171 獣[せんせい]と少女
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/* やった発言抽出できる……!!!
(-1) 2015/10/08(Thu) 00時頃
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― 一冊の本とクッキーと ―
[モスキュート先生に借りた続きの本。>>0:298 蜂蜜を食べるくまさんの本を先に読みたいけど。 他の本の方が先に借りたから、順番に読むつもりで。
モスキュート先生から本を受け取った、三日後。 また読めない文字があって、書庫に行ったら 本を手に笑顔のヒナコが見えて。>>0:477 思わず本棚の影に隠れてしまう。
ちょっとだけ聞こえてしまった会話は、>>0:552 昨日わたしが借りた本のこと。]
(10) 2015/10/08(Thu) 00時半頃
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[ヒナコにたまにじっと見られてることがあったりしたけど もしかして本が戻ってくるのを待ってたのかな。>>0:475
ヒナコも読みたかったのを知ってごめんねって気持ちと 同じ本が好きなのを知って、嬉しい気持ち。
うまく言える気がしなくて、 一度黙って書庫から部屋に帰ってから。 ヒナコがいなくなった後、書庫にもう一度顔を出した。 でもモスキュート先生はわたしに 本を返すようには言わなかった。>>0:554
これが、ヒナコへのごめんねが ありがとうに変わった瞬間。]
(11) 2015/10/08(Thu) 00時半頃
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[次の日のおやつは、焼きたてのさくさくクッキー。 わたしの分を半分、こっそりヒナコのお皿に入れた。 ないしょのありがとうの気持ちといっしょに。
そして順番を入れ替えて その日の夜から読み始めることにした。 この本を次に読むヒナコはどんな顔をするだろうって そんなことを考えてたら翌朝また寝坊したのは いつものお話。]*
(12) 2015/10/08(Thu) 00時半頃
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― 一年前のあの日のこと ―
[そうか、あれはわたしの力じゃなくて先生の力。>>8 ちょっとだけがっかりしたけど。 羽をいっぱいに広げて飛ぶ山雀を見れば そんな気持ちもすぐに空の彼方へ吹っ飛んでしまう。]
うん、また今度ね! 約束だよ。
[笑うエフ先生の目の前に、小指をたてた右手を出す。 昔怒られた時にブローリン先生から教えてもらった、 約束の仕方。ゆびきりげんまん。>>0:480
先生を見上げて笑う澄んだ蒼は、 真昼の空まであとちょっと。]
(31) 2015/10/08(Thu) 01時半頃
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[しばらく裾野の街を眺めてから物見小屋から出れば、 風が運んできた甘いタルトタタンの香りに>>0:536 まなびやへ駆けて行く。 お茶会には間に合っただろうか。
夜はおねえちゃんに外の話をいっぱい聞いて。>>0:383 ミツボシのきれいってはしゃぐ声に、>>13 笑顔で大きく頷いた。
そんなわたしは、おとなになることも。 ちからを使ったしっぺ返しも、理解できてなくて。
ただ幸せで楽しい時間を、 大好きなみんなと過ごせるがっこうでの最後の一年を 喜んでいたんだ。]**
(32) 2015/10/08(Thu) 02時頃
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/* ヒナコのないしょが零れるうっかりさが可愛い…… がっこうにのこりたくなってしまうよ!
(-13) 2015/10/08(Thu) 02時頃
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/* ヴェス先生のろるにちょっと泣きそうになるのね。 かんこさんずるい。
2日目以降に旅立ちだから、72hかけてまた駆け回ろう。 ユージン先生、ヴェラ先生、パティシア先生とも会いたいな。モスキュート先生とそいえば過去回想以外で会ってな……あ、あれ。 少女とも会いたいし、エンカがんばって軽率にどじっこする!
(-14) 2015/10/08(Thu) 02時頃
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/* はっそうだ! 身長ちょっと伸ばそうと思ってたんだヒナコありがとう!
