251 洋墨と躍れ、心の随に
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──────不思議ですね。 ぼくを獲物にしようとするのに、 どうしてあなたは目を逸らそうとするんですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[<事実として>避けられなかった視線に、 漠然と感じ取った───輪郭みえた感想を洩らした。]
(-57) 2018/10/17(Wed) 01時頃
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―― 私はこの章までに数ある習俗、 その例を挙げてきた。
そうした中に、呪術として行われたもの、及び、第三者の目をして見たならば、呪術と分類されるもの、が極めて多くあった事、 蛮人の習俗において、それらがけして分かたれざる近しきところにあるものだという事は、 此処までを読みきた諸氏には、 語る必要もない承知であろう。
そしてこの章にて、私が改めて呪術との冠に重きを置き、既に挙げた実例も多く並べたわけは、 呪術と呼ばれるものは、 広くは二つに分類出来、 その点を念頭に見る事から、 実例、それぞれの意図するところ、あるいは成り立ち、そうしたものへの推定が、 非常にし易くなるという視点からである。
(66) 2018/10/17(Wed) 01時頃
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...ただ一息に、食らってしまえばいいのに。
[ほんの僅かに>>32 味見の舌舐めずりをされた感覚を撫でたのは一瞬で 鬱屈そうな息塊を数度目に吐き出して、であった。
>>33銃弾を叩き込む最中も前のめりに 掴んだ黒髪を書中でも誇張された腕力で >>34決して手離そうとしなかったものだったから 影に沈んでゆく身体から伸びる腕に応えるよう ”望まれたように”自然と共倒れる格好になった。]
(67) 2018/10/17(Wed) 01時頃
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..........、は、............
[しがみつかれた影を解き放とうとすることもなく、 むしろ締め上げるものと背に回された腕の分、 笑息さえを洩らして、その耳に口を寄せた。]
(68) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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(沸き立つのは怒りでも、嫌悪でもなく、 ”あの時にも似た”>>2:327 そう、ときどきぼくに押し寄せるあの、 『途方もなく恥辱的な、際限なく屈辱的で、 卑劣で、とくに滑稽な状態』─────だった。)
(69) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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書霊の残りがあと二人なの考えると 落ちる動きはしないべきだろうに こいつは自分から転がりこもうとする────
(-58) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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(溢れなかった嗚咽を誉め立てるように、 その髪を撫でると言うには少々乱暴に引き掴む。 歯を立てられようと、噛み切られなければ どうも...、ぼくの顔面を殴ってくれたシャートフの 拳ほども痛さを感じなかった。)
関係ない、と言われてしまったけれど ...こうしてぼくはいままさに、 あなたに食べられようとしているのに? ほんとうに関係ないんですか?
(-59) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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[本当にそう思っているように、 ...”あるいはまったくそんなことを信じていない調子で” ふと、薄笑をやめたアデュラリアは 間近にある黒水晶を流し見ながら、先の断片を拾い────]
(-60) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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もし、あなたがそう思っていたところで ぼくはあなたを看護婦...いや、<看護師>として 求めることだって、できるんですよ。
このままあなた自身とともに ぼくを捕らえ続けようと苛むなら、 ぼくはべつに、ともに棺で眠っても構わない。
...分かりますか?
