272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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[病院から家への帰路、肌寒さに帰りの車を拾おうかとした頃だった。 黒を纏う何かが掛けられた声に、返したのはまず沈黙]
―――― ……、
[眼前に現れたのは夕暮れの異物だ。帽子を被った紳士然とした服装は、その身体の異質を隠さず、呆然と見つめてしまう。 まず被毛が見られない。襟元や袖から垣間見えるのは無毛の肌。帽子で隠されている顔もどうやら毛で覆われてはおらず、更にはマズルも極端に短く、尾にしたって見当たらない。 それぞれの特徴自体はあり得るものだ。だが、短頭種の断尾されたヘアレスとまでくれば明らかに珍しく――その外見はまるで、創作で出てくる異種族のようで。
俺は夢でも見ているのか。これは夜に見る変な夢で、いや、まだ帰路だ。眠気が来るには早いし、そもそも睡魔だって感じていない。幻覚を見る精神状態でもない。そこまで疲労は溜まっていない、はずだ。 ならばなんだ。立ち尽くしたままの無反応に痺れを切らしたか、あるいは届いていなかったと解釈したか。二度同じ台詞が繰り返されたなら、ようやく言葉を返す落ち着きだけは取り戻した]
(101) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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……やり直したい、か。
[病院の敷地を振り返らず俯き、吐き出した声は苦味を帯びる。 それは幾度も幾度も考えたもしもだ。
――あの日。 四輪の運転手が違う場所を飛んでいれば。 落下地点に誰も人がいなければ。 職場に普段通り人がいれば。 ミスに気付いていれば。 荷を頼まなければ。
どれか一つでも違ったなら、変わったはずだ。この現在はなかった。ティムが足を失うことなく、約束だってちゃんと守れたはずだ。 後悔が口内に広がって、鉄錆を唾液と共に飲み込む。だからなんだ、と問う前に、眼前の“何か”は、小箱を一つよこしてきた。そして語りだす。語りだすが――]
(102) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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……何を、馬鹿なこと。
[これは不思議なオルゴールで、ネジを巻いた分だけ時が戻るなんて、まさに創作にありそうな題材の話を振られ、長い長い溜息がこぼれた。 なんだ、やはりこれは夢か。白昼夢なんてのは初めて見た。余程疲れていたのだろうか、まあ、確かに事故以降、元の生活に戻れているとは到底言い難い日々を過ごしてはいたか。
白昼夢というのなら、これは自分の深層意識が表れた結果だろうか。そうだ、戻りたい日はある。たったの二日? 十分だ、あの日に戻って過ごせるなら、ティムに荷を頼みはしない。そもそもミスだって起こさない]
(103) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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ああ――本当に、戻れたら、いいのにな。 そうすれば、ティムは…… ティムと、……
[あの日を変えて、ティムと変わらず共に過ごして、今年もまた銀世界を駆ける約束を果たせるのに。 オルゴールの蓋を開けて、箱の横に指を添える。 巻ネジをつまんで、キリ、キリ、キリ。
過るのは、夕食が楽しみだと、尻尾を大きく振る幼馴染みの笑顔――]*
(104) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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― 一日目・自宅 ―
[目を開けると、そこはいつもの自宅だった。 上体を起こして目を擦り、サイドテーブルに置いた眼鏡を取る。ぼんやりと窓を眺めると、気持ちのいい朝陽が差し込んでいた。
いつのまにか家に帰って眠っていたらしい。白昼夢を見る程だ、意識だって飛ぶ――いや、そんなことあっては困るが。ともかく、今日も仕事があるのだからとベッドから降りてみるが、どこか部屋に違和感がある。 こんな部屋だったか? いや、間違いなく自分の部屋だが、配置が妙に違うような気がしてならない。別に空き巣に入られたって感じではない、寧ろどこか“見覚えがある”ような――]
(105) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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――ま、さか
[慌てて部屋を見渡す。壁掛けのカレンダーは半年前。テレビをつければ天気予報士が、今週は春らしいあたたかな気候が続き、週末はお出かけ日和だと楽しげに笑っていた。 有り得ない、有り得ないそんなまさか。誰かの性質の悪いイタズラじゃないのか。サイドテーブルの引き出しにしまった日記を手にとって開けば、事故当日どころかそれ以降もごっそりと白紙に変わっていた。