(-30) 2015/10/08(Thu) 21時半頃
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― 朝・居住棟 ―
[鐘の音が遠くに聞こえる。>>43 微睡みの中で、うとうと、うとうと。 夢の中で小さなコリンがわたしの手を引いて走ってて わたしはそれを追いかけて走ってる。]
んー…まってー……。
[いつかの転がる林檎を追いかけるように走る。 手をつないでるのに、離れてしまいそうで心細くて。
まって、まって。もうちょっとだけ。 何かにつまずいた。 転びそうになった拍子につないだ手が、はなれていく。]
(85) 2015/10/08(Thu) 22時頃
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────……ひゃっ!
[目を開ければ眩しい朝日。 ちょうど13回目の鐘の音が、鳴り終わる。
朝だ。夢だ。 ホッと息をついてベッドから降りる。 この頃は布団をひっぺがされる前に起きるようになった。 最後にベッドから転げ落ちたのはいつだっけ。 半年前くらいだったかな。>>70
10回目になる10番目の月。 目を擦りながら着替えて、窓を開ける。 朝一番の涼やかな風がふわりと小麦色の髪を撫ぜた。]*
(86) 2015/10/08(Thu) 22時頃
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あ、早くしなきゃ朝食に遅れちゃう。
[窓を閉めて部屋を出る。
一年前と変わったことは、いくつかある。 背丈が5cm伸びたこと。 読み書きがちょっとだけ早くなったこと。
それから────、
背丈が伸びた分大きくなった歩幅で廊下を歩いていると 窓からのぞく先生の顔を見つけた。>>81]
ユージン先生? どこに行くんだろ。
(101) 2015/10/08(Thu) 22時頃
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[目が合ったならひらりと手を振るユージン先生に、>>90 きょろきょろと辺りを見回して、 よいしょ、と昔より低くなった窓枠を乗り越える。 見つかったらまたばかと言いそうなブローリン先生なら この時間はきっと厨房だ。>>60
でもちょうど通りかかったモスキュート先生には 見つかっちゃったかも。>>97]
おはよう、モスキュートせんせい! いい朝ね! 一昨日借りた本読み終わったの、あとで返しに行くね。
[蒼い目を輝かせてモスキュート先生にぶんぶんと手を振り ゆらゆら、ゆらゆら。揺れる尻尾を追いかけて、 畑の方へと駆けて行こう。]*
(105) 2015/10/08(Thu) 22時半頃
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/* そしてメモをみてうっかりのコリンがかわいい件。 コリンに起こしてもらえないのかーさみしいなぁ(ごろごろ)
(-37) 2015/10/08(Thu) 22時半頃
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[ミツボシには見つからなかったけど。>>111 驚いた様子のモスキュート先生に>>108 口の前で人差し指を一本立てて。 ないしょにしててとお願いのジェスチャーを。
向けようとしたら、ちょっとバランスを崩してしまい 支えてくれるように吹いた風が髪を巻き上げた。>>117 そうして見事、まなびやの外へ着地に成功。
怪我をしなくてよかったとホッと息をついて 待っててくれる先生に笑顔で駆け寄った。]
ユージンせんせい、おはよー! どこいくの? 畑?
[笑う顔に首を傾げれば、指差した先を見て。>>119 果物畑と大きな籠に、わぁ、と歓声を上げた。]
(128) 2015/10/08(Thu) 23時頃
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お手伝いする! したい! パティシアせんせいも みんなで食べるならきっと許してくれるよね。
今食べごろなのは何かなぁ。 梨でしょ、桃でしょ、あと林檎も食べたいなー。
[屈んだ先生の額から、突き出た角が朝日に反射する。 金色の目を見上げて笑い返して、 並んで畑に向かって歩き出した。]
(132) 2015/10/08(Thu) 23時半頃
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― 畑 ―
[果物畑に着けば、 きらきらと光る果実にまた歓声を上げた。
みんなで食べるなら大丈夫だと思ってるけど ついパティシア先生の姿を探してしまった。 今はいないみたい。]
ねえ、どれをとればいいの? あ、この葡萄おいしそう!
[でもどれが食べごろかわからなくて、 目の前にあった葡萄を一粒、ひょいぱくり。 思ってたよりも酸っぱい味に、ぎゅうと目をつぶった。 ちょっと涙が出るくらい、すっぱい。]
せんせい……おいしいのはどれか、わかる?
