255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[店に戻り、すぐに気付いた。 テーブルの上に置かれたそれ。>>299 ずいぶんとぼろぼろになってしまっていたが、 その色合い、大きさ共に、間違いようもなかった。]
間違いなく、サイラスの手帳だ。
[男の煎れた紅茶に手を付けるよりも前に、 彼女に促されるまま、手帳を開く。]
(311) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[表面には、車輪で轢かれたような痕があった。 その端の、辛うじて読み取れる「チャニング」の文字が酷く懐かしい。 同時に、この状態になるまで見つけられなかった事が悲しく、 そして己への不甲斐なさも積もる。
ゆっくりと慎重にページを開く。 表紙を捲り、出てきたのは泥に塗れたページ。 辛うじて読めたのは、「エル」だの「薬」だの断片的な文字。 顔を上げた。 知りたいと告げた彼女の顔を見る。]
拾った時には、もうこの状態で?
[そう言っていたのは聞いていたけれど、もう一度。 せっかくの手帳が、何も読めない。]
(312) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[再び視線を手帳に戻し、更にページを捲る。 泥はパリパリに乾いており、変に捲れば容易く破れかねない。
そしてその次のページは、読めないどころか破れていた。 しかも、のどを見ると明らかにごっそりとページが抜け落ちている。 彼女が持ち歩くのを躊躇った理由はわかった。 これは酷い。]
……この手帳、よく見つけたな。 俺も見送りの場所には行ったんけど。
サイラスは「足元にこそ、答えがある」って言ってたのに、 俺は……
[上ばかり見て、下は見ていなかった。 手帳は飛空艇ではなく、地面の上にあったのに。
そんな事をぽつりぽつりと溢す。 低い声は男自身を責めるように。]
(313) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[ペラリと、店内に音が響く。 捲っても一向に内容はわからない。 滲んだ文字も解読は不可能。 辛うじて何かの式である事くらいはわかったが、それだけだ。 肝心なことはわからない。
だが、ただ一部だけ、ちゃんと紙の色が見え始めた。 手帳の中央部ののど付近、そこまでは泥は浸食しなかったようで、 今度ははっきりと文字が読めた。]
これは、……読める。
[文字と言うよりは、主に数字。 8桁のその数字自体の意味はわからないが、 その上に、確かに文字があった。 他よりはマシなものの滲んでいる上に、サイラスの癖字のおかげで判別は難しいのだが]
(314) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[――男なら読める。 滲む前、その文字は]
……金庫の、鍵?
[と、確かに。**]
(315) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[欠けていく日常を言葉にされ唇を噛んで、>>293 仕方ないと納得した筈の感情が滾る理由は分からない。
招集には抗えない。 たとえ逃げようとしても逃亡者が安住できる場所など、 この街含めどの街にもないのが現状だろう。 それを今更理解出来ないほど子供ではなく、 何より自分が逃げれば、他が選ばれるのかもしれない。 そう思えば諦観で自然と思考を麻痺させていたのに。
欠ける側の涙のせいだろうか。 涙を流しているのがイルマだからか。
幼い頃から共に過ごした友人が流す涙に、 落ち着いていられる程大人ではなかったということか]
(316) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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男、だったら……
[そんなことを考えていたはずが言葉に誘われ、 視線が自然と、傍目で男女差のつく箇所へ。
彼女の義姉と違ってなだらかな……>>196 血の違いだろうか…… いやでも、ないわけじゃないし……悶々。
非常に正直な眼差しだったが、 真顔であったせいか気付かれなかったらしい。
眉間を突く指先に齢相応の興味を散らされ、>>296 ふっと視線を上げてイルマを見て]
(317) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[後継者のお話はやっぱり難しいわ。>>308 頬に手を当てて、うーんと難しい顔をするの]
難しいんですのね……、 私、そう言う事は旦那に任せっきりで。 ダメね、頼ってばかりじゃ。
[くすりって、困ったように苦笑してみせるの。 セイルズさんも困ってしまったみたいで。 少しだけ沈黙ができて、おろおろと。
こんな時は美味しいパンの話かしらって。 そう世間話を続けようとした、所で]
(318) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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はい、なんでしょう……?
[尋ねたい事がある、なんて。>>309 セイルズさんが聞くから小首を傾げて]
セイルズ、さん……?
