181 アイスソード伝記
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───。
[そのまま、オーレリアが考えている間に少年は、ぱっ と空へと手を広げた。首が動き少女の顔はいっとき、かつてよりも長く伸びた少年の手指へと向けられて、また、少年の瞳へと戻される。
海へ! と足早に言葉を次ぐ少年は、 今にもかけだして行きそうに、 海を見たいのだと願いを並べた。]
(49) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[手を空へ伸ばしている少年の声はよく伸びて、ここからどこへでもいけそうだった。城壁も何もかもを飛び越えて、どこまででも。]
……、
[促され、口を開き、肩に柄を乗せる恰好で抱いた木剣に視線を意味もなく向けてから、向けられた少年の笑みを表情にとぼしい少女はぱちぱちと目を瞬かせた。]
(50) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[そうして、迷うようにオーレリアが口を開いて閉じる間に、、ばたり。と少年が倒れこみ、その拍子に驚いたか、背中側へと座る娘の背中がややも傾いだ。]
───、あ。はい。では、お水をおもちしますね。
[我侭にこっくりと頷いてその場から立ち上がると調理場の勝手口へコップを借りに足を向けた。]
(51) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[それから。
やがてそう時をおかずなみなみと井戸水をコップへ注ぎ戻った娘は、少年の手へ器を持たせ、]
[ただ。そのまま、手を引かずに、 剣の娘は、少しの間、動きを止めた。]
……
(52) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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…… サイラスぼっちゃまが、 ずっとおちいさなころのことです。
オーレリアは、ねているぼっちゃまに、 指をつかまれたことがありました。
(53) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[ふいに昔の話を口にした娘の視線は、どうやら、剣を握っていた手に落ちるようだった。]
指の一本をつかむのがやっとの ほんとうにちいさな手で それでもしっかりとにぎっていて
あんまりちいさすぎるものでしたから はずそうとするのもなんだかおそろしくて。
…… どうしてよいかわからなくなり たすけをもとめたブルーノさまに、 わらわれてしまいました。
(54) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[水をもって歩く合間に考えてきたのか、確かめるような口調で、よく晴れた空の青を映す透明な水から、少年の瞳へと少女は顔を上げた。]
ぼっちゃまは、そのときからくらべて。 ずいぶん、おおきくおなりになりました。
[普段からあまり抑揚のつかない声は、常と同じに淡々と、──常と同じに、氷の下をささやかに流れる感情を伴って続いた。]
ヒトの成長というのは、 私には、とてもふしぎです。
(55) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[そういう剣の娘は、まだ手を添えていたコップから、そうっと手を離すと、ゆるやかにその青い瞳をまたたき首をほんの少し横へ傾けた。 言葉の間が開き、白金の髪が肩に乗せられてたわむ。]
ぼっちゃまは、剣の扱いでも、 じきに背でもオーレリアをおいぬくでしょう。
[主さまも先代さまも背が高くていらっしゃいます。と娘は続けて、 ですが。と先を続けた。]
うみ、というものはひろくておおきくて けれど船をひとのみにするような おおきなばけものがいるとも 商人の方々から、私はききました。
(56) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[商人たちの間で飛び交う噂話を聞きかじり得た知識を、あくまでも真面目な顔で口にして、ですから。と胸元に手を添えた。]
オーレリアは、いつか、サイラスぼっちゃまが 海にゆくときには、お供します。
(57) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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──まだ主となる前の彼に そういったとき、
(*22) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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私は。 私自身の心持ちすら まるで理解をしてはいませんでした。
(*23) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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──どんなところへでも、お供します。 何があってもおまもりします。
(58) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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そう口にする言葉が、
すでに自身の望みなのだということにすらです。
(*24) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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[ウィリディス。緑の園の名に相応しい生き生きと草木が陽射しを受ける中庭で、剣の娘は、とん。と請け負うように誇るように胸を叩いてみせた。]
レリィは、ウィリデのオーレリアですから**
[温かな日差しに、白皙の頬を、口許を 微かに、けれど確かに綻ばせて*、]
(59) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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そのときの私は、ほんとうに、 なにひとつわかっていませんでした。
あるいは、望みを抱く という心持ちそのものを はっきりと理解していなかったのかもしれません。
(*25) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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なぜなら、心から尽くせる主の下に暮らし、 自らの存在を疑うこともなく、 必要とされ、それに応えることができる
そんな恵まれた幸福の最中に 私はいたからです。
(*26) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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願いが、望みがそれとわからないのは。
自分がいま、まさに 満ち足りた夢そのもののような 幸福の最中にいるからだ、と
そんな、とても単純なことにすら、──*私は*
(*27) 2016/01/21(Thu) 21時半頃
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あ、…───レリィ?