[眉を下げてユージン先生にきいてみた。]*
(135) 2015/10/08(Thu) 23時半頃
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[ユージン先生の言葉を、口の中で繰り返す。>>147 一度で覚えられなかった頃、何度も繰り返していたそれは くせになってしまった。]
粒がおおきくて、色が濃い、紫の…… あ、あれおいしそう!
[一年前と少しだけ色合いが変かした蒼い目を凝らして、 葡萄の房をじぃと見つめる。 おいしそうなそれを指差して背伸びしてると、 背の高い先生が房ごとハサミで切ってくれた。
でも、まだ口の中はすっぱいまま。 口をすぼめてもごもごしてたら、 目の前に現れた一粒の葡萄に目を輝かせて。]
ありがとう、せんせい!
[あーんと口を開ければ、落ちてきた紫色の果実の甘さに ふにゃりと頬が緩んだ。]
(160) 2015/10/09(Fri) 00時頃
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色と大きさと、日光……あ、あれもおいしそう。 よいしょ、と。
[大きな粒をつけた房を見つけて、 先生の真似してハサミで切る。 つまみ食いする先生に気付いたけど、>>148 わたしもさっき一粒食べちゃったし黙っておこう。 味見は大事、とブローリン先生もたまにしてるし。>>133]
はーい、大丈夫だよ。 みんなで一緒に食べたいもん!
[まなびやの方から、朝食のいい匂いが漂ってくる。 くぅ、と小さくお腹が鳴ったのは聞こえてしまったかな。 ちょっと恥ずかしくて笑って誤魔化せば、 籠に葡萄を入れていく。 他にも桃も、梨も、林檎も、いっぱい。
お腹が空いていた方が、ご飯がおいしいって。 教えてくれたのも、ユージン先生だったかな。]
(165) 2015/10/09(Fri) 00時半頃
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あ、ユージンせんせい。 もう一粒だけもらってもいい?
[籠がいっぱいになった頃に。 食べごろの葡萄を見つける度に一粒ずつくれるから、 お腹の虫は今はちょっとだけ大人しくなっている。]
(171) 2015/10/09(Fri) 00時半頃
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[籠から葡萄を一粒もらい、まなびやに帰る前に寄り道を。 畑の隅っこに、よく見なければわからないくらいに 小さく盛られた土の山。 目印にたてた木の枝は、だいぶ傾いてしまったけど。 その傍に採ったばかりの葡萄を一粒おいて声を掛ける。]
おはよう、とりさん。 今日はね"とくべつなひ"なんだよ。
だから、おすそわけ。
[土の下に眠るのは、いつかの物見小屋で 手の中であんなにあたたかかったはずの、小さな命。
たまにこうしてわたしが畑の隅にいることを、 畑の近くによくいる先生なら、知ってるかな。]*
(173) 2015/10/09(Fri) 00時半頃
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[少し高い所に葡萄を見つければ、>>176 蜂蜜の瓶を取る時みたいに、背伸びするけど。 今は足元が椅子の上じゃないし、大丈夫。 なんて、油断をしてたらつまずいて転びそうになって 先生をハラハラさせながら。
お腹の虫の二重奏に、くすくす笑ってしまった。]
せんせいもお腹空いてるの? おそろいだね。
(187) 2015/10/09(Fri) 01時頃
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[果実がいっぱいつまった籠のうち、 小さい方をよいしょと抱えて。 先生をちょっとだけ待たせて寄り道するけど>>178 今は、おすそわけだけしたらすぐに立ち上がろう。]
おまたせ、せんせい。 早く戻らないとだよね、今日の朝食は何かなぁ。 蜂蜜もあるのかなー。
[果実も甘いけど、蜂蜜は別腹だ。 さっきより帽子をちょっと深くかぶってる先生を見上げて 尋ねられた言葉に、きょとりと目を丸くした。]
(188) 2015/10/09(Fri) 01時頃
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[まだ出たことのない、がっこうの外。 もうすぐ、旅立つことになる実感はまだないまま、 おねえちゃんから、先生達から、 たくさん聞いたお話を思い出して。]
えっとね、したいこといっぱいあるよ!
