82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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[やがて攻芸とチアキが去ってゆけば、ケヴィンの隣に立ち、手を振った。 もう片手は、おそらく、ケヴィンの腕を掴んでいたろう。]
……いつでも、歓迎するよ。
あ。 お土産も待ってるから。
[お土産があったところで、触れることすらできないのだが、何となく、楽しげな声色でそんなことを付け加えた。]
(+90) 2013/05/18(Sat) 02時頃
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そう。 … よかった。
ボクたちは、どこまで一緒に行こう。 ドリー。
[どれだけ繰り返し確認しても、 ドリベルに赦されても。
愛しい人を自らの不運に引き込み 死出の旅路にまで伴ってしまった自分を 心の底から赦せる日は来ないだろう。
悔いる気持ちは無い。それでも。
ドリベルの手の強さに、胸が熱くなる。 泣きたいくらいに。**]
(+91) 2013/05/18(Sat) 02時頃
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[応えには、頷きを。]
……ずっといます。一緒に。
[取った手の甲に誓うように口付けを落として。
チアキ達が出てこれば、 元気でね、と言い添えて。 彼らが立ち去るまで見送っただろう。**]
(+92) 2013/05/18(Sat) 02時半頃
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………。
[掴まれた腕を解いて、握り直す。 手を繋いだ形になって。 自宅は再び、二人だけの空間へと戻った。]
……兄さん。
[力を込めて、兄の手を握る。]
(+93) 2013/05/18(Sat) 03時頃
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あ。
[腕を解かれると、一瞬だけ眉が下がったが、すぐ手を握り直され、今度は笑みの形となる。]
……なに?
[静かな、他に誰もいない空間に響く弟の声に、問いかける。]
(+94) 2013/05/18(Sat) 03時頃
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………俺、さ。
[言い難そうに、少し俯いて。]
………ラーマになろうと、思ってるよ。
[それが何を意味するのか… わかっていながらも、呟いた。
握る手の力は、強く、強く**]
(+95) 2013/05/18(Sat) 03時半頃
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…………。
[弟の告白を、静かに聞く。]
……そう。
それが、おまえの選んだ道なら……。
[握られた手、こちらからも強く、握り返す。 それが弟の選択ならば……止める権利など、あるはずがない。 彼ならきっと、素晴らしいラーマとなることができる。]
……………。
[暫しの沈黙の後、無言のまま、微かに頷く。
ただ、弟の顔を見ることは、まだ少しできなかった**]
(+96) 2013/05/18(Sat) 03時半頃
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[どこまでも一緒に。
この曖昧模糊とした永遠の世界では それが言葉の通り、 途方も無い時間の共有を刺すことは明白。
誓いのキスに、肯いて。 同じように、ドリベルの手の甲へキスを。
屋内から出てくる隣家の二人へと視線を向け、 にわかに湧いた忌まわしい予感から目を背け、 ただただ彼らの健やかなる日々を願う。
うん。どうか元気で。
ドリベルの声に重ねるよう、言葉添えて。]
(+97) 2013/05/18(Sat) 09時頃
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[ホレーショーとケヴィンが外へ出てきたようなら、 そろそろ一度戻るということを告げるつもりだが。 長く出てこないようなら取り込み中だろうと、 中をわざわざ覗きはしなかったろう。
まだ死んで間もないし、 あまり長居をするのも申し訳ない。 それに、また会えるのだから。]
……トレイルさん?
[ホレーショーの家から戻る途中。 一人で歩く姿を見つけ。 その手に持たれたシーツに、向かう先を知った。]
(+98) 2013/05/18(Sat) 09時半頃
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― 自宅へと戻って。 ―
[ふらり、と再開した逍遥。 自然と足が向くのは、住み慣れた我が家。
トレイルが戸口を潜るのを見つけて(>>218) その後を静かに追って歩いた。
門前を通りがかった斜向かいの男が この家の住人たちの死を トレイルに伝える様子も見た。]
寝てるだけだって書いたのに。 バレたか。
[隠しおおせるとは微塵も思っていなかったが。 気恥ずかしそうに、肩を竦ませて。]
(+99) 2013/05/18(Sat) 09時半頃
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[静まり返った部屋に響く、 トレイルの相変わらずな明るく柔らかな声。
同じ頃に村を訪れ、修行に励み、 年の近さもあって何かと接点は多かった。 なんとなく、負けたくない相手でもあった。
それでも、男の人生において、 躊躇いなく友と呼べるのは、トレイル一人。 もし。もしも誰かに背を預ける日が来るなら、 その相手はトレイルしか居なかっただろうと 今なら、思える。
