169 きみがおとなになるまえに
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少
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ゾーイに1人が投票した。
ジェフに4人が投票した。
ジェフは村人の手により処刑された。
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ゾーイ! 今日がお前の命日だ!
2015/09/27(Sun) 00時頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ゾーイが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、クラリッサ、オーレリア、レオナルドの3名。
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”トゥモロー トゥモロー アイラヴャ トゥモロー 明日は 幸せ”
(0) 2015/09/27(Sun) 00時頃
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[ その日。世界で一番かわいい女の子が、
きっと世界で一番有名な女の子の歌を歌った日。
クラリッサ・トウシューズは、世界で一番かわいい女の子。
今日も、みんなが彼女を愛していた。
行列が動いて、一枚の紙切れが、制服姿の男の手で貼りだされる。]
(#0) 2015/09/27(Sun) 00時頃
『全席完売』
*
(#1) 2015/09/27(Sun) 00時頃
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[オーレリア、ではなくて。 ファミリーネームのついた、"家柄"のものとして。 そう、強調する。
過去の聖女には、其の、名は。付かなかったから。 形だけの式も挙げて、学者の中では"妻"と、呼ぶような人ではあったけれと、書類にも残っていない、彼女の名前。 唯一の傷痕は、あの、墓の存在だった。それでも、ファミリーネームは刻まれていないけれど。
彼女のように、永い歴史から名を消されるのではなくて。 現代の聖女は、名を、残すことを選び、偏屈な学者と共に歩むことを選んだのだから。 自分に言い聞かせるような、そんな口調で、ファミリーネームの付いた、こどもの名前を、確りと、]
(1) 2015/09/27(Sun) 00時頃
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― 洋裁店・Ropa ―
[ 先生に手を引かれ、小さな店の扉を潜り。 店主と静かに――そう、静か、に。 視線を合わせること、数秒。
今まで受けたことの無い様な、怪訝、なものから。 たちまちぱあっと、表情が明るくなれば。
あとは、もう、 ]
(2) 2015/09/27(Sun) 00時半頃
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[ ――先生は、このひとと。 いったいどうやって会話していたんだろうか、と。 そう思ってしまう程の、勢いで。 ]
――えっ、と、
[ 矢継ぎ早にかけられる言葉。 先生はおろか、ゾーイよりもずっと、くるくると。 あちらこちらに話題が飛んで行って。
――そうです、…オーレリアです ――そんな小さい時に、会っていたんですか? ――ともだちと、お話しを、 ――先生は、わたしをあまり連れなかったから
――あの、他は…思いつきません、
どうにか、こうにか。 速く話す事に慣れていないオーレリアは、 店主にひとつひとつ、追いつこうと答えていって。 ]
(3) 2015/09/27(Sun) 00時半頃
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[ そんな調子で。緊張か、慣れない会話故か。 ようやく落ち着いた頃、息を吐けば。 先生の笑み>>6:114が、見えて。 ]
………驚いて、ない。
[ なんとも、分かりやすい見栄です。 こどもは――子は、親に敵わないのでしょうか。 なんだか認めるのが悔しくて、 棚へ向かう先生の背を、ぺしん。叩きます。 今度は割と、大きい音。 ]
(4) 2015/09/27(Sun) 00時半頃
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……結婚式の、衣装。
[ リボンを解いて、ブロンドをふわり、揺らしながら。 "意趣返し"に、確り拾い上げた言葉>>6:116を、 こっそり呟いてみせて。
―――本当に、"誰"に似たのか! ]
(5) 2015/09/27(Sun) 00時半頃
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[ 店主と言えば、 そんなこどもとおとなの様子に、笑っていて。
黒の、天鵞絨のリボンをそっと手渡そうと。 過去の聖女の――否、オーレリアにとっては。 母の様なおとなの友人を、見上げました。 ]
オーレリア――…Aurelia de Torres です。 先生の懐中時計と、同じ模様をお願いします。
[ ファミリーネームを言うことは、未だ慣れません。 発音はほんの少し、下手なもの。
気前のいい声を聞きながら、リボンが離れ。 頭を下げれば、同じく黒のワンピースの裾が見えます。 …確かこれも、十一歳の御祝いで貰ったものでした。
リボンと同様、お気に入りのそれは、 "マリア"と繋がりのあるものだったのか、と、 ふと、感じさせられて。 ]
(6) 2015/09/27(Sun) 00時半頃
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[ 刺繍を待つ間。 棚へ背を預ける先生へと、顔を向け。 ]
…マリアさん、って。 リボンとか、そういうものは付けなかったの?