がっこうにない、いろんなものを見てみたいし 蜂蜜みたいにおいしいものもいっぱい食べてみたいし 本の挿絵についてたような景色も見てみたいし 他にも──……ってよくばりすぎかな?
[声を弾ませて頭に浮かんだことを次々言葉にすれば、 ユージン先生は笑うだろうか。 笑われたならちょっとだけむくれるけど、 またすぐ笑顔に戻って、まなびやの入口へと。]
(192) 2015/10/09(Fri) 02時頃
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[歩きながら、わたしもひとつきいてみよう。]
せんせいは角と尻尾があるけど、 元はどんな姿をしているの?
[ゆらゆら、ゆらゆら。 果実がいっぱい詰まった籠を抱えて 後ろでご機嫌に揺れる尻尾を見つめて首を傾げた。]*
(193) 2015/10/09(Fri) 02時頃
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/* 厨房行きたいし、山雀回収の回想いれたかったけど、力尽き……orz
(-66) 2015/10/09(Fri) 02時頃
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― 山雀と、ひとつの"おしまい" ―
[一年前。物見小屋で治してあげたあの後から、 わたしの部屋の窓辺に 山雀が一羽遊びにくるようになった。
元気な山雀は、手を伸ばすと逃げてしまうから、 窓辺で囀り遊ぶ姿をじっと見つめるだけ。 たまに食堂から持ち帰ったパンくずを置いておいたり。
────そうして。 あれは空に浮かぶのが夜月に変わった、ある日のこと。
窓辺に見つけた山雀は、動かなくなっていた。 手を伸ばしても、もう逃げない。 あの日のように両手で掬い上げれば、冷たく固い。]
(270) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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[窓の外。 空では他の鳥達が楽しげに囀り、飛び回っている。]
どうして───…
[手の中にあるのは、いつかくる"おしまい"。 どういうものなのか、知ってはいたけど。 蒼い目を丸く見開いたまま驚くことしかできなくて わたしはしばらく窓辺に突っ立ったまま。]
(271) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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[──持ってる命を使ってしまったら。 命を擦り減らしてしまったら。
あのときの、エフ先生のお話の意味を。 大きなしっぺ返しがなんなのかを。 わたしはこのとき、ようやく理解できたんだ。]
(272) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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[両手で包んだ山雀を持って行ったのは、畑の隅っこ。 穴を掘れるところが、ここしか浮かばなくて。
畑では働き者の泥人形がいて。 つるりとした顔で、わたしを見上げた。]
あのね、この子を埋めてあげたいの。 お手伝いしてもらえる?
[ヴェラ先生は近くにいるのかな。 わたしの声、どんな風に聞こえるのかな。
いまのわたしの変な顔、見えてないといいな。]*
(273) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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― いつかの畑の隅っこで ―
[一年前と変わったことのひとつ。 たまに畑の隅っこに遊びにくるようになったわたしは 呼ぶ声に振り返った。>>199]
ヴェラせんせい、こんにちは!
[なんだろう、お手伝いかな? 心配されてるなんて思ってもいなくて 仕舞いこまれた先生の言葉なんて想像もできなくて きょとりと蒼い目を丸くして先生を見つめた。
かさかさと音を立てた紙が一枚、>>200 いたずらな風に巻き上げられて飛んできたから 手を伸ばせば、キャッチ成功。 得意気な笑顔で先生のところへ駆けて行こう。]
(274) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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せんせい、はい! これ飛んできたよ、ここで絵を描いてたの?
[つかんだ紙を広げて見ると。 顔のようなものが描いてあった。 この角みたいなの、どこかで見たような気がする。]
これ、モスキュートせんせい? すごい、せんせいって絵が描けるんだ。 ねえ、ここで見てていい?