[傷が治る事が第一だと。 パンが焼けなくても、私は大丈夫、と。 そう言ってくれる言葉に、驚くの]
(319) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[驚いて、そして、戸惑うの。 おろおろと視線をさ迷わせて、困った顔で]
で、も……。 私、パンを焼く事だけが、取り柄ですもの……、 それが無くなったら、私、私……、 なんの取り柄もなくなってしまいます、わ。
[言葉を紡ぎながら、切実にそう見つめるの。 パンを焼くしか取り柄がないから。 それだけしか、ないから。
むしろ、それが”ある”から。 私は私でいられて、大丈夫なのだと]
(320) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[困ったように、でも、微笑んで]
私の事、考えてくださってありがとうございます。 セイルズさんは……優しい人、ですわ。
[パンが焼けなくても大丈夫と言ってくれる。 それは初めての事だったから、戸惑って。
視線をふわりとさ迷わせて――]
……あら?
[目を留めてしまった。 調理場の割れた窓硝子の隙間。 そこにある――、非日常に]
(321) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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っ……!?
[遠目からでもよく分かる、昨日の封筒と同じ柄。 それを見ただけで体が震える。 ぎゅっと、体抱き締めて。 蹲るのを耐えるだけで精一杯だった]
い、いや、いや……、 セイルズ、さん……、
[思わず傍にいるセイルズさんの腕を掴んで。 今にも封筒が襲い掛かってくるんじゃないかって。 そんな顔で封筒を見つめていたわ]
(322) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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[触って、中を見る、なんて――。 とてもとても、恐ろしくてできないわ!
だって恐ろしいものが入ってるんでしょう? 私を害するものが入ってるんでしょう?
見なくても、ええ、見なくても! はっきり分かっているんですもの]
私が……、私が、何を……?
[封筒の送り主の意図が分からなくて。 セイルズさんの腕を掴む手ががたがた震えていたわ。**]
(323) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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ん、サンキュ。 帰りも送るから――
てか、お前の前でも笑ってなきゃ意味ないだろ?
[励まされて零した笑顔はどう映っただろうか。
徹夜の色を落とした疲れた笑い。 それを隠すことなく出した素の笑いは、 少なくとも子供たちの前では見せられないものだ]
(324) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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/* 夕方より少し早い軸にいる……いるんだ僕は…… 話してる内に、夕方か夜になる寸法だ。
(-154) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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/* セイルズさんはいつも夜遅くまでありがとうございます。 すっごくすっごく嬉しいです。 だから私もついつい夜更かしを……、だって、嬉しかったので。などと言いつつ寝ましょう(すやぁ
(-155) 2018/12/06(Thu) 01時半頃
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― 孤児院 ―
[お客の姿に集まる子供たちを宥めるのを任せ、 自分は紙袋の中身を頂こうと院の離れへ。
部屋に入って確認しても、 倉庫を改造した部屋は出た時と変わらない。
それなら子供たちに気付かれる前にこっそりと、 手早く紙袋の中身を片付けようと取り出し、齧って。
カレースパイスの利いたホットサンドを飲み込む。 辛味だけでなく甘酸っぱいケチャップも混じって、 朝からの空腹を思い出した腹がぐぅぐぅと鳴る。
それを満たすべく、全てをあっという間に平らげた。 普段はあまり食べない味だったが、 イルマが自分の為に作ってくれたせいか何より美味い]
(325) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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―回想:ヌヴィルと雑貨屋にて―
[カウンター周りの書類を整理していると、厚紙が1枚床に落ちた。 スケッチブックから破り取られたままの1枚。
拾い上げて確かめれば、記憶は容易くよみがえる。 ふふと浮かべた笑みのまま客を出迎える。>>2:4]
いらっしゃい。きっとあなたが来る頃合いと思っていたところよ。
[4ヶ月前に頼んだ画材の試し描き。スケッチした当人に見せた。]
クッキーは盛り合わせで良いかしら。
[薄い透明なビニール袋を、彼の膝上で広げる。クッキーの詰められている瓶の蓋を開くと、 トングで掴んで移していった。プレーン、紅茶、チョコ、そしてシナモンを入れ終わったところで止まる。]
(326) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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……何のこと、かしら。
[嫌がらせ、とは。>>2:5 時に言葉よりも視線は表情は雄弁。]
(327) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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……どの、ことかしら。
……いつの、ことかしら。
[下着を盗まれたことも、 愛しいあの人の頭に糞を落とした鳥も――…嫌がらせ。]
