173 冷たい校舎村 番外【突発R18 半身内】
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─ そして、現実へ ─
「お兄ー、……うわ、寒ッ!」
[聞きなれた騒々しい声で、目が覚めた。 ベッドの上で、身体を起こす。 寝ていた筈なのに、どこか遠い場所に行ってでもいたような倦怠感が身体中に残っていた。 ノックも何もなく、自室の戸を開いて侵入してきた妹が、眉間に皺を寄せている。]
「……ちょっと。お兄、窓、開いてるよ。 この寒いのに、なんで開けてんの?」
[怪訝な顔で窓へ視線をやる妹につられるようにして、そちらを見る。 言われた通りに窓が開いていて、首を傾げた。 寒いわけだ。 どうして開けたんだったか、そんなことを思って窓枠に手をかけつつも、不意に外を眺める。
空は、曇り。 重たく暗い、──星のない夜。]
(19) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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[ぱちん、と何かが頭の奥で繋がったように、唐突に全てを思い出す。 現実と、あの世界での出来事を組み合わせて。そうして、]
………ッ、
[「え、何」と、驚いたような妹の様子にも構わずに、携帯を手にした。 差出人、藤舎明夜。そのメールを開いて、内容を確認する。 悪い、その他のメールや着信は、後で確認させてほしい。 真っ先に指が辿ったのは、ひとつの電話番号。
御崎かがりの、番号だった。
コール音、数回。彼に繋がることを期待したわけでは、きっとない。 この小さな音を、誰かが拾って。そして、彼を見つけてはくれないか。 暫く待った後に、繋がらないそれを諦める。 代わりに、もうひとつの番号を呼び出す。 あの、今となっては幻めいた雪の朝にも、そこに電話をかけた。>>0:27]
(20) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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── 先生、
[今度は、きちんと繋がった。 相手の反応なんて待たずに、電話の向こうの大人を呼ぶ。 その声が、思ったよりも切羽詰ったように響いたことに自分でも驚く。 向こうで、教室が増えても、友人を模した罅割れたマネキンを見ても。 血溜まりの中に佇んでいてさえ、こんな風に声が揺らぐことはなかったのに。
ああ、聞いておけばよかった、と思う。 帰った先で、彼を、誰に見つけてもらえばいいのかを。 これが、お前の望むことじゃなかったら、ごめん。そう、心の中で謝る。]
(21) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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御崎の。 御崎かがりの、……誰でもいいです。 誰でもいいから、身内のどなたかに、連絡を取れませんか。
[先生、あいつはひとり暮らしだったでしょう。 誰かに、今、様子を見に行ってもらえませんか。 彼がひとりで住んでいるというアパートの場所を、知らない。 だから、せめて。 咄嗟に頭に浮かべた自分たちの担任へと、事情なんて一切説明しないままそう頼み込む。
今更、助けられるとは、思っていない。 あの世界を閉じたのは、御崎かがりだ。彼はもう、帰ってはこない。]
(22) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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[ただ、こんな寒い冬の夜に。 星明りさえも、ない夜に。 彼がひとり、どこかで凍えてゆくのかと思ったら、たまらなかった。 自分が、どうしようもなかった。
そんな、やっぱり身勝手な思いから繋げた願いは、果たして聞き届けられたかどうか*]
(23) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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/* 鳩からやったら見出し忘れた……!orz
読み込み甘い(涙のせいで)まま書いたので、余計なあれだったり齟齬ってたらごめんなさい……! 一応、担任が取り合ってくれずに連絡とらなかった→朝まで御崎放置とかの可能性も残したつもりですが、檜山視点動かざるを得なくて……。 というか藤舎のことの連絡もきているんだろう?か? それどころじゃないかも担任。すまん。
(-56) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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/* あとちょっとしたら箱前に戻ります**
(-57) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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/* 檜山が連絡入れてくれたの嬉しくて泣ける
