165 ― 明後日からの手紙 ―
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[このままでは駄目だ。 少なくとも3年はひとりで仕事場にいないといけないのに、今すぐ飛び出してしまいたくなる。 職務を放棄すれば――流罪になる。 家族にも二度と会えない恐ろしい刑だ。]
メールしようなんて、おもうんじゃなかった……。 うれしいのに、さびしい。
[通信機能をオフにする。 故郷への報告で数秒繋げる以外にはもう繋がないようにしよう。 これ以上欲張りになってしまう前に。**]
(102) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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[USBを持っている、とは言えなかった。 繋いでいないのに、まるで稼働しているように熱く思えるのは、それを握るティソの手に熱が集まっているからかもしれない。**]
(103) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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ハロー、クレパスキュールさん。ナユタです 俺の声に応えてくれてありがとう
メッセージは無事、受け取りました 添付された画像も、破損なく開けましたよ クレパスキュールさんは、随分と 自然に溢れた所にいるんですね。でも地球じゃない?
宇宙のどこかに、そんな場所があるってこと 知られて嬉しいし、羨ましいな 御存じの通り、月は居られる場所でも住める場所じゃないから
其処に、生き物はいないんですか? あなたはひとり?それとも家族や恋人、友達もいる? 気が向いたらで構わないので、良かったら また何か訊かせて、画像を送って貰えると嬉しい
お察しの通り、緑や自然に飢えているので それでは、これを読んだあなたに 素敵な一日が訪れることと、返事があることを願って
(-105) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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[USBを貰ってしまう代わり、という訳ではないけれど。 通信機能をオフにする前に、一通のファイルを送信する。 データに変換したのは、星のかけらを繋げてつくったチェーン型の栞。 解凍する技術がナユタにあれば良いのだけれど。**]
(-106) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2015/07/17(Fri) 01時頃
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[記載されていた宛先へ届いた電子メール。 ただし本文は『月面ステーション・コペルニクス』の一文のみ。 『nayuta』と記された音声ファイルが添付されている
再生すれば、以前よりやや砕けた ――かつ、明るい声が流れるだろう。]
(-107) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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