147 月夜ノ緋糸結ビ
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― 儀式当日/2階 洋室 ―
[ ガタン という音に続いて ゴンッ と音が続く。
額に響く鈍い痛みに顔をしかめながら、辺りを見渡す 目の前には机、その上に乗る課題のノートと参考書。 自分が借りている安アパートとは思えない質の良い家具と、古いながらも手入れの行き届いた室内。
顎を乗せた状態から崩れたと思わしき自分の体勢も加味し、導き出された結論は――]
――……あー… 意識トンでたわぁ……
[くぁり、と大きな欠伸を漏らせば、目尻に浮かぶ涙。 ノートに落ちた涎の名残を拭い、口元を何度か擦ってから大きく伸びをする。]
(83) 2015/01/17(Sat) 10時半頃
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[ 儀式の為に必要という事で、光熱費諸々の節約にと早々に部屋を借りたのがひと月ほど前の話。 仕事や学業で空ける事はあっても、私物を持ち込み一ヶ月間毎日眺めた室内は既に見慣れたものになっていた。
数日という短い期間ならば数えるのが億劫になる程度にはあったが、これ程の期間に自分以外の他人と生活を共にするのは高校まで厄介になっていた夕月の家以来なかった。 あの家に満ちた重苦しい空気とは違い、この屋敷はなかなかに住み心地が良い。
……関係者以外の『誰か』を連れ込めない事に、若干の不満はあるが。]
(84) 2015/01/17(Sat) 10時半頃
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[窓から差し込む光は温かな朱に、鮮やかな赤が脳裏をちらつく。 じわりと飢餓感を煽られるような感覚に窓から顔を背けて、鞄を漁り底の方から掌サイズのステンレスで出来たシガレットケースを取り出し、開く。
夕日を返す銀色の中には、数本の黒い『糸のようなもの』。 それを一本指で抓み上げると僅かに上を向いて、先端を口に含み歯を立てた。
――ぷち
耐え切れなくなった『それ』が小さな悲鳴を上げて切れ、短くなった欠片が唾液と共に喉奥へと流されていく。 ほんの少し満たされるような感覚に押されて、抓んだ『糸』を噛み、飲み込む作業を繰り返す。]
(85) 2015/01/17(Sat) 10時半頃
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(――細いから女…… あ、でもこの間の男も細かったかなァ。)
[ぼんやりと『それ』の出所を思い出そうとしながらも、男かも女かも結局絞り込めず。]
(……まぁ、どうでもいっか。)
[最後の一欠けらを嚥下した後には、すっかり興味を失ってケースを再び鞄の奥底へと仕舞う。]
(86) 2015/01/17(Sat) 10時半頃
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[ひと心地つき、思い出されたのは悪魔からの言葉。 日が翳ってきた今は、言われた刻限も近いだろうか。
料理の上手い悪魔の顔と、朝餉の献立を思い出す。 自炊も最低限なら出来るが、それでも自分にはあんな味は出せない。 冗談半分の「じっちゃん、嫁においでよぉ。」という台詞をこの屋敷に来てから何度言ったかは、思い出せなかった。
そんな事を考えながら部屋の扉に手を掛けて開く。 ぽつりぽつりと増え始めた気配。 確かな人数は分からないが、夕月の者に合わせるならば最低でも5人は居るのだろう。
生来のものが『仕事』で鍛えられ、悪い“もの”ならば凡その数も位置も分かるようにはなったが、正も邪もないものは 良く分からない。]
(87) 2015/01/17(Sat) 11時半頃
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― 2階 洋室→廊下 ―
[遊戯室の前を通って階段を下りると見覚えのある後ろ頭>>67。 自分のものよりも明るく、光を透かせるような髪に目を惹かれた後は少し歩調を早めて。]
恋奈ちゃん、ばんわァ。 今日の晩飯、じっちゃん何て言ってたっけぇ? 何かすんげぇ良い匂いすんだけどぉ。
[後ろから声を掛けて並ぶと、帰ってきたところなのかロングコートを持った玲華の姿>>78があった。]
れいちゃん先生――じゃねぇ、玲華姉、おかえりぃ。 お仕事お疲れ様ァ。
[緩く笑みを浮かべた顔は、昼の講義で寝ていたバツの悪さなんて一欠けらも浮かぶことなく。 まさか気付かれていた上に呆れられていた(>>73)なんて事は知る由もない。
恋奈に向けた視線が何処か気遣わしいものに見えると、目を瞬いた後二人の顔を交互に眺めた。**]
(88) 2015/01/17(Sat) 11時半頃
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やあ、こんばんは…この家の人?