[地面に仰向けにひっくり返っていた少年は、 やがて水を持って来てくれた娘の姿に身体を起こした。 コップを受け取らんとして伸ばした手の動きが止まる。
水を差し出そうとして動きを止めた娘に倣うようにして、 動きを止めた少年の空色の瞳が彼女>>52へと向けられた。]
(60) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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[そうして語られるのは、昔の話。 サイラス自身が覚えてもいない、古い話だ。
ちいさな手が。と言われて、 何となくコップを掴む手へと視線が向いた。 ほっそりとした娘の指がコップへと添えられている。 それに伸ばした自分の手は、未だちいさい。
小さいけれども決してひ弱な細い手指ではなく、 やがて父のように厚く大きな手になるだろうと──… 彼女がそう言うように、少年自身もそう信じていた。]
(61) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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[変わらないのは。
ふと、思う。 彼女がヒトを不思議という響きに映すようにして。
ヒトの変化をオーレリアは不思議という。 けれど人にしてみれば、変わらない彼女こそが不思議だ。 不思議だと思うと同時、心に落ちるものがある。
それはささやかな欠片であり、 その時それは心の隅を僅かに撫で、音もなく流れ落ちた───]
(*28) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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[手に、コップの重みが加わった。 彼女の手が離れたを知り、手が緩やかに引き戻される。 けれど視線はそこに落ちることなく、 僅か傾けられた剣の娘の顔へ真っ直ぐと向けられたまま>>56]
…────。 うん。
[語られる、その言葉に。 どこか誇らしげに「ウィリデ」のオーレリアを名乗る、その声に。 少年もほんの僅かに背筋を逸らして、胸を張った。 彼の耳にはそれが彼女の夢に───誇りに聞こえた。
淡く胸のうちを満たし行くものがある。 暖かく溢れ、少年の頬に笑みを浮かべさせるそれは、 言葉にすれば誇らしさ…主たらんとする誇らしさと、喜びであったろう。]
(62) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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連れて行く!
[だからそれだけ、誓いのようにきっぱりと口にした。 そうして一気にコップの水を飲み干した。 剣を振るった疲れは今や爽やかに身体を熱で満たして、 喉を駆け下りる水の冷たさに、少年はまた楽しげに*笑った*]
(63) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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水よ映せよ 鏡の如きその水底に かつて栄えし 夢の姿を
暁よ 時を照らせ 夢の在り処を 光のままに知らしめよ 夢と昼の狭間に 我はただ立ち尽くすのみ
─── 無名詩歌集 第1集「アルビオン」より抜粋
(64) 2016/01/22(Fri) 00時頃
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■西暦962年
秋、ブルーノ・ウィリデ病没す。享年54歳。
サイラス・ウィリデ、ウィリデ家督を相続。 歴代最も若い「オーレリア」の主の誕生である。
(65) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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[西暦962年。 この年は、やや雨が長引く年となった。 夏に長引いた雨は麦を痩せさせたが、 ウィリデの蓄えを尽きさせる程のものにはならず、 総じて、人々の暮らしは穏やかなままに過ぎた。
新しいウィリディス領主は、若干15歳の若者である。 むしろこの話題の方が、領民の顔を案じ顔に曇らせた年であった。]
(66) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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これよりウィリデ家当主サイラス・ウィリデが、
アイスソード「オーレリア」の新たなる主となる───
[家督相続に続いてなされた宣言は、 172年前に、ウィリデ城広間でなされた宣言にも良く似ている。 ただ今、開かれた両開きの扉の奥に立つのは、 逞しい領主アルフレッドではなく、 未だ少年の面影を残した新たなる領主サイラスの姿であった。
サイラスは剣の姿を取ったオーレリアの柄を握り、示す。 その姿に、広間に集った者らは視線と頭を下げた。 それらを見渡すサイラスの表情は、どこか硬い。]
(67) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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… レリィ、オーレリア。
聞こえるか……?
[密やかな音は、確かめるように空気を震わせずに落とされた。 く。と、一度、柄を握る手が握り直される。 表に出さぬよう努めている緊張と不安が、 ここにはどうしても、滲んでしまうようであった。]
(-4) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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これから、よろしく
… 頼む。
[頼りにしているから、と。 続けかけた弱音のような不安は、 それでもどうにか、音ならぬ音にも零さぬままに]
(-5) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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[ふと、柔らかな日差しが窓から広間へと降り注いだ。 かつて濃い緑色だった絨毯は、今は深い青色をしている。 その上に、光が波のように淡くたゆたった。
サイラスは深く息を吐いて、剣の握りをそっと解いた。 光が柔らかに揺らぎ、剣が少女の姿へと変わる。
見慣れた姿を目にした若き当主の空色の瞳に、 漸く微かな安堵の色が浮かんだ*]
(68) 2016/01/22(Fri) 01時頃
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これからの暮らしを期待するには 新しい領主さまはお若すぎたのです
あと10年、いえ、あと5年の後であれば
若様の御世も安泰だと のんきに鼻歌でもうたっていられたでしょうに
─── ウィリディス伝聞書「領民の生活」より抜粋
(69) 2016/01/22(Fri) 01時半頃
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