[ 死んでいくものが好きだった、あの人と。 生きていくものが好きな、オーレリア。 決して、全て似てなどいないけれど。
それでも、何か。もし、あったのなら、いつか。 親の背を追うこどものように、 近しいものが欲しい、と。思いを馳せて** ]
(7) 2015/09/27(Sun) 01時頃
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/*
ずっと紳士淑女のターン…! こういう経験初めてですごいなんかあの恥ずかしい
(-0) 2015/09/27(Sun) 01時半頃
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/*
おーれりあたちぬ まかねば (語呂)(連絡を今確認して真顔になってる)
(-1) 2015/09/27(Sun) 01時半頃
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/*
先生まちの リボン出来るまで、が区切りなら、 さくっと結んでおわり たい。
(-2) 2015/09/27(Sun) 01時半頃
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そうだな、ここは幾分も穏やかだ
[相槌を打ち、ちいさく頷くと、 真白いこどもが青年の袖を引いているのに気付く>>5:+17 彼の、具合が悪そうな様子は自分には分からなくて。
藤乃>>5:+21と視線が合えば気にすることない、という風に笑んで]
こちらこそ、ありがとう また、今度。食事のついでに酒でも
[去りゆく背中に小さく手を振り、見送った*]
(+0) 2015/09/27(Sun) 10時半頃
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[うらやましい、と思う。 その背中はきらきらと光って見えて まぶしい、と目を逸らした。
ちいさくてあたたかいマリオの手を取れば]
僕たちもそとへ行こうか 小道のさき、花の香り。 キネーンにもあったけど、ここにはマリオを脅かすものなんて何もない
僕が傍にいなくたって、行きたい所へ行ける
[寂しそうに、されど嬉しそうに。 ぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でた**]
(+1) 2015/09/27(Sun) 10時半頃
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[矢継ぎ早な店主の言を、一つ一つ消化していく聖女の隣、 標的がずれた、なんて性格の悪い思考さえある。 何時もであれば、散々罵倒されるわけで。
息をつく聖女に意地悪く問えば、分かりやすい見栄。 く、と喉奥を鳴らして背中を向ければ其処に張り手が返ってくる。 ───ぺしん!
痛みはないものの割りに大きいその音に、とうとう吹き出して笑った。 好きな子にちょっかいをかけるこどもの其に少し似ている。 笑顔で見ていた店主も少しだけ驚いたような表情で、]
(8) 2015/09/27(Sun) 12時頃
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[解かれたプラチナブロンドがふわりと落ち、 其の天鵞絨が店主に渡された頃。
辿々しい発音を聞きながら、初めて名乗られた並びに、少し視線を下げて。 俯き加減に背中を預けて、思い出すのはあの、白の──結婚式の、衣装たち。あの、ちいさなせかいのずっと奥に仕舞われて、其でも時々手入れに出されている。 認められたものじゃない、自己満足の塊。]
(9) 2015/09/27(Sun) 12時頃
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[ふと、声をかけられれば視線を上げて灰を見返す。 聖女の言葉に、少し、思考時間。]
──髪飾りの類いは、余り…… 簪の代わりに生花を使う様なおんなだったからなあ…
[マリアは、街角のおんなだっただけあって、そこそこ派手を好んだ。真っ赤な薔薇の花、サテンのドレス。 屋敷に居るときは、それでも少し大人しかったけれど。 彼女が最も淑女で、最も美しかったとき、そんなもの、たった一回だ。
学者は棚から離れて、刺繍糸を取り出した店主に声をかける。]
白い、ワンピースを作ってくれないか。 [花嫁衣装のように、とは、言わないけれど。]
(10) 2015/09/27(Sun) 12時頃
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──12歳の記念にしよう。
[ぽつり。]
(11) 2015/09/27(Sun) 12時頃
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[ 少しだけ、考える時間が流れ。 過去を想っているのでしょうか、じっと、待ちます。 ]
…そっか。
[ そうして、返ってきた答えに、苦笑して。 駄目かあ、と、呟きひとつ。 出来るのなら、とは思ったけれど。 オーレリアに同じようなことは、出来そうにありません。 だって、生花はそのまま、眺める方が好きだから。
棚から離れた先生の、横へ並び。 これもまた社会見学のよう、刺繍糸を取り出す店主を、 灰に映し出して。
――白のワンピースの注文に、顔を上げました。 ]
(12) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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―――十二歳。
[ オーレリアが、おとなになる歳。 ]
(13) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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[ 白のワンピース、だなんて。 多く着た覚えはありませんでした。 今着ているものだって、お気に入りではあるけれど。 やっぱり、おんなのこの性なのでしょうか。 期待に胸躍らせてしまうオーレリアは、いて。 ]
で、でも…先生。
[ と、言いかけたところで。
腕の良い店主は。 どうやらオーレリアの誕生日も、覚えていた様です。 その日丁度に仕立てる――なんて、 やっぱり、気前のいい声が聞こえてきたものだから。 続く声は、ちいさく、ちいさく。 ]
(14) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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── どこか、とおく ──
[ ぐ、と背を伸ばす。男の肩の上で。
成長のまっただなかにいるこどもは、 短い間にも、少し、背が伸びたかもしれない。 それでも、変わらず、足を揺らして。]
── ジェーーフ、ねー、 この道、どこにつづいてくの?