[コーヒーがけの砂糖にも劣らないほど、 甘ったるく囁くように、耳に寄せた唇は─────]
(-61) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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呪術とは概して共感呪術と呼び得る。 そしてそれは二つに分けられる。
一つには、 類感呪術。 望まれている出来事は、それを真似る事によって齎されるとする。 例えば雨乞いに枝を濡らし、辺りに水を撒くように。例えば、 敵に似せた像を壊すように。 類似は類似を生む。結果は原因に似る。
一つには、 感染呪術。 かつて同一だったものは、離れる事があったとして、共感の関係が続く。一方に起こった事は、他方にも同じく影響を齎すとする。 例えば、害虫の羽根を拾い燃やすように。例えば、 敵の髪を藁に詰めて焼き上げるように。 身は身から落ちても身であらん。
(70) 2018/10/17(Wed) 01時半頃
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(飛び散った洋墨の影海に浸りながら、 >>35責め立てるような爪の刺し跡は、 まるで子猫のようにさえ思えたから 寄せた唇ごと『口を開いて』─────)
[ところで、作中のこの人物の奇行を 読者である者はご存知だろうか。 パーティーでとある人物の鼻を 引き回したりしたこともあったし、 あるいは──────]
(71) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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[彼を戒めるよう、 説経たらしく訓戒を述べようとした県知事に、 耳寄せるふりをして『噛み千切ってやろうとしたように』 牙見せて食らいつこうとした、 その瞬間だった。]
...、───── っ...、
[いまだ儘ならない四肢に穿たれる棘のほうが、 食らいつくには早かったから きっとそれが生せたにしても 深疵にはならなかった”はず”だが、]
(72) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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[淀みなく、「読み上げる」ように語る、その声に、一たび、呼吸するような秒数の間が挟まれて]
……生贄ある儀式が模倣となる以前。 真に生贄が捧げられたところにて。 あるいは期終わりたる王を、 あるいは罪人を、あるいは異邦人を、
あるいは「死」として、 あるいは「病」として、 あらゆる「災い」として、
殺したのは、 類感呪術にあたる。
(73) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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[────もし、 彼の洋墨を啜り上げようとするのなら、 それはやはり、病毒のようであった。
あの銃弾に抱くものと同じ不快を 本来、────覚えさせる『はず』だが しかし、またもや反転を齎せるのなら違った結果が 導き出されるのかもしれない。]
(74) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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演ぜられぬものなら、 それは、焚べられるまでだろう。
[呟きに。 それは燃える金枝を投げる、 にわかに炎増すそれを。
対する彼女に投げられたものがあったとして、 それは其処へすぐさま意識を向けはしないだろう]
(75) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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[しかし、それを睨むどころか、 いちど、顔面が浮そうとするとその表情は 笑うも、怒るもなく、いかにも─── 平然したふうに"見下ろしていた。"]
『そうしたら、あなたは、 たちまち四人をがっちり結束させられる、 ───────流された血で縛るんですよ。』
(これは、あのもう一人の”悪霊”にくれてやった、 『ぼく自身』の言葉だ。)
[>>36鳴り音に値するものかはわからない、 それでも予兆のように四肢から流れ零される 幽霊白は味われるよりも”早く”生物のように 背に回された腕や、絡む四肢、それを 縛り返そうとせんとするよう(やはり、どこか蛇のように) 白い鎖に変じて巻きつこうとしていた。]
(76) 2018/10/17(Wed) 02時頃
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─────” 忠告はしましたよ。 ”
ぼくは、(...もう、いまはね) 別に誰かを殺したいわけでもない。 贄にしたいわけでもない。あなたと違って。
それでもぼくの望みが叶えてもらえないのなら、 『 仕方ないのかもしれない。 』
(77) 2018/10/17(Wed) 02時半頃
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[それでも離してもらえないのなら、と、 縛り付けておこうとしてそんな口を紡ぎながら それはどこかもう一節、 紡ぐ前の息継ぎのようなものだった。]*
(78) 2018/10/17(Wed) 02時半頃
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ぼくのいろなんかを集めたところで、 どうしようと言うのかは知りませんが────
(『キリーロフのような お人好しでもありませんから』)
そんなものをあなたが欲し続けるかぎり、 ...ぼくも求めましょうか。*
(-62) 2018/10/17(Wed) 02時半頃
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何してんの?って言われそうだが 原作準拠に一度はやっておきたかった...
