人狼議事


237  それは午前2時の噺。 

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視点:


【独】 MNU機関 ジャニス


[女心と秋の空、些細なことで揺れ動くことからそう形容されるらしい。澄み切った深い青を、一瞬で塗り潰す灰、音を立てて降り落ちる雨粒が肌に沁みる。雲がかったかと思えば、直ぐに機嫌を直して晴れやかな青を取り戻す。
そんな情景を遠目で見て、ただただ綺麗だと、そう思っていた学生時代が私にはあった。]
 

(-5) 2018/03/25(Sun) 20時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス


[本は平常を損なわせない代わりに、ホットラインを根こそぎ奪っていくと知ったのは読み耽って俯きがちになっていた顔をそうと上げた、────遠巻きの喧騒を、目に入れた瞬間だった。とても綺麗な、光景。

同じ服の列、此処はテストに出ますよ、ぼそぼそとつぶやく壇上の年配の先生を見上げるように同じ角度で揃う顔。顔。顔。整然さを保った集団が、たった一つのチャイムの音で分散していく。くるりくるりと変わっていく同級生たちの顔つきと声の抑揚。喉元に突き付けられたナイフにも屈すること無しに、個性が声を挙げているようで、綺麗。羨望はあったのかもしれない。でも、ただそれだけのことで。窓際の後ろの席で何と無しにそう思い、また本の世界に導かれていく。

人間関係、会話という営みにあまり興味が無かったのだと、思う。当時の私には本という情報量の波が余りにも甘美なもので、食事する一瞬でさえも惜しく、必要以上の言葉を口から吐くのを、躊躇った。
だからだろう。学校という檻から抜け出した私の頭には多くの言葉はあったけど、それを引き出すための手段を知らずに、いた。]
 

(-6) 2018/03/25(Sun) 20時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



テネシー・ウィリアムズ、か。渋いものを読んでんね。


[行き着けの図書館の一室で、彼と、出会うまでは。]
 

(-7) 2018/03/25(Sun) 20時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



 

さ、なにをたべよっか。


[薄紫の花模様が描かれた前掛けの紐を結びながら、背後へと問い掛ける。返事代わりに向けられるあどけない笑みは、たったそれだけで胸の芯をじわりと温めていく。
たった二人にはこの部屋は広すぎるという程でも無い。この子にとって危険とされるもの全てを排除した箱庭の中で、一人悠々と腰を下ろしていた。角張ったものに触って怪我をしたら、口の中に入れてしまったら、────黴臭い紙束なんか、以ての外だ。
届かない世界へと伸ばされる手、その手が何時か自分の幸福を掴めるようになる日を願いながら、ポタージュ状のペーストを次いでいくのがルーティンの一つ。]


おまたせ、……ふふ、こっちへおいでー。


[あー、充満していく匂いに導かれたのか、上機嫌に喃語を発しながら元へと訪れる。リビングに入る直前で抱き抱えて、安全を確保。
机の上には素材の味を押し殺さないように作った、カボチャのポタージュ。私の前には冷蔵庫の中に入れて置いた炒め物を取り出していて、……ラップの上の張り紙を、くしゃりと握り潰した。
感慨は無い。慣れてしまったもの、────そう言い聞かせるのも、ルーティンの一つ。]

(-8) 2018/03/25(Sun) 20時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



……今日はなにをしよっか。さんぽでも、する?


[満足気に口角を上げながら、ごっくん、嚥下する。うー、その声は、賛成なんだろうか。
賛成だといいなあ、なんて自然と緩む口許を覚えながら、もう一杯、匙をその子の下唇へと持っていく。*]
 

(-9) 2018/03/25(Sun) 20時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



ゆーうやけこやけで ひがくれてぇー


[流れ込んでくる夕陽の眩しさにちかり、目を瞬かせながら、温かな地を踏み締めていく。うろ覚えの歌詞を口遊む音色は時折飛び飛びになりながらも、それを追及する声は無い。
腕の中の揺籃で聞こえてくる、安らかな寝息。何時の間にか寝てしまったのかもしれない、……そろそろ戻らないと。戻らないと、いけないのに。身体は意に反して、住まいから遠く離れようと歩を向ける。]