[台所を出ようとしたところで ひとりの青年が入って来て、勝手知ったる様子で>>69 飲み物の用意をし始めるところと こちらを見て出た「お客さん」の言葉からそう判断する]
へえ…酒に詳しいんだ
[日本酒は、甘口よりは辛口の方がスッキリ飲める その程度の認識しかなかったたため 料理に合わせて考える彼に、関心しつつ]
(89) 2015/01/17(Sat) 12時頃
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なんか、人を喰うって聞いてたから どんなヤツかと思ってたけど 俺と大して変わらないんだな…ちょっと安心した
[そんなことを告げてから ポテトサラダのボウルを抱えて広間へ向かおうとして]
広間へ行くなら、一緒にどう? っていうか…俺、ここよく分からないから…教えて
[と、首をかしげた**]
(90) 2015/01/17(Sat) 12時半頃
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―→台所―
[いいかおり。内心で呟く。 どう表現したら良いのだろう。 自分の浅い経験では、良く分からなかった。
そして村瀬と台所へ向かおうと、広間から出る際。 すれ違う様に現れた新しい人物>>80を見つけて、 思わず背筋を伸ばす。
…見上げて思った。"男の人"だ。 色々な意味での新しい遭遇に、また、瞳を瞬かせる。]
(91) 2015/01/17(Sat) 13時頃
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[男の人は、ふたり。 自分と"同じ"人なのか、あるいは"別"の人なのか。 ぱっと見ただけでは、分からない。
ヘッドフォンを肩にかけている人。 それから――喪服を、着ている人。 喪服を見れば、一瞬だけ顔が強張った。
生前。覚悟していた"いつか"の為に、と。 両親が用意していたものを、ふと、思い出したから。]
こん、ばんは。
[表には出さまいと、二人に挨拶。 抱いている緊張が察されたかどうか、定かではないけれど。 ぺこり、頭を下げれば、台所への道を歩む*]
(92) 2015/01/17(Sat) 13時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2015/01/17(Sat) 13時半頃
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――――側にいたいだけなんだ。
(93) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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― 一条の光も差さぬ場所 ―
[………いつからだっただろうか。
ほんの短い間だったか。それとも、途方も無く長い間だったか。 自分の形すら見る事のできない闇の中で、"自分"が在る事だけは自覚していた。
『見ている』はずの景色は、ただただ何も映さず、黒であるままで 『在る』はずの身体は、その感覚を失い始めていた。
浮かんでいるのか。沈んでいるのか。 立っているのか。座っているのか。 自分がどんな形をしていたのか。そんな事も分からなくて。
そうして考えている自分が、本当に"自分"であるのか疑う程に、純黒が思考を塗りつぶし始めた頃、その声は聞こえた]
(94) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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――――――未練があるんだろう?
(95) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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[未練。
その言葉は、水面に落ちる一滴のように虚ろだった思考を波立たせる。 端も見えぬ闇の中でも緩やかに広がり、心を震わせた。
闇と自身の境界で、波が返り、幾重にも重なってゆく。 朧ですらなかった"自身"が、内に起こされた波紋によって徐々に形作られて――――]
(96) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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ああ、………あるさ。 だからこそ、こんなにも足掻いているのに……
[水底へと投じられた一石の如く。 投げかけられた言葉は、内で留まり、存在を示す。 先程まで、自分がどうして此処にいるのか危うげであったのに、今は『何故そうしていたのか』を、はっきりと思い浮かべる事が出来る。
同様に霧散していたその形は闇の中でも確りと姿を留めていた]
(97) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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[そうして伸ばした手で掴んだのは ―――――――――虚空より降ろされる1本の白く細い糸]
(98) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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― 夕月の館/テラス ―
[瞼の裏からでも眩しく感じたのは、 直前に見ていたのが深淵を覗きこむような闇だったからだろう。
キツく閉じた瞼を緩やかに開け、その目に映したのは黄昏の空。 だが、藍が朱に混じり始めているのを見れば、これから訪れる禍時を知る。 光に慣れた目で見回すと、見覚えのない風景。見知らぬ建物。 そして身体を刺すように凍みる冷たい外気が、自身の身に起きた変化を殊更強く感じさせた]
……寒い こんな感覚、久しく感じていなかった。
[冷気で震える身体を左手で擦りながら、視線を移すは糸を握ったはずの右手。 その手の中にはあの白い糸は無く、代わりに手に入れたのは熱籠もるこの器<からだ>
あの戯言のような夢物語が、今は真実であるかのようだった]
(99) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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さて、藁掴むに似た蜘蛛の糸…… 登り切れたのか、それともこれからなのか
……果たしてどちらだろうな。
[肌に触れる風が吹き荒び始めたのに気づき、身を翻す。 此処には無いぬくもりを求め、向かう先は室内へと通じるテラスの入り口。
戸に手をかけ開けば、通り抜けるのは室内の空気。 それはきっと、外気に比べればいくらか暖かかっただろう]
―――――→二階廊下へ**
(100) 2015/01/17(Sat) 15時頃