(-58) kazue 2015/11/11(Wed) 20時半頃
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/* ただいま。
>御崎 余計なことだったらごめん!と思いつつも、暗い夜にひとりで死んでいく誰かって予想外に檜山のトラウマ踏み抜かれて……(エピってから気づいた) 上手くおにーさんに連絡が行けばいいのかなと思いますが、そのへんは担任次第?という感じで一応ぼかしておいたので……!><
(-59) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 21時頃
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――病院ロビー―― [一六の手が離れていく感覚(>>9)に、ゆっくりと顔を上げた。 扉が開いている。 どうなったんだろう、と問いかける前に、出てきた看護師さんと一六が話す声(>>10)が聞こえてきた。 くるりと振り返り笑顔を向ける一六に、…も笑みを返す。 それじゃあ、彼女は、帰ってきたのか。]
よかった……
[やっぱり友人の帰還は嬉しいもので、それが自ら命を断とうとした彼女なら、尚更。]
(24) xcocoaxtk 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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[喜びに浸る間もなく、彼女は帰ってしまうようで(>>11)。 その前の少し不穏な会話と、力なく笑う様子が気になった。]
あ……ひめこ、また、学校で
[同い年の筈だけれど、何故だか守ってあげなくてはいけない気がする女の子。 こうして帰ってきて再会できたのだから、心配する必要はないのかもしれないけれど。 なんとなく、再会を約束するような言葉を投げかけた。*]
(25) xcocoaxtk 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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[「でも、藤舎が戻ってきたなら、どっちが向こうに残るんだろーな。」 隣で同じく藤舎の無事を喜んでいた榛名が、ぽつりと零したひとことに、一気に現実へと引き戻される。 世界の主が帰ってきて、皆仲良く長生きしました。 そんな都合の良い話では、ないのだ。 藤舎が戻ってきたということは、残るは御崎と、]
ひよいち……
[ぎゅう、と、喉が締まるような心地がした。 結局、残ると言い張る彼を説得することはできなかった。 誰にも死んでほしくないのだと、その気持ちが痛いほどわかってしまったから。 彼は、帰って来ないのだろうか。 また、大事な人を、踏みとどまらせることができずに。 失ってしまうのだろうか。*]
(26) xcocoaxtk 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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/* はるゆーどこまで知ってるんだ?と思いつつ都合よく使ってごめんなさい……
(-60) xcocoaxtk 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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[電話を切ってすぐに、残りのメールと着信履歴を確認する。 榛名から、いくつかの着信が入っていた。>>3:+13 少しの間隔をあけて入っているそれに、どうしよう、と青ざめながら電話をかける彼の表情が思い浮かぶ。 続けて、遠野からのメール。 藤舎について問うメール>>3:+9の、少し後に、もう1通。>>3:+14 きっと、榛名と連絡が取れた後のものだろう。 そこに記された文面を目にしてからの、動きは早かった。 『俺も行く』と短いメールを遠野へ返す。 服はきっと、部屋着の古いTシャツにジーンズ、その上にダウンジャケットを羽織っただけ。
そうして、自転車の鍵とスマホだけを手に、部屋を出ようとした時だった。 背後から、さっきの自分と変わらない程、切羽詰るような声で呼ばれた。]
「──お兄!」
[振り返る。 どこか不安げな、泣き出しそうな妹が其処に立っていた。 咄嗟に息が詰まったのは、それが、あの日によく似ていたせいかもしれない。>>4:59]
(27) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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[どこ行くの、とその唇が動く。声が、震えていた。]
──ごめん、大丈夫だから。 少し、友だちのところに、行ってくる。
[早口にそれだけを告げれば、友だちって、と妹の表情が更に歪む。 「それだけじゃ分かんない」と首を振る姿を見て、思う。
この年になっても兄とよく喋りたがる、口は悪いけれど素直な妹。>>0:318 その理由を、知っている。 妹は、あの日から、よく学校での出来事を喋るようになった。
あのねぇ、今日は、こんなことあったんだ。 ねえ。お兄もなんか面白い話、ないの?