[ ずいぶんと、長い道を進んでいる。 明るい日差しに、目を細めて。 ぐりぐりと額を男の頭に押し付けた。]
(+2) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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…ファミリーネームも、だし。 昨日のフォンダンショコラも、刺繍も。 たくさん貰ってばっかりで、…良いの?
[ いくら、記念といっても。 いくら、庇護される"こども"といっても。 申し訳なさに似た何かを感じることは、あるから。
刺繍の作業に入った店主をちらと見て、頭を下げた後。 先生の碧を見上げて、不安げに** ]
(15) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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[ それにも飽きたか、少女は、 辺りの風景を見やりながら、]
"はるかとおくに、緑の土地が──、"
[ 口ずさむ。 少し、歌のレパートリーは、増えた。 機嫌よく、何フレーズか歌えば、 いくつか男と言葉を交して、]
──ん、降りる
[ 支えられて降り立つ、舗装も知らぬ土の道。*]
(+3) 2015/09/27(Sun) 18時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/09/27(Sun) 18時半頃
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――とおく――
さあな。 そして、降りろ。
[己の肩の上で呑気に伸びをする少女にすげなく返す。 なんでお前は肩に乗るんだ。 降りて歩いてほしいものだが。 方に感じる重みは少し増した気がする。成長しているのだろう。が、そんなことを入ったら鉄拳が飛んで来るだろう。
ゴリゴリと突き刺さる頭が、少し痛かった。]
(+4) 2015/09/27(Sun) 20時半頃
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[そして少女は歌をうたう。 キネーンに立ち寄ってから、彼女が歌をうたうことが多くなった気がする。 それからいくつか街を回ったが、その度に彼女は歌を歌った。
それをなんとなしに聞きながら、ポツポツと歩いた。]
好きなのか。
[歌うことが。 目的語がない問だが、彼女はわかるだろうか。]
(+5) 2015/09/27(Sun) 20時半頃
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はいはい。
[肩から少女を下ろし、立たせる。 舗装されていない道は少し辛いかもしれないが、決していけないことはないだろう。
一度立ち止まって、荷物から水筒を取り出し、少し口に含む。 そしてそれをゾーイへ差し出した。
その前方。 土の茶色の向こうに緑が見える。]
前、見えるか。 寄るぞ。
[そう言うと、少女の歩調に合わせてまた歩き出した。*]
(+6) 2015/09/27(Sun) 20時半頃
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──?
[ 唐突な言葉>>+5に、一瞬、間を置いて、 そうして、笑った。朗らかに言う。]
好き 歌うのも、駆けるのも、旅するのも
[ はあい、と珍しく、おりこうな返事。 水筒を両手で支えながら、遠く、 男の視線の先>>+6に、同じく顔を向ける。
緑色。かすかに、鳥の鳴く声。 あの日、発った街からずいぶん離れて、やって来た。]
(+7) 2015/09/27(Sun) 21時半頃
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── ジェフは、なにが好き?