寝間着のままベランダに飛び出せば冬には有り得ない暖かさ。本棚には夏には売ったはずの本が並んでいるし、キッチンにはチョコレートの小さな箱があった。 そうだ、覚えている、デパートで少し奮発して買った有名店のそれは、今度の週末にでもチョコレートが好きなティムと共に食べる為に用意したもので、けれどあの日、仕事を増やしてしまった詫びと感謝を兼ねて、前倒しにして今日の夕食の時にでも、開けるつもりでいた――結局食べられなかったもので]
(106) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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[本当に、戻ってきたとでもいうのか。 本当に、本当にあの日に戻ってこられた、のなら。
不意に玄関のチャイムが鳴る。 はっと時計を見ればもう“いつもの時間”だった。思い当たる人物など一人しかいない。走って勢いよく扉を開け放てば――そうだ、そう、あの日もいつも通り、俺の幼馴染みは職場まで送る為に、迎えに来てくれていたのだ。
二本の足で、しっかりと地を踏んで]
(107) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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……ティム、
[目頭が熱くなる。 立っている、彼が、自らの足で、昔と何も変わらない、自然な姿で。
本当に、戻ってきた。戻ってこられた。
その感慨が視界を滲ませて、思わず眼鏡を外して目を覆った。きっとティムは驚くだろう、迎えの時間なのに毛並み一つ整えていない寝間着のままの幼馴染みが、自分の顔を見た途端に泣き始めたなど。嗚咽が漏れそうになるのを堪えて、懸命に言い訳を紡ぐ。 寝坊したとか、少し夢見が悪かったのだ――とか。大丈夫、大丈夫だと繰り返し、すぐに用意をするから待っててくれと言い残すと、部屋に戻っていく]
(108) 2019/11/05(Tue) 04時頃
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[どうして過去に戻れたかなんて考えない。そんなものどうでもいい。 すべきことは決まっている。 事故など起こさせない、決して彼を行かせない。
――何一つ、彼から失わせてなるものか]*
(109) 2019/11/05(Tue) 04時半頃
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測量座 ハラフは、メモを貼った。
2019/11/05(Tue) 04時半頃
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[その瞬間は、ただ一言のおはようすら出てこなかった。眼前の存在を確かめるように名>>138を呼べば、みるみる形が歪んでしまう。視界を塞ぐと狼狽を隠さないティムが心配そうに声を掛けてくる。
戸惑うのも当たり前だ、こんな姿見せたことがない。確か、きっと。泣き顔を見せたことぐらいはあるが、それだって怪我をした痛みだとか心揺さぶられる作品を見たとか、理由があるもので、こんな脈絡なく泣き出すなんて余程おかしい。分かっている、分かっているが、抑えきれないものは仕方がないだろう。
理解を得るには雑な言い訳をいくつか置いて、素早く準備を済ませた。未だにそう朝が得意でない自分は、この時もいつも通りに昨夜の間に用意を終えている。 食欲どころではないから朝食はいい。さっさと着替えて鏡を覗き込み、身嗜みを整えれば、すぐにでも出られる]
(218) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[軽く顔にブラシを当てながら、不意に目元に触れる。 そう言えば、舐められたんだった。 濡れた目元を舐められても特に拒絶を見せず、止めろと言って押し返さなかったのは“この頃”の自分としてはおかしくなかっただろうか。……いや、そもそも泣いてる時点でおかしいんだった。動揺していたから、と見逃してもらえる筈だ。
最近――事故後、病院へ通うようになってからは、グルーミングをされても以前のようにすぐ止めさせることもなくなった。親子や恋人間の愛情表現として行われがちなグルーミングは、ティムとの関係を考えれば仔犬の間に卒業すべきものだ。一応、ごく親しい友人間ならやることも有り得るが、それでも、まあ、あまり一般的ではない]
(-39) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[だが、本来空を陸を駆け回っていたティムが、病院なんて狭い場所に押し込められる辛さを思えば。出来る限り、許される限り、やりたいことや欲しいものは叶えてやりたかったし、その一つにグルーミングがあるなら、諌める言葉は飲み込んでしまう。 ブラッシングの礼のつもりなのかもしれないし、心細さからの甘えもあるのだろう、と思う。止めさせようとすれば名残惜しげにか細く鼻を鳴らすから、こちらも困って、渋々続きを許可する、が。放っておけばいつまで経っても止めないので、流石に途中で切り上げさせるのがいつものやりとり。
そもそも、別に嫌ではないのだ。幼馴染みの自分への親しみを一切隠さずにくっつかれるのが嬉しくないとは言わないし、毛並みに沿って何度も丁寧に舐められるのも、子供の頃を思い出して落ち着く面があるのも否定はしない。 それでもやはり、大人同士でやるのはみっともないというか――どうにも、気恥ずかしく。
その羞恥も今となっては、負い目に押し潰されてなかなか、表には出ないのだが]
