239 ―星間の手紙―
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― 地下28階 居住区画の1室 ―
[ここにはとかく空き部屋というものが少なかった。 恐らく、保守に手が回らなくなった場所を順次閉鎖し、人々がそれとともに移り住み、この辺りに集中していったからだろう。
そして、自分はそのうちの一人の部屋を間借りしていた。 不思議なことに、誰も居なくても、部屋の持ち主のおおよその性別や年齢、生活は想像がつくものだ。
この部屋にはきっと、昔、自分と同じくらいの男性が住んでいたに違いない。 色んな部屋と色んな階層を、駆け周って探し回って、やはり誰も居ないことを知ったあと、自分が身を落ち着ける場所として、最初に思い出したのがこの部屋のことだった。
汲んできた水を電気で沸かすと、フリーズドライで保存されていた茶葉で紅茶を入れる。 恐らく元の住人が一番にこだわって使っていたであろう一人がけのソファに身体を沈み込ませると、紅茶のポットとカップを近くのテーブルに置いて、目を閉じた。*]
(2) 2018/04/25(Wed) 01時頃
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[翌日、1階層に上がって通信を確認する。 これはもう、日課の一つになっていた。
そして、届いたメッセージを聞いて、ふと動きが止まる。 昔の知り合い…友人からのメッセージが届いていた。
自分から知り合いに向けてメッセージを送ることはなかった。 今、友人に何を発信しろというのか、わからなかったからだ。]
声、か。
[しかし、懐かしい彼女からのメッセージを受けて、やはり気持ちはどこか躍った。**]
(3) 2018/04/25(Wed) 01時頃
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ハロー、キャンディ 久しぶりだね この通り、僕は元気にやっているよ 僕も、君の声が聞けて思った以上に嬉しい
君は最近どうしているのかな 画像を送ってもらうことが出来ないのが残念だ そうしたら、きっと昔よりもっときらきらと彩られた君が見れたのに
どうだろう、うまく喋れていたかな こんなにたくさん喋ったのは久しぶりの気がする また、良ければたまにでも、近況を教えて貰えれば、とてもうれしい
キャンディへ フェルゼ
(-10) 2018/04/25(Wed) 01時頃
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こんにちは、メッセージが届いたようでうれしいよ 嵐は今日は少しは収まっているようだ 緩やかか、激しいかのどちらかで、嵐なことには変わらないけどね
僕は、昔、地球という星の近くのコロニーにいたんだ その時に、海を見たことがある 地球の…昔、僕の父さんの、ひいお爺さんが住んでいた星の、真っ青な部分が海だと聞いたんだ
教えてくれた人は、光の屈折で青く見えるだけで、今は実際はあんな色ではない、と教えてくれたけど、本当に青くて美しかった
きみは海に囲まれて暮らしているんだね 目の前で見る海の色はどんな色なんだろう 一度でいいから、見ることが出来たらいいのに
誰かへ フェルゼ
(-11) 2018/04/25(Wed) 01時頃
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見事に誤爆したあああー フェルゼさんのうっかりもの!!! これ送り直し不可なんだよね?? あーくりすますさああん
(-12) 2018/04/25(Wed) 01時頃
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[誰かへ向けた返信は、また別の誰かの元へ送られていることにも気づかない。
ふと、思い立ち、メッセージを送ってみた。 声で。]
(35) 2018/04/25(Wed) 23時頃
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クリスマス[[who]]
(-41) 2018/04/25(Wed) 23時頃
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あー、あー 聞こえているだろうか 宇宙の誰か
最近、あまり喋っていないことに気が付いた 言葉を忘れないように、少しずつ、喋ってみたいとおもう
宇宙の誰かは、元気ですか 僕は貴方と会うことはできないだろうけど、とても元気です 貴方の居る所は、どんなところですか 僕の居る所は、とても広くて、深くて、静かです
(-43) 2018/04/25(Wed) 23時頃
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[ふっと笑うと、通信を切った。 毎日の日課にするのもいいかもしれない。
さて、今日は何をしようか。 地下13階の野菜プラントに行こうか。 それとも、地下21階の生産特区でもう一度昔の新聞でも読み直してみようか。 それとも、地下49階の、シアター室にでも行ってみようか。 ここには何でも揃っている。**]
(38) 2018/04/25(Wed) 23時頃
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