[ 足元の小石。蹴り飛ばしながら、空を仰ぎ。 気まぐれな歩調で、日差しの下、歩く。 さてはて、今度は、どんな出会いがあるのでしょうか。*]
(+8) 2015/09/27(Sun) 21時半頃
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/* なんか見ててずっと思ってたんだけど、わたしが子ども側だったらたぶんマーゴ使っただろうし、そんでショーキャストの女の子(たぶん天然こども)で、「あたしが、本物」「あたしが本物の、おんなのこよ。あんたなんかに負けない」とかクラリッサに宣戦布告とかしてた……
(-3) 2015/09/27(Sun) 22時頃
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/* これだとアイリスでもいいな、たぶん。アイリスダミー時の病んでる感じのあれはとても美味しい。
(-4) 2015/09/27(Sun) 22時頃
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/* ただ、ペアを組む側が果てしなく困ったろうと思うしクラリッサ可哀想。おとなでよかったですね
(-5) 2015/09/27(Sun) 22時頃
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/* ペア村じゃなかったらやってたけど……絶対……
(-6) 2015/09/27(Sun) 22時頃
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そうか。
[次々に浮かぶ、少女の好きなこと>>+7。 好きなことが増えることは良い事だ。 楽しみが増えることに繋がり、そして前に歩く原動力になる。]
俺か。 俺は、飯を食うのが好き。珈琲を飲むのが好き。 本も好きだな。
(+9) 2015/09/27(Sun) 22時半頃
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[少女にならい、好きなことを上げていく。 脈絡も特にない、浮かぶままの出来事ばかり。 最後に浮かんだのは、最初はただの手段だったこと。]
旅が好きだ。 色々な所を見て回れるのが好きだ。
[降り注ぐ日差しの中、眩しそうに目を細めて言い切った。
緑は着実に近づいてくる。*]
(+10) 2015/09/27(Sun) 22時半頃
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[こどもは、日に日に大きくなるものだから、 毎年、記念の日にはワンピースを頼んで、その年の御祝いにしていて。 頭の中、居なくなってしまった聖女の面影にできるだけ被らないように、彼女が滅多に着なかった黒を、毎年、毎年。 ──今年は、もう。 只面影に苦しむような、そんなこともないから。
誕生日を覚えていた店主は、白なんて腕がなるよ、と笑い。 刺繍の手は、流石の慣れか運針が早い。 時折細かく口を出して、うざったがられてみたりして。 ちいさく、ちいさく続いた言葉を掻き消すような、そんな横槍。]
(16) 2015/09/27(Sun) 22時半頃
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[然して満足したらしい学者は、漸く聖女に向き直って、 見上げる灰に金枠越しの碧を合わせる。 ぴ、と、年期の入った其の指を鼻先に、 そして少しばかり屈んで、灰の奥を覗き込んで。]
君がおとなの淑女になった頃、返してもらうとも。 寧ろ強引な前貸しなのだよ、お嬢さん。
──私の自己満足だから、付き合いなさい。
[態とらしく、意地悪に。 "出世払い"とか、押し付けてみて。 ふ、と、視線を反らせば内心を語る。ただの、此までやってこなかったことの、精算だと。]
(17) 2015/09/27(Sun) 23時頃
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[先伸ばしに先伸ばした、未来の選択。 一人では踏み出せなかった"難しい"未来。
只、その。 おとなに踏み出していく聖女の為の、自己満足。 12歳、こどもを卒業するその年に起こるだろう様々な出来事のために。
然して、何時か。 そう、何時か、"ずっと一緒"という約束を破る時が来るのだから。 その時、聖女の未来が暗いものにならないように、これからも学者は、先に先に、手を使う。 こんなおとなだから、其の方法だって綺麗なものだけではないだろうけれど、きっと、そう。聖女にバレなければ良いや、なんて。
意地悪で、皮肉屋で、頭だけは回る学者は。結局、聖女にとっても意地悪で、"ちょっと苦手"な先生で居続けるのかも、しれない。]
(18) 2015/09/27(Sun) 23時頃
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[───そうやって、ふたり。 店先でおとなとこども、それぞれおしゃべりしていれば。 店主が聖女を呼ぶ。
聖女のお気に入りのリボンに写された細かな刺繍細工、その出来映えを、何故か学者ではなくて聖女に確認して。 途中で割り込んで、カウンターに代金を置けば、リボンを受け取って少し眺め、]
──鏡を借りるよ、
[と、等身を写す鏡の前に。]
(19) 2015/09/27(Sun) 23時頃
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おそろいね、いっしょ
[ 目を細めて、また、踊るように、 男の前へと躍り出て、手を広げる。]
じゃあ、この旅は、どこまで続くのかしら
[ くる、くる。軽やかに。 土埃が少し舞い上がるのも気にせず、 ターンしながら、緑へと。]
(+11) 2015/09/27(Sun) 23時頃
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[聖女が近寄れば其のプラチナブロンドに指を通して、 結局櫛を借りたりして、馴れない手付きで髪を梳かして、集めて。 ──昔はやってたじゃないか、なんてちょっと自分を叱咤しながら。
漸くリボンを作れば、刺繍が見えるように形を整え、正面の歪みを直して。 たっぷり時間をかけて、一人の淑女を鏡の前に。確かに完璧ではあったけれど、如何せん手付きが辿々しすぎて。 背後の紳士は苦い顔。]
…いい加減不器用だな、
[と、何時か誰かに言ったような。]
(20) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
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── ねえ、ジェフ?