[紙を返しながらペンを握る先生に見たいとせがんで。 しばらく絵を描いてる横に座って手元をじっと見てると だんだんわたしも描きたくなってくる。
先生の横で、こっそり紙の隅っこに小鳥を描く。 わたしの一番覚えてる小鳥の姿は、 羽を広げて飛んでるものだった。]*
(275) 2015/10/09(Fri) 23時半頃
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― 畑から厨房へ ―
[隣を歩くユージン先生はとってもゆっくりだ。>>215 おいしい蜂蜜の話に、今日はどんな味がするのかなって たまに少しずつ味が違う蜂蜜の味を想像すれば。 待ちきれなくてちょっとだけ歩く速度が早くなる。
歩きながらお話するのは、外の世界のこと。>>217]
もっとよくばっていいの? じゃあね、街のお祭りも行ってみたい! あとね、あとね!
[指折り数えてもっとあげてくと、 笑った気配にむくれて顔を上げた。 だけど、見上げたユージン先生は とっても優しい顔で笑ってて、つられて私も一緒に笑う。 撫でる大きな手があったかくて、くすぐったい。]
(298) 2015/10/10(Sat) 00時半頃
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うん! ユージンせんせいだったら、いっぱいわがまま言うね。 面白くて楽しいこといっぱいにして、 それでおいしいもの、一緒にたくさん食べようね!
[さっき食べた葡萄の甘さを思い出せば 笑顔がもっと明るくなった。]
(299) 2015/10/10(Sat) 00時半頃
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[まなびやに戻って厨房に向かいながら。>>219 唸る先生に首を傾げる。わたし変なことをきいたのかな。 誰かからヴェスパタイン先生みたいに、 先生達には獣の姿もあるんだって聞いたことが あった気がするけど。]
鹿はこの間、読んだ本で見たよ。 あれに、たてがみがあるの? 尻尾と角はせんせいのを見ればわかるけど……うーん。
[頭の中に描くのは、鹿のような馬のような四つ足の動物。 ふさふさのたてがみをつけて、 さあ次は角をつけようとしたところで つい隣にあるユージン先生の顔をくっつけてしまう。
頭の中に出来上がった帽子を被ったへんてこな造形に、 今度はわたしが唸る番だ。]
(300) 2015/10/10(Sat) 00時半頃
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[厨房に入る手前で。 先生の声がちょっとだけ変わる。 見上げればなんだか笑顔が元気ない。>>220 元の姿って、今より大きくて、そんなにこわいのかな。 もう一度さっき浮かべた、へんてこな姿を想像して。]
見たら最初はびっくりするかもしれないけど…… こわくはない、かなぁ。
だって、わたしはユージン先生の優しいところも 面白いところも、楽しいところも、 いっぱいいっぱい知ってるもん!
[まなびやの中なのに、 ふわりと擦り抜ける風に小麦色の髪が揺れた。 ユージン先生の周りはいつも、優しい風が吹いていて わたしの知らないユージン先生だってこわくない。 そう思ったんだ。]*
(301) 2015/10/10(Sat) 00時半頃
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/* 厨房が多角でどうしようかときょろきょろしてる!
(-101) 2015/10/10(Sat) 00時半頃
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― 厨房 ―
[大きなユージン先生の後ろからひょこりと覗く。>>232 みんな食事の準備に大忙しだ。 おいしい匂いが漂い、いつも以上に賑やかな厨房を きょろきょろと蒼い目で見まわして。 大事に抱えてた籠を、ユージン先生に渡そう。>>233]
みんな、おはよー!
うん、とびきりおいしいのをとってきたよ。 いっぱいあるから、みんなで食べよ!
(327) 2015/10/10(Sat) 16時半頃
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[籠に入った果物と、ユージン先生を交互に見て はじめてとった果物の中で味見をしたのは葡萄だけ。 他のも、先生がどれがおいしいそうか教えてくれたけど 食べたみんながどんな顔するかちょっとどきどき。
果物を見て喜ぶヒナコのみつあみが、>>278 ユージン先生の尻尾みたいに揺れている。 クラリッサも喜んでくれるかな。 あれ、いつもお手伝いしてるアヤワスカはどこだろう?]
(328) 2015/10/10(Sat) 16時半頃
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悪い子じゃないもん!
