あと一つ。やる事はまだ残っている…―。**]
(97) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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―――――!
[何かのタガが外れたかのように、泣きじゃくり始めた。 声にならないような声をあげて、大粒の涙が次々と地面に吸い込まれていく。
持ち主を失ったフランベルジュは、それを静かに眺めるだけだった*]
(98) 2015/05/01(Fri) 08時半頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2015/05/01(Fri) 08時半頃
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オスカ――――!
[もういない片割れの名前を、何度も、何度も叫んでいたか]
(-29) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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― Answer3 僕と"僕"の勝負 ―
[…それから数年が流れて。 血と殺戮の衝動に呑まれ、少しずつおかしい自分を僕は自覚した。 誰にも知られずにやり過ごせたのはただふたつ。 家族にナイショで実戦に出てた事を隠す気持ちと。 剣を振るほど異常な考えを持つ自分を家族に知られたくない気持ち。
僕のなかに、もうひとり歪な"僕"がいる。
それは別人格とか、他の人格が僕を操るという物じゃなくて。 僕という心が、邪悪な別の何かに汚染されて 水と油みたいなふたつの混じり物の汚い心に穢れていくみたい。
それが決定的になったのは、ある日であった魔族の使い魔。 魔族の駒になれ、魔族の復権と繁栄の道具になれ。逆らえば死ぬ。 魔族の味方なんて絶対にイヤだ。まだ人間の心を残してる僕が叫んでもムダで。
その時に初めて、僕の心臓にはなにかがいることを明確に理解した]
(*18) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[魔族の命令には、僕は決して逆らう事は出来ない。 『勇者を育てる学校に潜入しろ』 『実地訓練でミナゴロシにしろ』 これらの命令は、無視した瞬間、僕は確実に死ぬ。
何度も昔から、独り惨めに死ぬ事を考えたけど、出来なかった。 僕が死んだら、僕の身体は僕でない"僕"に奪われて、惨劇しか起きない事を知ってた。 ミナゴロシ、殺戮が大好きな"僕"は、放たれたらダメだ。 僕が少しでも手綱を握れるなら、どうしてでもコントロールするしかなかった。
…魔族の命令を何度となく遂行するうちに。 常に僕を監視してるワケではない、奴らの命令には、抜け道がある事を覚えた。
例えば街の真ん中で『人を殺せ』と命令されても。 僕は街を飛び出して、旅人を襲う山賊を殺す事で、命令は遂行できてしまう。 他にも学校の偵察で『才能のある候補を全員報告しろ』と命令されても。 才能なしと僕が判断すれば、フィリなんかは余裕で除外できてしまう。
額面通りにさえ遂行する事で、何とかコレまで僕は誤魔化してきたけど。 今回の実地訓練ばかりは、奴らも本腰をいれていた]
(*19) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[受けた命令は、細かいことに五つもあった
『協力者と手を組み、結界のためにパルックを殺せ』 『協力者と手を組み、邪魔な教師を確実に無力化しろ』 『勇者候補とその仲間達をミナゴロシにしろ』 『特に勇者となりうる者は、真先に殺せ』 『いざという窮地になれば、ヤニクを捨て駒にしろ』
魔族の本腰の入れ方が窺えた。 ヘタをすれば、僕がのらくらと抜け道で誤魔化していた事もバレていたのかも知れない。
始めての実戦から既に八年。 僕はこの剣で沢山殺したし、既に人も殺していた。 後戻りはできなくて、身も心も汚染する"僕"が心臓で疼く。
汚染の侵食は激しくて、既に僕の心は半分以上汚れていた。 最近、胸の上に少し大きな黒子の様に、痣が現れてしまった。 もう後がない、今回ばかりは、のらくらなんて決してできなかった]
(*20) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[先生を、生徒を、みんなの面前で姿を晒しミナゴロシにする。 それは、今回はどう小ずるく立ち回ろうとも避けられそうにない。
勇者や、その仲間になりうるみんなも殺してしまう。 そこには大事な妹もふくまれてる。 大切な友達だとは思ってるフィリもだ。 何もしなければ、僕は必ずみんなを殺す、それを理解しているから。
最低限、ホリーや勇者を活かせる様な考えがほしい。 だけど、いちばん勇者の才能がある気がするドナルド。 彼を殺さずにいられる方法は、結局どうしても思い浮かばなかった。
だけどひとつだけ、思いつけた希望はあった]
(*21) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[勇者になれそうな人は守れそうにない。 でも、勇者になってほしい人はもしかしたら出来るかも知れなかった。
フィリは、『勇者の才能がない』。 そして、僕は才能なんて関係ないと考えていたけれども。 仲間との協調性もない、命を大事にもしない、とても魔王を倒せそうにない。 そんな『今のフィリ』は絶対に勇者になれない。
そう僕が心の底から認めてしまえば。 "絶対に"勇者になれないフィリは、僕の中では"勇者候補"ではなくなった。
今のフィリは絶対に勇者になんかなれない。 そう認めたら…フィリは、"僕"が殺すべき脅威からは外れていた]
(*22) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[僕は見てきた、知ってきた。 勇者になりたいという本物の思いはとても強くて 例え才能がなくても努力を諦めたことのない彼。
まるでそれは、昔 魔法がないだけで、決して妹には勝てないと考えて。 それでも妹より強くありたくて剣をふるいだした僕にどこか似ていて。
だから僕は彼に賭けた。 勝算も確証もない、だけど彼がこの戦いの中で成長してくれたら。 勇者になれるだけの成長をしてくれたら。 そして最後には僕を打ち倒させる事で生き延びる事ができるのなら。
そう、僕は彼に掛ける事で、"僕"に最期の勝負を挑んだ……]
(*23) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[次にあたる壁は、他でもない妹だった。
優秀で大事な妹を、敢えて見下す要素はない。 フィリの様には行かないから、どうしようと悩んだけど。
何故、"僕"はホリーを逃す事を許容できたんだろう。 命令に違反すれば、魔族も"僕"も、僕の命を奪いにかかれたはずなのに。
『僕よりもまだまだ弱い、か弱い妹は、まだまだ勇者の仲間にはなれない』
そんな、苦し紛れの拙い抜け道を、"僕"に通された時は。 何故だろうと疑問を抱えたけれども、僕はそれを幸いと利用する事にした]
(*24) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[そして最期の勝負ははじまる。
僕はきっと、人を殺す、友達を殺して、仲間を殺す。 だけど、僕はそれでも賭けた。
大事な妹に、そして僕が賭けた僕の勇者に。 僕は"僕"の意思で、誰かを殺す。だから決して赦されなんてしない。
それでも、かまわない、それでも――]
(*25) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[ 生きて欲しいんだ。どんなカタチでもかまわないから… ]
(*26) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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… … … … … … … … … …
(*27) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[... ...塵の様にぱらぱらになる無意識の中で。
僕という心の塵は、とけきれずに、きえきれずにいた。 救いも罰もない、すりきれて消失した僕にしがみついて、ただひとつ]
(*28) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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[... ...消えるときに、ひとつだけ予感があった。
それだけがただ、付着したしこりの様にぼくのしぼりカスをのこしていた。 ただ、その予感ひとつだけのために]
(*29) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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/* もしかしなくても:フィリの囮で、魔族のほうじゃなくてオスカーのほうがモロにひっかかってしまった。
設定をつなぎ合わせたらそうなっちゃ…けふ…
(-30) 2015/05/01(Fri) 09時頃
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