[ 少し、先。日の当たる道の上。 男を振り返って、鳶色の瞳が、 眩しそうに、顔を、見上げて。]
タリンが見つかると、いいね
きっと、わたしたち、 旅よりもそこを好きになれると思うわ
[ 涼やかに、風が吹く。 髪の毛と、スカートが揺れる。
また、こどもは、 突然身体の向く方向を変えて、]
(+12) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
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── じゃあ、あの町まで、競争!
[ 澄んだ声が、青空につん、と響く。 身軽に、少女は駆け出して、 緑を掴もうとするように、手を、伸ばして、
── ああ、もう、すぐそこに、
そうして、がくん、とつんのめった。]
(+13) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
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── わ、あ!
[ 声だけは、軽やかに、 少しの驚きを滲ませて、
足は、小石に取られた足は、 かくん、と空回って、それから、
バランスを崩した身体は、視界は、 どういうわけか、一度空をうつして、 そうして、次の瞬間には、 土色の地面が目前に、あった。*]
(+14) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
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[結んだリボンの、垂れた先。 金の刺繍部分は少し固く重く、細かな細工を感じさせる。 其処を指先で持ち上げて、一撫で。
柵だったものが、此処に有る。この刺繍分重く、此処に。 何度も逃げようとした此が護るべきものになるとは、この短い人生で思ってもいなかった。 遠い瞳はこの細工を手にすることのなかった過去の聖女を幻視して、 彼女には到底似合わなかったな、と、想う。
オーレリアが身に付けるものだったのだろう、きっと。 マリアでは、なくて。
リボンを戻して、学者は一度緩慢に瞬き。開いた碧には灰が映る。]
(21) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
|
|
──似合っているよ、オーレリア。
[珍しくも素直に、学者は、 只、それだけ告げた。*]
(22) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2015/09/27(Sun) 23時半頃
|
満足するまで、かな?
[とどまってもいいと思える土地にたどり着くまで。 もう、動かなくていいと思えるまで。 疲れたと思うまで。
色々な言い方ができるかもしれないが、結局は満足できるまでなのだと思う。
そんな日が来るかも分からないが。]
(+15) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
|
|
なんだ。
[そう、顔を向ければ、太陽が少女を輝かしく照らしていた。]
そうだな。 きっと、そうだ。
[満足できる場所がタリンなのか、タリンだから満足できるのか。 それはもう分からなくなってしまったけれど、きっとタリンなら、という希望は今も捨てきれない。 捨てるつもりもない。
少女が駆け出せば、またかと苦笑いをして小走りに足を踏み出した。]
(+16) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
|
|
――って、
[目前でゾーイの身体が地面に沈む。 咄嗟に手を伸ばして、猫の親が子供を捕まえる時のように。 少女が地面に叩きつけられる前に、背中の服を引っ掴んだ。]
危ないだろ。
[眉をひそめて、やれやれと。ため息を一つ。*]
(+17) 2015/09/27(Sun) 23時半頃
|
|
[ 考えているとも違う、間。 オーレリアの呟きを掻き消して、 店主と話す先生を、じっと見上げていて。
…ようやく、眼鏡越しに碧と視線が合います。 ぱちん、こどもらしく瞬きなんてする間もなく、 指先と、更に碧が傍まで迫って。 ]
…、はい、
[ ――おとなに、"親"にそう言われてしまえば、 "子"は素直に受け入れるしか、ないのでしょう。 視線を逸らした、その先。 十年以上か、あるいはそれ以上か。 過去のことを憂う様な先生には――そっか、と。 呟き、ひとつだけ。 ]
(23) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