(-63) 2018/10/17(Wed) 02時半頃
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姉妹 ロイエは、メモを貼った。
2018/10/17(Wed) 03時半頃
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『デッドコード』という存在を量りかねた。
私が未だ、他の同類を知らない事もあるが ─── 先程まで相対した彼女は、違うと考えている ─── だから、歴史の闇に埋もれた存在を識るなら 眼前の彼を覗き見るほか、今の私にはなかった。
服装に変化はない。民草とよく馴染む洋服である。 しかし彼の眼鏡の奥、グレーだった筈の眼は 確かに“ 別存在 ”のいろを孕んでいた>>40。 どこか遠くで瞬くような、星の煌きめいた緑を。
白銀の煌めきを見遣り、もしや、と思った。
(79) 2018/10/17(Wed) 08時頃
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「 ……………… 君は“ 奪う ”という事が、 どういう事だと思っている? 」
私達の住んだベイカー街221bの下宿には、 多くの“ 奪われた ”者達が足を運んだものだ。 安息を、財産を、名誉を、あるいは、誰かを。
友人は彼らに纏わりつく“ 謎 ”を明かしたが 二度と戻らない物は、幾らでも存在していた。 それは被害者側のみならず、加害者側にも。
彼にそう云った者>>3:200の心中は知れないが 奪う事が冴えた手法だとは思えず、私は尋ねた。
(80) 2018/10/17(Wed) 08時頃
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「 “ やり方次第 ”と言ったろう。 方法というのは一つだけじゃない。 が、そのやり方は君自身を傷つける。 私には勧められない……経験上ね 」
少しずつ、何かを知り始めたのだろうか。 不自然なまでの無は、確かに感情を灯している。 それは本来、喜ばしい事であるはずだ>>41。
しかし過るのは、過去の加害者の末路ばかり。 誰かが奪う彼の姿を目の当たりにした時、 相手の眼に映るのは、本当に彼自身だろうか。 彼に抱く感情は果たして、どんなものだろう。
縁の見つけた居場所は、あまりに脆い城のようだ。
(81) 2018/10/17(Wed) 08時頃
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一歩、彼が足を踏み出す>>42。
私は避けない。けれど銃を消す事もしなかった。 今はあまり機敏に動けないのもあるが、 理由は決して、それだけには留まらない。
……復讐にこそ、生を求める類の者もいる。 しかし彼の下がる眉尻を見ればそうだとは思えず、 私も僅かに視線を伏せ、触れられるままに任せた。**
(82) 2018/10/17(Wed) 08時頃
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「 ああ、君は確かに忠告をくれた。 だが私にも、奪われたくない物はある。 それは、単に私の洋墨だけの話じゃない。
奪われない為に奪う事も、またある 」
触れられた手は、運んだ冬風にたがわない。 傷へ纏われた冷たさに、私はわずかに目を瞠り 帽子に隠れがちな視線を、眼鏡の下の灰緑へ向けた。**
(-64) 2018/10/17(Wed) 08時頃
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[自身にとって洋墨を孕む書霊は レイが教えてくれた、世界に留まる手段として 手に入れるべきものであるといふことであつた>>79 しかし、 悪意、嫌悪、不可思議、或いは感情の塊 つまりは”王子様”という存在に出会う前には それは手段として有用であるが 実際に用いるとどうなるのかを やつがれは理解していなかった
―― もしも。を紐解けば 歴史にはいくつも分岐点の枝葉はある
もしも、ジョンと最初に出会った時に 居場所を求めることを肯定されていなければ やつがれはきつと、誰かの居場所を奪ってでも この世界での居場所が欲しいのだと自覚することはなかった
もしも、次にであったのが”子供”でなければ 自分の中に他者への負の感情が芽生えることはなかった]
(83) 2018/10/17(Wed) 09時頃
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/* ほるむです 聴いてください
「今わんわんさんの人型イメージ画像に気づいた」
(エアいいね10000000000個)
(-65) 2018/10/17(Wed) 09時頃
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[『デッドコード』といえど その性質は多種多様である>>79
自分のやうに、世に触れる前に消えざるを得なかった 故に感情の多くを欠落しているものもあれば 世に触れているからこそ、歴史の闇に葬られたことに対し 思うことがある者も、いる
どちらが幸せか?――― さあ だが、何方にせよ。世界からはじき出された者というのは同じこと]
奪う。
[やつがれは、じつと彼を見る そして思考を巡らせ首をかしげるのである]
(84) 2018/10/17(Wed) 09時頃
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―― ”嫌いなもの”の洋墨を手に入れること 世界でのやつがれの居場所を、つくるために でも、そうするとアントワーヌは消えてしまった
世界から、消えること?
[だが。アントワーヌが指摘したやうに それを”悪い事”とは思わないのだ 世界からの軛を要らぬというていた”少年”なれば 自分が得て、彼が捨てられるのなら 其れで良いではないかと思つていた
――やつがれにだけは、いやだと いふていた言の葉がちらりと過るが、
”今は”ただ過るだけであつた]
(85) 2018/10/17(Wed) 09時頃
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それは、”嫌いなもの(シルク)”がいふような ”わるいこと”なの?
[首を、傾げる。でもやつがれはそのことしか知らない だが―――”やり方次第”と目の前の彼はたしかにいふた そして、自分自身を”傷つける”のだと]
”傷つける”。 すすめ、られない。
やつがれは、これしか、しらない。 ではこれいがいでどうすれば やつがれは、居場所が得られるの?
[ちり、と透明な緑の燐光が瞳を揺らす 安堵を不安に染める眼前の者のことのはに 降る雪が痛みすら齎すほど冷たさを増した]
(86) 2018/10/17(Wed) 09時頃
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