278 冷たい校舎村8
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[ どうやったらあの世界に戻れるのか。 友達が死ぬのを防ぐとこが出来るのか。 ぐるぐると、永遠に同じことを考える。
だれかおれから正気を奪ってほしい。 って、郁斗は切実に思う。 言ってることはすでに支離滅裂でも。 ]
……おれさあ、何も出来なかった。
[ とめどなく流れ落ちた言葉は それを最後に一旦止まる。
せっかく自分を呼んでくれた友達に 喜多仲郁斗は手を伸ばせなかった。 ]*
(+90) 2020/06/22(Mon) 22時頃
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―― 現在:病院前 ――
僕は油断しきってたな……。
[ ヒヤヒヤしていたという阿東はやはり委員長だと思う。 誠香はというと、寝起きですっかり油断していた。 油断していなかったら、入った教室の扉は、 閉めなかったと思う。 それで回避できたかというと甚だ疑問だけれども ]
(+91) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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そうだよなあ。 人はどんどん減ってくのに、 校舎はどんどん増築してたし。 あれからまた増えたのかな。
[ 寂しそう、という感想に同意した。 残っているのは紫織意外だと怜と辰美と連城。 冗談で思い浮かべた逆ハーレム、 ほんとに実現しちゃったよ、なんて誠香は思う。 男子3人に囲まれて説得される紫織。 いじめてるように見えないか少し絵面が心配ですね ]
(+92) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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褒めてんのに。
[ 笑ってしまったら、なんだか阿東は不本意そうだった。 委員長はこんな時でも委員長なんだなあ、と 感心と安心とちょっとおかしかったのと。 茶化したつもりはなかったので 素直に褒め言葉と受け取ってほしい ]
クラスメイトのこと、いちいち嘘ついてるんじゃないか なんて疑うやつの方がやだよ。 仕方ないって。 ……そもそも、無自覚だったんなら、 しおちゃんだって嘘ついたつもりなんて なかったのかもしれないし。 [ 紫織が嘘をつく癖があることを 誠香はよくわかっていない。 なにしろいまだに辰美と紫織が付き合っていたと 信じているくらいですので ]
(+93) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[ 連城の名前がでて、ああ、と誠香は頷いた ]
僕も連城とそういう話したよ。 その時に、あー、連城は違うなーって思った。
[ 夏美に似たマネキンの前で、確かそんな話をした。 遠い昔みたいに感じる。 確かあの時、辰美が夏美にかける布を 取りに行ってくれて……なんて思い返していたところ、 突然怜の名前が出てきて、 ちょっと不意打ちを食らってしまう ]
あー、氷室ともそういう話したんだよ。 お互い、あんな殊勝な遺書は書かないな、で 意見が一致してさ。 仲はいいよ。今絶賛喧嘩中だけどな!
[ 無駄に胸を張っておいた ]
(+94) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[ 胸を張ってはみたものの、 きっと心配したと言われてしまっては、 ちょっとしおしおとしてしまう。 正論だ。ドのつく正論だ。 誠香だって見つけるたびに心配したし落ち込んだ ]
……そうだよなあ。 あっちにいる間は、マネキンに代わったらどうなるか、 誰もわからなかったんだし。 帰れるっていうのも希望的観測だったし。 心配、させたよな。きっと。
[ 先に帰られたら「抜け駆けした」って 苦情を言ってもいい。>>4:458 辰美とそんな約束もしたんだった。 ジュース賭けようって言わなくてよかった ]
(+95) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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うん。そーする。
[ 気にしすぎない。>>+73 できるかどうかはわからないけど、努力はします ]
(+96) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[ 食い気味で念を押したのは念のためです。
少しくすぐったそうな顔に見える阿東に、 してたよ、と誠香は言葉を重ねた ]
そりゃびびるよ。わけわかんなかったし。 でも、寝る場所の段取りとかさ、 ごはんをここのんが作ってくれたりさ、 なんとなくまとまりみたいなのが出たのって、 阿東とここのんがいてくれたからだと思うし。
やりたくてやったことでも、 やってもらった方はお礼を言うもんなの! 助かった! ……あと、実をいうと 今までちょっとだけ阿東のこと苦手だった。ごめん!