[悪い子、といじわるを言うブローリン先生に>>276 ちょっとだけむくれるけど昔みたいに隠れたりしない。 叱られたのだってわたしが悪いことしたのだって 今ならよくわかるし、約束もまもってる。>>0:480 でも助けてくれてありがとうは、まだ言えてないままだ。
戸棚の奥から出される瓶に、蒼い目を輝かせた。 5つ並べられた瓶に詰まっているのは、どれも蜂蜜。 大好物の蜂蜜にもたくさんの種類があるのだと。 この一年の間に知ったこと。 それから書庫にいるモスキュート先生に 植物図鑑をたびたび借りるようになった。
一昨日借りて読み終わった本も、植物図鑑。>>105]
(330) 2015/10/10(Sat) 17時頃
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これがアカシアで、こっちがレンゲ。 スミレとツルバミあと………これなんだろう。
[料理を作るのは今もあまり上手くないけど、 戸棚の奥に仕舞われた瓶の数だけある蜂蜜の>>0:482 見分け方だけはできるようになったんだ。
でもこの瓶は見るの初めてかも。 ずっと仕舞われていたみかん花の蜂蜜の瓶をじっと見て、 味見したくなるけど、がまんがまん。]
(332) 2015/10/10(Sat) 17時頃
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[一緒に果物を取ったユージン先生の味方はするけど、 どぎまぎする顔に思わずくすくす笑ってしまう。>>295 ちょっとだけいじわるなエフ先生に目を瞬く。>>311 今日は、"ふつかよい"じゃないのかな。]
エフせんせいの分もいっぱいあるから、 いっぱい食べてね? 今日はスープだけじゃだめだからね!
[朝に具合が悪いとスープだけにしてしまうエフ先生とも 一緒にたくさん食べたいから。 もう一度、食べてね、とちょっとだけにらんで念押しを。
朝ベッドから落ちることが減った分だけ、 この一年でエフ先生に治してもらうことも減っていた。]
(336) 2015/10/10(Sat) 17時半頃
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[調理台に向かうユージン先生は、何を作るのだろうと 横から手元をのぞきこんでみたり。 意外や意外。魔法のような手つきで 次々と果物が剥かれていくのを見れば、>>297 うずうず、うずうず。]
わたしもやりたい!
[びしっと右手を大きく上げて、お手伝い役を。 火を使うような急ぐものはむずかしいけど、 これならゆっくりやってもいいし大丈夫だよね。 そんなわたしだから、手付きはゆっくりで 先生が4個剥く間にようやく1個剥き終えるくらい。
お手伝いしているうちに、 ミツボシとモスキュート先生。 ヴェラ先生に、パティシア先生と食堂にくるみんなに いつものように、おはようと元気にあいさつをして。
できあがった料理を運べば、さあ朝食だ。]*
(337) 2015/10/10(Sat) 17時半頃
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/* ユージンせんせいもヴェラせんせいも優しすぎる…! エフせんせいに山雀の辺りどう投げようかなってのと、 パティシアせんせいのとこあまり伸ばせてないのがぐぬぬ。 ……パティシアせんせいだいじょうぶかなぁ?
>>342 そういわれると、 一度こわがってみたくなるひねくれ心がうずく…
(-123) 2015/10/10(Sat) 19時半頃
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/* はっそうか日替わりしてしまう!!!