嘘つきだと罵り涙する友の背を見つめ、 試しに、彼と背中合わせにして立ってみる。
背後の他人の気配は煩わしくて嫌いだったが こうしてみると、心強さを感じる。 生きているうちにこうしてみれば良かった、と。 思えば少し、悲しくなった。]
(+100) 2013/05/18(Sat) 09時半頃
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……シーツ、届けにきてくれたんですね。
[結局取りに行けなかった。 わざわざ持ってきてくれたトレイルに、 お礼を言わないといけない。]
……わざわざ来て下さって… …ありがとうございます。
[中へと入るトレイルへかけるのは、 聞こえないとわかっていても、 出迎えと感謝の言葉。]
(+101) 2013/05/18(Sat) 10時頃
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[兄の表情を伺う。 横顔が、寂しそうに見えた。 当然だ、俺だって寂しい。だけど。]
……病に皆、苦しんで、悲しんで。 ライマーもラーマも減っただろう。 なのに、黒玉病のせいで、ラーマになれない者もいる。
[そしてこれからも減るのだろうという予感がある。ラーマが足りなくなるであろう未来が見えた。]
……兄さんと離れたくは、ないよ。
でも、皆が辛い思いをしてるのに… まだ、俺に出来ることがあるのに。 それを放棄して、安穏と眠るのは。
例えアメノマが許しても、俺が俺を、許せない。
(+102) 2013/05/18(Sat) 10時頃
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[そこまで言って、ふっと表情が弱くなる。]
……死んでみて、どうやら永遠の別れじゃないと思えたから、決められたこと。だから……俺のわがままだけど。兄さんには、見守りながら、待っててほしいんだ。
手のかかる弟で申し訳ないが。
[離すのが、惜しい手。 否と返事があれば、きっと、離せなくなる。]
多分、長くは待たせない。 美術館にでも飾られない限りはな。
[そして兄の返事を待って、その表情を伺った**]
(+103) 2013/05/18(Sat) 10時頃
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……なかなか様になってますね…。
[背中合わせに立つ二人を見て呟く。 これで互いのラーマを手にして…と、 そんな光景が実現することはないけれど。 あったかもしれない未来の光景を、 目に焼き付けるように。
それから、俯き涙を零すトレイルに 近づいて髪をそっと撫でる。 実際は透けてしまうので、気持ちだけ。 撫でられたことは幾度もあったけれど、 こうして撫でるのは初めてだったなと。
どんな反応を返してくれただろうか。 一度やっておけばよかったかもしれない。]
(+104) 2013/05/18(Sat) 10時頃
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[トレイルを見送って、 しばらくは静かな時を過ごす。 窓をすり抜けて窺う陽気は穏やかで。]
……そういえば、とっておきの場所。 …連れていってくれるん……ですよね?
[一度は果たせなかった約束は、 まだ枕元に残っている。]
(+105) 2013/05/18(Sat) 12時頃
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[顔は上げられぬまま、弟の話を、ただ黙って聞いていた。 繋いだ手の指先には、白むほどに力が篭もる。
漸く、口を開けるまで、どれくらいの時間を要したろう。]
……恥ずかしい話だけど。
私は、おまえが死んだ時。 ともに逝けることを嬉しく思ってしまった。 けれどおまえは、黒玉病で逝ったわけではなかったから……もしかしたら、ラーマとなってしまうのではと思って……。 それが、すごく……いやだった。 何故、共鳴で死んでくれなかったのかと……考えた。
[自嘲を浮かべながら、ぽつぽつと語る。 指先は、微かに震えていたかもしれない。]
……ひどい、身勝手な兄だと思うかな……。
(+106) 2013/05/18(Sat) 12時半頃
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……けれどね。 おまえの口から、さっき、その言葉を聞いた時、何故か不思議なくらい、すんなりと受け止めることができた。
勿論、辛い、寂しい……。 離れたくなんか、ない、けれど……。
けれど、おまえの話を聞いて、よく分かった。 そうだな、おまえが、この状況を放っておけるわけがない。 おまは昔から、やさしくて……。 いつの間にか、私より大きくなってしまっても……それでもずっと、真っ直ぐなままで……。
[声が震え、涙が零れそうになる。 脳裏に思い描くのは、幼い頃の、内気だった弟の姿。 いつも自分の後をついて回っていた、泣き虫な少年。
今ではすっかり、逞しい男となったその顔を、愛おしげに見つめ。 頬にそっと、手を伸ばす。]
(+107) 2013/05/18(Sat) 12時半頃
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だから私は、おまえを好きになったんだ。
[真っ直ぐに見つめ、笑う。 笑った拍子に、溜まっていた涙がぼろりと零れてしまったけれど。]
おまえはいつまでも、私の自慢の弟で……。 誰より愛しい……恋人だ。
[ほんの少しだけ高い、弟の肩。 そこに、ゆっくりと凭れかかり]
………行っておいで。
私は、ここで待っている。 次に会える時まで、ここで、ずっとおまえを見守っている。
それにおまえなら、私の姿が見えなくても……きっと、感じ取ってはくれるだろう?