[ どさくさで謝りました。 あの校舎で最後に謝りまくったので、 ちょっとハードルが下がっていたのかもしれません ]
(+97) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[ でもやっぱり少し、決まりが悪かったので ]
辰美が頼りになりそう。 連城は情に訴えるかなあ。 氷室は……なんかちょっと心配。
[ 阿東と目を合わさずにそんな予想をしつつ、 病院に足を踏み入れ……ようとして。
ふと、振り返った。 まだ、帰ってこないのかな。 頭をよぎったのはそんなこと ]
(+98) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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阿東、先行ってていいよ。 僕、少しだけここで待ってる。
[ あの校舎で3日目の朝を迎えたのに、 こちらでは大した時間はたっていなかったようだった。 それなら、4人がもうすぐ帰ってきたり しないだろうか。 そんなことを思ったので* ]
(+99) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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──現在/病院前──
……福住って意外と肝座ってんな。
[ 礼一郎はずっと怖かったよ! 誰かがあんな人形になるのもいやで、 だけど、現実に帰れないのもやだった。
駄々っ子みたいにあれもいやこれもいやって、 ぶるぶる震えながら過ごしていたもんで……、 いや、これは大げさな言い方だった。]
(+100) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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また増えてんのかなあ。 俺、全部は全然見れてなくて、 最後に部室棟? が増えてんの気づいて、 見に行けなかったなあって思った気がする。
[ 男子3人に囲まれる葉野紫織。>>+92 いやあ、あいつらデカいからな。 氷室はさておき、他ふたり。 デカいから囲まれたら迫力あるだろうな。 可哀相に、礼一郎や福住を追い出すからだ。]
(+101) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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褒められてる気がしねえ。
……そうだよな。 ほんとに、忘れてたのかもしんないし。
[ 礼一郎も、葉野の悪癖なんて知らない。>>+93 冗談のセンスがないってことは知ってるけど、 常習的なものなんて知らずに、同調する。]
うん、俺と話したときも、 ソーマ、自分は大丈夫だって言ってた。
[ 礼一郎はそれがうれしかったんだよね。 少しだけ気分が浮上する話。 続く言葉も、礼一郎にとってはそう。>>+94]
(+102) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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……へえ。 言われてみりゃ、確かになあ。 俺、全然そんなこと言ってやれなかった。 レイは、おまえは違うって言ってくれたのにさ。
……福住、ほんとよく見てるよな。 だからあいつが一緒にいるんだろうけど。
[ 寄ってくる女は俺の顔しか見てない! なんて、 あたりまえのように言ってた氷室を知ってるから、 礼一郎はなんだかちょっとうれしい。微笑む。が、]
(+103) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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……て、は? 喧嘩してんの? ンなことで胸張んな。マジかよ。
そのテンションで言えるんなら、 ハイハイ当事者でがんばれ。 ……って感じはするけど。
[ 心配の種が増えたって、 礼一郎はちょっと苦い顔をしている。
あいつ、あいつなあ……って、 氷室のほうの過去の所業を思い出して呻いた。
もちろん悪いやつじゃないけど、 すげえ良い友だちだと思ってるけど、 見ててハラハラするとこあるよね、氷室って。]
(+104) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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ま、友だちだからな。 だから、福住が無事に帰ってるだけでさ、 あいつらよかったーって言うよ、たぶん。
[ そりゃ心配はするでしょう。って、 礼一郎は責めるんでもなく微笑んでいた。>>+95]
(+105) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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飯、うまかったよなあ。
[ って、礼一郎はそっと話を逸らす。 照れるじゃないですか。というか、 ほんとに礼一郎、あんまり仕事してないです(笑)
とはいえ、過ぎる謙遜は鬱陶しいよな。 それなら、「 どーいたしまして 」って言って、 言ったんだけど、カミングアウトが急すぎる。>>+97]
(+106) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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……あーーー、 もしかしたらそうなのかなって、 ちょっとだけ、ちょっとだけど思ってた。
でも、人の好き嫌いなんてさ、 誰にでもあるもんだし、謝んなよ。 つーか、俺が気づかないうちに、 なんかしてたのかなって……、
[ そうならごめんなって、 礼一郎は先回りするように謝って、 それから、穏やかな口調で尋ねる。]
それもさ、 詳しくは聞かないほうがいい話?
(+107) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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[ 別に、無理強いするわけじゃないからねって、 流れてく話題にはしっかりと乗っかった。>>+98]
ユキもソーマもレイも、 友達思いの良いやつだし、 やさしいし、頭がいいし、大丈夫。
……だと思うけど、 まあ、レイが心配なのはわかる。
[ 同調するようにうなずきながら、 礼一郎はいつしか福住を追い抜いていた。]
(+108) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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そ? わかった。 冷えねえうちに中入れよ。
[ 体調崩すと元も子もないぞ。 ……とは、さすがに言わなかったけど。 ひらりと手を振って、ひとり足を進めた。*]
(+109) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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──現在/病院──
[ 明るい。
外から見ていたのより、 ずっと明るい建物の中に足を進める。
履きなれたスニーカーは、 別に足音をうるさく立てるでもないけど、 そこがあまりにしんと静かな空間だから、 礼一郎の歩みは少し、慎重になってしまう。]
(+110) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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[ 明るい空間に、何名かの友人がいる。 礼一郎はそれをちらりと見ながら、 椅子に座るのはなんだか気が引けて、 邪魔にならない場所に立つことを選ぶ。
立っている友人のもとへ、>>+83 静かな歩調で歩み寄っていって、]
(+111) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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……綿津見は座んなくていいの?