そしてどのせんせいとでも楽しそうすぎて 一箇所に大きな矢印が向けられないこの目移り感……! んでもってどの少女も可愛くてがっこうの中楽しすぎて これ離れたくなくなる気持ちもわかるわ……
(-125) 2015/10/10(Sat) 19時半頃
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― はじめて、眠れなかった夜のお話 ―
[畑の隅っこに、山雀を埋めた日の夜。 わたしは夕食に出た蜂蜜漬けの果実を残してしまった。 その理由を隣に座ってて 残りを食べてくれたコリンは、知ってる。>>358
そして夜もいつも寝つきがいいのに、すぐに眠れなくて。 ベッドの上で布団をかぶって、もぞもぞ、もぞもぞ。 たまらず、ぴょこんと飛び起きた。]
そうだ。 お水、飲んでこよう。
[喉は渇いてないけど、 冷たい水を飲んでスッキリすれば眠くなるかなって。 いくつかまだ灯りがついてる部屋があったりして のぞきたくなる気持ちをぐっとおさえながら。 夜月の照らす静かな廊下を、ぺたぺた歩いていく。 お手洗いと浴場を過ぎて外に出れば、井戸はすぐそこ。]
(369) 2015/10/10(Sat) 21時頃
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ひゃっ! つめたい。
[井戸から汲んだ水を桶に移しながら、 跳ねた飛沫の冷たさに小さく声を上げて。 井戸の傍らにしゃがみこめば 両手で桶の水を掬い、冷たい水で喉を潤していく。]
……あの子も、つめたかったね。
[今椀の形を作った手の中にあるのは、冷たい水。 じっとしていれば指の間から零れ落ちて、 だんだん減っていくそれを、なくなるまで見つめてから。 もう一度、掬い上げる。
────ぽちゃん。
何度掬っても、どうしても零れ落ちてしまう水。 気づけば、手が冷たくなるまで何度も何度も、 わたしは水を掬っていた。]
(370) 2015/10/10(Sat) 21時頃
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[手の中の水に映る、わたしの変な顔。 治してとお願いした時の、エフ先生みたいだ。>>0:124
なるべく使わないようにしたいちから。 なんでかなって、思ってたけど。
こんな気持ちだったから、なのかな。]
(371) 2015/10/10(Sat) 21時頃
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[何度も何度も。 繰り返し、水を掌に掬って。]
……ふ、わ、くしゅん。
[冷えた夜風にくしゃみが出て、手を止めた。 響いてしまったそれにびっくりして 聞かれてないかと慌ててきょろきょろ見回したんだ。]*
(372) 2015/10/10(Sat) 21時頃
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― いつかの畑で、先生と ―
[頷いたヴェラ先生の横にちょこんと座る。>>344 座っても大きなヴェラ先生隣は いつも時間の流れがゆっくりで、ほっとする。
泥人形に手伝ってもらって畑に山雀を埋めた日。>>343 小さな山を作り終わった頃、 いつからいたのか隣にヴェラ先生が立っていた。 ひんやりとした大きな硬い掌が、頭を撫でる。 歪んでしまう顔が見られたくなくて、 わたしは俯いたまま。
それでも先生は黙ったまま、頭を撫でてくれた。 あのときは、何も言葉はなかったけど。 それがとっても安心したのを、覚えてる。]
(405) 2015/10/10(Sat) 22時半頃
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できた! あのね、この子ねとっても綺麗な声で鳴くんだよ。 ミツボシの歌声みたい。
[借りたペンで描いた小鳥を、先生に見せて。>>345 わたしの記憶の中の山雀の姿を、弾んだ声でお話する。 それが終われば、ヴェラ先生の話す番。>>346]
こうして描けば、ずっと覚えてられる……?
[描きながら、前より山雀の姿が思い出せなくなってる そのことに、気づいてたから。 覚えてられないわたしは、 やっぱおちこぼれなんだって落ち込んでたから。 こうすれば、ちょっとでも長く覚えてられるのかな。 紙の空で羽を広げて飛んでいる小鳥を指で撫でて
記憶の欠片をつなぎとめる、蒼い目を細めた。]
(406) 2015/10/10(Sat) 22時半頃
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[そうして付け足された先生の言葉は、 ちょっとだけ落ち込んでるみたいに聞こえて。 ぷ、と思わず小さく吹き出しちゃった。
先生の絵に角がなければ、 わたしもモスキュート先生だってわからなかったから。]
せんせいも、練習するんだね。 じゃ、わたしも一緒に練習する!
[そしてその日は畑の隅っこで、 覚えてる限りの小鳥を新しい紙にいっぱい描いたんだ。]*
(407) 2015/10/10(Sat) 22時半頃
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/* こわいは言えても、死神は言えない…! なんか別の言葉ないかなあ。
(-141) 2015/10/10(Sat) 22時半頃
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/* 時間軸進める案に乗ったけど、朝ごはんからぬけだせない病。
(-145) 2015/10/10(Sat) 23時半頃
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