(-40) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[鞄を持って玄関へと戻れば、壁に凭れて待つティムの姿があった。再び瞼が震えたが、数度の瞬きに留める]
悪い、待たせた。 いや、体調は問題ない。大丈夫だ。 休む訳にはいかない。
[気遣って休むように提案されても、悩む素振り一つ見せず首を横に振る。それをティムは生真面目さゆえだと思うだろうが、本音は違う。 彼一人を職場に向かわせる訳にはいかない。自分が居ないことで何が起こるかなんて考えてはいられないのだから。 本来あるべきだった未来にする為に、行かなければならない]
……ああ、そうだな。 今日もいつも通り、こなしていこう。
[緊張に強張る表情を隠すよう、ふっと笑みを作った。 必ず、無事に明日を迎えてみせる]*
(219) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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― 一日目・職場 ―
[家を出るのは少し遅れたが、始業には十分間に合った。職場に着けば外勤のティムとは別れ、真っ先に仕事に取り掛かる。あの日夕方まで見落としていた荷物もチェックを終わらせた。急にねじ込むのは難しいが、朝の内に同じ区画へ向かう配達員へ適切に割り振れば、業務超過の心配もない。 念の為、事故が起こった時間帯の前後に現場周辺の航路を使う人間がいないことも確認した。大きく息を吐くと、隣の男が不思議そうにこちらに目をやったが気にしない。まず、これで最低限の対応は済ませたと言えるだろう。
既知の早退の知らせを受け、以前よりも手際よく受付業務を片付けていく。それでも昼過ぎまでは雑談を交わす余裕すら無かったが、キリがついたタイミングで同僚に休憩をとると告げて席を外した。
普段食事を取る休憩室とは反対に向かい、人気のない非常口傍の階段に腰掛ける。鞄からキューブ状のドライを取り出し、がり、と噛み砕いて飲み込みながら、携帯の画面をじっと覗き込んだ。デジタルの数字が現在の時刻を示している。最後の一桁が一つ進む]
(220) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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…………
[事故が起こるまで、残り四時間を切っている。 本来ならばこの後、配達を終えたティムが帰ってきて、俺に頼まれた荷物を届けるため、現場に向かう筈だった。 だが、もうそれはない。誰もあの現場には近寄らない。つまり――事故を止める人間もいない、ということだ。
あの場に居たティムが咄嗟の判断で空四に衝突しなかったら、一体どうなるのか。ティムの病室に訪れた夫婦とその子供の顔を思い浮かべて、ぐる、と小さく唸る。 ティムが無事でも、事故そのものを防げる訳ではない。事故を起こさないようにするにはどうすればいい?]
(221) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[どうにか、現場に近寄らないようにと女性に伝えられないか。しかし、名前は何度も報道で流れていたから覚えていても、ティムと違い、直接関わりのない俺では連絡先など分からない。 空四の運転手も似たようなものだ。最初から分かっていれば事前に調べられたものを――悔やんでも悔やみきれないが、諦めきれなかった。何かないか、直接止めることは難しいなら、どうすべきか。
運転手がどのように違法チョコレートを入手したかまでの詳細は知らされていなかった。だが包み紙が見つかったというなら、今も所持している筈。それを通報することは可能かもしれない。
匿名の通報ダイヤルに通話を繋げる。呼び出し音を聞きながら、脳内で話を組み立てていく――事故が起こるまでに、どうか警察が、運転手を止めてくれれば――……]
(222) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[――書類から視線を上げる。 窓を眺めると、色の濃い夕焼けが覗いている。
今日の仕事も残り僅かだ。さっさと終わらせてしまおう、と思いながらも、そわそわと扉へと目を遣るのは、そろそろ時間だからだ。 もうすぐだ、確かそう、あと何分後だったか。十数秒置きにちら、ちらと何度も確認するのを繰り返す行為が二桁に乗って少しした頃。 扉の開く音と共に待ち望んだ姿を目にして、思わずぴんと耳を立てる]
――! ……ティム。 今日の分、終わったか。
[配達が終わったことに間違いないか確認を取る。そうだ、いつも通りきちんと終わらせて、飛空艇の点検等の諸々を済ませて業務を終えるはずの所を、無理に頼んでしまったのがあの日だった。 今回は違う、もう何も用はない。人知れずごくりと唾を飲む。肯定が返ると知りながらもじっと待つ内心は、気付かぬ間に揺れている尾と同じで落ち着かない。それでも確かに望んだ返事があれば、明らかに安堵した気配はきっと隠しきれない。尾だってぶんと揺れてしまうのだから]
(223) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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俺ももう終わる。一緒に帰ろう。 夜、食べていくよな?