やーまのおてらの かねがなるー


[辿り着いた先は、無人の公園。何時もなら、子供たちが砂遊びやらブランコやらと泥んこになりながら遊び回っている活気のなる場所、然しながら揺れるブランコ一つ無く、積み上げた砂場の山の痕跡がその残骸らに残っているだけで。二人だけの貸し切りだ、と笑みを浮かべて、静まり返ったその入り口を通り過ぎた。
嗚呼、夕焼けが綺麗。このまま、赤みがかった日明で私達を照らしてくれればいいのに。無情にも落下していく夕暮れに直面しながら、そうっとブランコへと腰を下ろす。]
 

(-11) 2018/03/25(Sun) 21時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



しってる?ここって、幽霊がいるんだって。
ブラン子さん≠チていうんだけど。


[あやすように、抱き留めながらブランコを漕いでいく。息を潜めながら密事を仄めかすように柔い揺れを齎しながら、さるオカルト雑誌の一節を想起した。
夕飯前に現れる子。友達が欲しい子。大事なものを、持っていく子。抽象的な羅列は、雑誌という情報源からか信憑性が薄いもので、当時の私達は互いに顔を見合わせてくすりと笑み、一蹴した覚えがある。
ぎぃ、ぎぃ。古錆の目立つ鎖が、軋みをあげながら私達を乗せていく。ぎぃ、ぎぃ。徐々に足元の影が、薄らいでいく。暗いのは、嫌いだ。暗い世界が、私に心休まる時を与えてくれることは無かった。]
 

(-12) 2018/03/25(Sun) 21時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



…… しあわせ、ね。
だれも連れ去られないで、私達も、みんな、ぶじで。
きっと、かれも、ぶじで。


[しあわせ。とても、しあわ、……呟き続ける音には祈りに近い色を乗せて、途端。
途端、あぁ、腕の中から甲高い泣き声が辺り一帯に響き渡っていく。滴り落ちる雫は薄桃のカーディガンを濡らし、がばっと腰を上げる。我に返った自身の晒す肌は、日を忘れた風を受けて鳥肌を作る。
ごめんね、とそうっと子を置いて、一枚脱いだカーディガンで包み込む。ごめんね、ごめんね。繰り返される謝罪に促されるように、叫ぶようなその声は大きく、拡がっていく。ぱちり、電灯越しに人の気配を感じ取り、────たった一人のいとし子を抱き抱えて、逃げるように立ち去った。

しあわせ。ごめんね。そう、しあわせだから、だから、……泣かないで。]
 

(-13) 2018/03/25(Sun) 22時頃

【独】 MNU機関 ジャニス




[帰路に着いたのは、月明りの下でのこと。部屋へと入った直後にそうっと頬へと触れる。その肌には既に水気は消え去っていて、残っていたのは僅かな熱。呼吸音だけだった。*]
 

(-14) 2018/03/25(Sun) 22時頃

MNU機関 ジャニスは、メモを貼った。

2018/03/25(Sun) 22時頃


【人】 MNU機関 ジャニス


[ほうら、だから言ったのに。働き過ぎですって。……早く帰った方がいいですって。

閑散とした社内の一室。溜息一つ零しながら、隣の部下が差し出してくるのはスマホの液晶。彼女が出来たのかあ、と呟く冗句は無視され覗いてみれば、吊り上がった口角が凍り付く。
其処に示されていたのは、ニュース記事。停電、復旧未定、場所は、────妻が、子どもがいる、斗都良の町一帯。]


……、まじかい。


[積み上がった書類の塔等の中で均整に整えた金髪を掻きむしる。事務仕事をも営業をも二足の草鞋を履かなければならない環境において、例え如何に忙しさに身を委ねていても襟足にも掛からない短髪だけは維持していた。
背凭れに深々と掛かって、取り出したスマホを弄っていく。一人だけ浮いた、初期設定のアカウント画像をタッチして、大丈夫か、一言連絡を入れる。既読は、付かない。一つ上のメッセージ、「ごめん、今日も遅くなる。食事は要らない。」日付は、数か月前を示していた。]
 