[ とっさに適切な挨拶が見つからず、 こんばんはも何もなく、礼一郎は声をかけた。
こんばんはおかえりただいま。 どれもなんかちょっとしっくりこなくてさ。
なんでもないことのように尋ねて、 「 もう結構待ってる? 」って、 友人の状況を気にするようにさらに質問を重ねた。*]
(+112) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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―― 現在:病院前 ――
寝起きだったからだよ!
[ 肝座ってんな。>>+100 褒められたけど、実情はそんなものじゃない。 そういうことにしておけばいいのに、正直に白状した。 緊張しながら朝ごはん食べるなんて美味しくないし。 その結果一口かじっただけで朝ごはん終了したけど ]
僕は6階までと、あと地下は見たけど、 体育館が増えたらしいっていうのは見てないな。
[ 見に行った方がよかったのかなあ、と誠香は思う。 天井や壁のインクの意味が分からなくて、 ただ閉口しただけだったけれど、 そういえば、紫織はCG研だった。 チラシのデザイン、アドバイス貰ったじゃないか。 インクと縁のあるのは、紫織だった ]
(+113) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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褒めてるって! ナチュラルにフォローとか 気遣いの言葉が出るってこと。 委員長だなって思っただけだよ。
[ 褒められてる気がしなかったらしいので、 解説を添えた。 誠香はこんな嘘はつかない。 もっと取り返しのつかない嘘はついてるけど。 そんな誠香に、紫織を嘘つきと責めたりなんて できるわけもない ]
連城はほんといいやつだよなー……。
[ 自分は大丈夫だと言ってた、という連城の話に、 誠香はそんな感想をこぼす。 そう、連城は情に厚くて健全な空気が出ていて、 だから誠香だってさらっと聞けたのだった ]
(+114) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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[ 怜との関係を褒められるのは、 なんだか妙にむずむずする。 なんというか、阿東に裏がなく、 純粋に褒めてくれている感じがするのが分かるから、 余計に。 そんな大層なものじゃないのになあ、と思うわけで ]
んー……氷室は、向こうから僕に聞いてきたんだよ。 校舎の様子がおかしいってなって、割とすぐくらいに。 氷室は結構最初の頃から、あのメールの送り主を 探そうとしてたから。
別にそんな大層なことしてないよ。 ふつーに友達付き合いしてるだけ。 友達なんだから当たり前じゃん。
[ 謙遜でもなんでもなく誠香はそう言ったけど、 続く言葉で阿東の顔を曇らせてしまった。 ごめんなさい。とは正直思ってない ]
(+115) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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大丈夫。悪いのは氷室だから。 帰ってきたらがっつり罵倒して 説教するって決めてるから。
[ 堂々と言い放った。 なにしろこっちには辰美という強い味方がいるので、 負ける気がしない。
しかし、喧嘩の件と誠香が心配をかけたって話は 別の話なので、そこは申し訳ないなと思う ]
他人事みたいに言ってるけど、阿東もだからな? きっと阿東のことも心配してるよ。
[ まさか泣かせてしまったとまでは想像してないですが。 お互い罪作りですね ]
(+116) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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[ 絶妙のタイミングで さりげなくカミングアウトしたつもりだったけれど、 やっぱりさらっと流れるなんてことはなかった。 しかも気づかれていた。 誠香はとてもばつが悪い ]
あー……気づいてたんだ。 いや、好き嫌いとかそういう問題じゃないし、 阿東に落ち度は全くないんだ、ほんとに。
[ 詳しく聞かない方がいいか、と気遣われて、 少し躊躇って、けれど結局首を横に振った ]
(+117) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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……僕さ、おにーちゃんがいたんだよ。 うん、いたんだ。過去形な。 すっごく仲良くてさ。 でも、3年前に、……事故、でさ。
なんとなく、阿東と雰囲気が似てたんだ。 そんな気がしたんだ。 だからさ……思い出しちゃうから、苦手だった。
けど、勘違いだったかも! なんか今日は、あんまり似てる気がしないし!
[ ちゃんと話せた。 兄の話はずっとクラスメイトの前では封印してたけど、 ちゃんと話せた ]
(+118) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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[ とっとと話題を変えようと、少々強引に変えた流れにも 阿東はちゃんと乗ってくれた。 そして、同意されてしまった ]
……だよな……。 時々強引で馬鹿だから心配だよ……。
[ 校舎内時間で昨夜から、友人への暴言が止まらない。 信じているけど。 そんなことを考えたから、振り返ったのかもしれない ]
ありがと。大丈夫だよ。
[ 冷えないうちに、という言葉に頷いて、 一足先に中に入っていく阿東に手を振った* ]
(+119) 2020/06/23(Tue) 00時頃
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