話題を強請るその表情が、他愛のない雑談の中に不安の種を見つけるたびに心配そうに揺れること。 ──とても大切に思われていることを、知っている。]
(28) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 21時半頃
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大丈夫。帰ってくる。
[今度の返事は、はっきりと。 言い聞かせるかのように、しっかりと妹を見据えて伝えた。
大丈夫。お前がこの家にいて待っていてくれる限りは、ちゃんと帰ってくる。 いつかこの子が、大切な誰かを見つけてこの家を出ていく時までは。 その声で「お兄」と一言呼ばれたなら、何処にいたって、きちんと帰ってこようと思った。]
……心配かけて、ごめん。
[歩み寄って、その小さな頭を一度だけ、撫でる。 俯く顔を見て、やっぱり素直で可愛らしいよな、と柔い笑みが浮かんだ。 幸せになるべきだ。兄の欲目を覗いたって、そう思う。 そうして、あ、と微かに声を零す。 ごめん、あのさ。 呼びかけて、少し場違いなお願いをひとつ、零した*]
(29) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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─ →病院へ ─
[家の車庫に置いてある、黒い自転車を引っ張り出す。 それに乗る間際、再び携帯を取り出した。 遠野のメールよりも後、届いていたもう1通のメールを開く。>>5:+32 返信ボタンを押して、短い文面を作成する。
それだけを送信したら、ポケットへと携帯を戻す。 その一瞬、携帯を仕舞い込んだ指先に、かさついたものが当たる。
先程、妹に頼んで、再び分けてもらった絆創膏。 数枚綴りのそれは、──あの無残に罅割れたマネキンにも、幸福そうに笑んだマネキンの傷跡にも、きっと到底足りやしない。 それでも、持ってこないではいられなかった。
──ばかだなぁ、いいんちょ。 ──ひよいちってば。そんなの、いらないのに。 そんな風に笑われるなら、それでもいいと、そう思う。
冷える夜の風さえ厭わずに、自転車に飛び乗った。 あとはもう、病院へと、夜の道をただ急ぐだけ*]
(30) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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To:一六 こひめ From:檜山 陽一 Sub:Re; ─────────────
ごめん。今、帰った。
皆、何処にいる? 俺も、今から病院に行く。
---END---
(31) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* メールこれで全部ですよね……? 見落としてないよね……?(不安
(-61) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* ぴょこん! りっくんへのお返事どうしようか悩み中。 とりあえず俺も発言をふぁぼ連打しておきます。
(-62) rei0x0 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* ひょこー! ふよふよ眺めつつ ひやまーーーー連絡つくといいなあ 発見どうすれば……と思っていました あとはるなはかわいい(頷き)
(-63) nabe 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* 財布持ってくの忘れた。まあ使わない…か。
(-64) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* 必要なら誰かに借りれば良いと思う し たぶん今使うことないのでは……?飲み物買うくらいしか
(-65) nabe 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* こひめお金ないから貸せないよ?
(-66) hatum 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* そうなんだよ、一六が外追い出されてたし金なさそうだから、暖かい飲み物を……。 と思ったけど、自転車で帰るならむしろ邪魔か。 うん、問題ない。たぶん!
(-67) Maki_hinata 2015/11/11(Wed) 22時頃
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[手に握っていたスマホから メールの着信音
開いて中を見てみれば>>31]
……っ
[涙があふれて]
あ、あれぇ…
[理由がわからず戸惑って その場にしゃがみ込んで]
(32) hatum 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* ひめちゃんから借りたお金で飲み物買い与える檜山想像してじわじわきた そういうことじゃない 雛子お財布持ってるよ たぶんみんなのアイドルはるなくんも持ってるよ
(-68) nabe 2015/11/11(Wed) 22時頃
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メイク落ちちゃうよぅ かわいくなくなっちゃうよぅ いいんちょのばかぁ…
…おかえりぃ
[汚れるのも構わず 袖で拭いながら ゆっくり、ゆっくり返信を打って
送信ボタンを押した*]
(33) hatum 2015/11/11(Wed) 22時頃
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―――――――――― To:いいんちょ Title:おかえりぃヾ(*≧д≦)ノ
本文:わかんなぁい たぶんみんなびょーいんかなぁ?
こひめはびょーいん出入り禁止だから 帰ろうとしてお外いるぅ
――――――――――
(34) hatum 2015/11/11(Wed) 22時頃
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/* そういうことだった……
(-69) nabe 2015/11/11(Wed) 22時頃
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