(*5) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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[子供たちの興味を引いておあずけは酷かと、 部屋に籠もったが味の感想も、感謝も伝えなければ。
それにそろそろ部屋を出る頃合いだろう。 イルマだけに子供たちを任せるわけにもいかないし、 子供たちが呼びに来たりすれば人形の箱も気づかれる。 自警団に手渡すべきかと悩んだが、 子供たちには伏せると決めた手前騒ぎも困る。 結果、焼却炉にでも突っ込んで捨ててしまおうと掴み、 チクリとした痛みに眉を寄せた。
反射で手を引き、血の滴が滲む指先を見る。 気味の悪さでそっと掴んでいたのが幸いし、 傷は深くはなくとも悪意を痛みで受けて歯噛みした。
人を殺せるわけでもない針の痛みだ。 毒でも塗っているのかと過って暫く待ってみたが、 痺れもなにもなく、身体に変化はない]
(328) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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…ありがとう、そう言って貰えるお得意さんが居る限り、私が居なくなっても……このお店が在り続けられるように、努めますから。
[視線を合わせないまま、シナモンクッキーを入れてクッキー詰め合わせは完成する。
粉の落ちただろう床にも構わず膝を着き、ビニール袋の両端を捻ってから結んだ。>>2:6]
花束は……あぁ、もう1枚、袋を用意し――
(329) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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[乱暴にドアが開かれる。悪態ついた男が3人入ってきた。 ロイエはようやくヌヴィルの目を見た。]
今日はこのままお引き取りください。 クッキーは試食用でしたから。
[お代は不要だと言葉に含め、立ち上がる。車椅子を押す助力も厭わない。]
……花束を、用意しておきましょう。
[あなたの為に。 3年もの間、片足のままで生きられた命の為に。
表層だけは穏やかに、見送りを果たす。]**
(330) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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……何なんだ、いったい
[まるで背後に寄り添われている感覚だった。 振り返っても姿が見えない苛立ちは、 眉を顰めるに相応しく、ぐっと息を詰めるものの。
眉間を突かれた刺激を思い出し、 そっと、怒りで籠った熱い息を吐き出して。 無理矢理でも笑顔を作り出せたことを良しとする]
(331) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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/* 眠気で頭がぼうっとしてるんだけど 戸惑うココアさんかわいいとか 優しいのはあなたです!!!!!ってきもちとか おびえるココアさん愛しいってきもちとか 自分で開くときどういう顔するんだろうな…とか
恐ろしいもの、実際おどろおどろしいんだけど ソーセージ(の内容物)なんだよな……とか
いろいろ入り混じってつまりはファーっていっています
(-156) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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[厨房での調理を覗いても出来ることはなく、 取りあえずは焼却炉を稼働させ、人形を焼いて。
雑事を片付け夕方まで過ごし、 いい匂いを漂わせ出来上がった料理に目を細める。>>298]
ん、ありがとな。 有り難く頂く、つーか、サンドイッチも美味かった。 いい嫁になれそーじゃん。
[出来上がった大鍋のシチューもきっと美味いはず。 それに抗うことができるほど、 我慢強くもなく素直にご相伴に与ると伝えて]
(332) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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/* この状況で客を帰らせるなんて……。
しかもリアルタイムではない。
(-157) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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/* ココアさんほんと何もしてない……なのに怯えさせている……胸が痛むのに同時に愛しい……外道……
(-158) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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[洗い物を手伝うのに並んで片付けて。 視線を交わさないままの会話に苦笑し首を振る。>>300 横へ、ゆるゆると。 それから肯定をも示す首肯を、 イルマの弁当に対しての言葉に被せて]
頼っていいか、って聞いただろ。 来るななんて言わないし、言いたくないんだよ。
そりゃ安全を考えんならそれが正しいんだろうけど。
[残された時間だ。 お互いに、お互いの、やりたいことをやる。 少しばかりの我慢は必要でも、 あくまで”少し”だけに留めなければ後悔しそうで]
(333) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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帰るなら送るよ。 家じゃなくて大通りまでの方がいいか?
[孤児院の周囲は暗く、放り出すなど出来る筈もない。 そんなわけでイルマを送る前に、 戸締まりを子供たちいい含め望む場所に送り届けるだろう]**
(334) 2018/12/06(Thu) 02時頃
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