160 東京村
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/* ひなこあいてにどろどろっとやっても無駄だな ラリっていったほうがいいな
(-28) 2015/06/08(Mon) 00時頃
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『開けてくれているよ』
[赤く塗った唇を三日月のようにわらわせて、顔にかかるほつれた髪を耳にかける。手首にはもちろん――…… 女の『さんかく』はゆめうつつのような声音で言う。 最初の『さんかく』は、女子高生の背を押して、次の『さんかく』についていくよう示した。]
(39) 2015/06/08(Mon) 00時頃
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――常世、ヤシロ、未来、読み……らしいで。 ほんまは常世闇夜……1054834やってんけどな いろいろ試しとるうちに……この有り様や。
[トコヤミ電話の語呂合わせ。 もっとも繋がりやすい番号からの派生。
絵里にあらましを話してみようと思ったのは、 気を紛らわせたかったからかもしれない。 時間が経つにつれて薄らいでいく絵里の興味が、 「そんなくだらないことを」と言ってくれているようで 実際、なかなか気は紛れた。]
……東口な。終わったらラーメンでも食おか。
[ここでの支払いは全額、石動の財布から出しておく。 大人の、男の、矜持をまもるために。
そしてふたりの足は、新宿駅東口へと向かった。*]
(40) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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ああ。来た来た……って。あれ?
[待ち合わせ場所の新宿駅東口でエリと連れの大人を待っている。けれど、現れたのが昨日話したばかりの石動であるのを見て、意外そうな顔を浮かべた]
エリちゃん、連れの大人って……石動さんの事?
[やはり何者かの意思か、偶然にしては出来過ぎている。 けれど、何かが核心に迫りつつあるという予感はあった。]
(41) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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とりあえず、次の場所は分かったわ。 「roooooot!」の時の謎の答えが目白の「たまらん屋」、 そこの謎についてのメモがこれ。
[先ほどのメモ>>26をエリに見せる。]
多分だけど…… ルミネエスト おくじょう うえこみ あ る い う って書かれてるみたい。
[次の場所はそこね、と告げた*]
(42) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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―twitterアカウント@ys_lougi―
[東口へと向かう道中、歩きスマホからの遣り取り。]
イスルギ @ys_lougi @--- 元妻さんが会いに来るって話……じゃなさそうか。相手がメリーさんなら、振り向くな。
イスルギ @ys_lougi >> @---(豊田のアカウント) DM:今、新宿に居る。僕も似たような事になってんねん。これからパラレル世界の力士探しに行くねんけど、終わったら飯でも食いに行かへんか?
(43) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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――新宿東口――
あれ? 待たせちゃった?
[支払いを持ってもらえたこととか、ついでに言えばケーキの後にラーメンは太るだとかなんとか言いつつ提案は嬉しかったこととかで機嫌も良くなって、歩みも遅くなったか。 先に真弓がついていたのに驚いて瞬く。]
うん? うん、そうだけど……え? 何? 知り合い?
[その瞬間までは、まだ偶然で済まされた。 いつ二人が知り合ったか、知らなかったから。 真弓と石動をそれぞれ交互に見て、戸惑いを隠せないまま様子を伺う。]
(44) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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[(>>39)行く先の導き手を幻のような女に受け渡されるまで、私を手招きしている男が見知らぬ人間だと気づかなかった。 だけどそこに問題は無いんだ。道を示してくれるんだから。 それに、みんな同じように星をつけていた。ミサンガの六芒星。 私はそれを頼りに、女についていく。]
(45) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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落ち着け。冷静になれ。
失踪。姿をくらまして行方が分からなくなること。 みつからないこと。消えてしまうこと。
頭の中にいくつかの『事件』が思い浮かぶ。
(-29) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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―新宿駅東口―
高円寺さん。ん?……知り合いなん?
[待ち合わせ場所に居たのは、真弓だった。 眼鏡の奥で目を瞬かせて少しばかり驚いた。 偶然が偶然を呼び、重なってゆく不思議さが故に。
絵里には、高円寺真弓が学生時代からの旧知で、 昨日偶然会ったばかりなのだと説明した。
そして彼女たちの応酬を傍から眺め ふむふむ口を噤んで頷いていた。]
屋上、植え込み……あ る い う?