[ ほんとうは、オーレリアも。 知らないことが多いなりに、分かってはいるのです。 "ずっと一緒"という約束は。 先生が、ずっと先生である限り、 オーレリアが、ずっとオーレリアである限り。 …何時か、無くなってしまうものだって。 ほんとうは、考えたくなんて無いけれど。 でも、今度は。過去とは違うから。 "ちょっと苦手"な先生を、置いていくことは、ないから。 それだけが、きっと。 まだ何もできない、今の聖女にとっての。 何があるか分からない未来への、確かな支え。 ]
(24) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
[ ――そうやって。話していれば。 刺繍の終えた店主に、オーレリアは呼ばれて。 天鵞絨に写された細かな刺繍を、まじまじと見つめます。 きれい、と思わず零れた呟きが、店主に届く前。 先生が間に入ってきて、リボンはその手に。
……模様、合ってるよね?と、首を傾げるけれど。 返事の代わり、鏡に招かれたので、 大人しく歩み寄りました。 ]
(25) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
[ 鏡の前。 黒のワンピース、灰の瞳。プラチナブロンド。 こどものオーレリアが、其処に映っています。
くん、柔く髪を引っ張られる感覚。 オーレリアの後ろ、先生の姿があるから。 結んでくれるのかな、と、そわそわ。
――しかし、意外、と言うべきか。 そして、おっかなびっくりとは、このことでしょうか。 きっとオーレリア以上に慣れない手つきで、 髪が梳かれていきます。
くすくす、決して馬鹿にしている訳では、無いけれど。 苦心しながらもリボンを整えて、 苦い顔をする先生を、鏡越しに見てしまえば、 なんだか、微笑ましさすら感じてしまったから。 ]
(26) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
……わたしの不器用なところ。 きっと、先生に似たのよ。 [ と、何時かは言わなかった言葉を。 ]
(27) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
[ 結ばれたリボンの、垂れた先。 刺繍にはきっと、先生がずっと居た、 そして、逃げようと思った、柵があるのでしょう。
でも、オーレリアは逃げることより、 柵の中で、先生を護ることを決めました。 それは今でも変わらない、おとなへの決断。
だから、これは。過去の聖女では無く。 オーレリアが身に付けるべきものだったのでしょう。
碧と、ゆるり。視線が合えば。 ]
(28) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
――先生と同じ模様の、リボンだもの。
[ 珍しくも、素直な先生へ。 素直な聖女は、只、それだけ* ]
(29) 2015/09/28(Mon) 00時頃
|
|
[ 子猫のように、持ち上げられて、 少女は、懲りずに、にいと笑った。]
転けそうになったら、ジェフが助けてくれるじゃない
[ ぶらん、と浮いたまま、顔を上げれば、 眩しい光の下、男の表情は、わからなかったけれど。
視線を前へと戻して、ふと、声を上げる。]
……誰かいる
[ それは、おとな、と呼ぶには、小さな。
こちらの様子を伺うように覗く、丸い瞳が、 にい、さん、よっつ。ぱちん、と瞬いた。]
(+18) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
|
/* 30分更新、確認しました。
うまく拾えていた かなあ… 最終日まで、先生はずっとありがとう。 とても楽しかったです。
(-7) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
|
── こどもだ、ジェフ!
[ 同じように、くるん、と瞬いた鳶色が、 また、男の顔を見上げて、
いつかと同じように、制止を振りきって、 勢い良く、走りだそうと、して。]
── ねえ!
[ 手を振り上げる。 ぱたぱたと、軽やかな足音が、 土色から、まばらに緑を宿す道をゆらす。]
(+19) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
|
ねえ、あなたたち、 この町のひと?ここに住んでるの?
[ よく通る声で、少し離れた場所にある、 丸い瞳たちに問いかければ、 せわしなく交わされる視線。
一呼吸置いて、少女は、ふたたび口を開いた。]
(+20) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
|
──── この町の名前をおしえて! .
(+21) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
|
/*
ばれなければいいやっていうけど、 なんかやばそうなことに足突っ込むのは やめてください先生…;;
(-8) 2015/09/28(Mon) 00時半頃
|
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