[いつものように誘えば、ティムが断らないのを知っている。それに万一、少し用事があると言われても、今日ばかりは決して譲るつもりはなかった。
目を離さない。離したくはない。 彼の傍でその無事を確かめていたい。
普段と似た言葉でも、態度に滲む強い願望は朝のような違和感を抱かせるかもしれないが、もし何かあったのかと問われた所で、別に、と曖昧に濁してしまう。 とにかく、早く一緒に帰りたい。気持ちが急いて仕方がなかった]*
(224) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[ただ、傍に人が居なければぼそりと、少々言いにくそうに]
いや、その……夢見が悪かったって言っただろ。 だから、……
ティムが傍にいれば、落ち着くと、思って、な……
[建前と本心の混ざりあった台詞は、まるで一人の夜が怖いときゅんきゅん鼻を鳴らして泣く子供じみた響きになってしまう。 何だこれは、こんなのじゃティムの普段の言動を仔犬だと言えたもんじゃない。
恥ずかしさのあまり、下ろした尾がゆるゆる左右に揺れてしまっているなんて、気付きたくはなかった]*
(-41) 2019/11/06(Wed) 06時半頃
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[風を切る陸二に乗っての道すがらでは、なるべく常の調子に近付けた会話ができたと思ったのだが、別れ際に耳にした鳴き声や表情には心配が如実に表れていた。やはり朝は余程様子がおかしく見えたらしい。自覚があるだけに居た堪れない。
気遣われること自体は嬉しくもあったが、かといって変にこちらを気にかけすぎて集中を欠かれても困る。折角変えられるというのに、新たに別の事故に遭われでもすればどうしたらいい。
大丈夫だ。努めて普段の声を作って笑えば、多少は不安も拭えるだろうか。そうでなくては困るが、最後には笑い返してくれたからきっと、大丈夫だと信じたい]
(337) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[休憩の間に通報を終えた。 事故が起こった現場と時刻は分かっている。とはいえ確実にいつどこで事故が起こる――などと伝えては逆に不審だろう。その為、記憶を振り絞り、当日運転手が取っていた航路を思い出しながら、「違法チョコレートを所持している空四の運転手がいること」「今日乗るらしく重大な事故の危険性が高いこと」を取りうる航路とおよそ時間を合わせて伝えた。 情報提供の感謝を告げられて会話は終える。後は警察が動き、事故が起こる前に止めてくれることを祈るばかりだ。
平静を保ち、普段通りの表情を繕ってから受付の手伝いに戻ると、“体調に問題はないのか”と声を掛けられて思わず目を瞠る。
いきなり何を。仕事は常より手早く進めたぐらいだったし、彼らに伝えた覚えはなければ、悟られるような態度を取ったつもりもない。となると、考えられるのは一つか]
(338) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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……ティムか? ああ、いや、大丈夫だ。 朝、少し怠くてな。今は平気だ、心配要らない。
[ちらとデスクに置いた時計を確認すれば、確かに定時連絡の時間を過ぎた辺り。普段なら自分が受けることも多いが、今日は休憩でずれこんでしまった。 気付かなかったと言われると、それぐらい大したことがないってことだと笑う。きちんと笑えているだろうか。不安を押し隠しながら表情を覗くと、あちらも緩く微笑んで、ならよかった、と再び仕事へと戻っていった。ほっと息をつき、安堵する。うまくやれたらしい。
ただ、やはりティムはずっと気にしてしまっているようだ。心配をかけないよう、どうにか普段通りを装いたいのだが――結局、ティムを前にすると無理らしいと知るのは、もう少し後のこと>>223>>224で。 ――人前でなかっただけ、良かったと思うしかない]
(339) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[尻尾をやかましいぐらいに振ってわふわふと懐いてくる幼馴染みの存在は、職場では当たり前の光景として受け入れられている。整えていない毛並みを指してちゃんとしろと注意し、えーでもだってと返すやり取りも込みで、あーいつもの、と微笑ましげに眺められているらしい事実については、遺憾の意を表したいが。
まあ、だから、バランスとしては、仔犬のように明るく元気なティムと、一般成人としての態度でその勢いを流しながら相手する自分というのは、ある種の凹凸の関係であって、決して、決して、自分までもがティムのように仔犬じみた態度を取るなんてことは、有り得てはいけないのだ。本当は。 朝の態度並におかしいだろうそんなの。現にティムは黙っている。ちらっと見れば無言でこちらをガン見だ。耐えられない。目を逸らす。 いくら傍で見てないと不安だからってこれはどうだ。本当にもうだめだ。そっちのが仔犬じゃないかと笑ってくれた方が気が楽、ではないな、もう何も触れないでほしい。今の発言無かったことにならないか? なってほしい]