[ともかく、屋上へ行ってみようかと。 きた道へ向き直りながら。]
(46) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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エーコ。 アイリス。
ネット上での出来事。
アルタ前のばらばら死体。 新宿駅の人身事故。 顔に傷のある女。 日本人離れした顔つきの男。
新宿。身近で起こったかもしれないこと。
離婚した元妻。
間違いなく、自分の身辺で起こったこと。
(-30) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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なにかが起こっている。 なにが起こっている? 関連性など殆どない、ただ人が消えたという話があるだけ。 いや、違う。 あまりに時期が重なりすぎている。
そしてもうひとつの共通点。
(-31) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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[やる気のない客引き。わざとらしい色合いの風俗店。 看板ばかりが明々としている。
スーツの男の、傘をさした女の、女子高生の手首に。 星。星。星。
無関係に歩いてると思われた通行人たちに、 星。星。星。
どこまでが『そう』でどこまでが『ちがう』のか、 本人たちにしかわからないのか、 本人たちもわかっていないのか。
入院患者が院内を散歩させられているのに似た足取り。 女子高生と女さんかくは、不思議と誰に止められることもなく、狭い路地へ狭い路地へと入っていく。
汚れでまっくろになった飲食店の入ったビルの裏の壁。 そこで女さんかくはとまった。 スチール扉を、幻みたいな女さんかくは開けてやり、女子高生の背を押した。>>45]
(47) 2015/06/08(Mon) 00時半頃
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都市伝説。
エーコ、アイリス……しっとブログ。 一部の人々から“不幸をおこすブログ”として噂されていたはず。
『新宿で人身事故だって〜 ミルフィ、調子いいね〜( ゚Д゚ノノ☆ 次は、誰かな? かな?』
(-32) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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日本人離れした顔つきの男。 きさらぎ駅。行くと帰ってこれないという都市伝説。 本人と思しきtwitterアカウントが似たようなツイート。
顔に傷のある女……アイリスの関係者? 日本人離れした顔つきの男と口論。
離婚した元妻。想像だが、俺と同じ?
(-33) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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関連性は本当にないと言い切れるのか。
本当に消えたのはこれだけか?
(-34) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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で、ええと、偶然? よかったね?
[自己紹介はいらなさそうだ。その点はよかったと思っておこう。 そして、次のメモを見せられれば、漢字の羅列。]
え、っと……
[これをどうやったら、ルミネエストと読めるのか。 頭の中にハテナマークを所狭しと並べて、紙を覗き込む。 あ る い う、は言ってみないとわからないのかもしれないと、来た道を戻る石動の後ろを追う。]
(48) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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Facebookの後輩のページを開く。 後輩は相変らず消えた同期生……あの中華料理屋で偶然出会った少女を探している。 連絡すると言ったはずだ。気にしすぎか?
(-35) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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……俺も、消えるのか?