(11) 2018/03/26(Mon) 00時頃

【人】 MNU機関 ジャニス



お前さんは足、あんの?
確か、俺よりも遠かったんじゃない。


[そうっすよ、と項垂れる頭が首肯する。やっぱ、車って大事っすね。免許取れば良かったなあ。ぐちぐちと自省を繰り返す口、口より先に動かすものがあるんじゃない、と何時もの営業での口癖は出て来ない。
硝子窓の向こうは、黒で塗り潰された背景に煌々と輝く人工灯、ネオン、ビル明かりの数々。停電のての字すら浮かばせない、その光景が先程のニュースの現実味を損なわせていく。スマホを一瞥、既読は、付かない。一瞥、付かない。更に深く、腰を委ねてしまう。
てか、俺よりも奥さんたちの心配した方がいいっすよお、気遣いの一言に苦笑を浮かべて、……どうすっかねぇ、と小さく、か細く漏らす。もう一度、今度は電話を掛ける。耳元へと押し当ててみれば、断続的な機械音が響くだけだった。]


「……大丈夫、ですか?」

 

(12) 2018/03/26(Mon) 00時頃

【人】 MNU機関 ジャニス


[視線を上げれば、お盆からグラスが一つ、自身の乱雑に置かれた書類を退いて、そっと置かれる。淡い茶がかった豊かな色味、アイスティーがもう一つ、部下の目の前にも差し出されて。
目を見開く部下の姿を尻目にありがとう、と声を掛ければ、表情の起伏の少ない彼女が僅かに笑みを作っていた。栗毛色のボブカット、目尻が少し下がった大人しい子。確か、隣の部署だったか。]


お前さんも残業だったの、お疲れさん。
……いや、うら若い子がこんなに残っちゃ駄目でしょ、って。


[足はあんの、部下と同様に訊けば、ほんの少し流れる異質な沈黙。疑問符がチラつく手前、ふるりと首を振る度に撒かれた毛先が躍っていく。
途端、あ、タクシーあるじゃないっすか!がばっと腰を上げて叫ぶ声は、階を越して響き渡るように反響していった。そう叫ばずとも聞こえてんよ、と半笑いで宥めては。電話しますよ、部下が触れていくスマホへと視線を投げて漣立つ彼女の唇を見ずに、背を向ける。]
  

(13) 2018/03/26(Mon) 00時頃

【人】 MNU機関 ジャニス



然しだな……、これ終わらせないと、明日がなあ。


[何故、1日が24時間しか無いのだろう。積み上がった書類は、明日のプレゼンの為の資料やら営業先の企画書やら。日々のノルマを達成しても更に乗せられる重圧と仕事の束は、わんこそばのよう。きっと、食べても食べても終わりはしない。その先に果てが無いことは目に見えていた。だが、食べなければ、……男は、社会の歯車は、その噛み合いがほんの少しでも崩れることを、その崩れた先に訪れる未来を恐れていた。
妻子か、仕事か。天秤に吊るしたものの重みは緩やかに傾きを見せる。────停電だけならば大丈夫だろうと浅はかな、祈りのような言葉を連ねて。心の淵で、重ね合わせて。
ほう、と誰かの安堵の息が聞こえたような、気がする。きっと気のせいだろう、そう結論付けては、用意されたアイスティーに引き出しから取り出したスティックシュガーの端を破き、注いでいく。]
 

(14) 2018/03/26(Mon) 00時頃

【人】 MNU機関 ジャニス



「あの、ガムシロップ、ここにありましたけど……。」


[おずおずと顔色を窺うように小首を傾げる彼女へとこれでいいんだ、そう笑みを作り、からん。からん。グラスの中の氷を揺らし、掻き立てれば、小気味の良い高音を奏でていく。奏でていくだけだ。
底に沈殿したままの甘さを尻目に、グラスを一気に呷った。嗚呼、……甘ったるい。*]
 