(-76) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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いや、忘れてくれ。全部忘れてくれ。
[白紙に戻したい願望を込めてそう付け加えたが、そういう配慮はしてくれないらしい。知っていた。そうだ、知っていた。仕事中も自分を心配して連絡にかこつけて様子を尋ねてくるぐらいだ。きちんとあの発言に対しての返事がなされてしまって、ぐう、と言葉に詰まる。
その台詞自体は心から安堵した。どこにも行かないならこれ以上不安になる必要はないのだろうし、泊まっていくのなら尚の事安心だ。 とはいえ、ここで素直にもう一度、傍にいてほしいとか、泊まっていってくれると嬉しいとか、そんなこと言えるか? 言える訳がない。既にさっき吐いた台詞を忘れたい勢いだというのに。だからつい、そうか、の一言だけで黙り込み、そのまま隣を歩いてしまう。あちらは声を掛けていたかもしれないが、無言。 駐車場に着いて陸二の前まで来てしまってようやく]
(-77) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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……酒も、飲んでくといい。
[ぼそりと、それだけを呟く。 飲酒運転、ダメ絶対。要するにそういうことだ。分かるだろう]*
(-78) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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― 一日目・自宅 ―
[帰路もいつものように安全運転。日が落ちる前に無事に着き、家に上がるのをきちんと確認してから、夕食の用意の為にキッチンへ向かう。
そうしてティムの視界から自分の姿を隠してから、壁に凭れかかって長く長く息をつく。 事故が起こった時間は既に過ぎている、はずだ。 だが、二人で家に帰ってきた。彼は居る。ここに居る。過去は確かに変わっている。
――何も失わせないで済んだ、のだ。 胸がそわりと浮き立つ、もうこれで、これできっと大丈夫]
(340) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[いつまでもぼんやりしていてもいけないと、夕食の準備に取り掛かる。
面倒くさがりの幼馴染みは、放っておけばドライやウェットの封を開けて食べるだけだ。別に一概にそれを悪いとは言わないが、レンジや湯煎の一手間を惜しまなければ、開けるだけの品より美味しいものは店にいくらでも並んでいる。
戸棚を開けて、レトルトパウチの平袋を二つ掴む。クラムチャウダーと印字された銀の袋を鍋で湯煎しながら、冷凍庫からはパイの箱を取り出した。 以前CMで見て試しに買った、濃厚なグレービーソースのミートパイ。大きくカットされた肉がごろごろとたっぷり入って、濃い目の味付けとさくさくのパイ生地との相性は抜群。ティムと二人して、これは当たりだと気に入ってからずっとリピートしてる品を、皿に乗せてレンジで軽く加熱する]
(341) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[ついでにトースターを温めておき、その間に冷蔵庫からポテトサラダを取り出して盛り付けた。後は、チンと音を立てて加熱終了を知らせたレンジのパイをトースターに突っ込んでおく。そうすれば、十分に温まったクラムチャウダーをスープカップに移し変える頃に、香ばしくカリっと焼き上がったパイが完成だ。 ふわりと鼻腔を擽るパイの香り、ティムにはもう何を出すかバレているかもしれない。
夕食の準備なんてのはあっという間だ。 キッチンに入ってからリビングまで温かい料理を運んでくるのも、ティムがのんびり寛ぎ始めてそう間もない時間で]
(342) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[――それは、何の気無しに付けられたテレビが、ニュース>>249を読み上げたタイミングだった]
…………、 ぁ、……
[湯気の立ち上るスープの器を持って立ち尽くしたまま、視線は液晶に釘付けられる。四輪飛空艇の“墜落”事故。淡々と読み上げるアナウンサーの声、その背景には中継の文字と共に、機体が無残にも拉げて破損した空四が映し出されていて、 運転手も歩行者も、意識不明の重体で 病院に 搬送 されて 、――――]