(+108) 2013/05/18(Sat) 12時半頃
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…………。
少しだけ、時間が有限になってしまったな……。
[弟がラーマとして転生するのは、半年後か、一年後か……もっと早いか、遅いのか。 そこは、弟の意志と、アメノマの恩恵に依るのだろうけれど。 猶予は、まだ残されている。
だからせめて、それまでは……**]
(+109) 2013/05/18(Sat) 12時半頃
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[丁寧に整えられた寝台。
目立たない縫い跡の残るシーツ。 きっと寝心地は最高だろう。
部屋を去るトレイルに笑顔で応える。]
ありがとう。トレイル。 … ありがとう。
[彼が撫でた箇所をなぞるように 皺ひとつなく敷かれたシーツを撫でる。
そこは少し、温かい気がした。]
(+110) 2013/05/18(Sat) 13時頃
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[それぞれにトレイルとの別れの時間を過ごし、 静寂の中を並んで佇んでいただろう。
穏やかな陽射しの中に在る我が家は 昨日までと何一つ変わらないのに、 そこはもう自分たちの空間ではないのだと どこか余所余所しく感じた。 実際、黒石と成り果て砕けた二人分の肉体は 既にこの家には無い。
寂寥を振り払い、向き直す。外へと向かって。]
うん。他にも、ドリーの行きたい場所があれば。 どこへでも行ける。
[ドリベルの手を握り、行こう。 途中、村の中で生者の面々と擦れ違いながら。]
(+111) 2013/05/18(Sat) 13時頃
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…エルもちゃんと考えてください……ね。
[自分も考えるように、と釘をさし。
村の中を歩けば、 獣との争いで壊れた場所を修繕する姿も見られ。 生者達の逞しさを知る。
…住む者がいなくなったあの家も、 いつか壊されるか、別の者が住むのかもしれない。]
……エルはその場所…いつ見つけたんですか?
[ふらりと出かける水浴びも、そこで行っていたのなら。 自分がサミュエルのラーマになった時には すでに見つけていた計算。]
(+112) 2013/05/18(Sat) 13時半頃
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[兄の言葉に、ゆっくりと首を横に振る。>>+106
生きられないなら、せめて共に逝けるのは幸福だと、 自分も思ってしまったから。
さすがに、死因が違うことに対する不満までは思い至っていなかったけれど、その話を聞いても、兄を責める気にはなれない。逆の立場なら、もしかしたら考えていたかもしれないのだから。]
…………。
[兄の言葉を、黙って聞く。>>+107
いつの間にか、背も年齢も追い抜いてしまった自分。 年齢が少し下がっているのは、元の年齢差に戻りたいと、兄に甘えられる弟でありたいと、無意識に思っていたから。]
(+113) 2013/05/18(Sat) 14時半頃
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ごめんな……ありがとう。
[手を伸ばし返し、零れ落ちた涙を指の腹で拭う。>>+108
辛い思いを押し殺して、それでも笑ってくれる兄。 我儘を言っても、最後には許してくれる兄。 そんな優しい兄が、昔からずっと、好きだった。]
……必ず会える。 永遠は、ここにしかないのだから。
姿が見えなくても、声が聞こえなくても。 心は、常に、傍にある。
(+114) 2013/05/18(Sat) 14時半頃
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……腕一本と、腹だからな。 時間はかかるだろう。
[損傷箇所は少なくない。 長く過ごすのは、手が離せなくなって困りそうな。 かといって、短く過ごすのは、寂しい。
だから猶予は天にまかせる事にして。]
戻るまでは、ずっと、一緒に。
[顔を寄せて囁き、誓いの約束をするように、 口づけを落とす**]
(+115) 2013/05/18(Sat) 14時半頃
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ボクは、ドリーと一緒なら どこでどうしたって幸せだからね。
[すれ違う人達の顔を何気なく眺め、 彼らの表情に悼みが見えると目を逸らした。
ほんの数日で、ずいぶん変わった。 仕事や戦闘で命を落とす者が出た時は、 その勇敢さを讃えて見送れるだけの 戦う者たちの覚悟と強さがあったと思う。
不意打ちに訪れた厄災に蹂躙されて 無力に奪い去られる時は、 どんなに強い者も打ち拉がれるのか。
これも死してはじめて知ったこと。]
(+116) 2013/05/18(Sat) 15時頃
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この村に来てすぐ後。 森が好きで。 … ひとりでよく散歩した。
[村人たちとの穏やかな日々の営みに慣れず、 修行の合間に森に入っていた頃。
そんな話を、ぽつぽつと。]
(+117) 2013/05/18(Sat) 15時頃
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……それ…僕も同じように返したら…どうするんです。
[その時はその時で、 目的もなしに歩いて行くのも楽しいのだろうが。
少しずつ村の中心から離れながら、 耳にするのはまだ出会う前の話。
サミュエルがどこから来たかも知らない。 すべてをもらったと言ったけれど、 過去まで踏み込んでいいものかと逡巡し。 返す相槌は曖昧なものとなったろう。]
(+118) 2013/05/18(Sat) 15時半頃
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どうしよう。 考えてなかった。
[とは言え目的のない旅に出るのも 悪くないかもしれないと考える。 ずっとこの村を見つめるのも良いけれど、 広い世界を見て回るのも楽しそうだ。
村外れを流れる川を、 源流に向かって遡って歩く。 踏み均された道と呼べるものが消えて、 木々の隙間の苔生した地面が広がる。 その上を、のんびりと。
昔話はこちらも曖昧に頷き、終わる。 もうすっかりただの過去だ。現に残した過去。 とは言え、訊かれなければ語らない。 それはきっとずっと変わらない。]
(+119) 2013/05/18(Sat) 16時頃
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