(15) 2018/03/26(Mon) 00時頃

【独】 MNU機関 ジャニス



[幸せね。私達、とても幸せ。
誰も欠けることなく、ただ、私たちはここにいる。
あなたがいて、私がいて、彼が……────彼がここにいて。

かれが、ここに、いて。]

 

(-20) 2018/03/26(Mon) 22時頃

【独】 MNU機関 ジャニス


[夜は嫌いだ。暗い世界が、私に心休まる時を与えてくれることは無かった。これまでも、そして今も、私に快眠という逃げ場すらくれやしない。闇を呑み干した硝子窓を傍らに辺りを照らす、吊り照明の不気味な明るさは不在の気配を色濃くしていく。だれが。いえ、いるじゃない。ほらそこに。真っ暗なベランダで一人たばこをすってるの、おかしなひとよね。

やや赤みの残る腫れぼったい目蓋にそっと口付けを落とした。小さな胸が上下に動き、その健やかな寝顔を見ながら夢現の狭間で揺蕩うのが一日の終わりのはずだった。
幾度となく瞼を閉ざしても、意識の底へと漕ぎ渡る船が見当たらない。代わりに浮かび上がるのは、底なしの不安。表面に棘を孕んで、私の心へとずぶりと食い込んでいく錯覚。鮮やかな夕暮れの中で映し出されるのは、ブランコと、私と、あの子と、影。小さな、女の子の影が一つ。────、

ブラン子さんは、大事なものを、持っていく。‐
 

(-21) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス




[ぷつん、それは唐突に。私達の世界に住む一切の明度が、消え失せた。]

 

(-22) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス




(しあわせね。わたしたち、とてもしあわせ。
だれもかけることなく、ただわたしたちは、ここにいる。)


[空から零れ落ちてきたかのように私を包み込む青葉闇の中、必死に手繰り寄せる様に、指先を地に這わしていく。底冷えする床板の温度、柔らかな布団の感触、]

 
(わたしがいて、あなたが)


[伸ばし続ける手先は肝心なものの、その温かさに辿り着かない。背筋から冷たいものが這い上がるのを、覚えた。なんで。]

 
 

(-23) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



        、、、、、、
(わたしがいて、あなたがいて、)


[嫌だ。なんで。不規則に跳ねあがる鼓動が胸から脈へと沁み込んで、全身へと通い渡り、その表面にある肌を叩き砕いていく。嫌だ。どくん、なんで。嫌だ。]

 、、、 、、、 、、
(かれが、ここに、いて。)


[なんで、あの子が、いないの。あの子も彼と同じように。同じように、 私を。]

(-24) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス



 、、、、、、、、、、、、、、
(かれも、あなたも、ここにいて)

 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
(かれも、あなたも、ここにいなければいけないの)


[──────── わたしを、おきざりに、していくの。]

 

(-25) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

【独】 MNU機関 ジャニス







い、ぁぁああああああああああああああッ!!!!!






[何かが、崩れ落ちていく音が、聞こえる。
わたしはなすすべもなしに、そのおとにただ、みをまかせていた。**]

 

(-26) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

MNU機関 ジャニスは、メモを貼った。

2018/03/26(Mon) 22時半頃


【人】 MNU機関 ジャニス


[はた、と書類に埋めていた顔を上げる。周囲を見回しても、目に映るのは先程の景色と同じもので、……気のせいか、と再度ペンを持ち、立ち向かおうとする。が、ペン先が僅かに震えを帯びて、焦点を合わせてくれない。]


「……どうかしましたか。」


ああ、いや。何でもないよ。


[震えからだろうか、手近にあった毛布を持ち歩いてくる彼女を手で制し、ほうと息を衝いた。過不足のない温度の中で纏わりついた汗が、何処か気持ち悪い。*]
 

(34) 2018/03/26(Mon) 22時半頃

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