(343) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[ぐらり、と体が傾いで倒れかけた――のだと、気付いたのは、ティムに支えられてからだった。様子がおかしいことに気付いたティムが、熱い器を奪って机に置き、そのまま背を支えてくれたらしい]
あ、あ ……わる、い。 少し ぼんやりしてた、…………
[謝罪も咄嗟の言い訳も上っ面をなぞるような響きで、そんなもので納得してくれはしないだろう。だが、なんと言えば、いいのか。事故を防げなかった――なんて、言っても訳が分からない顔をするだろうから。何を、何を……]
(344) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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…………、 知っている、人で。
[連絡先どころか直接の面識も無い。 ただ知るだけの、縁の遠い相手だが―― だから驚いてしまったのだと、そう伝えればまだ、この動揺も受け入れてもらえるだろうか]
(345) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[あるいは、納得しないのであれば。 まさにこの事故を悪夢で見たのだと、付け加えたかもしれないが]
(-79) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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だいじょうぶ、大丈夫、だ。
夕食はもう、できてるから。 ……冷めてしまうな、早く食べよう。
[強張っていたかもしれないが、なんとか笑みを作って浮かべて。 運ぶのを手伝って貰い、綺麗に食卓に並べて夕食をとる]
(346) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[――自分が現場に行けば。 事故の場所も時刻も分かる唯一の自分がその場に向かって、現場周辺に誰も近付かないように声を上げれば――結果は、変わったのではないか。
曖昧な通報なんて迂遠なことをせずに、行動したなら。ティムのように危険を顧みず人を救おうとしたなら、あるいは、彼らを――あるいは一人でも、助けられたのではないか。
だが、何もしなかった。 ティムが無事であればいいと、ただそれだけを優先した。その結果、他を、二人を――いや、三人を犠牲にすることを選んだのだ、自分は。
いや、ニュースではまだ死亡したとは言われていなかった、近くに居た警察が、とも聞こえた、気がする。助かったかもしれない、一命をとりとめたかもしれない。 見殺しにした訳じゃないんだ、出来ることはした、した、つもりで――
――この罪の意識から逃れる為、笑って、食事を進める]
(-80) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[最初こそニュースのこともあり言葉少なだったが、酒を持ち出してグラスに注ぎ、互いに杯を進めていけば、いつものように穏やかな会話を交わすことができた。それは、明るい話題を選ぼうとする自分を察し、合わせてくれたティムの気遣いがあってこそだったのかもしれないが。 最後には、朝にキッチンで見かけた小箱を食卓にことりと置いて、その蓋を開けもした]
……明日は休み、だからな。
[笑顔で食べてくれることを期待し、封を開けたチョコレートをティムの方へ軽く押す。彼が食べたのを確認すれば、自分も一粒つまんで、口に含む。 そうか、こんな味だったのか―― あの時は包も開けずに捨ててしまったから、半年越しにようやく知ることが出来た。
その後、幾らか話をすれば、どちらからともなくそろそろ眠ろうと席を立つだろう。その際、いつも通りソファあたりを借りて眠ると言うなら、別段、それを止めはしない]*
(347) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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[――ただ、意識をふわりと心地よく暈す酒とチョコを言い訳にして]
……別に、ベッドを使っても構わないが。
[多少狭いが二人ぐらいなんとかなる、多分。なんてぼやく口調は、傍にいれば落ち着くと告げた時の延長線だ。 ひとりがさみしいなんて、そんな直接的な言葉、使うわけがない]*
(-82) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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/* メモはえーーーーーーーーーーーーーーよ!!!!!! いつも待たせてごめんな!!!!!!!!!!!!!!
だいたいいつも死んでる(てぃむに)
(-84) 2019/11/07(Thu) 06時半頃
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