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/*すごい死者の皆さん色んなとこに現れて面白い
(-45) 2015/01/17(Sat) 15時半頃
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/*もう絡める時間ないや、また夜にー。。。
(-46) 2015/01/17(Sat) 15時半頃
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/* 遅い到着になり申し訳ありません、jigこと蠍ともうします。 これからよろしくお願いします。
(-47) 2015/01/17(Sat) 16時頃
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―2F廊下→1F・ホール―
[ぺたり。ぺたり。 足裏から伝わる冷たさが心地良い。 ゆらゆらとワンピースの裾を揺らし、足元へと気を配りながら階段を下っていると、己の名を呼ぶ声が聞こえた。>>78 顔を上げて声の主たどれば、コートを手にした玲華の姿に目を留める。]
あ……玲華、ちゃん。
[おそらく、どこかへ出かけていたのだろう。 彼女へ、おかえりなさい。と答えたものの。 顔色を指摘されて、恋奈は頬に手を当てる。 体調不良の自覚など、なかったのだから。
ただ、原因があるとすれば、思い当たるのは先程から空腹を訴えるお腹なのだけど。>>55]
(101) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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あ、えと……
[返答に躊躇っていると、今度は後ろから新たな声がした。>>88 今し方降りてきたばかりの階段から飛鳥が降りてくる。 彼から投げられた新たな話題に、少しホっとした様子で静かに息を吐き出した。隣に並んだ飛鳥を見上げる。 少しばかり背が高い彼へ、ほんの少し視線を上げて]
飛鳥くん、お部屋に居たんだ…? 今晩は人がたくさん来るから、お鍋だって、言ってたよ。
[そうして、再び玲華へと視線を戻して]
(102) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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/* 食事摂るか悩むなあ。 人の三大欲求とはいえ、仮初で、食べる必要もないわけだし。 ただ、仮初とは言え生を受けている実感を深めるためには必要な行為とも言える……ぐぬぬ。
(-48) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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お腹――、空いたね。
[今度は、てらいもなくその言葉を口にする。 心配そうに送られた視線に応えるように。 ふわり。微笑みを返して]
広間、行こ? きっと、そろそろ準備も終わる頃だよ。
[飛鳥を促すように彼の手を引く。 本当は少しだけ、彼の雰囲気が苦手なのだけど。 同じ一族の血を持つ限り、無下にはしたくない。 飛鳥がもし嫌がったなら、謝罪し、手を離すつもりだ。
ホールへ降り立つと、次いで玲華の傍へ寄り広間へと誘う。]
(103) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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[二人が共に広間へと向かえば、三人でリビングを通り抜けて広間へ向かうだろう。 別れたならば、一人で広間へと向かう。
リビングを抜ける頃、台所と広間を行き来するブルーノ、優と>>69、見たことのない男性>>90が目に入るだろうか。 台所へ向かおうとする女性も居る。>>91 女性陣はいくらか年端が近いかもしれない。なんて思考がちらりと過る。
広間の大きなテーブルには、夕餉が並び始めていた。 だが、まだテーブルに腰を掛けているものは居ない。 恋奈もテーブルを前にして、台所へと視線を向ける。]
ご飯の準備、手伝った方がいいかな……?
[誰に当てるでもなく、問いを投げかけた。*]
(104) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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おう、そーだよ。おれは夕月優。 夕暮れの月に優しいって書いて、ゆたか。
[小さく片手を挙げて、青年に返事を返す。ブルーノに告げる名前>>79を聞いて、頭に刻み込むように口の中で名前を呼ぶ。 アスマ ケイイチ。けいちゃんとでも呼ぶかな、なんて考えて。]
酒に詳しいっつーか、石狩鍋は北の方の料理だろ。 じゃあ南より北の方が合いそうな気がしねぇ?ってテキトーな理由だよ。けーちゃんはイケるクチ?後で付き合えよ。楽しもうぜ?
[くいっとお猪口を煽るポーズをして、てらいなく笑う。 ケイイチの安心したと言う言葉>>90に軽く肩を竦めて苦笑した。]
まあ、おれら人間だからな。 人の血肉をもらわねーと、弱って早死にするだけで。 それ以外、けーちゃんと変わんねーよ。安心しろ。
[それよりも、彼は気付いているのだろうか? 夕月の者と契約を結べないとそのまま死ぬということ。 結んでも死んだはずの、戸籍の無い人間になるということ。 そのことは、どれほどの負担を彼らに強いるのだろう?]
(105) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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[広間へ誘われれば、先ほどの憂いを消してにっかりと笑う。]
おお、いーぜ。つっても、リビングの横だけどな。
[一度お盆を抱えなおして、並んで歩く。リビングから広間に続く所で、少女たち>>91とかち合い、おっと、と小さく声をあげた。 隣でケイイチが挨拶>>80すれば、自分も笑顔で声をかける。]
こんばんは。かーわいいねえ、おじょうちゃんたち。 名前聞いてもいい?あ、おれは夕月優。 夕暮れの月に優しいって書いて、ゆたか。
[(こんな小さい子も呼んだのかよあいつ。鬼か。悪魔だったわ) という悪態は心の中に留めることにした。]
(106) 2015/01/17(Sat) 16時半頃
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/* わし、このペースで二面性とか言っちゃってもうひとりの恋奈出せるのか?
(-49) 2015/01/17(Sat) 17時頃
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