(-36) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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[(>>47)押された背に私は疑問を感じることなく扉をくぐる。 混濁した記憶、喪失した記憶。今の私にはただ、「人の言うことにはおとなしく従う」というインプットされた行動指標のようなものに合わせている。 これがアイリスにつながる何かなんじゃないかっていうのは、かろうじて憶えてる。
憶えてる……? 私は、それ以外の何を憶えているんだろう。
とにかく、私は扉をくぐる。]
(49) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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[中は飲食店の厨房につながっていた。 くつくつと何かが煮える音。 厨房の明かりは蛍光灯。 魚のにおいが漂っている。 床は湿っている。家電製品が唸っている。 顰め面をした料理中の男が、壁に設えられた扉を指さす。]
(50) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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[扉を開き、下に降りると、がらんとした空間に出た。 安っぽいいくつかのドア達が並ぶ。 奥にエレベーターがひとつある。 エレベーター上の橙の明かりが、動いている。]
[エレベーターが、ぽん、と返事をした。 扉が左右に開いて、いかにもおいでと言っているかのよう。 人が居る。ボタンの前で指を構えている。]
(51) 2015/06/08(Mon) 01時頃
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[エレベーターの中の星をつけた腕はボタンを押した。 エレベーターは上階ではなく、下へ下へと向かう。]
[着いた先、物置か倉庫のような暗い空間にでる。 無表情は電気をつけ、倉庫の奥のほうへ進む。]
[倉庫の奥にあった品や棚を動かす。 丁寧に床の一部を剥がす。 その下から、四角形のワクと取手。]
(52) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[取手をひっぱり、四角形のワクを外す。 中から梯子が出てきた。]
[梯子を降りると冷たい空間に出る。暗い。 木の囲い。先は長い。闇の向こうには僅かな明かり。]
[歩き続け、明かりの元に出る。 車が通れる暗いの広さ。大量の管が通っている。 遠くで「おうい」と呼ぶ声がこだまになって聞こえる。]
[音の響きをたどって進む。 誰かいる。また、扉の前で待っている。 扉を開く、道を進む…]
(53) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[扉を開く。道を進む。階段を降りる。]
[階段を降りる。さんかくと。星をたよりに。進む。]
[扉を開く。進む。背を押されるまま。]
[道を進む。進み続ける。]
[扉。道。階段。]
[道。階段。扉。扉。道。]
[通路。通路。]
[通路。]
[音。]
(54) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[――音楽が聞こえてきた。]
(55) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[ むすんで ]
[ ひらいて ]
[ てをうって ]
[ むすんで** ]
(56) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[得体の知れない焦燥感があった。だが、それでもトヨタは立ち止まる。 駅の構内を出口へ向かって歩いていく1組の男と少女。その少女の側にトヨタは見覚えがあった。]
……ひなこちゃん?
[勿論普段なら気にも留めなかっただろう。だが、少女のただならぬ様子と『何かが起こっているのではないか』という根拠のない恐怖感が、普段は絶対にしない行いをトヨタにさせた。 ゆっくりと、彼らの後を尾行する。自分でもその理由はわからない。こんなことをしている場合ではない気がした。だが、それならどうする? 商店街を抜け、街の隙間のような路地をくぐり、2人の背中を追いかけて歩く。 やがて街の裏側とでもいうべき薄汚れたビルの壁が並ぶ場所へ辿り着いて……そこで2人を見失った。]
[目の前には無機質な鉄の扉。 気のせいか、周囲から沢山の視線を感じる気がする。]
(57) 2015/06/08(Mon) 01時半頃
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[『さんかく』達はみていた。 『さんかく』を追った男を見ていた。 さかしたひなこと接触した最初のさんかくであるよれたスーツの男は、渋谷のどこかで丸めた体を前後に揺すりながら『追いかけられている』と繰り返している。
『追いかける』は 『追いかけなきゃいけない』理由になり得る。>>3:259
ダビデの星々の目は相手を見張ることに決めた。 ダビデの星々は互い囁きあい、連絡をとりあっている。>>57]
(58) 2015/06/08(Mon) 02時頃
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[完全に見失ってしまった。 けれど、知らない建物の扉を勝手に開けることまではトヨタにはできなかった。 違う。 見られているのだ。 ……扉に手をかければ、取り返しのつかないことになる気がする。
《相手がメリーさんなら、振り向くな。》 twitterで石動が警告する。振り向くな。振り向くと、どうなる? 元妻は振り向いたのだろうか。そうしてどうなったのだろう。 “元のお話”にその続きは存在しない。無数にある“派生形”は、そのどれもが悪戯に恐怖を煽る形で結ばれている。] ] [振り向く。なにも起こらない。見ているのはメリーさんではない。そこにはまだ、なにもいない。]
トヨタさん DM @toyoyota5 >> @ys_lougi こちらは渋谷。商店街の裏側を探索中。パラレル世界の力士探しって……一体なにを。食事は歓迎。
(59) 2015/06/08(Mon) 02時頃
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